ミニマム法律学

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2018年9月分ツイート75: 論述19(民法8,商法10,要件事実1);判例48(憲法1;民法16,会社法17,民訴法2,倒産法7,刑法5);問題8(行政法1;会社法4,民訴法1,要件事実2)

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2018年9月(25日-30日)分ツイート20:論述4(商法3,要件事実1);判例8(会社法7,民訴法1);問題8(行政法1;会社法4,民訴法1,要件事実2)

2018年9月30日(判例1)
民訴訟判例2/ 最判平3・12・17参照:#相殺の抗弁は新訴提起に匹敵する実質を有し,審理の重複を生ずるし,その判断に既判力が生ずるため(民訴法114条2項),その矛盾抵触のおそれもある。#もっとも_あくまで防御手段として提出されるので_とり上げられるか否かは未必的。判例は,#別訴先行抗弁後行型につき,同条類推適用。
[司法協会『民事訴訟法講義案』再訂補訂版91頁(民集45-9-1435)参照]


2018年9月29日(論述1;問題3)
民訴法問題1/ 民訴法R30③Q1:A,Cは甲市内に住所。Bは個人タクシー事業者,乙市内に住所兼営業所。Aは,乙市内でB運転のタクシーに客として乗車,C運転自動車と衝突。#BがAを被告とし150万円を超える債務の不存在確認訴訟を提起し_係属後_AがB_Cを被告として提起する損害賠償請求訴訟が適法とする立論。併合請求の管轄。
[平成29年司法試験問題と出題趣旨,民事系第3問設問1参照。重複起訴禁止、共同訴訟の一般的要件、主観的追加的併合、確認の利益など。]

要件事実問題2/ 新問研第1問:請求の趣旨:#被告は_原告に対し_2000万円を支払え。訴訟物:売買契約に基づく代金支払請求権 1個。請求原因:(1)#原告は_被告に対し_平23年3月3日_甲土地を代金2000万円で売った。(2)よって書き。認否:請求原因は否認する(売買契約の積極否認,代金が折り合わなかったためという理由付否認)。
[『新問題研究 要件事実』2頁-16頁参照]

要件事実19/ 742/ 民法555条(#冒頭規定)を解釈すれば,売買代金債権の発生に必要な要件(請求原因)は,「#財産権」(目的物)の移転およびその対価たる「#代金支払」(代金額または代金額の決定方法)についての各合意,#すなわち売買契約の成立だけ。代金債務の履行期限の合意は,契約の成立要件(請求原因)ではなく,相手方抗弁。
[『新問題研究 要件事実』9頁-11頁参照]

要件事実問題1/ 新問研第1問:X:私は,平23年3月3日に,先祖代々所有していた甲土地を,Yに売り,同日引き渡した。代金2000万円,支払日は同年4月3日。ところが,Yは代金を支払わないので,その支払を求めます。Y:甲土地売買代金が折り合いませんでした。また,甲土地は,Xが,叔父Aから贈与されたものと聞いている。 要件事実等?
[『新問題研究 要件事実』1頁参照]


2018年9月27日(論述1;判例3;問題3)
行政法問題1/ ロー演習行政法第5問Q1:①本件事業計画決定の処分性? 施行区域内の土地所有者は,土地区画整理法76条1項,140条等による権利制限等を伴いながら将来の仮換地指定や換地処分を受けるべき地位に立つ(成熟性あり)。②認められる場合も,仮換地指定取消訴訟で事業計画決定の違法を主張できるか(違法性の承継)?
[石森久広『ロースクール演習行政法』〔第5問〕設問1(最大判平20・9・10民集62-8-2029など)参照]

会社法問題4/ 商法R27②Q1:㈱甲:A代表取締役,B,C取締役,発行済株式総数8万株,A4万株,B1万株保有,取締役会設置会社。洋菓子部門B担当,首都圏が商圏。B:関西地方の洋菓子製造販売業社㈱乙の発行済株式90%取得,顧問として陣頭指揮,甲社洋菓子工場長Eを乙社に引き抜き⇒甲社売上げに損害。Bの甲社に対する損害賠償責任?
[平成27年司法試験問題と出題趣旨,民事系第2問設問1参照。乙社事業執行につき,競業取引(会社法356条1項1号・365条)による損害賠償責任(423条1項。2項による損害の推定。因果関係。その他の損害(関西進出のための市場調査費)),E引抜きによる損害の賠償責任(423条,忠実義務(355条)違反)。]

会社法126/ 741/ 「特別利害関係を有する株主」(会社法831条1項3号)は,#当該議案成立により他株主と共通しない特殊な利益を獲得しまたは不利益を免れる株主。「行使したことによって」とは,その者が議決権を行使していなかったら決議されていないこと。「著しく不当」とは,#その者以外の者に著しい不利益を生じること。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版265頁参照]

会社法判例17/ 最判平8・11・12参照:#株主総会に出席する株主に対し合理的な理由のない限り_同一の取扱いをするべき。議事進行妨害のおそれをもって,従業員株主を他株主より先に入場させ前列に着席させる措置の合理的理由に当たるとは解し得ない。もっとも,本件では具体的に株主の権利行使が妨げられたとはいえない。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版265頁,『会社法判例百選』初版〔44〕判旨(判時1598-152),参照]

会社法判例16/ 東京高判昭61・2・19参照:株主からの事前質問状に対し株式会社が重複する質問などを一括回答することは,説明義務(会社法314条)違反か? 直ちに違法とはならない。明文上説明方法は規定されておらず,#株式会社は株主が会議の目的事項を合理的に判断するのに客観的に必要な範囲の説明をすれば足りるから。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版265頁参照]

会社法問題3/ 即効本民事系商法U2:X社は,定時株主総会で決議すること等の決定のため,取締役会招集。①名目的取締役Dへ招集通知を欠いたが_ABCDEF取締役6人全員出席。②代表取締役Aの解任決議(#Aは反対の議決を投じた)。③剰余金配当の決議,可否同数で,議長Aが反対をして否決と扱われた。この取締役会決議の効力如何?
[『基本から合格答案を即効で書けるようになる本』民事系〔商法U2〕参照]

会社法判例15/ 最判昭44・3・28参照:#代表取締役の解職に関する取締役会決議につき_当該代表取締役は特別利害関係人に当たる。その者が取締役会決議に参加した決議には瑕疵があり(会社法369条2項),無効。公正な決議が期待できないから。#特別利害関係人たる取締役は_決議につき意見陳述権なく_議長ならば権限を失う。
[『基本から合格答案を即効で書けるようになる本』民事系116頁参照]


2018年9月26日(論述2;判例4;問題2)
会社法問題2/ 商法R15①:①㈱A代表取締役Bが㈱Cの監査役兼任:A社がC社のD銀行からの借入10億円保証,②㈱A取締役Eが㈱Fの発行済株式総数70%保有:A社がF社のG銀行からの借入1000万円保証,③ホテル経営㈱A取締役Hが,ホテル経営・不動産事業を行う㈱Iの代表取締役として不動産事業取引のみ担当;#A社取締役会決議必要か?
[平成14年度旧司法試験第二次試験論文式試験問題と出題趣旨,参照。多額の借財(会社法362条4項2号)。利益相反取引・競業取引(356条1項1号3号・365条)。]

会社法問題1/ 商法R14①:㈱Aは㈱Bの総株主の議決権60%保有。A社存続会社,B社消滅会社として合併(会社法749条以下)予定。吸収分割消滅株式会社の株主総会決議(783条1項)前後で,#合併比率不当を訴える株主の手段? 差止め,株式買取請求権,事後開示(791条),組織再編無効の訴え,決議取消事由との関係,429条1項責任追及。
[平成14年度旧司法試験第二次試験論文式試験問題と出題趣旨,『LEGAL QUEST 会社法』3版414頁,404頁,427頁-30頁,等(辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版342頁(東京高判平2・1・31),『会社法判例百選』2版〔90〕)参照]

会社法125/ 740/ 説明義務(会社法314条)範囲:#株主が株主総会の目的たる事項の合理的な理解・判断をするために客観的に必要と認められる事項。程度:決議事項の内容,質問事項との関連の程度,説明内容,質問株主保有資料等を総合考慮し,#平均的株主が議決権行使の前提として合理的な理解・判断をなし得る状態か,総合判断。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版264頁参照。R23予備,25②]

会社法124/ 739/ #取締役等の説明義務(会社法314条)の例外:a.株主総会の目的事項に関しないもの,b.株主の共同利益を著しく害する場合,c.調査を要する場合(施行規則71条①),会社等の権利を害する場合(②),実質的に同一事項の説明を求めるもの(③),正当理由ある場合(④)。#右義務違反は決議方法の法令違反(831条1項1号)。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版264頁参照。R23予備,25②]

会社法判例14/ 最判昭45・11・16参照:#株主総会決議無効確認の訴えの無効事由として主張されていた瑕疵が_取消事由に該当し,かつ,#その訴えが決議取消しの訴えの原告適格もみたし_提訴期間経過前に提起されていた場合,決議取消しの訴えが,提訴期間の関係で,当該決議無効確認の訴え提起時に提起されていたと扱われる。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版262頁,『会社法判例百選』2版〔45〕判旨(民集33-7-709),参照]

会社法判例13/ 最判昭51・12・24参照:提訴期間(『株主総会等の決議の日から3か月以内』)経過後の取消事由追加の可否:株主総会決議取消しの訴えを提起した後,会社法831条1項所定の期間経過後に新たな取消事由を追加することは許されない。#決議の効力を早期に確定_法的安定性を図るという831条1項の趣旨に反するから。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版262頁参照]

会社法判例12/ 最判昭42・9・28参照:他の株主に対する招集手続の瑕疵についても訴えを提起できるか? 肯定すべき。#株主総会決議取消しの訴えは株主総会決議の公正を確保するためのものであって,株主個人の利益のみの保護を目的とするものではないから。もし当該株主の出席あらば,#決議の結果が変わったかもしれない。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版261頁,『会社法判例百選』2版81頁右欄(大隅健一郎編『株主総会』1969年545頁(今井宏)),参照。⇔株主は,全株主のために任務を負う取締役と異なる(鈴木竹雄)。]

会社法判例11/ 最判昭43・11・1参照:株主は代理人によって議決権行使できるが(会社法310条),定款により代理人資格を制限可能か? #合理的理由による相当程度の制限であれば認められると解する。株主総会が,総会屋などの株主以外の第三者によるかく乱の防止要だから。定款=相当程度の制限⇒職員・従業員,弁護士等除く。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版258頁-259頁参照]

 

 

2018年9月(1日-25日)分ツイート: 論述15(民法8,商法7),判例40(憲法1;民法16,会社法10,民訴法1,倒産法7;刑法5)

2018年9月(21日-25日)分ツイート: 論述7(会社法7),判例12(会社法10,倒産法2)

2018年9月24日(論述5)
会社法123/ 738/ 代表取締役は株式会社を代表する取締役(会社法47条1項),1人でもよい。氏名・住所は登記事項。取締役会により選定・解職(362条2項3号)。欠員につき351条。#職務を行うにつき第三者に損害を加えたときは_会社も不法行為責任を負う(350条)。会社の業務に関する一切の裁判上・裁判外の行為をする権限あり。
[『LEGAL QUEST会社法』3版186頁-187頁(会社法911条3項14号,349条4項)参照]

会社法122/ 737/ 役員等の(会社法423条1項かっこ書)の行為によって会社に損害が生じた場合や会社から金銭が流出した場合,役員等は賠償等の責任を負う。その基本的なものが任務懈怠責任。要件(#任務懈怠_会社の損害_その間の因果関係)の証明責任は責任追及者側が負う。#帰責事由も消極的要件,債務不履行責任の性質あり。
[『LEGAL QUEST会社法』3版230頁参照]

会社法121/ 736/ 任務懈怠責任(会社法423条1項)以外の役員等の会社に対する責任:①#120条1項に反し利益供与した場合,関与した取締役・執行役は,会社に対し,連帯して,供与された利益の価額に相当する額の支払義務あり(4項)。②#現物出資_仮装の払込み_剰余金の配当_自己株式の取得等の関連責任。③発起人,清算人の責任。
[『LEGAL QUEST会社法』3版241頁-242頁参照]

会社法119,120/ 734,735/ 役員等の任務懈怠責任は,議決権なき株主も含む,#総株主の同意なければ,免除不可(会社法424条)。そうでなければ,単独で株主代表訴訟提起できることが無意味になるから。もっとも,#職務を行うにつき善意・無重過失なときに限り_より緩やかな要件で一部免除可(ただし,自己のために直接取引した場合除く)。
[『LEGAL QUEST会社法』3版239頁-240頁(会社法424条~428条)参照]

/ 一部免除の方法は3種:①#株主総会の特別決議(会社法309条2項8号)で,賠償額から最低責任限度額を控除した額を限度に免除可(425条)。②対象とされる取締役を除く,#取締役の過半数の同意での免除を定款に規定可(426条)。③#非業務執行取締役は_会社と責任限定契約を締結できることを定款に規定可(427条)。
[『LEGAL QUEST会社法』3版240頁-241頁参照]

2018年9月23日(論述1,判例8)
会社法判例10/ 東京高決平7・2・20参照:株主や第三者の不正な利益を図り・会社に損害を加える目的の代表訴訟は,提起不可。また,被告となった役員等が,訴え提起が悪意によることを疎明すれば,相当の担保提供が原告株主に命じられ得る。悪意には,#代表訴訟請求に理由なきことを_過失によって知らなかった場合を含まず。
[『LEGAL QUEST会社法』3版246頁(判タ895-252,会社法847条1項ただし書・5項ただし書,847条の4第2項3項)参照。「原告が過失によって自己の請求に理由がないことを知らずに訴えを提起したことが疎明された場合にまで,担保提供を命ずることができると解することは,『悪意』という文言にそわないものであって,相当ではない」(『会社法判例百選』2版〔69〕参照)]

会社法判例9/ 東京高決平17・3・23参照:#現に経営支配権争いが生じている場面での経営支配権の維持・確保目的の新株予約権発行は_原則_不公正な発行として差止請求を認めるべき(主要目的ルール)。誰を経営者としてどのような事業構成の方針で会社を経営させるかは,株主総会で取締役選任を通じ資本多数決で決すべき。
[『LEGAL QUEST会社法』3版441頁-442頁(判時1899-56,ニッポン放送事件)参照]

会社法判例8/ 最判法46・3・18参照:Yの臨時株主総会での会社解散等の各決議につき,招集手続は,#取締役会の有効な決議にもとづいてないのみならず_召集通知はすべての株主に対し法定の招集期間に2日も足りずなされたものであるから,右株主総会招集手続にはその性質・程度から見て重大な瑕疵あり。近時,請求棄却慎重。
[『会社法判例百選』2版〔42〕(民集25-2-183)参照]

会社法118/ 733/ #株主総会の招集手続・決議方法に性質_程度等から見て重大な瑕疵ある場合_決議結果に影響を及ぼさないとしても_決議取消請求棄却_不可。重大な瑕疵ある場合まで,決議を存続せしめることは,招集手続・決議方法を厳格規制し総会の適正運営,株主・会社利益を保護しようとする会社法の趣旨を没却するから。
[『会社法判例百選』2版〔42〕(最判昭46・3・18民集25-2-183)参照]

会社法判例7/ 東京地判平27・10・28:法定備置書類の本店への備置き,株主による閲覧,謄本交付は,株主の株主総会への準備を目的とするので,会社法に反し備置きされなかった場合,#定時株主総会の一環と解しその懈怠は原則_決議取消原因。しかし,実質的に株主の態度決定の準備を不能にさせるものでなければ,裁量棄却可。
[『平成29年度重要判例解説』89頁(判時2313-109)参照]

会社法判例6/ 東京高判平29・7・12:#株主のした事前質問につき会社のした回答が内容の虚偽のものであり_その結果_決議の内容が影響を受けたような場合,株主総会の議事運営が著しく不公正であることにより決議の方法が著しく不公正なとき(会社法831条1項1号)に当たる場合があり得る。
東京地判平28・12・15の控訴審
[『平成29年度重要判例解説』89頁(金判1524-8)参照]

会社法判例5/ 東京地判平28・12・15:上場会社の株主総会で,会社が従業員株主に会社自ら用意した質問をするよう促し,従業員株主自らの意思とは無関係に当該質問をし会社が応答した場合,その分,一般株主の質疑応答に充てられる時間減少。#多数の一般株主を有する上場会社での適切な株主総会運営とは言い難い(一般論)。
[『平成29年度重要判例解説』89頁(金判1517-38)参照]

会社法判例4/ 名古屋高判:平28・10・27:会社経理部の役員・従業員が適正な手続を経ずに取引先に対する不正な金融支援を行ったのは,代表取締役等の監視義務違反等によるものとして,#回収不能となった融資金相当額のみならず_特別調査委員会・責任追及委員会に対する報酬相当額も,当該役員等は,賠償義務を会社に負う。
[『平成29年度重要判例解説』90頁(金判1526-53)参照]

会社法判例3/ 名古屋地判平29・2・10:複数事業部門中,ある事業部門で赤字が続いていたとしても,#当該事業から撤退しないことが直ちに取締役の善管注意義務違反になるものではなく,当該事業好転の可能性・会社における位置づけ,事業全体に占める割合,その他メリット・デメリット等を総合考慮し不合理な点の有無検討。
[『平成29年度重要判例解説』90頁(金判1525-50)参照]


2018年9月22日(論述1,判例1)
会社法判例2/ 最判平22・7・15参照:経営判断原則はアメリ判例法理。取締役の経営判断が会社に損害をもたらす結果が生じたとしても,誠実性・合理性をある程度確保する一定要件下に行われた場合,裁判所が判断の当否に事後的介入し注意義務違反を直ちに問うべきでない。本判決規範は簡潔,#事実認識の部分の言及なし。
[『会社法判例百選』2版〔52〕(判時2091-90,アパマンショップ事件),特に109頁左欄タテ3,参照]

会社法117/ 732/ 当時の状況に照らし,経営判断の前提である事実認識(情報収集・調査・分析)に不注意な誤りがなかったか,#その事実にもとづく意思決定過程・内容に通常の企業経営者として著しく不合理な点がなかったか審査し,そのような誤りや不合理なければ,当該経営判断は,取締役としての善管注意・忠実義務に反せず。
[『会社法判例百選』2版109頁左欄タテ2(東京地判平14・4・25判時1793-140等)参照]


2018年9月21日(判例3)
倒産判例7/ 最判平24・5・28:#無委託保証人が破産者の破産手続開始前締結した保証契約に基づき,手続開始後に弁済して得た求償権を自働債権とする相殺は,破産者の意思に基づかない点で,#破産手続開始後に_破産者に債務を負担する者が他人の債権を譲り受け相殺適状を作出してする相殺に類似する(破72条1項1号類推)。
[『倒産判例百選』5版〔69〕(民集66-7-3123)参照。判例の公平原則説(『倒産判例百選』5版141頁左欄タテ2参照)によった。
 また,「破産債権」(破2条5項)については,①一部具備説(保証委託契約が原因であるとする)と②保証契約原因説(千葉補足意見)があるようで,本件のように保証委託契約の存在しない無委託保証の場合には,後説によっても,破72条2項2号3号の原因に該当しないと解されるようである。
 代位弁済原因説(破72条1項2号以下,2項2号3号により処理される)には,③破104条3項との関係で,求償権も保証契約に原因ある債権であり,原債権が破産債権であるから,求償権も破産債権であるとする見解(伊藤眞)と,④主債務者の破産手続開始後の,無委託代位弁済による求償権は破産債権ではないが,無委託保証人は,代位取得した原債権を破産債権として行使できるとする見解がある(栗田隆)。しかし,④では,無委託代位弁済によって主債務者が不利益を受けてはならないという一般性のある法理によって,求償権が制約されるとするようである。]

会社法判例1/ 最判平12・7・7:「法令」(会社法423条1項)には,①330条(民法644条)・355条の規定(一般規定,取締役の受任者としての職務),②#これを具体化する形で取締役が業務執行に際し遵守すべき義務を定める個別規定,③商法その他の法令中,会社を名あて人とし,#会社が業務執行に際し遵守すべきすべての規定も含む。
[『会社法判例百選』2版〔51〕(民集54-6-1767)参照。
 同書107頁右欄タテ4の,『取締役の受任者としての職務』と,『その業務執行の際に尽くすべき注意義務の程度を示す「善良な管理者の注意」』の違い,よくわからなかったが,その言い回しを使って,判例を言い換えてメモしています。
 おそらく,①における「善良な管理者の注意」(民法644条)は,取締役の受任者としての一般的な注意義務,②・③においては,名あて人が違うが,どちらにも「善良な管理者の注意」が問題となるということを言われているのであろう。
 そして,民法における「善良な管理者の注意」についての注意義務違反の概念の理解によって,会社法における「職務」の範囲や「法令」の意義が影響しないと言われているのであろう。]

倒産判例6/ 最判昭52・12・6:当事者間の合意による相殺につき相殺禁止規定(破71条・72条)が類推適用されるか。#債務者と和議債権者間で和議開始決定前の相殺合意は無効,同規定は破産債権者間の公平を図るための強行規定で類推適用肯定。本判例は,#管財人と破産債権者間の合意についても同規定の類推適用を認めた。
[『倒産判例百選』5版〔68〕(民集31-7-961)参照。無効とならない「特段の事情」と破102条との関係につき今後の検討課題とのこと(『倒産判例百選』5版139頁右欄LL8参照)。]

憲法関係/ 新潮社代取2018/9/21:弊社は,言論の自由,表現の自由,意見の多様性,編集権の独立の重要性などを十分認識し,尊重して来ましたが,「新潮45」10月号特別企画「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」に,#あまりに常識を逸脱した偏見と認識不足に満ちた表現が見受けられました。差別的表現に十分配慮します。
https://www.shinchosha.co.jp/news/article/1462/ 株式会社 新潮社 代表取締役社長 佐藤 隆信

 

 

2018年9月(1日-20日)分ツイート: 論述8bot(民法8),判例28(憲法1;民法16,民訴法1,倒産法5,刑法5)

2018年9月20日(判例2)
刑法判例5/ 最決昭45・7・28:ダンプカーに引きずり込む行為自体は姦淫に向けられた暴行といえず,姦淫行為との間に相当の時間的・場所的離隔が存在。同種事件の下級審に,強姦手段としての定型性なしとするものもあったが,本決定は,#すでに強姦に至る客観的な危険性が明らかとし,実行の着手を認めた(実質的客観説)。
[『判例ラクティス刑法Ⅰ』〔273〕(刑集24-7-585)参照]

民訴法判例1/ 最判昭45・1・23:被上告人Aと被上告人Bほか九名とはたがいに共同訴訟人の関係にあるが,#共同訴訟人の一人が提出した証拠は,その相手方に対するばかりでなく,#他の共同訴訟人とその相手方に対する関係においても証拠として認定資料に供することができるものである。#共同訴訟人間における証拠共通の原則
[LX/DB27819678(判時589-50)参照]


2018年9月19日(判例5)
刑法判例4/ 最決平13・2・9:Xは,#捜査機関に発覚する前に自己の犯罪事実を捜査機関に申告したのだから,その際に,#使用したけん銃につき虚偽の事実を述べるなどしたことが認められるとしても,刑法42条1項の自首の成立を妨げない。しかし,#Xに対し自首を理由に刑を減軽することは相当ではない。最決昭60・2・8参照。
[『判例ラクティス刑法Ⅰ〔443〕』(刑集55-1-76,刑集39-1-1)参照]

刑法判例3/ 最決平19・3・22:刑法46条は,併合罪関係の複数罪のうち1個の罪につき死刑・無期刑に処するとき,その結果科されないこととなる刑に係る罪を不問に付す趣旨でなく,#その刑を死刑・無期刑に吸収し,その罪をも処罰する趣旨。#当該1個の罪のみで死刑・無期刑相当とされる場合でなければならない訳ではない。
[LEX/DB28135140(刑集68-2-81)参照]

民法判例16/ 最判昭50・12・8:AとBが互いに金銭債権を有し,#Aが自己の債権をCに譲渡した後も,相殺と差押えに関する無制限説と同様,#弁済期の前後を問わず_Bは相殺できるか?補足意見はかかる場合,民法468条2項「通知を受けるまでに譲渡人に対して生じた事由」として,相殺を対抗できるとするが,#事例判断にとどまる。
[『判例ラクティス民法Ⅱ』〔106〕(民集29-11-1864)参照。
 民法511条の反対解釈から始まって,法定相殺について,相殺と差押えについての無制限説(最大判昭45・6・24),そして,この相殺と債権譲渡について無制限説が妥当するかに関わるこの判例(実際には,最高裁の判断はなされていないとの評価がされているようであるが。内田『民法Ⅲ』3版261頁L14)とのつながり,初めてわかったような気がしています。]

刑法判例2/ 大判昭9・10・19:窃盗目的をもって家宅に侵入し,#他人の財物に対する事実上の支配を犯すにつき密接な行為をなしたるときは,窃盗に着手したものというべし。ゆえに,窃盗犯人が家宅に侵入して金品物色のためタンスに近寄りたるがごときは,右事実上の支配を犯すにつき密接な行為であり,窃盗罪の着手あり。
[福田・大塚『刑法判例集』4版〔87〕(刑集13-1473)参照。なお,窃盗目的で土蔵に侵入しようとしよとした時に着手ありとされる(名古屋高判昭25・11・14高刑集3-4-748)。]

刑法判例1/ 最決平16・3・22:#殺害計画は,①クロロホルムを吸引させ失神させ,②車ごと海中に沈め殺すもので,①は②を確実・容易に行うため必要不可欠,①後,障害となる特段の事情なし,①②間の時間的場所的近接性などに照らすと,#両行為は密接な行為で,①に殺人に至る客観的危険性認められ殺人罪の実行の着手あり。
[『判例ラクティス刑法Ⅰ』〔267〕(刑集58-3-187)参照]


2018年9月18日(判例1)
民法判例15/ 最判昭54・7・10:相殺適状は原則,相殺の意思表示のときに現存することを要するから,#いったん相殺適状が生じていたとしても_相殺の意思表示の前に一方の債権が弁済_代物弁済_更改_相殺等の事由で消滅していた場合_相殺は許されない(民法508条はその例外)。[疑問?本件手形金債権と本件貸付金債権の違い]
[『判例ラクティス民法Ⅱ』〔145〕(民集33-5-533)参照。事案の中で,「Aに対する本件手形金債権」と「本件貸付金債権」との違いがよく分かりませんでした。まだ,債権譲渡と相殺のところがよくわかっていないからだろうと思います。勉強します。]

倒産判例5/ 東京地判平21・11・10:Xは,#支払不能後_Y銀行の本件振込先口座に15億円を誤振込みしたが,民再法93条1項2号前半の専相殺目的要件をみたさないとして,Yによる相殺が認められた。しかし,同規定は合理的相殺期待を超えた望外の利益まで容認する趣旨でなく,債権者平等の下,かかる棚ぼた的利益は正当化不可。
[『倒産判例百選』5版〔67〕136頁(判タ1320-275)-137頁参照]


2018年9月17日(判例2)
倒産判例4/ 名古屋高判平24・1・31:破産で停止条件付債務を受働債権とする相殺が広く認められのは,#破67条2項による。この規定のない民事再生では停止条件付債務にも相殺禁止規定適用。しかし,支払停止後の債務取得でも,再生債権者が支払停止を知った時より「前に生じた原因」に基づけば,相殺可(民再93条2項2号)。
[『倒産判例百選』5版〔66〕(金判1388-42)参照。「間に生じた原因」といえるかは,相殺の合理的期待が認められるかによるが,それは具体的な相殺期待を生じさせる程度に直接的なものでなければならない(『倒産判例百選』5版135頁)。]

倒産判例3/ 最判昭40・11・2:YのXに対する手形金支払請求権は,#買戻請求の意思表示により発生する債権だが,その買戻請求権は,Aが支払停止をする前である本件手形割引契約を原因として発生したものなので,その行使の結果発生した手形金支払請求権は,破72条2項2号の「#前に生じた原因」に基づき取得したものに該当。
[『倒産判例百選』5版〔65〕(民集19-8-1927)参照]


2018年9月16日(判例1)
引用ツイート/ 灯油をかぶって焼身自殺されたのか? 無念! 博士課程まで進まれてエリートなのに,活躍の場がなかったんだろう。こういう先生が生活の心配なく研究続けられる世の中であれば,どれだけ素晴らしい研究を残されただろう。 法曹にならずとも,法律学の研究がもっと重宝され,必要とされるものになって欲しい!📚
https://twitter.com/right_droit/status/1041384647316320256
// 九州大学焼身自殺した元院生の壮絶な生涯が明らかになる 中卒自衛官から憲法学のホープ、そして月収14万円借金地獄に  https://www.nishinippon.co.jp/sp/nnp/national/article/450029/ … かなり優秀な方だったんだろうな。ご冥福を祈ります
https://twitter.com/asarida/status/1041136818920411137
10:28 - 2018年9月16日

倒産判例2/ 最判昭63・10・18:破71条2項3号本文・4号は,支払の停止等後の危機時期に,破産債権者が危機時期であることを知りながら破産者に対し負担した債務を受働債権とする相殺を原則禁止。本判決は,#手形の取立委任につき,債務負担が悪意になる「#前に生じた原因」に基づく例外(2項2号)にあたる場合を判示した。
[『倒産判例百選』5版〔64〕(民集42-8-575)参照]


2018年9月15日(判例1)
倒産判例1/ 最判平17・1・17:損害保険業者Yは,B社と契約したが,Bの代表取締役Aが放火し保険金詐取。Yは,Aの不法行為損害賠償債権と,#YA間の各種保険のA破産手続開始決定以後発生の満期返戻金_解約返戻金債権と相殺。破67条2項後段の趣旨は,破産債権を自働債権とする相殺の担保的期待を保護するなどとし,相殺認容。
[『倒産判例百選』5版〔63〕(民集59-1-1)参照。とりあえず140字にまとめましたが,何がポイントかわかって理解できていません。判例もっと読んで勉強します(^^;)。手続開始前の停止条件成就(破67条2項後段。同71条1項1号参照)。]


2018年9月14日
引用ツイート/ 論点?/懲戒処分に対して抗告訴訟を提起して公開・対審の手続を受け得る一般公務員に比べて,#裁判官の身分保障(憲法78条)上問題があり,適正手続(31条)を欠かないか?裁判を受ける権利(32条),インターネット上の表現の自由(21条1項)とプライバシー(13条),裁判所法49条の「品位を辱める行状」の意義,など。
https://twitter.com/right_droit/status/1040602703569682434

// 岡ロ基ー‏ @okaguchikii
記者会見終わりました。

弁護団に加わってくれた同期のみなさんには,感謝のしようがないくらいお世話になりました。

まだ終わっていませんが,本当にありがとうございましたm(__)m

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岡口裁判官が会見「ありえないことが起きている」「戒告なら法治国家とは言えない」
https://www.bengo4.com/internet/n_8519/
22:55 - 2018年9月11日


2018年9月13日(判例6)
判例15/ 民法14/ 最大判昭45・6・24:民法511条・相殺制度の本質から,#差押後発生・取得した債権を自働債権とする相殺のみ例外的に禁止し,その限度で差押債権者の利益を保護。したがって,第三債務者は,差押後に取得した債権でないかぎり,#自働債権と受働債権の弁済期の前後を問わず_相殺適状に達すれば_差押後も相殺可。
[『判例ラクティス民法Ⅱ』〔144〕(民集24-6-587)参照。法定相殺について,最大判昭39・12・23を変更したもの。無制限説。]

判例14/ 民法13/ 最大判昭39・12・23:#反対債権の弁済期が被差押債権の弁済期より後の到来する場合_相殺をもって差押債権者に対抗できない。なぜなら,第三債務者は自己の反対債権の弁済期が到来していないから,#相殺について正当な期待があるとはいえず_誠実な債務者とはいいがたいからから。/後に判例変更されている。
[『判例ラクティス民法Ⅱ』〔143〕(民集18-10-2217)参照。本判例は,最判昭32・7・19補足意見を採用したもので,法定相殺に関する制限説(Ⅰ)だが,最大判昭45・6・24により,判例変更されている。]

判例13/ 民法12/ 最判昭32・7・19補足意見:譲渡通知当時相殺原因があり,自働債権の弁済期が受働債権の弁済期前なら,#自働債権の弁済期が譲渡通知の前後かを問わず,債務者は,弁済期の未到来の自己の債務(受働債権)を自己の債権(自働債権)で,#相殺する通常の期待_利益あるから,相殺適状生ずれば,債権譲受人に対し相殺可。
[『判例ラクティス民法Ⅱ』〔142〕(民集11-7-1297)参照]

判例12/ 民法11/ 最判平11・1・29:将来債権譲渡の目的債権は,発生原因や額等で特定要。債権発生の可能性や確実性は,債権譲渡契約の効力問題でなく,#将来の債権不発生のリスクは譲受人が引き受け,契約責任を譲渡人に追及すべし。債務者の経済活動の自由,他の債権者との関係で,特段の事情あれば,公序良俗違反となりうる。
[『判例ラクティス民法Ⅱ』〔97〕(民集53-1-151)参照]

判例11/ 民法10/ 最判平9・6・5:譲渡禁止特約ある指名債権につき,譲受人が特約の存在を知りまたは重過失により知らなかったとしても,その後,債務者が承諾した場合,債権譲渡は譲渡時にさかのぼって有効となるが(#民法116条本文参照),同条ただし書の法意に照らし,第三者の権利を害することはできない。承諾前第三者優先。
[『判例ラクティス民法Ⅱ』〔96〕(民集51-5-2053)参照]

判例10/ 民法9/ 最判昭52・3・17:譲受人が譲渡禁止特約につき悪意・重過失であっても,#債務者の承諾がなされれば_債権譲渡は譲渡時にさかのぼって有効となる。第三者対抗要件は,#当初の債権譲渡通知が確定日付を備えていればよく_改めて確定日付ある証書を要しない。特約はそもそも債務者の利益を保護するものだから。
[『判例ラクティス民法Ⅱ』〔95〕(民集31-2-308)参照]


2018年9月12日(判例5)
判例9/ 憲法1/ 最大決平10・12・1:判事補Yは,裁判所法52条1号・49条違反として裁判官分限法により処分された。#裁判官に対する懲戒は_裁判所が裁判形式で行うとされているが,実質上行政処分の性質を有する。したがって,固有の意味における司法権の作用でなく,#懲戒裁判は_純然たる訴訟事件に関する裁判に当たらない。
[『判例ラクティス憲法』増補版〔210〕(民集52-9-1761)参照]

判例8/ 民法8/ 最決平29・1・31:Xは,児童買春等処罰等法違反で罰金刑に処せられ,報道の一部がインターネット上に多数書き込まれた。Yは検索事業者。#本件事実はXのプライバシーに属する事実だが,今なお公共の利害に関する事項で,#検索結果として伝達される範囲はある程度限られているなどとして,削除請求退けられた。
[『平成29年度重要判例解説』61頁(民集71-1-63)参照]

判例7/ 民法7/ 最判平10・5・26:消費貸借契約の借主Yが貸主Xに貸付金を第三者Bに給付するよう求め,Bへ給付後,Yが契約を取り消した場合,Xからの不当利得返還請求に関し,Yは,#特段の事情なき限り,XのBへの給付により,利益を得たといえる。このような場合,YB間に事前に何らか法律上・事実上の関係があるのが通常だから。
[『判例ラクティス民法Ⅱ』〔263〕(民集52-4-985)参照]

判例6/ 民法6/ 大連判明44・3・24:詐害行為取消権:判決により,#債務者・受益者間の法律行為の取消し(形成権) ,#逸出した財産の取戻し(債権的請求権)命ぜられる。現物返還原則だが,不可能なら価格賠償。#相対的取消⇒債務者を被告とせずとも可。しかし,相対効では,債務者の責任財産への強制執行できないとの批判あり。
[『判例ラクティス民法Ⅱ』〔53〕(民録17-117)参照]

判例5/ 民法5/ 最判昭39・7・28:転貸借禁止義務違反に基づく解除のみならず,#賃料支払義務違反_用法遵守義務違反についても,信頼関係破壊の法理の適用を認めた。Yに,いまだ賃貸借の基調である相互の信頼関係を破壊するに至る程度の不誠意があると断定できないとし,Xの本件解除権行使は信義則に反し許されないとした。
[『判例ラクティス民法Ⅱ』〔218〕(民集18-6-1220)参照]

リツイート/
https://twitter.com/okaguchikii/status/1039512676152401922


2018年9月11日(判例1)
判例4/ 民法4/ 最判昭48・7・19:民法466条2項は,#債権の譲渡禁止特約は「善意の第三者」に対抗できない旨規定するが,無過失を要するかどうか不明であるところを,#重過失は悪意と同様に取り扱うべきものとして,第三者は善意・無重過失であることを要するとした。#銀行預金の譲渡禁止は周知の事柄としたが,批判もある。
[『判例ラクティス民法Ⅱ』〔94〕(民集27-7-823)参照]

 

 

2018年9月分(1日-10日)分ツイート:

2018年9月10日(3)
ノート/ 倒産法ノート (現時点でのツイートの下書き)
序論 tl.gd/n_1sqkl3d
破産財団,破産管財人,など tl.gd/n_1sqkm3e
双務契約など tl.gd/n_1sqkm3p
別除権 tl.gd/n_1sqkm47
相殺権 tl.gd/n_1sqkm4c
否認権 tl.gd/n_1sqkm4g
その他 tl.gd/n_1sqkm4j

民法100-102/ 債権総論27-29/ 729-731/ 最高裁は,将来債権の診療報酬債権を8年3か月にわたり譲渡した事案で,債権発生可能性を要件とせず,#期間の始期と終期を明確にするなどで特定すれば,有効に譲渡可とする。ただし,譲渡人の営業活動等の不当制限,他の債権者に不当な不利益を与えるなどの特段の事情ある場合,公序良俗違反で無効となりうる。

/ #特定債務者との間で生ずる将来の債権の集合は_発生の蓋然性の大きさを問題とすることなく相当将来のものまで_1つの対抗要件で譲渡可。ただし,発生可能性がまったくないなら譲渡は原始的不能といえようし,あまりに長期にわたり譲渡人の収入の大部分を譲渡するような場合,#公序良俗違反と評価されよう。
[内田『民法Ⅲ』3版216頁(最判平11・1・29民集53-1-151,最判昭43・8・2民集22-8-1558)参照。将来債権・集合債権の譲渡(確定的に債権が譲渡されている場合。担保のための債権譲渡・債権の譲渡担保の一種)]

/ 弁済が滞った時にはじめて譲渡債権から債権回収を行う,#本来の意味での担保的な債権譲渡(譲渡担保としての債権譲渡):①将来発生する集合債権の一定範囲を譲渡(対抗要件具備),譲渡人が債務不履行に陥ったときまで取立権限留保型。②譲渡合意時には対抗要件不具備の予約型ないし停止条件型集合債権譲渡。
[同書217頁,218頁,219頁(最判平13・11・22民集55-6-1056)参照]


2018年9月9日(2)
民法98,99/ 債権総論25,26/ 727,728/ 旧民法では,債権譲渡は自由で,譲渡制限特約を認めない趣旨だったとされる。現行民法典では,#譲渡禁止特約が認められ_銀行や国という強い債務者が広く用いている。
では,AのSに対する債権を,Aに対する債権者Gが差し押さえ,#転付命令を得たが_AS間の譲渡禁止特約があった場合,Gの得た転付命令の効力如何?

/ Gに特約を告げ,譲渡禁止特約を対抗し(民法466条1項ただし書),債権譲渡の実質ある転付命令の効力を封じ得るなら,#私人の意思で_差押え可能だが転付命令の効力を生じない財産を自由に作り出せることになり_執行法理念に悖る。そうならないために,差押債権者の善意・悪意問わず転付命令は有効と解すべき。
[内田『民法Ⅲ』3版211頁-213頁(大判大14・4・30民集4-209,最判昭45・4・10民集24-4-240)参照]

民法97/ 債権総論24/ 726/ ローマ法では,債権は債権者と債務者とを結ぶ法の鎖。一端を変ずるれば同一性を失うので,債権譲渡は認められなかった(更改を用いた)。しかし民法では,#債権は法的な同一性を保持しつつ譲渡可能(466条1項本文)。もっとも,①性質上の制限(同条項ただし書)、②法律上の制限,③特約による制限(466条2項)あり。
[内田『民法Ⅲ』3版210頁参照]


2018年9月8日(1)
民法96/ 債権総論23/ 725/ 民法上,債権登記簿はないから,#譲受人は_譲渡人に債権があるか_他に優先者がいないか_債務者に確かめる必要あり(登記所の代わり)。債権譲渡を債務者に知らせ債務者に情報を集めるために(情報センター),債務者への通知・債務者の承諾が対抗要件とされた。もっとも,債務者には情報を伝える法的義務なし。
[内田『民法Ⅲ』3版202頁参照]


2018年9月5日(1)
民法95/ 相続9/ 724/ ①各共同相続人は分割前,遺産全体の相続分に対応する #相続分権を第三者に譲渡可。譲受人が遺産分割に参加するが,他の共同相続人は買戻し可(905条)。②分割前,#単独で遺産に属する個々の財産権処分_債権全額の請求不可(428条不適用)。③#分割前_個々の財産権に相続分に応じた持分権_取得・単独処分可。
[ダットサン民法3親族法・相続法』3版286頁-287頁(最判昭30・5・31民集9-6-793)参照]


2018年9月3日(判例3)
判例3/ 民法3/ 最決平29・5・10:輸入業者Xは本件譲渡担保目的物である本件商品を直接占有したことはない。しかし,輸入業者から委託された海貨業者(海運貨物取扱業者)が輸入商品の受領等をし,#輸入業者が目的物を直接占有せず転売するのは一般的。Yは信用状を発行し商品に譲渡担保権を取得,占有改定で引渡しを受けた。
[『平成29年度重要判例解説』59頁(最決平29・5・10民集71-5-789)参照]

判例2/ 民法2/ 最判昭30・10・18:通常の種類債権ならば,特別の事情のない限り,履行不能とはならないが,#制限種類債権ならば_履行不能となりうる代わりに_目的物の良否は問題とならない。後者の場合,品質が悪いからといって引取りに行かなければ,受領遅滞の責を免れない。種類債権の特定につき,口頭の提供では不十分。
[『判例ラクティス 民法Ⅱ』〔3〕(最判昭30・10・18民集9-11-1642,漁業用タール事件)参照]

判例1/ 民法1/ 最判平28・12・19:動機錯誤無効(民法95条)の要件:動機の表示プラス法律行為の内容化。#動機が表示されたが法律行為の内容にはならない事例。主債務者が中小企業の実体を有する点に誤認があったことが事後的に判明しても,本件信用保証契約の効力を否定することまでXY双方が前提としていたとはいえない。
[『平成29年度重要判例解説』57頁-58頁(最判平28・12・19判時2327-21)参照]

 

2018年8月分ツイート: 25(憲法1,行政法5;倒産法1;刑法3,刑訴法15) - 140字法律学