2018年4月分ツイート(-5日): 17 (民法17)

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2018年4月5日(7)

法定債権19,20/ 554,555/ 事実的因果関係は,具体的加害者(被告)の行為(conduct=C)が具体的被害者(原告)の損害(damage=D)を現実惹起した,という事実平面における関係(事実により立証可能なもの)。Cは外界に変化を生じさせたものでなければならず,#規範的判断を前提とする事実_含まない。Dも損害=#事実説における損害たること要。
[平井『債権各論Ⅱ不法行為』初版(1992年)82頁-83頁参照。事実的因果関係の意義]

/ CとD間に,もしCなかったならば,D生じなかったであろう(#あれなければこれなし公式)という関係が存在すると認められるならば,原則,事実的因果関係存在。もし過失なかったならば損害生じなかったであろうと問うことは,過失が規範的概念である以上,事実的因果関係の問題でなく,過失(行為義務)の程度問題。
[平井・同書83頁参照。事実的因果関係の存在が認められる場合(あれなけばこれなし公式,法的判断枠組み)]

法定債権18/ 553/ A過失の交通事故後,被害者治療した医師Bの過失で被害拡大の場合,Aの加害行為と全損害とに事実的因果関係あるが,Bの加害行為と一部損害とにはない。ただ,その部分を確定困難(#損害一体型,民法719条項後段類推)。医師の行為と因果関係なき損害,立証されれば,その部分,責任なし(保護範囲外,#寄与度減責)。
[内田『民法Ⅱ』3版540,535頁参照。事故+医療過誤型の共同不法行為(損害一体型,民法の719条1項後段類推適用)における賠償額の減額のしくみ(法的判断枠組み)]

法定債権17/ 552/ 損害一体型では,因果関係が全損害に及ぶとの民法719条1項後段の推定は及びつつ(事実的因果関係あり),#保護範囲ないし,その範囲内の損害に対する寄与度が損害全額にまでは及ばない場合あり。当該加害行為が損害発生に寄与した割合の限度で賠償義務を負うとの原理(#寄与度減責,帰責性の原理)が働く場面。
[・内田『民法Ⅱ』3版538,447頁参照。共同不法行為(損害一体型,民法719条1項後段類推適用)において,寄与の度合いが明らかに著しく小さい加害者がいる場合の理論構成(法的判断枠組み)]

法定債権16/ 551/ 損害の金銭的評価(「金〇〇円」)は,#事実確定ではなく評価作用。事実的因果関係と異なる性質。
保護範囲のような規範的判断(法律論)とも別。具体的金額決定は,#規範適用でなく_個別的・具体的事案での裁判官の創造的・裁量的判断。①諸般の事情参酌し算定,②算定根拠表示不要,③立証責任観念入らない。
[・平井『債権各論Ⅱ不法行為』初版(1992年)129頁-130頁参照。損害の金銭的評価の性質]

法定債権15/ 550/ 保護範囲は,故意不法行為では,原則,#事実的因果関係ある損害はすべて賠償さるべきだが,異常な事態介入の結果生じた損害は除く。過失不法行為では,加害者がある損害を回避する義務,すなわち損害回避義務(過失判断の基準となる行為義務)の及ぶ射程距離(#義務射程)内あると判断されるかにより画定される。
[・内田『民法Ⅱ』3版431頁,平井『債権各論Ⅱ不法行為』初版(1992年)110頁,参照。不法行為による損害賠償の範囲についての法的判断枠組み]

法定債権14/ 549/ #被害者の心因的素因により損害が発生・拡大した場合,民法722条2項類推適用可能か。
過失相殺の趣旨は,#損害発生に寄与した被害者側の事情を考慮し損害の公平分担を図る点にあるから,心因的素因という被害者側の事情による損害拡大についても斟酌し公平を図るべき。同条項類推適用による賠償額減額可。
[『司法試験合格のための 論証集&答案構成ノート』法学書院(2011年)85頁-86頁参照。民法722条2項(過失相殺規定)の趣旨]


2018年4月4日(6)
法定債権13/ 548/ 損害賠償の範囲は,①#賠償請求される損害が加害行為と事実的因果関係に立つか判断し(事実認定),肯定されるなら,②#事実的因果関係に立つ損害のうちどこまでが保護範囲に含まれるか判断し(法律解釈とその適用),含まれるべきと規範的判断が下されれば,③#保護範囲内の損害につき金銭的評価(裁量的判断)。
[平井『債権各論Ⅱ不法行為』初版110頁(内田『民法Ⅱ』3版390頁)参照。法的判断枠組み(平井理論)]

法定債権12/ 547/ 権利利益侵害によって被害者に生じた損害の加害者への転嫁(帰責)のために,行為と権利利益侵害の間,権利利益侵害(侵害損害)とつづく損害(後続損害)の間に,因果関係要。民法709条「故意又は過失によって」(#責任設定的因果関係),「これによって生じた」(責任範囲の因果関係,#責任充足的因果関係)に該当。
[四宮『不法行為(事務管理・不当利得・不法行為 中・下巻)』403頁-404頁参照。不法行為の因果関係(学説)]

法定債権10,11/ 545,546/ 取引的不法行為(手形の偽造行為等)の場合,「事業の執行について」(民法715条1項)とは,#行為の外形からみて被用者の職務の範囲内の行為に属するものとみられる場合をいう(外形標準説)。もっとも, 相手方の信頼を保護するものなので,相手方が職務範囲外であることに悪意・重過失ある場合は適用されない。
[『趣旨規範ハンドブック』6版157(大連判大15・10・13,最判昭42・11・2)参照。法的判断枠組み(大前提)]

/事実的不法行為中,危険物型(自動車事故等)の場合,判例は外形標準説によるが,外形に対する信頼は問題とならないから妥当でない。この場合は,#報償責任の原理から_使用者の支配領域内の危険か否かを基準とすべき。
暴行型の場合は,#報償責任の原理から_事業の執行行為との密接関連性ある場合に限るべき。
[法的判断枠組み]

法定債権9/ 544/ 「ある事業のために他人を使用する」(民法715条1項)とは,#使用者・被用者間に実質的指揮監督関係あればよく,雇用_委任等の契約当事者に限られない。#営利_有償_継続性不要。
ピラミッド型階層的組織の頂点に立つ暴力団組長は,下部組織構成員を直接間接指揮監督し資金獲得させているので,上記関係あり。
[『趣旨規範ハンドブック』6版156頁(最判平16・11・12)参照。条文解釈]

法定債権8/ 543/ 責任無能力の未成年者の親権者は,#直接的監視下にない子の行動につき_人身に危険が及ばないよう注意・行動するよう日頃から指導監督義務あり。通常は人身に危険が及ぶびえない行為でたまたま人身損害が発生した場合,#当該行為を具体的に予見可能など特別な事情なき限り,監督義務不履行とすべきでない。
[『趣旨規範ハンドブック』6版155頁(最判平27・4・9)参照。どういう場合に、未成年者の監督義務を尽くしていなかったとすべきか]

 

2018年4月3日(2)
相続8/ 542/ 特定遺贈は,原則,受遺者の相続分を変更せず遺贈を確実にし,他の共同相続人の相続分にも変更を来さない(中立的遺贈)。共同相続人中に遺贈を受けた特別受益者があるとき,法定相続分(900条)や指定相続分(902条)のルールで算定した相続分から,その特定遺贈価額を控除した残額が,その者の,#具体的相続分額。
[内田『民法Ⅳ』補訂版381頁-383頁,T29(34(3)時系列④),参照。条文制度]

債権総論15/ 541/ 借地上建物の賃借人と土地賃貸人間に直接の契約関係はないが,#土地賃借権が消滅するときは_建物賃借人は土地賃貸人に対し_賃借建物から退去し土地を明け渡すべき義務を負う法律関係にあり,建物賃借人は,敷地の地代を弁済し,敷地の賃借権の消滅を防止する法律上の利益(利害関係,民法474条2項参照)あり。
[最判昭63・7・1判時1287-63(『判例プラクティス民法Ⅱ』〔115〕),T29(21イ),参照。借地上建物の賃借人は,第三者弁済における「利害関係」を有するか]

2018年4月2日(2)
法定債権7/ 540/ #いやしくも人の生命・健康を管理すべき業務(医業)に従事する者は,その業務の性質に照らし,#危険防止のため実験上必要とされる最善の注意義務を要求される。その基準は,#診療当時のいわゆる臨床医学の実践における医療水準。当該医療機関の性格,所在地域の医療環境の特性等,諸般の事情を考慮し決する。
[『事例から民法を考える』〔18〕304頁(最判昭36・2・16民集15-2-244等,最判昭57・3・30判時1039-66,最判平7・6・9民集49-6-1499等)参照。医師の負う注意義務についての法的判断枠組み(大前提)]

担保物権4/ 539/ 抵当権設定登記後に,抵当不動産所有者の占有権原設定に競売手続妨害目的があり,交換価値実現が妨げられ優先弁済請求権行使が困難なとき,抵当権者は,占有者に,#抵当権に基づく妨害排除請求可。所有者に不動産の適切維持管理が期待できないなら,抵当権者は,占有者に,#直接自己への不動産明渡しを請求可。
[最判平17・3・10民集59-2-356(『判例プラクティス民法Ⅰ』〔340〕),T28(7エ),参照。抵当権に基づく妨害排除請求権]