140字法律学

法律書等を読んで,理解し覚えられるように140字以内にまとめています。https://twitter.com/right_droit

2018年8月分ツイート: 25(憲法1,行政法5;倒産法1;刑法3,刑訴法15)

http://twpf.jp/right_droit 

2018年8月29日(4)

行訴法54/ 723/ 原子炉の安全性は,#現在の科学技術水準に照らし判断すべき。審査対象となるのはあくまで処分時における原子炉の安全性だが,その後の科学的知見で危険性が明らかになれば,処分時も安全だったとはいえない。さらに,違法判断基準時を,具体の行政過程における個別実体法の仕組みごとに考察する見解もある。
[『LEGAL QUEST行政法』3版247頁(最判平4・10・29民集46-7-1174,伊方原発訴訟)参照]

行訴法53/ 722/ 定期航空運送事業免許に対し騒音等の被害を訴える空港周辺住民が取消訴訟提起した事案で,騒音被害と無関係な違法事由(供給過剰である等)は主張不可とされた(#行訴法10条1項)。しかし,すでに供給過剰なら,付近住民が航空機騒音を受忍するいわれはないから,自己の法律上の利益に関係がないとはいえない。
[『LEGAL QUEST行政法』3版244頁(最判平元・2・17民集43-2-56,新潟空港訴訟)参照。]

行政法52/ 722/ 処分取消訴訟と,処分の審査請求を棄却した裁決の取消訴訟を提起できるとき,原則,処分取消訴訟を提起すべき(#原処分主義)。裁決取消訴訟で(原)処分の違法を主張不可(行訴法10条2項),#採決固有の瑕疵のみ主張可。法律が採決主義をとる場合,別。採決取消訴訟提起後,原処分取消訴訟も併合提起可(19条1項)。
[『LEGAL QUEST行政法』3版244頁,245頁参照。ちょっと詰め込み過ぎたかも。]

行政法51/ 711/ 処分に理由付記(提示)が必要な場合,処分時付記しなかった理由に差替え可能か。別理由を持ち出すことで処分内容が変わる場合は,不可。それ以外の場合,判例は差替えを認めるが,#恣意抑制・不服申立便宜機能を重視するなら,否定,ないし,当初の理由と同一の基礎事実に基づく場合に限り制限的に肯定すべき。
[『LEGAL QUEST行政法』3版245頁(最判塀11・11・19民集53-8-1862,逗子市住民監査請求記録公開請求事件)参照]


2018年8月27日(1)
行政法50/ 710/ 「回復すべき法律上の利益」(行訴法9条1項かっこ書)は,地方議会議員に対する除名処分取消訴訟係属中に任期満了など,#報酬請求権等の実体法上の請求権が残る場合や,処分の本来的な効果が失われても,#実体法規が付した何らかの法的効果が残る場合,肯定。名誉侵害や反復の危険が残るにすぎない場合,否定。
[『LEGAL QUEST行政法』3版238頁,239頁(最大判昭40・4・28民集19-3-721(名古屋郵政局職員免職処分取消請求事件),最判昭58・4・5判時1077-50)参照]


2018年8月23日(1)
/ 憲法/ 表現の自由の保障の根拠論 (拙いノートですが,ご参照ください。)

Read: http://tl.gd/n_1sqkq6j
21:34 - 2018年8月23日
https://twitter.com/right_droit/status/1032606919461101569

憲法81/ 人権74/ 709/ 表現行為は,自己実現に不可欠で重要な個人的価値を持ち,自由な表現行為を認めれば,#各個人は政治・文化等のあらゆる領域での社会的決定に自由に参加でき_民主的政治決定や文化面での社会的決定を有益なものにする。外国人の表現行為も,個人的社会的公共的価値があり,権利の性質上,基本的に保障される。
[木村草太『憲法の急所』2版194-195頁,なお,200頁L1-5辺り,178頁-179頁も参照。
 表現の自由の保障の根拠論と,外国人の人権に関する権利の性質うんぬんの議論とを,まとめて書いています。どちらも,表現の自由の保護範囲に入るかどうかの問題かなとも思い,そうしました。一応,自分なりに理解して記憶できるように短くしていますので,実際に書くときには,別々に書いた方がいいのだろうとも思います。
 また,この本を読んで初めて,自己統治の価値が政治的意思決定だけに関わるものではないんだということに気が付きました。これは,学説上対立があるんでしょうか,知りません。]


2018年8月15日(3)
刑訴法85/ 708/ 自動車事故の業務上過失致死傷事件で,前方不注視義務違反で殺傷したとの訴因で一時停止義務違反事実を認定できるか。
過失犯は未完結の構成要件であり,それを補充する個々の注意義務違反は,故意犯であれば行為内容(#行為態様)にも値する重要性をもつから,#過失態様の変動は原則_訴因変更要と解すべき。
[森圭司『ベーシック・ノート刑事訴訟法』新訂版(2006年)176頁(最判昭46・6・22)参照]

刑訴法83,84/ 706,707/ 共謀事実も幇助事実も訴因特定に不可欠で,(裸の事実として極めて僅かな事実の差異だとしても,)両者の違いは構成要件的評価が異なる点では(共謀共同正犯,幇助犯),実質的な食い違いといえるが,#共同正犯事実と幇助事実は包摂関係にあることから,結局食い違い認められず,訴因変更手続を経ずに縮小認定可。
[最判昭29・1・21刑集8-1-71,東京地判平2・3・19判タ729-231,浦和地判平3・3・25判タ760-261,参照]

/ 共謀共同正犯の訴因に,被告人が幇助と弁解した場合,弁解通りの認定なので,争点明確化による不意打ち防止不要(実務)。
もっとも,#幇助犯の訴因には幇助にあたる具体的事実記載を要し,「共謀の上」との訴因事実だけで,考えられるあらゆる幇助態様の予備的,黙示的主張とみるのは,訴因機能との関係で問題。
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版164頁,165頁参照(最決昭33・3・27刑集12-4-697)参照]


2018年8月1日
/ #求む(1回ごとの募集)。#民訴法or刑法or刑訴法or倒産法論文の答案手書きPDFを交換・添削してもらえる方! #1時間くらいで書ける基本問題を用意し(オリジナル問可),スケジュールの合う日時(#19日まで)にchat等し(匿名等可),相手出題の問題を解く(基本書等参照可,手書き)。PDF化し送り,数日で添削し返送。
https://twitter.com/right_droit/status/1028488635379642369
12:49 - 2018年8月12日
https://twitter.com/right_droit_2/status/1028488211901767680
12:47 - 2018年8月12日


2018年8月11日(3)
刑訴法82/ 705/ 強盗の起訴に対し恐喝を認定するごとく,裁判所が犯罪事実の態様・限度で訴因事実よりも縮小認定するのに,訴因罰条の変更手続不要。#訴因事実が認定事実を包摂する関係にあり_縮小犯罪事実は_当初から検察官が黙示的・予備的に併せ主張していたといえ,そもそも訴因の記載と異なる事実認定ではないから。
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版162頁,163頁(最判昭26・6・15刑集5-7-1277,最決平13・4・11刑集55-3-127)参照]

刑訴法80,81/ 703,704/ ①#審判対象画定の見地から,訴因の記載として罪となるべき事実の特定に不可欠でない事実は,明示の有無に関わらず,重要な・実質的な事実の食い違いとはいえない。明示された_罪となるべき事実の特定に不可欠な事実は,②#被告人の防御範囲限定の見地から_一般的・抽象的に重要なら,原則,訴因変更手続要。
[①平成13年決定の第1段階の判断枠組み。②第2段階の判断枠組みの前半部分(抽象的防御説)]

/ #争点明確化による不意打ち防止の要請から,訴因で明示された罪となるべき事実の特定に不可欠の事実も,#被告人の防御の具体的な状況等の審理の経過に照らし_被告人に不意打ちを与えるものではなく_被告人にとってより不利益であるとはいえない場合,例外的に,訴因変更手続を経ることなく心証事実認定可。
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版160頁(最決平13・4・11刑集55-3-127)参照。平成13年決定の第2段階の判断枠組みの後半部分]

@right_droit_2/ 法律論文試験用の備忘・モチベーション維持用.倒産法70,要件事実論4,民訴法32。8月12日の週の勉強計画(主に倒産法),できなくても計画だけは立てておこう。日10:30-,月火水木金8:45-,21:45-,関心のある論点や疑問点ありましたら,コメント下さい。

/ #求む(1回ごとの募集)。#民訴法or刑法or刑訴法or倒産法論文の答案手書きPDFを交換・添削してもらえる方! #1時間くらいで書ける基本問題を用意し(オリジナル問題可),スケジュールの合う日時(#来週中)にchat等し(匿名等可),相手出題の問題を解く(基本書等参照可,手書き)。PDF化し送り,数日で添削し返送。
14:07 - 2018年8月11日
https://twitter.com/right_droit/status/1028145876068270081
14:08 - 2018年8月11日
https://twitter.com/right_droit_2/status/1028146016933924864


2018年8月9日(2)
刑訴法79/ 702/ 訴因が審判対象で,訴因は罪となるべき事実の記載とすれば,訴因事実と心証事実に事実の食い違いあれば,訴因変更手続要とも言えるが,僅かな食い違いでも常に手続を要求すると煩瑣に堪えないので,訴因機能を害さない限り,手続を要せず,#事実に重要なあるいは実質的な差異が生じた場合に訴因変更手続要求。
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版159頁参照]

倒産法71/ 破52/ 701/ ①破産手続開始後に合理的相殺期待成立→破産法上の相殺権,基礎づけず(第1ルール)。②危機時期に合理的相殺期待成立→危機時期の認識あれば,保護しない(第2ルール,偏頗行為否認同様)。③#危機時期到来以前に合理的相殺期待成立⇒合理的相殺期待を破産法上の相殺権として保護(第3ルール,別除権と同様)。
[山本和彦ほか『倒産法演習ノート』2版239頁,240頁参照]


2018年8月8日(5)
刑訴法78/ 700/ 逮捕した被疑者の身体・所持品の捜索・差押え(刑訴法220条1項2号)は,①現場状況に照らし,被疑者の名誉等を害し,抵抗による混乱,現場付近の交通を妨げるおそれのためなど,#その場でただちに実施するのに適しないときは,②#すみやかに被疑者を捜索・差押えの実施に適する最寄りの場所まで連行し,実施可。
[伊藤塾『試験対策問題集 論文 刑事訴訟法』(2009年)初版96頁参照]

刑訴法77/ 699/ 常習賭博罪で起訴され保釈中の被告人に,同一の常習賭博罪を構成する新たな賭博行為が見つかった場合も,新たな逮捕・勾留は,一罪一逮捕一拘留原則に反し,できないか。
同原則の趣旨は,不当な身柄拘束蒸し返し防止であり,#捜査機関による同時処理が不可能であった場合,不当な蒸し返しとはいえず,できる。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック刑事系』5版207頁(仙台地決昭49・5・16)参照]

刑訴法76/ 698/ 検察官が,証人がいずれ国外退去させられ公判期日等に供述不能になることを認識しながら殊更にそのような事態を利用しようとした場合,証人尋問決定されているにもかかわらず強制送還した場合等,#当該外国人の検察官面前調書の証拠請求が手続的正義の観点から公正さを欠くと認められるとき証拠能力なし。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック刑事系』5版275頁(最判平7・6・20)参照]

刑訴法75/ 697/ #所持品検査も職務質問に付随し行使可。質問に密接関連し,有効なので。任意手段だから,原則_所持人の承諾要。#犯罪の性質_容疑の程度_態度_証拠の性質等から_必要・緊急性があり_個人法益と公共の利益との権衡上_具体的状況のもとで相当な場合,承諾不要。流動する事象に対応すべき行政警察活動なので。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック刑事系』5版187頁(最判平昭53・6・20)参照。]

刑訴法74/ 696/ 行政警察活動たる職務質問では強制力行使は原則許されない。任意手段に過ぎないので(警職法2条1項3項)。もっとも,#質問の必要性の程度_対象者の対応・状況_自由制限の程度等を総合考慮し,有形力行使に必要・緊急性,相当性ある場合,必要・合理的な実力行使が許される場合あり。質問の実効性確保のため。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック刑事系』5版186頁,187頁(最決平6・9・16),等参照。]


2018年8月7日(2)
刑訴法73/ 695/ ①#審判対象の範囲画定に関する事項と異なった認定には必ず訴因変更要。②それ以外の被告人の防御に必要な事項も,争点顕在化のため,#訴因として明示された以上異なった認定に原則として訴因変更要だが,例外的に,被告人の防御の具体的状況に照らし被告人に不意打ちを与えるものでないなどの場合は不要。
[小林充『刑事訴訟法』新訂版139頁(最決平13・4・11刑集55-3-127),141頁L15(最判昭58・12・13刑集37-10-1581),参照]

刑訴法72/ 694/ 審判対象を公訴事実,訴因は法律的構成を示すものとする説は,訴因の機能を,#もっぱら被告人の防御(法律判断に関する不意打ちの防止)という手続面にあるとする。#審判対象を訴因とする説は,訴因の被告人の防御機能を否定しないが,#それは検察官の主張であってまず審判の範囲を設定するものであるとする。
[小林充『刑事訴訟法』新訂版135頁参照]


2018年8月6日(1)
刑訴法71/ 693/ 審判対象は公訴事実,訴因は法的評価(法律構成)とすれば,日時等は,法的評価に関係する場合(犯罪構成要素の場合)を除き,訴因の本質でない。審判対象は訴因,主張された現実的な刑罰権を発生させる具体的,歴史的,一回的事実とすれば,#日時等は不可欠で,できる限り厳格に特定要,その変化は原則,訴因変更要。
[森圭司『ベーシック・ノート民事訴訟法』新訂版(2006年)172頁,173頁参照]


2018年8月3日(1)
刑法総論50/ 692/ 欺罔行為を受けた被害者が詐欺かもと気づき,現金様の紙を入れた荷物を発送した後に,Xが共謀に加わり,荷物を受領した詐欺未遂事件についての行為の危険性判断も,#当該行為時_その場に置かれた一般通常人が認識し得た事情・行為者が特に認識していた事情を基礎として,当該行為の危険性の有無を判断する。
[平成29年度『重要判例解説』147頁(福岡高判平28・12・20判時2338-112)参照]


2018年8月2日
/ 28年,29年重判の判例の動き,読んでて思ったんですが,#オレオレ詐欺に対して騙されたふり作戦がとられている場合における受け子の罪って,そもそも不能犯? 詐欺未遂罪の未必の故意が認められるか? 単に荷物受領行為に関わっただけで,詐欺未遂罪の共同正犯?(承継的共同正犯?) いろいろ論点あるんですね?🤔
20:00 - 2018年8月2日 (修正)
19:54 - 2018年8月2日 (加筆)
19:42 - 2018年8月2日
https://twitter.com/right_droit/status/1024973300244443136
ps: オレオレ詐欺は,特殊詐欺,振り込め詐欺ともいう。
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/tokushu/furikome/furikome.html


2018年8月1日(2)
刑法総論49/ 691/ 中止犯(刑法43条ただし書)には,「自己の意思により」中止し既遂の現実的・客観的危険(具体的危険)が消滅したとき,褒賞として刑の必要的減免という特典を与え,被害法益の救助しようとする政策的意義あり。もっとも,特典に値する行為を行う意思(中止の認識)が必要(#意識的危険消滅説,違法・責任減少説)。
[山口『刑法総論』3版294頁,295頁参照]

刑法総論48/ 690/ 現実的・客観的危険(未遂の成立要件)は,①#結果が発生しなかった原因を科学的に解明,②これによる,#結果をもたらしたはずの仮定的事実の存在可能性を_一般人の事後的な危険感,ありえたことだと一般人が考えるかの基準を用い判断。もっとも,具体的な被害法益に対する現実的な危険の発生なければ不能犯
[山口『刑法総論』3版290頁,291頁参照]

 

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