140字法律学

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民訴法/ 平成24年度予備試験答案構成(信義則による遮断,既判力の時的限界,相殺の抗弁の審理順序,3ツイート)

(倒産法,要件事実,民訴法)

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◇信義則による遮断効
民訴法117/ 813/ 前訴で,~旨の主張は否定されているが,主文中の判断ではないので,既判力は及ばない(民訴法114条1項)。
もっとも,#後訴での当該主張が前訴の実質的な蒸し返しで_前訴で同じ主張が可能であった上_後訴でその主張をすることが相手方を不当に不安定な地位におく場合,そのような主張は,信義則上許されない。
[『工藤北斗の合格論証集 商法 民事訴訟法』(2014年8月)179頁-180頁(最判昭51・9・30),辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版523頁,R24予備Q1①,参照]

◇既判力の時的限界(相殺権)
民訴法118/ 814/ #相殺は_前訴の訴訟物たる請求権とは別個の債権を犠牲にするものなので_前訴請求権自体に内在・付着する瑕疵にかかる権利とはいえない。自己の別個独立の債権の消滅という不利益を伴い,行使するかは債権者の自由で,前訴で当然に提出すべき防御方法ともいえない。したがって,前訴既判力で遮断されない。
[司法協会『民事訴訟法講義案』再訂補訂版279頁,R24予備Q1②,参照]

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◇相殺の抗弁の審理順序
民訴法119/ 815/ 相殺の抗弁は,確定判決により,反対債権(自働債権)の不存在につき既判力を生じるので(民訴法114条2項),#債権消滅という別個の経済的損失を伴う。他方,弁済の抗弁は,理由中の判断で既判力は生じない(同条1項)。したがって,#被告の合理的意思を斟酌し,弁済の抗弁など他の攻撃防御方法から先に審理すべき。
[伊藤塾『試験対策問題集 民事訴訟法 論文5』(2011年11月)255頁(『民事訴訟法講義案235頁,282頁』),R24予備Q2,参照]

 

民訴法/ 補助参加; 独立当事者参加 - 140字法律学

2018年12月分ツイート:20,判例(民訴法1);その他(憲法3;商法4,民訴法9,要件事実2;刑法1)

Read:  T:短答試験,R:論文試験,Q:設問 

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2018年12月30日(その他4)
民訴法120-123/ 816-819/ 「事件」(民訴法142条)の同一性は,当事者の同一と訴訟物の同一につき判断。前者は,訴訟担当者と被担当者(115条1項2号参照)のような実質的な同一性ある場合や原被告逆転しても,同一。後者は,#訴訟物たる権利関係の同一性で判断。先行債務不存在確認訴訟と,後行給付訴訟は,訴訟物異なるが,権利関係同一。
[勅使河原『読解 民事訴訟法』(2015年2月)114頁,R22旧①Q1参照]

/ 重複訴訟の禁止(民訴法142条)の趣旨・根拠は,相手方の応訴の煩の回避,#訴訟経済,判決の矛盾のおそれの回避。第1の趣旨は,原被告逆転のケースではあたらない。第3の趣旨は,再審(338条1項10号)で取り消されない限り,後行の既判力が優先し決定的でなく,司法への信頼維持のための公益的理由の1つといえる。
[同書115頁-116頁参照]

/ 先行訴訟と表裏一体の(訴訟物たる権利関係が同じで原被告逆転した)後行訴訟が,先行訴訟に対し別訴でなく,#反訴で訴求されると_基本的に併合審理。この場合,民訴法142条の趣旨の3つの弊害,つまり,被告側からの反訴で,応訴の煩はないし,併合審理で,他の2つの弊害もない。したがって,後訴は可能とされる。
[同書116頁(東京地判平13・8・31判時1772-60)参照]

/ 同じ給付義務の存否につき,#既判力しか導かない確認訴訟は_既判力に加え執行力まで生じる給付訴訟を包摂。後行給付訴訟提起により,表裏一体にある先行の消極的確認訴訟が確認の訴えの利益,喪失(確認の利益喪失論)。結果,先行確認訴訟に訴訟判決(訴え却下),後行給付訴訟は民訴法142条による却下免れる。
[同書125頁参照]

/ 以上,旧司法試験,平成22年民訴法第1問の設問1および設問2(1)に関連してまとめた4ツイートです。出典は,勅使河原和彦『読解 民事訴訟法』(初版)です。債務不存在確認訴訟と給付訴訟については,高橋『重点講義民事訴訟法』(上)などにも書かれているようです。


2018年12月27日(その他2)
民訴法119/ 815/ 相殺の抗弁は,確定判決により,反対債権(自働債権)の不存在につき既判力を生じるので(民訴法114条2項),#債権消滅という別個の経済的損失を伴う。他方,弁済の抗弁は,理由中の判断で既判力は生じない(同条1項)。したがって,#被告の合理的意思を斟酌し,弁済の抗弁など他の攻撃防御方法から先に審理すべき。
[伊藤塾『試験対策問題集 民事訴訟法 論文5』(2011年11月)255頁(『民事訴訟法講義案235頁,282頁』),R24予備Q2,参照]

民訴法118/ 814/ #相殺は_前訴の訴訟物たる請求権とは別個の債権を犠牲にするものなので_前訴請求権自体に内在・付着する瑕疵にかかる権利とはいえない。自己の別個独立の債権の消滅という不利益を伴い,行使するかは債権者の自由で,前訴で当然に提出すべき防御方法ともいえない。したがって,前訴既判力で遮断されない。
[司法協会『民事訴訟法講義案』再訂補訂版279頁,R24予備Q1②,参照]


2018年12月26日(その他1)
民訴法117/ 813/ 前訴で,~旨の主張は否定されているが,主文中の判断ではないので,既判力は及ばない(民訴法114条1項)。
もっとも,#後訴での当該主張が前訴の実質的な蒸し返しで_前訴で同じ主張が可能であった上_後訴でその主張をすることが相手方を不当に不安定な地位におく場合,そのような主張は,信義則上許されない。
[『工藤北斗の合格論証集 商法 民事訴訟法』(2014年8月)179頁-180頁(最判昭51・9・30),辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版523頁,R24予備Q1①,参照]


2018年12月25日(その他1)
民訴法116/ 812/ #否認は相手方が証明責任を負う事実を否定する陳述_すなわち_相手方主張事実と両立しない事実(反対事実)の主張。抗弁は自己が証明責任を負う事実の主張で,相手方主張事実と両立するもの。準備書面での否認に理由記載要するが(規則79条3項,法161条2項),#内容たる事実の主張立証責任を負うわけではない
[司法協会『民事訴訟法講義案』再訂補訂版233頁-234頁参照]


2018年12月23日(その他2)
要件事実20,21/ 810,811/ XがYに対し,消費貸借契約に基づき貸金返還請求する場合,請求原因として,①XY間で金銭返還を合意,②XがYに金銭を交付,かつ,③#両者間で弁済期合意(以上,契約成立の要件),そして,④その弁済期到来,を主張立証要。契約目的物を受け取るや否や直ちに返還すべき貸借は無意味なので,弁済期合意主張が不可欠。
[改訂『紛争類型別の要件事実』26頁-27頁参照]

/ 消費貸借において「返済の時期を定めなかったとき」(民法591条1項)は,#弁済期を貸主が催告した時とする合意あるものと解される。請求原因として,①XY間で金銭返還合意,②XがYに金銭交付,③弁済期を催告の時とする合意(弁済期の定めなしとの適示で足る),④催告および相当期間の末日の到来の主張立証要。
[改訂『紛争類型別の要件事実』27頁-28頁参照]


2018年12月22日(その他1)
民訴法115/ 809/ 民事訴訟において,#検証とは_裁判官が自己の感覚作用(視覚,聴覚,味覚,臭覚,触覚等)によって,#直接に人体または事物の形状_性質等を認識し,その結果を証拠資料とする証拠調べである。人証や書証が人の思想を証拠とするのに対し,#検証は五感の作用によって知覚しえたものを_直接に証拠とする点で異なる
[司法協会『民事訴訟法講義案』再訂補訂版225頁参照]


2018年12月21日(その他2)
刑法103/ 808/ 罰則は法律で定めなければならない(法律主義,憲法31条,73条6号ただし書)。法律の具体的委任による場合,含む。その実質的根拠は,#何が犯罪かは国民が決定するという民主主義原理。地自法14条3項が条例に罰則制定を一般的・包括的に委任するのは,条例が住民代表機関たる議会により制定されるものだから。
[山口『刑法総論』3版10頁,12頁,憲法T21(18ウ),参照。
 憲法短答問題21年度第18問肢ウは,『憲法第31条により刑罰及びこれを科す手続は「法律」で定める必要があるが、この「法律」には、法律に限らず、その授権を受けた下位法令も含まれる。』としている点で,誤り。より限定され,法律により罰則の制定が,「特に」すなわち特定した具体的な委任に基づき,政令に委ねられている場合にのみ(憲法73条6号ただし書),憲法31条の「法律」に含まれ得るということであろう。]

☆公法系
〔第18問〕(配点:3)
条例と法律の関係に関する次のアからウまでの各記述について、それぞれ正しい場合には1を、誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は、アからウの順に[No.34]から[No.36])
ウ. 憲法第31条により刑罰及びこれを科す手続は「法律」で定める必要があるが、この「法律」には、法律に限らず、その授権を受けた下位法令も含まれる。そして、条例は住民の代表である議会が制定する自主立法として法律に類するから、法律が相当程度具体的に限定して授権している場合には、条例により刑罰及びこれを科す手続を定めることができる。[No.36]

憲法88/ 807/ 法律によらない科刑を禁止する憲法31条,法律の委任なく政令に罰則を設けることを禁止する73条6号との関連で,条例にその違反に対する制裁として罰則を定めうるか? #条例は住民の代表機関たる議会の議決により成立する民主的立法で_実質的に法律に準ずるものなので,可能。#地自法14条3項が最高限を規定
[芦部『憲法』5版360頁,T21(18ウ),参照]


2018年12月18日(判例1)
民訴法判例13/ 訴訟外の第三者たる金融機関への文書提出命令申立て(最決平19・12・11):#開示を求められた顧客情報につき_当該顧客自身が当該民事訴訟の当事者として開示義務負う場合,同情報は,金融機関が職業の秘密として保護に値する独自の利益をもつときを除き,#民訴法197条1項3号の職業の秘密として保護されない
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版504頁参照]


2018年12月9日(その他2)
商法129,130/ 805.806/ 会社法423条1項は,役員等が,任務を怠ったとき(任務懈怠),これによって(因果関係),会社に生じた損害を,会社に対し賠償責任を負う旨規定。#任務懈怠に際し_会社と利益相反する当該取締役との自己取引を除き_帰責事由すなわち故意過失またはそれと信義則上同視し得る事由の存在要する(428条1項反対解釈)。

/ 任務懈怠については,会社法423条3項に推定規定があり,取締役による自己/第三者のための会社との利益相反取引(356条1項2号)で損害が生じた場合,任務懈怠が推定される。
なお,非業務執行取締役(427条1項,2条15号イ)は,会社と責任限定契約締結可能だが,#自己取引による利益相反取引には非適用(428条2項)。
[会社法R30予備Q2,http://asanonaoki.com/blog/平成30(2018)年司法試験予備試験論文再-9/,参照]


2018年12月6日(その他2)
憲法86,87/ 803,804/ 憲法89条後段の目的は,#私的な事業への不当な公権力の支配防止。「公の支配に属する」とは,#予算_執行監督_人事に関与するなど_事業の根本的方向に重大な影響を及ぼしうること(厳格,狭義な解釈)。監督官庁が事業の自主性が失われる程度に達しない(報告聴取,勧告)権限をもつだけでは足りず,助成は違憲

/ 憲法89条後段は,#公財産の乱費防止_慈善事業等の営利的傾向や公権力への依存性排除目的。「公の支配に属する」とは,国・地方公共団体の一定の監督が及んでること(緩やか,広義な解釈)。業務や会計状況報告聴取,予算変更勧告程度の監督権あれば,助成合憲。教育の公の性質,機会均等原則(憲法26条)考慮要。
[芦部『憲法』5版354頁-355頁参照。T21(17)]


2018年12月4日(その他2)
商法127,128/ 801,802/ #株式が流通し頻繁譲渡される会社では_株主名簿上の株主を確定するだけでも相当期間を要する場合があるので,会社は一定の日を基準日とし,その時点の株主を,後日の権利行使者と定めうる(会社法124条1項)。#基準日株主と権利行使時の真の株主とがあまり乖離するのは好ましくないので,3か月以上離せない。

/ 基準日後に株主になった者は当該基準日に係る権利を行使できないのが原則である。ただ,基準日後に募集株式発行(会社法199条)等によって新たに株主になった者は,#会社が認めれば株主総会における議決権行使はできる(124条4項)。しかし,#基準日時点の株主の権利を害することはできない(同条項ただし書)。
[『LEGAL QUEST会社法』3版113頁参照。参考:R30予備②Q1]

 

2018年11月分ツイート:87,事案(憲法5,行政法18;民法9,会社法2);判例(民法4);その他(行政法1;民法30;刑法18) - 140字法律学

刑法総論/ 過失犯について(6ツイート)

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◇明文なき過失犯処罰。結果的加重犯における重い結果
刑法判例24/ 明文なき過失犯処罰につき,関連法令や立法趣旨等からその意図が看守できる場合,判例は,法規の実効性確保等の観点から肯定。/責任主義から,結果的加重犯の成立を認めるのに,基本犯と重い結果との間の因果関係だけでなく,重い結果の発生に過失(予見可能性)が必要かにつき,判例は因果関係あれば足るする。
[『判例ラクティス 刑法Ⅰ』112頁(順に,最決昭57・4・2,最判昭32・2・26)参照]

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◇過失犯の構造,(構成要件該当性),責任要素(有責性)
刑法85/ 783/ #過失は不注意_すなわち注意義務違反。過失犯の注意義務は,結果予見義務と結果回避義務とからなる。#結果予見義務違反は予見可能性あることが前提,故意犯の故意に対応(責任要素)。過失犯の構成要件該当性は_結果回避義務違反および結果回避可能性を前提とする(故意犯の構成要件該当性もそれらが前提)。
[山口『刑法総論』3版246頁参照。
 山口説,旧過失論の立場からも,過失犯の構成要件該当性について検討を要する固有の問題,すなわち,結果回避義務違反の点(この点で,危険の引受け,ないし,許された危険の法理が問題となるようである)が問題となる。この結果回避義務は,故意犯の構成要件該当性を認めるために同様に必要な前提要件といえるが,過失犯の構成要件該当性の認定と異なり,許された危険の法理は論じられない。
 以上が,山口教授の説明のようである。
 また,予見可能性の程度について,高度な予見可能性を必要とするか,ある程度まで緩やかな予見可能性を認めざるをえないこと(同書256頁参照)とも関連するようである(同書247頁)。
 参考:予見可能性の程度に関し,最判平29・6・12刑集71-5-315(『平成29年度重要判例解説』〔刑法1〕)]

◇過失犯の成立要件
[・過失犯の構成要件該当性(TB): 実質的な危険があり,それが許された危険でなく,かつ結果回避可能性があることを前提とする,結果回避義務違反(実行行為),結果の発生,回避義務違反行為と結果との間の因果関係。
・過失犯の責任要素(S):結果予見義務違反=不注意=過失。
(前提たる予見可能性は,原則,高度な予見可能性を要するが,例外的にある程度まで緩やかなものまで認めざるをえない(自動車事故など類型的に予見可能性が認められる事案,管理過失の事案など)。
 構成要件該当事実に関する具体的な予見可能性。ただ,その細部に至るまでの予見可能性は必要なく,構成要件的結果および結果発生に至る因果関係の基本的部分の予見可能性で足りる。
 構成要件たる因果関係の認識・予見可能性を要するが,行為者に認識・予見可能だった因果経過と実際の因果経過とが違っても,構成要件としての因果関係存在の点で両者が符合し,かつ,結果の具体的予見(予見の具体性)を担保しうる因果経過の基本的部分の予見可能性があればよい。)
 私なりに理解した,平野説および山口説による(旧過失論),過失犯の基本的な構造です。過失犯において,違法性阻却事由(Rw)はどのように問題となるのかは,よくわかりません。]

刑法102/ 800/ 過失犯の要件:実質的な危険あり,それが許された危険でなく,結果回避可能性あることを前提とする,#結果回避義務違反(TB)。過失,すなわち,#結果予見義務違反という不注意あること(S)。TB該当事実に関する具体的な予見可能性要。細部に至るまでは必要なく,結果・因果関係の基本的部分の予見可能性で足る。
[平野『刑法概説』85頁-87頁,山口『刑法総論』3版246頁,247頁,『判例ラクティス 刑法Ⅰ』112頁(大阪高判平3・3・22),参照。
 山口説は,平野説(旧過失論)をより詳しく説明したものだと思う。また,実務の過失の理解と必ずしも対立するものではない(山口同書245頁L12参照)。]

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◇信頼の原則(過失犯の客観的構成要件該当性としての実質的な危険)
刑法判例26/ ある行為をなすに当たって_被害者または第三者が適切な行動をすることを信頼するのが相当な場合には_被害者または第三者の不適切な行動によって結果が発生したとしても_行為者は責任を負わない(信頼の原則)。これは,過失行為の実質的危険性(客観的予見可能性)がない場合の原則(客観的構成要件該当性)。
[『判例ラクティス 刑法Ⅰ』113頁(最判昭41・12・20),平野『刑法概説』86頁,85頁,山口『刑法総論』3版257頁LL2,247頁LL11-9,参照。
 平野教授は,客観的予見可能性という言葉を使われている(85頁)。しかし,山口教授は客観的責任要素という観念を否定されており(33頁),また,結果回避可能性を前提とする結果回避義務を構成要件要素とされている。これは,平野教授の説いておられる結果を発生させる実質的な危険(客観的予見可能性)と,結果回避可能性を前提とする,結果回避義務を,構成要件要素とするということであり(,客観的予見可能性というネーミングを避けて),平野教授と同じ理論を説かれているようである。]

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予見可能性
刑法判例25/ 過失成立要件としてとしての予見可能性は,内容の特定しない抽象的な危惧感・不安感では不十分で,#構成要件該当事実に関する具体的な予見可能性でなければならない。もっとも,その細部に至るまでの予見可能性は必要なく,#構成要件的結果および結果発生に至る因果関係の基本的部分の予見可能性で足りる。
[『判例ラクティス 刑法Ⅰ』112頁(大阪高判平3・3・22)参照。過失犯の責任要素に属する。]

◇因果関係の基本点部分の予見可能性
刑法11/ 総論8/ 127/ 過失犯成立には、構成要件たる因果関係の認識・予見可能性を要する。行為者に認識・予見可能だった因果経過と実際の因果経過とが違っても、構成要件としての因果関係存在の点で両者が符合し、かつ、結果の具体的予見(予見の具体性)を担保しうる因果経過の基本的部分の予見可能性があればよい。#刑法
[山口『刑法総論』2版235・236頁参照。法的判断枠組み(理論的説明)。札幌高判昭51・3・18高刑集29-1-78(北大電気メス事件)の言い回しと,山口教授の説明とをなんとか組み合わせた。
 北大電気メス事件の「因果関係の基本的部分」という言い回しが,故意の錯誤論の裏返しだ(と思う。私の理解がまだ足りていないかもしれませんが)ということに上記の文章まとめていて気が付きました。
 刑法T29(11ウ)参照]

©2018@right_droit

 

◇過失犯の構造,構成要件要素(構成要件該当性),責任要素(有責性)

刑法85/ 783/ #過失は不注意_すなわち注意義務違反。過失犯の注意義務は,結果予見義務と結果回避義務とからなる。#結果予見義務違反は予見可能性あることが前提,故意犯の故意に対応(責任要素)。過失犯の構成要件該当性は_結果回避義務違反および結果回避可能性を前提とする(故意犯の構成要件該当性もそれらが前提)。

[山口『刑法総論』3版246頁参照。

 山口説,旧過失論の立場からも,過失犯の構成要件該当性について検討を要する固有の問題,すなわち,結果回避義務違反の点(この点で,危険の引受け,ないし,許された危険の法理が問題となるようである)が問題となる。この結果回避義務は,故意犯の構成要件該当性を認めるために同様に必要な前提要件といえるが,過失犯の構成要件該当性の認定と異なり,許された危険の法理は論じられない。

 

◇過失犯の成立要件

[・過失犯の構成要件要素(TB): 実質的な危険があり,それが許された危険でなく,かつ結果回避可能性があることを前提とする,結果回避義務違反(実行行為),結果の発生,回避義務違反行為と結果との間の因果関係

・過失犯の責任要素(S):結果予見義務違反=不注意=過失。

(前提たる予見可能性は,原則,高度な予見可能性を要するが,例外的にある程度まで緩やかなものまで認めざるをえない(自動車事故など類型的に予見可能性が認められる事案,管理過失の事案など)。

構成要件該当事実に関する具体的な予見可能性。ただ,その細部に至るまでの予見可能性は必要なく,構成要件的結果および結果発生に至る因果関係の基本的部分の予見可能性で足りる。

構成要件たる因果関係の認識・予見可能性を要するが,行為者に認識・予見可能だった因果経過と実際の因果経過とが違っても,構成要件としての因果関係存在の点で両者が符合し,かつ,結果の具体的予見(予見の具体性)を担保しうる因果経過の基本的部分の予見可能性があればよい。)

私なりに理解した,平野説および山口説による(旧過失論),過失犯の基本的な構造です。過失犯において,違法性阻却事由(Rw)はどのように問題となるのかは,よくわかりません。]

 

刑法102/ 800/ 過失犯の要件:実質的な危険あり,それが許された危険でなく,結果回避可能性あることを前提とする,#結果回避義務違反(TB)。過失,すなわち,#結果予見義務違反という不注意あること(S)。TB該当事実に関する具体的な予見可能性要。細部に至るまでは必要なく,結果・因果関係の基本的部分の予見可能性で足る。

[平野『刑法概説』85頁-87頁,山口『刑法総論』3版246頁,247頁,『判例ラクティス 刑法Ⅰ』112頁(大阪高判平3・3・22),参照。

 山口説は,平野説(旧過失論)をより詳しく説明したものだと思う。また,実務の過失の理解と必ずしも対立するものではない(山口同書245L12参照)]

 

刑法総論/ 故意 (故意の認識対象・認識内容; 確定的故意, 認識のある過失との境など) - 140字法律学

2018年11月分ツイート:87,事案(憲法5,行政法18;民法9,会社法2);判例(民法4);その他(行政法1;民法30;刑法18)

25日~30日:11, Read:

17日~24日:22, Read:

12日~16日:20, Read:

5日~11日:19, Read:

1日~4日:15, Read:

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2018年11月29日(その他1)
刑法102/ 800/ 過失犯の要件:実質的な危険あり,それが許された危険でなく,結果回避可能性あることを前提とする,#結果回避義務違反(TB)。過失,すなわち,#結果予見義務違反という不注意あること(S)。TB該当事実に関する具体的な予見可能性要。細部に至るまでは必要なく,結果・因果関係の基本的部分の予見可能性で足る。
[平野『刑法概説』85頁-87頁,山口『刑法総論』3版246頁,247頁,『判例ラクティス 刑法Ⅰ』112頁(大阪高判平3・3・22),参照。
 山口説は,平野説(旧過失論)をより詳しく説明したものだと思う。また,実務の過失の理解と必ずしも対立するものではない(山口同書245頁L12参照)。]


2018年11月27日(その他1)
刑法101/ 799/ #賄賂罪の保護法益は職務の公正とそれに対する社会の信頼。∵適法な職務行為に対する賄賂授受,職務行為後の授受も可罰的。#職務行為が賄賂の影響下に置かれ_職務遂行における裁量が不当行使される危険防止に対する信頼も保護。請託,⇒賄賂の影響下に置かれる危険大。不正な職務行為,賄賂の影響の結果。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 刑事系』5版171頁(最大判平7・2・22刑集49-2-1,ロッキード事件),山口『刑法各論』2版610頁-613頁,参照。参考:R27予備で,賄賂罪についての問題が出題されているが,保護法益論を書かなければならないのか,わかりません。]


2018年11月25日(その他9)
刑法99,100/ 797,798/ 因果関係は,#実行行為の危険性が結果に実現したといえるかにより判断すべき。その場合,行為時に存した事情を客観的に判断。また,介在事情の経験的通常性の低い場合も,実行行為の危険性が結果に実現したといえる場合があるので,端的に危険の現実化の過程を検討すべき。
本件の,被害者が高速道路へ侵入→

/ →という介在事情は, 極めて危険だが,Xらの激しい暴行で,極度の恐怖感を抱き,必死に逃走を図る過程でのとっさの選択で,精神的圧迫状態を考慮すると,そのような危険な行動に出ることも,暴行から逃れる方法として,著しく不自然,不相当であったとはいえず,介在事情の経験的通常性が低いとまではいえない。
[山口『刑法総論』3版62頁-63頁(最決平15・7・16刑集57-7-950),60頁-61頁参照]

☆被害者の行為の介入
Q:長時間にわたり激しい暴行を受け、すきを見て逃走した被害者が、追跡から逃れるために高速道路に侵入し、逃走してきた自動車に衝突、れき過されて死亡した場合(高速道路侵入事件)、Xらの激しい暴行行為と被害者のれき死との間に因果関係が認められるか。
1.問題の所在
 実行行為と結果との間に被害者の行為が介在しているため、因果関係が認められるか問題となる。
2.法的判断枠組み
 因果関係については、実行行為の危険性が結果に実現したといえるかによって判断すべきである。その場合、行為時に存した事情を客観的に判断する。また、介在事情の経験的通常性の低い場合も、実行行為の危険性が結果に実現したといえる場合があるので、端的に、危険の現実化の過程を検討すべきである。
3.事実の拾い出し、評価
 本件において、被害者が高速道路へ侵入したという介在事情は、極めて危険な行動であるが、Xらの激しい暴行により、Xらに対し極度の恐怖感を抱き、必死に逃走を図る過程でとっさに選択した行動であり、被害者の精神的な圧迫状態を考慮すると、被害者がそのような危険な行動に出ることも、Xらの暴行から逃れる方法として、著しく不自然、不相当であったとはいえず、介在事情の経験的通常性が低いとまではいえない。
 したがって、被害者が高速道路に侵入して死亡したのは、Xらの激しい暴行に起因するものと評価でき、実行行為の危険性が結果に実現したといえる。
4.結論
 よって、Xの暴行と被害者の死亡との間に因果関係が認められる。
以上

[山口『刑法総論』3版62頁-63頁(最決平15・7・16刑集57-7-950),60頁参照]

刑法98/ 796/ 実行行為の危険性は,#行為時に存在した事情を基礎に客観的に判断。また,#通常の因果経過をたどり結果発生したとはいえないが(介在事情の経験的通常性低い),実行行為の危険性が結果に実現したといえる場合あり。実行行為に認められる,結果惹起の現実的危険性の実現過程(#危険の現実化)を,端的に検討要。
[山口『刑法総論』3版60頁-61頁(最決平22・10・26刑集64-7-1019(日航機ニアミス事件),最決平24・2・8刑集66-4-200(トラック・ハブ脱落事件))参照]

刑法97/ 795/ 条件関係の存在を前提に,生じた結果が実行行為の危険を現実化したと評価できる場合,因果関係肯定。#実行行為の危険性_介在事情の結果発生への寄与度検討_実行行為が結果発生の直接の原因になった⇒因果関係肯定,そうでない場合,#行為の介在事情への影響(経験的通常性)高い(介在事情異常でない)⇒肯定。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 刑事系』5版14頁-15頁(最決平15・7・16,最決平18・3・27,最決平22・10・26,最決平24・2・8)参照。参考:前田『刑法総論講義』5版197頁-198頁]

刑法96/ 794/ #不作為の放火罪の構成要件要素たる作為義務(結果回避義務)は,過失による危険な先行行為,自家や残業職員としての地位(保障人的地位),などに基づき,#火源を自己の支配領域に置いていることにより基礎づけられる。#消火の容易性(結果回避可能性)は,因果関係の要件。#焼損を認容する意思は,放火罪の故意。
[山口『刑法総論』3版83頁-84頁(最判昭33・9・9刑集12-13-2882),79頁-80頁(最決平元・12・15刑集43-13-879)参照。R22旧①]

刑法95/ 793/ 不真正不作為犯は,何らかの不作為と構成要件的結果との間の,実行行為の危険性現実化という意味での因果関係だけでは構成要件該当性は認められず,結果回避義務としての作為義務(#保証人的地位に基づく作為義務)を要する。一定の限定された不作為,#結果原因の支配のある不作為だけが作為と同視可のため。
[山口『刑法総論』3版81頁-82頁(大判大13・3・14刑集3-285)参照。,構成要件的結果惹起の現実的危険性を支配する保障人的地位にある者の作為義務(結果回避義務)違反の不作為について,作為との同価値性が認められるということであり,辰巳趣旨規範本5版8頁も同じようなことを書いているのであろう。]

刑法94/ 792/ 不作為の因果関係:#一定の作為がされていたなら_結果阻止できだろうというように_仮定的判断を取り入れ条件関係肯式を修正し判断。例:被害女性が,Xにより注射された覚せい剤で錯乱状態に陥った時点で直ちに救急医療を要請していれば,救命は十中八九可能,合理的疑いを超える程度に確実,⇒因果関係あり。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 刑事系』5版9頁(最決平元・12・15)参照]

刑法93/ 791/ #作為義務は構成要件要素。∵そう位置付けることで,構成要件の違法性推定機能が認められる。/作為義務について錯誤があるとしても,#素人的認識あれば_故意あり。∵裁判官と同様の法的評価能力を要求するのは無理だが,規範的構成要件要素たる作為義務の意味の認識なければ,規範に直面したとはいえない。
[辰巳『趣旨・規範男度ブック 刑事系』5版9頁参照]

刑法92/ 790/ 作為と同価値の実行行為性の認められる不作為:#当該構成要件的結果発生を防止すべき法律上の作為義務ある者(保障人)が,#作為が可能・容易なのにかかわらず作為を怠る場合。∵構成要件的結果惹起の現実的危険性ある,正犯者の行為が実行行為だが,上記要件をみたせば,#規範的に現実的危険性ありといえる。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 刑事系』5版8頁,山口『刑法総論』3版51頁,68頁LL6,参照。参考:R22旧①]

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2018年11月分(1日~24日)ツイート:76,事案(憲法5,行政法18;民法9,会社法2);判例(民法4);その他(行政法1;民法30;刑法7)
2018年11月(17日~24日)分ツイート:22,判例(民法2);その他(民法13;刑法7)
2018年11月24日(その他2)
刑法91/ 789/ 「現に人が住居に使用」(刑法108条,現住性):現に人の起臥寝食の場所として日常使用されていること,昼夜間断ない人の現在は不要。数日起臥寝食がされないとしても,#不在者が以後も起臥寝食の場所として日常使用することを認識していたなど居住意思ある場合_家屋の使用形態に変更なく,現住性失われない。
[『判例ラクティス刑法Ⅱ』〔426〕(最判平9・10・21刑集51-9-755)判旨および解説参照]

刑法90/ 788/ 刑法108条の建造物等:現に人が住居に使用する(現住建造物等)か,現に人がいる(現在建造物等)こと要。後者:人の現在性により,108条の重罰根拠たる,建造物等の内部に現在する人に対する危険把握。後者:人の現在性は不要。危険惹起の対象は,#建造物内部に存在する可能性ある人にまで「住居」と限定し拡張。
[山口『刑法各論』2版378頁参照。参考:R22旧①,こちらは,109条1項の非現住建造物放火罪の成否が問題となるようである。]


2018年11月23日(その他2)
刑法89/ 787/ わいせつ行為には,#行為そのものが持つ性的特質が明確で_直ちにわいせつな行為と評価できる行為だけでなく,性的特質が不明確で,具体的状況等をも考慮しなければ性的な意味があるか評価し難いような行為もある。
本件では,行為そのものが持つ性的特質が明確(前者)だから,客観的にわいせつな行為に該当。
[『平成29年度重要判例解説』〔刑法3〕(最大判平29・11・29刑集71-9-467)参照]

刑法88/ 786/ 甲は,呼び出しに応じれば,凶器を用い暴行されるのを十分予期しながら,自宅に居て警察の援助を受けることが容易だったにもかかわらず,包丁を携え,現場に赴き,ハンマーで攻撃されるや,#包丁で威嚇することもなくAに近づき_左側胸部を強く刺突。右行為は,刑法36条の趣旨に照らし許容不可,侵害急迫性なし。
[『平成29年度重要判例解説』〔刑法2〕(最決平29・4・26刑集71-4-275)参照]


2018年11月22日(その他2)
刑法86,87/ 784,785/ #侵害を予期していたからといって_直ちに急迫性は失われれない。行為者がその機会を利用し積極的に相手方に対し加害行為をする意思で侵害に臨んだなど,#緊急情況下での不正な侵害を排除するために私人による対抗行為を例外的に許容した_刑法36条の趣旨に照らし許容できない場合_急迫性要件みたさない。

/ 侵害の急迫性要件の考慮要素:先行事情,#行為全般の状況に照らし,従前の関係,予期された侵害内容,予期の程度,#侵害回避の容易性,侵害場所に出向く必要性,そこにとどまる相当性,対抗行為の準備状況(#凶器の準備・性状等),予期侵害と実際の侵害行為の異同,#行為者が侵害に臨んだ状況,その際の意思内容等。
[『平成29年度重要判例解説』〔刑法2〕(最決平29・4・26刑集71-4-275,最判昭46・11・16刑集25-8-996,最決昭52・7・21刑集31-4-747)参照]

2018年11月21日(その他1)
刑法85/ 783/ #過失は不注意_すなわち注意義務違反。過失犯の注意義務は,結果予見義務と結果回避義務とからなる。#結果予見義務違反は予見可能性あることが前提,故意犯の故意に対応(責任要素)。過失犯の構成要件該当性は_結果回避義務違反および結果回避可能性を前提とする(故意犯の構成要件該当性もそれらが前提)。
[山口『刑法総論』3版246頁参照。
 山口説,旧過失論の立場からも,過失犯の構成要件該当性について検討を要する固有の問題,すなわち,結果回避義務違反の点(この点で,危険の引受け,ないし,許された危険の法理が問題となるようである)が問題となる。この結果回避義務は,故意犯の構成要件該当性を認めるために同様に必要な前提要件といえるが,過失犯の構成要件該当性の認定と異なり,許された危険の法理は論じられない。
 以上が,山口教授の説明のようである。
 また,予見可能性の程度について,高度な予見可能性を必要とするか,ある程度まで緩やかな予見可能性を認めざるをえないこと(同書256頁参照)とも関連するようである(同書247頁)。
 参考:予見可能性の程度に関し,最判平29・6・12刑集71-5-315(『平成29年度重要判例解説』〔刑法〕1)]
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過失犯の構成要件該当性を認めるために,結果回避義務違反,要。

過失犯の責任要素として,結果予見義務違反=不注意=過失,要。
(前提たる予見可能性は,原則,高度な予見可能性を要するが,例外的にある程度まで緩やかなものまで認めざるをえない(自動車事故など類型的に予見可能性が認められる事案,管理過失の事案など)。)
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このような感じか?
 私の理解が足りていないところは,後日書き足すかもしれません。とりあえず,旧過失論に属する山口説について私なりに理解した基本的な事柄の範囲でツイートしております。


2018年11月19(その他2)
民法132/ 782/ 地上建物が仮差押えされた後,本執行に移行し強制競売手続で売却により買受人が所有権を取得した場合,#土地・地上建物が当該仮差押え時点で同一の所有者に属していれば_その後に土地が譲渡され_当該強制競売手続の差押え時点では土地・地上建物が同一所有者に属していなかったとしても_法定地上権成立。
[『平成29年度重要判例解説』〔民法6〕(最判平28・12・1民集70-8-1793),民執法81条では「差押え」と規定されていること,参照]

民法131/ 781/ #自己借地権設定は一般的に認められてないため(借地借家法15条参照),抵当権実行により土地と建物が別人の所有に帰した場合,土地利用権のない建物が出現するおそれあり。建物を収去しなければならないとすると,#社会経済上不利益_また_当事者の合理的意思に反する。その不利益回避が,法定地上権の趣旨。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版71頁参照]

2018年11月18日(判例1;その他9)
民法127-130/ 777-780/ #共同相続した可分債権は_法律上当然に分割され_相続分に応じ権利承継。∵共同帰属という形態に親しまない。民法264条の特則たる427条適用。共同相続人の1人が,共同相続財産中の可分債権を,法律上の権限なく自己分を超え行使した場合,権利侵害となり,#不法行為損賠賠償_不当利得返還請求の対象となる。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版175頁(最判昭29・4・8,最判平16・4・20)参照]

/ #不可分債権は共同相続人全員に帰属し(民法898条),共同して,または各債権者は相殺権者のために履行請求できる(428条,429条)。∵遺産共有(898条)により,債権は相続人間の準共有(264条)となるのが原則だから。例:株式,投資信託受益権,国債。可分か不可分かの区別は,権利の内容・性質を検討して判断する。
[同書同頁(最判平26・2・25)参照]

/ #相続人は遺産分割までは_相続開始時に存した金銭を相続財産として保管している他の相続人に対し_自己の相続分に相当する金銭の支払いを求めることはできない。∵遺産中の金銭を当然に債権扱いしなければならないわけではない。当然に分割帰属するのでは,遺産分割で金銭を利益調整に使えなくなるから。
[同書176頁(最判平4・4・10)参照]

/ 遺産分割前に共同相続人間の共有不動産から生じた賃料債権は,相続開始時に未だ発生していない,#遺産とは別個の財産であり,共同相続人が共同賃貸人となり,#相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得する。遺産分割には遡及効があるが,確定取得した賃料債権は,後にされた遺産分割の影響を受けない。
[同書同頁(最判平17・9・8)参照。R20①]

民法124-126/ 774-776/ 民法370条本文は,抵当権が目的物の使用収益権を設定者の下に留めつつ目的物の交換価値を支配する担保物権たることに鑑み,目的物の全交換価値を把握させる趣旨。⇒#付加一体物とは_目的物と経済的_価値的に一体的である物。付合物(242条本文)は,#目的不動産の構成部分→付合の時期を問わず,付加一体物。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版66頁参照]

/ 従物の要件(民法87条1項)は,①主物の常用に供される,②主物と同一の所有者に帰属,③独立したもの,④主物に従属するといえる程度の場所的関係。従物は,抵当権設定時期を問わず,付加一体物(370条本文)として,抵当権の効力及ぶ。∵#従物は主物の効用を高めるもので_不動産と経済的_価値的に一体といえる。
[同書同頁(最判昭44・3・28)参照。敷地利用権(地上権,土地利用権)も,目的不動産の従たる権利として,従物に準じ,370条本文により抵当権の効力が及ぶ。]

/ 付加一体物が,不動産から分離されても,抵当目的物上にある場合,抵当権の効力及ぶ。∵抵当権は価値支配権。分離物が搬出された場合,#第三者即時取得(民法192条)が成立するまで抵当権の効力及ぶ。∵抵当権者保護と取引安全とを調和させるため。⇔搬出されると,登記による公示の衣が及ばず,対抗力喪失。
[同書67頁(大判昭7・4・20,最判昭57・3・12)参照]

民法123/ 773/ 転借人は賃貸人に直接に義務を負うが(民法613条1項,賃貸人の権利),直接の契約関係はないので,賃貸人に義務なし。⇒賃借人(転貸人)に債務不履行があっても,#賃貸人が賃貸借契約を解除するのに_転借人への催告不要。転貸借契約は,賃借人が転借人に目的物の返還を請求したとき,社会通念上履行不能となる。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版139頁(最判昭37・3・29,最判平9・2・25)参照。
 もっとも,賃借権の放棄,合意解除は,特段の事情なき限り,転借人に対抗できない(大判昭9・3・7)。∵398条、538条の法理(何人も第三者の権利を害することはできない)。]

民法122/ 772/ Aが所有建物をBに譲渡,BがそれをCに賃貸し引き渡した後,AがDに建物を二重譲渡,Dが登記具備した場合:建物賃借人CはDに賃借権を対抗できる。∵①#Cが建物を賃借し引き渡された時点でBに賃借権限があったのだから,Cを保護すべき。②借地借家法31条1項の「建物の賃貸借」は,賃貸人が建物所有者か問わない。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版139頁(大判昭4・3・1)参照]

民法判例22/ #近親者名義の建物登記では借地権を第三者に対抗できない(最判昭41・4・27)。∵取引上の第三者は登記簿の記載で当該建物の権利者を推知するのが原則,対抗を認めると第三者の利益を害する。⇔対抗可。∵#実際の取引では現地検分するのが通常で_そこに建物あれば_登記簿を見て借地権の存在を推知しうる。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版138頁参照]


2018年11月17日(判例1;その他2)
民法121/ 771/ #敷金交付者が賃貸人と_敷金を新賃借人の債務不履行の担保とすると約しまたは新賃借人に対し敷金返還請求権を譲渡するなど特段の事情なき限り,敷金に関する権利義務は新賃借人に承継されない。∵敷金交付者の予期に反する。/賃貸人の必要費・有益費償還義務は承継されない。∵賃貸借契約に基づく債権。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版(最判昭53・12・22)参照]

民法120/ 770/ 賃貸借存続中,所有者・賃貸人が交代した場合,敷金は,未払賃料あれば当然充当され,残額あれば新賃貸人承継。#賃貸借契約と敷金契約とは別個の契約だが_賃貸借に付従し_主契約たる賃貸借契約における債務を担保するものだから,随伴。/賃貸借修了後明渡し前は,旧所有者と新所有者の合意のみでは承継不可。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版136頁-137頁(最判昭44・7・17,最判昭48・2・2)参照]

民法判例21/ #土地の継続的用益という外形的事実の存在_それが賃借の意思に基づくことが客観的に表現されている場合,賃借権を時効取得できる(最判昭43・10・8)。∵不動産賃借権の物権化が進み時効取得を認めるべき要請があるが,他方で賃貸人に時効中断の機会を与える必要から,外形的事実の存在を要求すべきだから。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版136頁参照]

 

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2018年11月(1日~16日)分ツイート:54,事案(憲法5,行政法18;民法9,会社法2);判例(民法2);その他(行政法1;民法17)

2018年11月(12日~16日)分ツイート:20,事案(民法4);判例(民法1);その他(民法15)

2018年11月16日(判例1;その他4)
民法119/ 769/ #賃貸目的物の返還時に残存する賃料債権は_敷金が存在する限度で敷金の充当により当然消滅し_賃借人は_それを抵当権者に主張可。∵①敷金の充当による未払賃料の消滅は,敷金契約から発生する効果であり,民法511条によっても妨げられない,②抵当権者は賃料債権差押前,原則,不動産の用益関係に介入不可。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版70頁(最判平14・3・28)参照。
 ②抵当権者は賃料債権差押前,原則,不動産の用益関係に介入不可。⇒抵当不動産の所有者等は,敷金契約を締結するか自由に決められ,締結した場合は,賃料債権は敷金の充当を予定した債権となるから。]

民法118/ 768/ #抵当権者が物上代位権を行使し債権差押えした後は_第三債務者は抵当権登記後に設定者に対し取得した債権を自働債権とする相殺を_抵当権者に対抗不可。∵抵当権の物上代位の効力が賃料債権に及ぶことは登記で公示済,右登記後取得した賃貸人に対する債権への,賃借人の相殺期待は,抵当権の効力に後れる。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版(最判平13・3・13)参照。
 抵当権の物上代位の効力が賃料債権に及ぶことは登記で公示済,右登記後取得した賃貸人に対する債権への,賃借人の相殺期待は,抵当権の効力に優先させる理由はない。]

民法116,117/ 766,767/ #抵当権者は_物上代位の目的債権が譲渡され_債権譲渡の第三者対抗要件が備えられても_目的債権を差し押さえ物上代位権行使可。∵民法304条1項の差押えは,二重弁済の危険から第三債務者を保護することにあり,#物上代位の差押命令送達前には債権譲受人に弁済すれば足り_送達後は供託し免責で保護される。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版69頁(最判平10・1・30)参照]

/ 動産売買先取特権:抵当権と異なり公示方法がないので,民法304条1項に目的債権の譲受人等の利益保護の趣旨も含む。⇒目的債権が譲渡され,#債権譲渡の第三者対抗要件具備後は_物上代位権行使不可。/転付命令:債権者に独占的満足を与えるもの⇒#転付命令送達時までに差押えしなければ物上代位権行使不可。
[同書69頁(最判平17・2・22,最判平14・3・12)参照。T29(12イ)]

民法判例20/ 抵当権設定者の他の一般債権者の差押えと,物上代位権の優劣は,#差押命令の送達と抵当権設定登記の先後によって決っせられる(最判平10・3・26)。∵①#債権差押えの効力は差押え命令の第三債務者への送達で発生,②抵当権は登記により公示されるので,#第三者に対抗するために登記を具備する必要あるから。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版68頁参照]


2018年11月15日(事案1)
総則物権事案8/ 最決平29・5・10事案:輸入業者Xは,銀行Yから信用状発行を受け輸入する商品にYに対し譲渡担保権設定,YはXにこの商品を貸渡し,Xに受領,通関手続,運搬,処分等権限付与。Xは,海運貨物取扱業者(海貨業者)Bらに受領等手続を委託し(直接占有),第三債務者Dに転売。X再生手続開始時に,Y,対抗要件(占有改定)具備?
[『平成29年度重要判例解説』〔民法5〕(民集71-5-789)参照。銀行Yの物上代位権行使に異議を唱え,Xの再生手続開始時点でYは対抗要件(即時取得)を備えていなかった(したがって,物上代位権を行使できない)と,原々審に執行抗告を申し立てたのは,輸入業者Xの方のようなので,29年度重要判例解説59頁に合わせ,輸入業者をX,銀行をYとした。
 間接占有によっても占有改定できる場合を示した事例決定。]


2018年11月14日(その他4)
民法115/ 765/ 原則:#抵当不動産の賃借人は自己に属する債権を被担保債権の弁済に供されるべき立場になく,民法304条1項の「債務者」に含まれず,転貸賃料への物上代位不可。例外:賃借人を抵当不動産の所有者と同視可⇒肯定。/目的物にかけられた保険金の請求権は物上代位対象。保険料の対価だが,#実質的に価値代表物。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版68頁(最決平12・4・14,大判明40・3・12)参照]

民法114/ 764/ 抵当目的物の賃料は物上代位の対象となるか? 賃料から債権回収する必要性もあり,#賃料は目的物の交換価値がなし崩し的に実現されたものといえる,設定者の目的物使用を必ずしも妨げるものとはいえず,肯定すべき。平成15年改正で,民法371条が修正され,収益執行手続も導入され,#債務不履行後,物上代位可。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版68頁(最判平元・10・27),内田『民法Ⅲ』3版404頁,407頁,460頁参照]

民法113/ 763/ 抵当目的物の売却代金は物上代位対象か? ①民法304条1項の明文があり,②交換価値の現実化による価値代表物に抵当権の効力を及ぼし当事者間の公平をはかる条文趣旨から,売却代金は交換価値が現実化した価値そのものとも考えられる。しかし,③#対抗要件具備の抵当権には追及力あり,実益なく,否定すべき。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』67頁,内田『民法Ⅲ』3版403頁参照。趣旨規範本は,①②の理由で肯定。内田先生は,③などの理由で否定。]

民法112/ 762/ 民法304条1項本文は,抵当権が目的物の交換価値を把握する担保物権であることから,#交換価値が現実化したとき_その価値の代表物に効力を及ぼすことにより_当事者間の公平を図る趣旨である。ただし書は,担保権の効力が及んでいることを知らない第三者が二重弁済しなければならない危険を防ぐ趣旨である。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版67頁参照]


2018年11月13日(事案3;その他4)
民法108,109,110,111/ 758,759,760,761/ 自ら社会的に非難されるべき行為をした者は法の保護に値しないので,不当利得返還請求権否定(民法708条)。違法行為の抑制となる。要件:①不能な原因のため,②給付した。不法は,90条の公序良俗違反をいう。#給付とは_終局的な給付である。∵終局的でない給付まで,法が助力し返還請求を否定すべきでない。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版152頁参照。終局的でない給付の返還請求権を否定することは,かえって法が不法の実現に助力することになり,状の趣旨に反するとする。参考:最大判昭45・10・21,最判昭46・10・28]

/ 不法原因給付が給付者,受給者双方にある場合も,#前者の不法性が後者のそれよりも極めて弱い場合,民法90条・708条の適用なく,不当利得返還請求肯定。708条ただし書の文言上「受益者についてのみ」とあるが,このような場合まで返還請求を否定すると,受益者を利し,かえって違法行為を助長しかねないから。
[同書152頁-153頁(最判昭29・8・31)参照]

/ 不法原因給付の効果:給付したものの不当利得返還請求できない。#その反射的効果として給付物の所有権は受益者に移転。/不法行為に基づく損害賠償請求,所有権に基づく返還請求にも類推適用される。∵#違法行為の抑止という民法708条の趣旨の潜脱防止。/裁判所が助力しないだけで,給付物返還特約は有効。
[同書153頁-154頁(最大判昭45・10・21,最判昭44・9・26,最判昭28・1・22)参照。
なお参考:最判平26・10・28平成26年重判〔民法7〕(信義則による不法原因給付の主張の制限)]

/ 不法原因給付の給付者の一般債権者が債権者代位権を行使し給付物の返還請求をすることもできない。∵民法708条により給付者の不当利得返還請求権が存在しなくなり,被代位債権不存在。/詐害行為取消権を行使し契約を取り消すことはできる。∵#債権者代位権とは異なり債権者独自の立場での取消しだから。
[同書153頁(大判大5・11・21)参照]

総則物権事案5,6,7/ 内田民法Ⅰ4版375頁Ⅷ-4:BはAの土地の登記名義を勝手に自分に移し,自分の土地としてCに売却。Aが気づきCに土地明渡・登記抹消請求,Aが勝訴。Cが土地の占有を有する間に,土地上の蜜柑が実をつけた場合,Cに収取権あるか?/善意占有者に果実収取権(民法189条Ⅰ),#本件の訴えで敗訴⇒悪意とみなされる(Ⅱ)。
[設例。占有物から生じた果実の収取権]

/ 内田民法Ⅰ4版376頁Ⅷ-5:BはAの建物の登記名義を勝手に自分に移し,自分の建物としてCに売却。Aが気づきCに建物明渡・登記抹消請求,A勝訴。Cが建物に投下した費用如何?/必要費:回復者(A)に償還請求可。ただし,果実を収取⇒#通常の必要費:占有者(C)負担。有益費:#価格増加現存⇒費用or増加分償還請求可。
[設例。占有者の必要費償還請求権(民法196条1項,善意・悪意に関わらない),有益費償還請求権(同条2項,悪意の占有者が占有物に有益な費用を投下した場合も,回復者の要望(請求)があれば,裁判所の許与することにより、費用償還を待ってもらえる(ただし書)。)]

/ 内田民法Ⅰ4版377頁Ⅷ-6:BはAの建物の登記名義を勝手に自分に移し,自分の建物としてCに売却。Aが気づきCに建物明渡・登記抹消請求。Cが建物を滅失させたり(例:失火),損傷を与えたとき?/占有者の帰責事由で滅失・損傷:悪意占有者⇒全損害賠償義務。#善意・自主占有者⇒滅失・損傷で現に得た利益の限度。
[設例。民法191条本文。他主占有者(賃借人など)は善意であっても,全損害賠償義務を,回復者(A)に対して負う(同条ただし書)。]


2018年11月12日(その他3)
bot/ 委託された金銭の保管手段として預金する場合、預金による金銭の占有を否定すれば、#払い戻す金銭につき横領罪が問題になるが、#振込・振替送金の場合に金銭を手にしないので、#委託物横領罪は成立せず背任罪が問題となるにどどまり均衡を失する。したがって、#預金による占有を肯定すべきである。
補足/ 山口『刑法各論』2版295頁:一定の金額についての占有(物概念の拡張)。
さらに,預金の占有は,事実上の処分可能性ではなく,#預金の払戻権限により基礎づけられる。すなわち,事実上預金を処分しうるにすぎない窃盗犯人には銀行に対する関係で預金の占有は認められないので(銀行に対し?)詐欺罪が成立する。
[1.窃盗犯人に詐欺罪が成立するとして,被害者は誰であろうか? 銀行と預金者の双方であろうか?
 銀行のみ被害者だとしたら,預金者の銀行預金をだまし取られて記載上預金残高が0になったとしても,預金者の預金は従前どおりということであろうか? ただし,その場合,預金者の払戻預金債権と,預金者が通帳を盗まれたことにより銀行が負った被害の賠償請求債権(詐取金額全額ではないであろう?)と,対当額で相殺ということになるのであろうか?
2.預金通帳・印鑑の窃盗者には,預金者との関係でも預金の占有は認められないので,預金者に対して,遺失物横領罪は成立しない。
 ということは,預金者との関係では,通帳等の窃盗罪が成立するだけということ? その中身たる預金の詐取については,銀行に対する詐欺罪が成立するのみということ?
3.預金の占有(預金による占有)を認めるということは,財産犯についての,占有概念の拡張であるとともに,物(財物)概念の拡張ということのようである。]

民法107/ 757/ 錯誤は内心的効果意思と表示された効果意思の不一致であり,原則,動機の錯誤は,民法95条の錯誤にはあたらない。例外的に,#表意者がこれを意思表示の内容に加える意思を明示or黙示に表示すれば意思表示の内容となり,無効たり得,動機の錯誤が,#通常人を基準に客観的に重要なら_同条の要素の錯誤をみたす。
[『判例ラクティス民法Ⅰ』〔95〕(大判大3・12・15民録20-1101)参照。参考:内田『民法Ⅰ』4版66頁,平成29年民法95条1項1号,2項。]

民法106/ 756/ 債権者代位権を行使する普通の債権者は第三者(民法94条Ⅱ)に含まない。∵#債権者固有の権利だがこれに基づき行使する権利は債務者に属し,債権者はただ債務者の地位に代位し行使するもので,#相手方は_債務者自身の行使と比べ不利益を受くべきでなく_債務者に対抗できる事由を債権者にも対抗できるから。
[『判例ラクティス民法Ⅰ』78頁〔72〕解説参照。普通の債権者を超え,法律上の利害関係を有すると認められるのは,差押債権者,抵当権などの担保権を持つ者,等である。]

民法105/ 755/ 民法94条2項の「第三者」とは,#虚偽の意思表示の当事者またはその一般承継人以外の者であって_その表示の目的につき法律上の利害関係を有するに至った者をいい,直接取引関係に立った者のみならず,#その者からの転得者もまた第三者にあたる。同条項の類推適用においても,解釈を異にすべきで理由はない。
[『判例ラクティス民法Ⅰ』〔81〕(最判昭45・7・24民集24-7-1116)参照。参考:内田『民法Ⅰ』4版56頁]

 

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2018年11月(1日~11日)分ツイート:34,事案(憲法5,行政法18;民法5,会社法2);判例(民法1);その他(行政法1;民法2)

2018年11月(5日~11日)分ツイート:19,事案(行政法8;民法5,会社法2);判例(民法1);その他(行政法1;民法2)

2018年11月11日(事案3;判例1;その他2)
民法104/ 754/ 取引を開始し契約準備段階に入った者は,一般市民間における関係とは異なり,信義則の支配する緊密な関係にたつのだから,後に契約が締結されたか否か問わず,相互に相手方の人格,財産を害しない信義則上の義務を負うべきで,違反し相手方に損害を及ぼせば,#契約責任として(信頼利益の)損害賠償義務を負う。
[『判例ラクティス民法Ⅰ』〔3〕(最判昭59・9・18判時1137-51,第1審,控訴審)参照]

民法103/ 753/ #事情変更原則の適用には,契約締結後の事情の変更が,当事者にとって予見することができず,かつ,当事者の責めに帰することのできない事由によって生じたものたることが必要で,かつ,#予見可能性と帰責事由の存否は_契約上の地位の譲渡があった場合も_契約締結当時の契約当事者について判断すべきである
[『判例ラクティス民法Ⅰ』〔2〕(最判平9・7・1民集51-6-2452)参照]

総則物権事案4/ 最判平29・1・24事案:Xは,消費者契約法2条Ⅳの適格消費者団体。Y社は,クロレラが原料の健康食品販売。細胞の働き活発化の効用,高血圧,腰痛,糖尿病等様々な疾病の回復体験談など記載した新聞折込チラシを配布。Xは,4条Ⅰ①の不実告知にあたるなどとして,12条ⅠⅡに基づき差止訴訟提起。「#勧誘」の意味?
[『平成29年度重要判例解説』〔民法4〕(民集71-1-1)参照]

総則物権事案3/ 最判平29・2・21事案:個別信用購入あっせん業者X社は,A店と加盟店契約締結。Aは,#運転資金を得る目的で_既存顧客Yらに名義貸し依頼_架空売買契約に基づきXや他の信販会社から代金相当額支払を受ける一方_顧客の割賦販売金相当額の支払負担。割賦販売法改正前後の立替払契約あり。A破産。X→Yらに請求。
[『平成29年度重要判例解説』〔民法3〕(民集71-2-99)参照]

民法判例19/ 大判大5・7・5参照:Yは,Xから受任した株式定期取引を実行することなく,取引から生じたおよぞ1万円の金銭債権があるかのように誤信させ,弁済としてX所有土地のYへの売却契約締結。Xは,代物弁済たる本件契約の錯誤無効主張,移転登記抹消請求。Xの錯誤が,意思表示の内容だったか確かめるため,破棄差戻し。
[『判例ラクティス民法Ⅰ』〔90〕(民録22-1325)参照]

総則物権事案/ 最判平28・12・19事案:有限会社Aが,信用保証協会Xを保証人としてY銀行からセーフティネット保証制度を用い融資を受けるための要件たる,牛乳小売業中小企業者認定を市長から得た後,XY,保証契約締結。A破産で,XはYに4925万円代位弁済。契約前のA→B事業譲渡が発覚したため,Xは要素の錯誤による無効主張。
[『平成29年度重要判例解説』〔民法2〕(判時2327-21)参照]


2018年11月10日(事案1)
総則物権事案1/ 最判平29・7・24事案:Aは,Yに過払金約330万円と利息請求。認定司法書士Zは140万円(司法書士法3条Ⅰ⑦)超のため代理人になれない旨説明したが,AがZへの委任を希望,訴訟負担を考慮し200万円で裁判外の和解をした。その後Aは弁護士法72条違反で無効としてYに不当利得返還請求。Aの破産管財人Xが訴訟承継。
[『平成29年度重要判例解説』〔民法1〕63頁(民集71-6-969)参照。弁護士法72条違反により締結された委任契約の効力と,その委任契約に基づいて受任者が委任者を代理して第三者と締結した和解契約の効力とが別個に判断されることを明らかにした(同書64頁参照)。]


2018年11月9日(事案1;その他1)
債権法事案1/ 内田民法Ⅲ3版Ⅷ-5:Aに対する債権者Xは,AがY銀行に有する預金債権を代物弁済として譲り受けた。XがYに預金の払戻しを求めたところ,Yは譲渡禁止特約を主張。Xは「そのようなことは知らずに譲り受けた」と述べたが,Yは銀行預金に譲渡禁止特約あることは公知の事実と主張。Xの主張は認められるか?#重過失?
[内田『民法Ⅲ』3版213頁Ⅷ-5,最判昭48・7・19民集27-7-823,民法466条2項,参照。参考:平成29年民法466条2項。]

行政法55/ 752/ 租税法律関係への信義則適用には,#納税者間の平等・公平の要請を犠牲にしてもなお課税を免れしめ納税者の信頼を保護しなければ正義に反する特別の事情要。それが認められるのは,①#行政庁の公的見解が示され,②納税者がそれを信頼して行動したのに,③経済的不利益を受け,④#納税者に帰責事由なきとき
[『LEGAL QUEST 行政法』3版42頁(最判昭62・10・30判時1262-91,青色申告承認申請懈怠事件),R27予備Q2,参照]


2018年11月8日(事案1)
行政法事案19/ 最判昭57・4・1事案:岡山県A税務署勤務のXは,署長B実施の定期健康診断の胸部X線間接撮影をB嘱託の岡山県C保健所で受け,右肺に結核の初期症状を示す陰影が写っていたが,BはXに精密検査指示をせず,健康保持上必要な措置をとらなかった。翌年結核罹患判明までに病状悪化,長期療養。#Xが国に損害賠償請求
[『LEGAL QUEST 行政法』3版〔判例5-1〕298頁(民集36-4-519)参照]


2018年11月7日(事案1)
行政法事案18/ 最判平21・10・15事案:経済産業大臣自転車競技法4条2項に基づき訴外株式会社Aに場外車券販売施設の設置許可をしたところ,周辺住民等が取消訴訟提起。同条項に基づく自転車競技法施行規則(省令)15条1項は,#文教施設・医療施設から相当の距離を定める位置基準_周辺環境調和基準を定める。原告適格如何?
[『行政判例百選Ⅱ』6版〔178〕(民集63-8-1711)参照。周辺住民は原告適格を有しないが,当該場外施設の設置,運営に伴い著しい業務上の支障が生ずると位置的に認められる区域に医療施設等を開設する者は,位置基準を根拠として,原告適格を有するとし,約120mないし200m離れた場所に医療施設を開設する者3名については原告適格を有すると可能性を認めたが(一部破棄差戻し),約800m離れた場所に医療施設を開設する者の原告適格を有しないとした(一部破棄自判)。]


2018年11月5日(事案8)
会社法事案6/ 最判平24・10・12事案:A信金はB有限会社に貸金債権を有し,C株式会社が連帯保証。A→D株式会社→E有限会社と譲渡された本件貸金債権の管理回収を,EがXに委託。Cを吸収合併したF株式会社が新設分割設立会社Yに,債務の引き当てたる唯一の不動産を承継させ,本件債務は承継されず。#Xが詐害行為取消権行使
[『平成24年度重要判例解説』〔商法7〕(民集66-10-3311)参照。参考:『LEGAL QUEST 会社法』3版421頁,会社分割の無効は会社法828条1項の訴えによってのみ主張できるものとされていること(同条項9号10号)と矛盾しないかの問題。]

会社法事案5/ 東京高判平22・10・27事案:Y1株式会社の飲食事業・広告宣伝事業のうち,後者が不振で債務超過だったため,飲食事業を新設分割設立会社Y2に承継させ事業再生を計画。Y1の無担保資産のほとんどをY2に承継させたが,リース会社Xへの債務は承継に含まれず,#Xは詐害行為取消権に基づき本件会社分割取消し請求
[『会社法判例百選』2版〔92〕(会判1355-42)参照。参考:最判平22・10・12民集66-10-3311]

行政法事案17/ 最判平29・9・8事案:Xは,昭和48年水俣病の認定申請。Xは,昭和59年原因企業A社らに損害賠償請求訴訟(前訴)提起。控訴審は850万円と遅延損害金認容。Y県知事は平成23年,公健法附則4条1項等により,特措法に基づき,Xの水俣病認定。Xは障害補償費支給請求(公健法25条1項)。前訴での補填を理由に不支給決定。
[『平成29年度重要判例解説』〔行政法10〕(民集71-7-1021)参照]

行政法事案16/ 最判平28・12・20事案:普天間飛行場代替施設建設のための,名護市辺野古沿岸域公有水面埋立につき,沖縄防衛局が前知事の承認を得ていたところ,Y知事は,公有水面埋立法4条1項1号2号要件不適合の瑕疵を理由に取り消した。国交大臣Xが,承認取消しの取消しを求める是正指示(地自法245条の7第1項)。Y従わず。
[『平成29年度重要判例解説』〔行政法9〕(民集70-9-2281)参照。Xは,Yの不作為の違法確認を求め,原審,請求認容。Y上告・上告受理申立て。上告棄却。]

行政法事案15/ 最判平24・2・9事案:東京都教育委員会は,平成15年10月本件通達を発し,卒業式等で教職員の起立斉唱義務,校長の職務命令に従わない場合,服務上の責任に問われることを周知。都立高校教員らが,起立斉唱義務の不存在確認・差止訴訟を提起,国賠請求。本件通達に処分性あり,取消訴訟・執行停止申立てが適切。
[『行政判例百選Ⅱ』6版〔214〕(民集66-2-183)参照。当該処分等が後に取消訴訟を提起し,あわせて執行停止を申し立てることにより,容易に回避できる損害は,ここでいう「重大な損害」(行訴法37条の4第1項)に当たらない(「LEGAL QUEST 行政法」3版271頁参照)。]

行政法事案14/ 最判平5・2・25事案:自衛隊管制に服する厚木基地の,周辺住民Xらは,国に対し,海上自衛隊・米軍機の離着陸から生じる騒音,落下物の危険等に晒されているとして環境権・人格権に基づき,夜間の自衛隊機・米軍機の離発着差止めとその余の時間帯の音量規制,過去および差止めまでの将来の損害賠償を求め提訴。
[『行政判例百選Ⅱ』6版〔158〕(民集47-2-643)参照。差止め請求につき民事訴訟。]

行政法事案13/ 最大判昭56・12・16事案:大阪国際空港は,昭和39年ジェット機就航,同45年新たな滑走路供用開始,乗り入れ機種が多様化,大型化,特にジェット機乗り入れ機数,大きく増加。周辺地域居住のXらは,設置管理者Y(国)に対し民事訴訟提起。#騒音等被害による人格権・環境権の著しい侵害主張_夜間の使用差止め訴求。
[『行政判例百選Ⅱ』6版〔157〕(民集35-10-1369)参照。併合請求したXらの国賠請求は認容されたが,差止請求にかかる部分は不適法として却下されている。]

行政法事案12/ 最判昭39・10・29事案:Y(東京都)は,昭和14年ごろ大田区矢口町にゴミ焼却場設置のための用地を買収していたが,昭和32年都議会が設置計画案を可決し,東京都広報に記載し,建築会社と建築請負契約締結。近隣住民Xら9名は,清掃法6条違反などとして,ごみ焼却場設置の一連の行為の無効を求め訴訟提起。処分性?
[『行政判例百選Ⅱ』6版〔156〕(民集18-8-1809)参照。百選の事実の概要を読むと,原告は,東京都による一連の行為の無効確認訴訟を提起しているのであり,建築会社との契約は,私法上の行為で公権力性がなく,計画案を都議会に提出した行為は東京都自身の内部的手続き行為で,外部性がないと,処分性に当たらない理由を区別しているようである。]

 

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2018年11月(1日~4日)分ツイート:15,事案(憲法5,行政法10)

2018年11月4日(事案3)
行政法事案11/ 高松高裁平29・1・31事案:鳴門市住民Xらは,市がBら2漁協に競艇事業の公有水面使用協力費名目で430万円ずつした支出は違法無効,地自法242条の2第1項4号に基づき市執行機関Y局長に,支出当時の局長Aへ損害賠償請求,Bらへ不当利得返還請求すべきと住民訴訟提起。原審請求認容後,市議会が権利放棄議案可決。
[『平成29年度重要判例解説』〔行政法8〕(判タ1437-85)参照。「市が有するBらに対する不当利得返還請求権およびAに対する損害賠償請求権を放棄することは,普通地方公共団体の民主的かつ実効的な行政運営の確保を旨とする地方自治法の趣旨等に照らして不合理であって裁量権の範囲を逸脱またはその濫用に当たるといわざるを得ず,本件決議は違法であり,本件決議に基づく各請求権の放棄は無効」。]

行政法事案10/ 最判平29・9・15事案:大分県教委職員らが,平成19・20年度公立学校教員採用試験で行った不正で不合格となった受験者に損害賠償金計9045万円が支払われた。県教委幹部職員等からの寄付計5342万円余と,不正にかかわった職員返納の退職金3254万円余を,当該職員らへの国賠法上の求償から控除することの可否?
[『平成29年度重要判例解説』〔行政法7〕(判自(判例地方自治)429-28)参照]

行政法事案9/ 東京地決平28・12・14事案:申立人Xは,殺人等により東京拘置所に収容されている死刑確定者。再審請求打合せのため,職員立合いなく,弁護人との約1時間の面会を申し出た。拘置所長による,刑事収容法121条・122条に基づく,職員立合い30分の面会という制限措置に対し,差止め訴訟提起。#仮の差止めも申立て。
[『平成29年度重要判例解説』〔行政法6〕(判時2329-22)参照]


2018年11月3日(事案6)
行政法事案8/ 最判平28・12・8事案:厚木基地の周辺住民Xらが,自衛隊機・米軍機の航空機の発する騒音による被害を主張し,行訴法に基づき,Y(国)を相手方として,厚木飛行場における一定の態様による運航の差止め等を求めて出訴。自衛隊機の運航につき,法定差止訴訟による救済可能を示したが,下級審判断を覆し請求棄却。
[『平成29年度重要判例解説』〔行政法5〕(民集70-8-1833)参照]

行政法事案7/ 最判平29・4・6事案:Aは,退職後主治医からじん肺管理4相当と診断され,労働局長にじん肺管理区分決定申請をしたが,管理1(じん肺の所見なし)の決定を受けたため,審査請求。棄却裁決後,取消訴訟と国賠訴訟を提起。第1審係属中A死亡,管理2以上該当として取消認容。#妻子Xらの訴訟承継を認める法律上の利益?
[『平成29年度重要判例解説』〔行政法4〕(民集71-4-637)参照]

行政法事案6/ 東京地判平29・1・31事案:医療法人社団Xは,労働保険料のメリット制適用事業主。勤務医が脳出血労災保険法に基づき休業補償給付・休業特別給付金の支給処分を受けたのに伴い,労働局長Aが,メリット増減率+40%上昇を通知,確定保険料額692万円余増額認定処分。#認定処分取消訴訟で_支給処分違法を主張。
[『平成29年度重要判例解説』〔行政法3〕(判タ1442-82,請求棄却)参照。違法性の承継。]

行政法事案5/ 東京地判平28・11・29事案:愛媛県は,県道拡幅工事のため土地収用法に基づき申請。国土交通大臣の権限委任を受けた四国地方整備局長が事業認定。企業地内に土地・建物を所有するXは,国土交通大臣に審査請求,執行停止を申し立て。国土交通大臣が執行停止しない旨の決定をしたので,その取消しを求め出訴。
[『平成29年度重要判例解説』〔行政法2〕(平成27年(行ウ)410号,裁判所Web,請求棄却)参照]

行政法事案4/ 最判平21・12・17事案:東京都建築安全条例4条1項は一定建築物の接道義務(建基法43条1項)の上乗せ規定。建築物周囲の状況等で安全認定された場合,同条項の適用はない。訴外Aは,特別区Yの区長から安全認定を受け,Y建築主事から建築確認を受けた。周辺住民Xらは,建築確認取消訴訟で,安全認定の違法,主張。
[『行政判例百選Ⅰ』6版〔87〕(民集63-10-2631,原審認容,上告棄却)参考。R28②Q3]

行政法事案3/ 最判平27・3・3事案:Xは,A公安委員会の許可を受け,風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律によるパチンコ屋を営む会社。AはXに,1営業所の,40日間営業停止命令処分を行った(法26条1項)。Aの処分基準(行手法12条1項)には,#3年間_処分歴による量定加重等の定めあり。停止期間経過後の訴えの利益?
[『平成27年度重要判例解説』〔行政法6〕(民集69-2-143)参照。R28予備Q1]


2018年11月2日(事案1)
行政法事案2/ 東京地判平28・2・16事案:八王子市長が昭和50年に,#一団地認定したニュータウン約51万m2の区域内の本件団地管理組合が,建替えを計画し申請した,安全上,防火上,衛生上支障がない旨の本件認定処分の,同区域内の本件団地隣接の集合住宅居住者による取消訴訟。改定認定基準不適合等の違法,主張。請求棄却。
[『平成29年度重要判例解説』〔行政法1〕(判時2313-18)参照。同一敷地内建築物認定処分の瑕疵の治癒。]

2018年11月1日(事案5)
憲法事案14/ 最判平21・3・29事案:福島県青少年健全育成条例は,知事指定有害図書類の18歳未満青少年への販売を規制。図書類等販売業者に自販機等設置届出義務を課し,有害図書類収納を禁止,刑罰あり。B社は,届出せずDVD等販売機を設置,有害図書収納。監視カメラで送信された客画像を判断し,18歳以上の者にのみ販売。
[『平成21年度重要判例解説』〔憲法5〕(刑集63-3-27)参照。参考:伊藤塾『試験対策問題集論文4 憲法』230頁]

憲法事案13/ 最決平11・12・16事案:暴力団の組織的・継続的覚せい剤密売事件捜査のため,警察官の請求を受け,簡裁裁判官は,電話会社の「旭川支店113サービス担当試験室」等で,2台の電話に発着信される通話内容等を,#地方公務員2名が立ち合い_スピーカーで拡声し聴取・録音_対象外の音声は遮断する旨の検証令状発付。
[『判例ラクティス』増補版〔135〕(刑集53-9-1327)参照]

憲法事案12/ 最大判昭59・12・12事案:X(書籍輸入業者)は,8ミリ映画フィルム,雑誌,書籍等(本件物件)を海外業者から郵便で輸入しようとしたが,Y1(函館税関札幌税関支署長)は,男女の性行為や性器等の描写で,関税定率法(関税法69条の11第1項7号)の輸入禁制品該当の旨,通知。異議申立て棄却後,#通知取消し等を求め提訴。
[『判例ラクティス憲法』増補版〔132〕(民集38-12-1308)参照]

憲法事案11/ 最判平5・3・16事案:X(家永東京教育大学教授)は,昭和27年以降,高等学校日本史用教科書を執筆,検定済教科書として発行してきた。本件教科書は昭和37年,不合格処分,翌年,条件付き合格処分を受け,修正し39年度教科書として発行。Xは,2つの処分は違憲・違法としてY(国)に,慰謝料等の国家賠償請求訴訟提起。
[『判例ラクティス憲法』増補版]〔134〕(民集47-5-3483)参照]

ノート/ ◇憲法論文構成
1.原告の主張: ①憲法上の権利か(+制約), ②審査基準, ③あてはめ(メイン)。
 いかなる憲法上の権利の主張ををすべきかは,多くすると,それぞれ①②③と書くことが増え大変なので,2つぐらいに絞るとよい。3つ書くと点にはなるが,その性で,メインのあてはめ③が薄くなって点数が下がってしまうよりは,2つに絞ってメインのあてはめをびしっと書く。
 ①侵害されている人権の具体的な内容をしっかり考え,それが憲法上の人権に該当するか自分の言葉で必ず説明する。そこに論点が含まれる場合には,それにも触れる。
 ②法令違憲適用違憲の主張を分ける(一方だけの場合もある)。法令違憲の場合は,審査基準論を立てて書く。適用違憲の場合は,審査基準論を立てずに,場合によっては軽い規範を立てて書いていく。審査基準論は理由一言で結論に持っていく。どれを使っても問題はなく,大事なのは,そこに至った経緯。なぜ厳しいのを使うか,なぜ緩やかなのを使うのかが重要。審査基準論などの抽象論は長く書いても点数にはならないので,短く軽く書く。判例で明確になっている場合には,それを意識させる論述をする。
 ③あてはめは,原告にとって都合のいい点だけを書く。不利なことは,被告の反論で書くので,ここでは絶対に書かない。

2.被告の反論: ①(誘導などで書いて欲しいと思われるときだけに書く。基本的には書かない), or②(問題となり得るような場合には書く(内容中立規制,営利的言論の言論の自由などが見え隠れしている場合)。時間的に厳しければ,書かない。あくまで加点事由), or③メイン(具体的に被告の反論ができる事実を拾って評価。被告にとって都合のいい事実のみを書く)。

3.私見: 被告が①で反論している場合のみ書く。②についは,問題なければ原告の主張に乗る(ただ,被告が反論していれば,どっちを使うのか,あるいは,どちらも使わず別の基準を使うべきか必ず説明する)。③原告・被告のうち,敗訴しそうな方の主張をまずあげて批判する(批判内容は当事者の批判とかぶっても構わない)。原告・被告の主張を過不足なく拾え,それらとリンクした,それらに応えた私見が書ける。この書き方が,実務家教員に評価される。また,一つの事実について,原告側から見れば原告に有利に使え,被告側から見れば被告に有利に使えるというように,対立利益を考慮に入れ多面的に判断できる能力を示す。

4.この書き方でうまく書けない場合や,誘導がある場合(変化球が来たとき)は,柔軟にそれに対応する必要はある。
 この答案構成で時間の関係で書けないと思われるときは,省略できるところはどんどん省略する(あてはめ③は省略してはいけない)。

『H25憲法・こう書けば合格ラインはクリアできる』(本多諭先生)[司法試験]
https://youtu.be/yaWv-QzQQfk?t=1147

憲法事案10/ 最判平元・9・19事案:岐阜県青少年条例は,知事が審議会の意見聴取後,著しく性的感情を刺激or著しく残忍性を助長するため,青少年健全育成阻害のおそれある図書を有害図書とし個別指定⇒青少年への販売・自販機収納禁止(違反には罰則)。特に卑猥な姿態or性行為を被写体とした写真等の刊行物は,包括指定。
[『判例ラクティス憲法』増補版〔133〕(刑集43-8-785)参照。Y(被告人)は,自販機による図書販売会社の代表取締役で,包括指定された有害図書を自販機に収納したとして起訴された。R30①]

 

2018年10月分(1日~31日)ツイート:138,問題(憲法9;民訴法12;刑法7,刑訴法17);判例(憲法23,行政法2;民法2,民訴法10,要件事実1,倒産法1;刑法23;刑訴法20);その他(憲法4;民訴法2;刑訴法4) - 140字法律学

憲法/ 人権の享有主体性(10ツイート,平成29年度司法試験公法系第1問関連)

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 ☆問題,〇判例/ R:論文,Q:設問;T:短答


☆人権の享有主体性
憲法問題1/ 憲法T22(1):ア.議会制民主主義を支える不可欠の要素たる政党の健全な発展への協力も,社会的実在としての会社に当然期待されるので,#会社は自然人同様_政治的行為をなす自由あり。イ.#税理士会が多数決で政治献金をすることは_会の目的の範囲外。ウ.#外国人は_外国へ一時旅行する自由を保障されてない
[平成22年新司法試験 短答式試験問題 第1問参照。人権の享有主体性。]

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税理士会政治献金事件
憲法判例2,3/ 最判平8・3・19参照:#政治献金は選挙における投票の自由と表裏をなすので会員個人が市民として自主的に決すべきだから,強制加入団体たる税理士会(公益法人)は,#多数決原理で構成員に協力を義務付け得ない。たとい税理士に係る法令に関しても,税理士法49条6項所定の税理士会の目的の範囲外の行為,無効。
[芦部『憲法』5版90頁(民集50-3-615,南九州税理士会(政治献金)事件),憲法T22(1イ),参照]

〇群馬司法書士会震災支援寄付事件
/ 最判平14・4・25参照:強制加入団体たる司法書士会が大震災で被災した兵庫県司法書士協会に3000万円の復興支援拠出金を寄付するため,特別負担金を会員から徴収する総会決議を行った。#司法書士業務の円滑な遂行による公的機能回復に資するので,会の目的の範囲を逸脱しない。反対意見:寄付金額多額過ぎ。
[芦部『憲法』5版91頁(裁判所時報1314-1,群馬司法書士会震災支援寄付事件)参照]

八幡製鉄事件
憲法判例4/ 最大判昭45・6・24参照:八幡製鉄(新日本製鉄)の代表取締役自由民主党に政治献金した行為の責任を追及した株主代表訴訟#議会制民主主義を支える不可欠の要素たる政党の健全な発展に協力することも_社会的実在としての会社に当然期待されるので,自然人同様,政治的行為をなす自由あり。行きすぎ判決。
[芦部『憲法』5版91頁(民集24-6-625,八幡製鉄事件)参照。T22(1ア)]

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☆外国人の人権
憲法問題3,4/ 憲法R29①Q1参照:外国人非熟練労働者に適用される架空の特労法に基づき強制出国させられたA国籍妊婦Bは,同法に基づき日本に滞在する,お腹の子どもの父親で同国籍のCを通じ,弁護士甲に委任して国家賠償請求訴訟提起。憲法上の主張如何? 女性の自己決定権,#外国人の人権享有主体性,人身の自由,適正手続。

/ 憲法R29①Q2参照:外国人非熟練労働者対象の架空の特労法に基づき強制出国させられたA国籍の妊娠中の女性Bが,弁護士甲に委任し国家賠償請求訴訟で主張した憲法上の主張と,#国の反論を想定しつつ_憲法上の問題点について_あなた自身の見解を述べなさい。自己決定権,人権享有主体性,人身の自由,適正手続。
[平成29年度司法試験 公法系第1問(憲法)問題,出題趣旨,採点実感参照]

〇外国人の公務就任権(資格)
憲法判例8/ 最大判平17・1・26参照:①公権力行使等地方公務員の職(直接的に統治作用に関わる管理職)と,②これに昇任するのに必要な職務経験を積むために経るべき職(#統治作用に関わる程度の弱い管理職)の,#一体的な管理職任用制度,可。⇒#管理職試験受験資格で外国人を区別しても合理的な区別。/制度を人権に優先?
[芦部『憲法』5版93頁-94頁(民集59-1-128)参照]

〇森川キャサリーン事件
憲法判例5/ 最判平4・11・16参照:1973年入国し日本人と結婚した定住外国人(アメリカ国籍)森川キャサリーンさんが,韓国への旅行計画をたて再入国許可申請したところ,指紋押捺許否を理由に不許可とされた。#外国人には_憲法上_外国へ一時旅行する自由は保障されていない。/法改正で特別永住者の再入国規制若干緩和。
[芦部『憲法』5版95頁(裁集民事166-575,森川キャサリーン事件),憲法T22(1ウ),参照]

マクリーン事件
憲法判例6/ 最大判昭53・10・4参照:アメリカ人マクリーンが在留期間1年として入国,1年後,在留期間更新申請。#人権の保障は権利の性質上許されるかぎり外国人にも及び_政治活動も_その地位にかんがみ相当でない活動を除き保障されるが,在留制度の枠内。合憲合法の行為も,#更新許否の消極的理由としてしんしゃく可
[芦部『憲法』5版96頁(民集32・7・1223,マクリーン事件)参照]

指紋押捺許否事件
憲法判例7/ 最判平7・12・15参照:押捺義務3年に1度,1指のみだった制度(昭和57年改正前)につき,#指紋の押なつを強制されない自由は_個人の私生活上の自由(憲法13条)の一つだが,右押捺制度立法目的には十分な合理性,必要性あり,手段も一般的に許容される限度を超えない相当なもの。/平11年法改正,指紋押捺制度廃止。
[芦部『憲法』5版97頁(刑集49-10-842,指紋押捺拒否事件)参照]

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憲法/ いわゆる三段階審査について - 140字法律学

刑訴法/ 現行犯逮捕, 逮捕前置主義 (平成29年度司法予備試験 設問1関連)

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〇現行犯逮捕の要件ーー逮捕の必要性
刑訴法判例8/ 大阪高判昭60・12・18参照:現行犯逮捕についても逮捕の必要性(逃亡or罪証隠滅のおそれ)が要件となるかにつき,明文規定は存しないが,#現行犯逮捕も人の身体の自由を拘束する強制処分であるから_要件をできる限り厳格に解すべきで_通常逮捕同様(刑訴法199条2項,規則143条の3),逮捕の必要性を要件とする。
[『刑事訴訟法判例百選』10版〔A2〕(判時1201-93)参照。参考:辰巳『趣旨・規範ハンドブック刑事系』5版200頁]

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☆現行犯逮捕の適法性
刑訴法問題1/ 刑訴法R29予備Q1参照:平成29年5月21日午後10時頃,J町1-2-3先路上で,Vがサバイバルナイフで胸部を刺され殺害され,W,犯行を目撃,犯人を追跡したが,現場から約200m地点で見失う。警察 官は,約30分後,約2km離れた路上で,Wから聴いた犯人の特徴と合致する甲を発見,甲は犯行を認めた。現行犯逮捕の適法性如何?
[平成29年度司法試験予備試験 刑訴法論文式試験 設問1問題と出題趣旨,参照。京都地決昭44・11・5判時629-103(有斐閣『ケースブック刑事訴訟法』3版79頁)参考]

☆現行犯逮捕の適法性と,その後の勾留請求への影響
刑訴法問題13/ 古江・事例演習〔4〕(1)参照:司法警察員Kは,深夜2時ころコンビニエンスストアA店で強盗事件発生のため,店員Vに事情聴取。付近を探索。事件の約2時間後,店舗から約8km離れた路上で犯人の人相風体に似たXを発見,質問したが,Xは否認。Xを現行犯逮捕,検察官送致,勾留請求。裁判官はいかなる裁判をすべきか?
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版〔4〕小問(1)参照]

〇現行犯逮捕の要件。逮捕前置主義
刑訴法判例2/ 京都地決昭44・11・5参照:司法巡査による現行犯逮捕は,犯行時より20分後,犯行現場から20数m地点だが,①巡査自身による被疑者犯行の目撃,②被疑者が犯罪に供した凶器等所持,③身体,被服などに犯罪の証拠残存,④逃走しようとした,⑤被害者自身から追呼されていた,わけではない。⇒現行犯逮捕要件不具備。
[有斐閣『ケースブック刑事訴訟法』3版〔6-1〕80頁(判時629-103),R29予備Q1,刑訴法212条2項,429条1項2号(勾留裁判に対する準抗告),参照。逮捕前置主義。司法的抑制。逮捕手続の違法を司法的に明確にする→勾留請求却下。]

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〇逮捕前置主義――先行する逮捕は適法でなければならないか
刑訴法判例1/ 京都地決昭44・11・5参照:#先行する逮捕は適法でなければならない。∵①逮捕が違法なら釈放されてしかるべきで,逮捕前置主義をみたさない,②刑訴法には逮捕に対する準抗告がないので,勾留請求を却下し逮捕手続の違法性を司法的に明確化必要。/#逮捕被疑事実と勾留被疑事実とは同一でなければならない
[寺崎『刑事訴訟法』3版176頁-177頁(判時629-103)参照]

☆逮捕の違法がその後の勾留に影響するか
刑訴法問題11/ 緑・刑訴法入門8講(1)参照:司法巡査K1は,逮捕令状でAを逮捕したが,その際,逮捕状呈示(201条1項)を失念。Aの身体を受け取った司法警察員K2は,被疑事実の要旨・弁護人選任権を告知して弁解聴取した上で,検察官送致,検察官は勾留請求。#裁判官が勾留質問で令状呈示の瑕疵を知った場合_勾留状発付すべきか?
[緑大輔『刑事訴訟法入門』〔8講〕事例(1)参照]

☆逮捕の違法がその後の勾留に影響するか
刑訴法12/ 緑・刑訴法入門5講(2):司法巡査K3は現行犯逮捕の要件たる犯人・犯行の明白性を欠き,犯行時刻からかなり時間が経っていたにもかかわらず(212条1項),これを糊塗しBを窃盗で現行犯逮捕。検察官は逮捕段階の違法に気づかず勾留請求。裁判官が勾留質問で現行犯逮捕の違法に気づいた場合,勾留状発付すべきか?
[緑大輔『刑事訴訟法入門』〔8講〕事例(2)参照]

〇逮捕の違法と拘留請求
刑訴法判例16/ 東京地決昭44・11・5参照:刑訴法は,#勾留請求につき逮捕前置主義を採用し_違法逮捕に対する司法的抑制を期待するのだから,違法な逮捕手続に引き続く勾留請求は,仮に将来同一事実に基づく再度の逮捕や勾留請求が予想されても,#その時点において逮捕手続の違法を司法的に明確にすると意味で,却下すべき。
[緑大輔『刑事訴訟法入門』98頁(判時629-103)参照]

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刑訴法/ 接見交通権 (刑訴法39条, 80条・81条) - 140字法律学

2018年10月分ツイート:138,問題(憲法9;民訴法12;刑法7,刑訴法17);判例(憲法23,行政法2;民法2,民訴法10,要件事実1,倒産法1;刑法23;刑訴法20);その他(憲法4;民訴法2;刑訴法4)

27日~31日:17, Read:

18日~26日:19, Read:

16日,17日:21,Read:

11日~15日:22,Read:

7日~10日:21,Read:

4日~6日:17,Read:

1日~3日:21,Read:   

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2018年10月(27日~31日)分ツイート:17,問題(憲法4;民訴法2);判例(憲法8;民訴法1);その他(憲法2)
2018年10月30日(問題2,判例4)

憲法判例23/ 最判平7・3・7参照:公共施設の種類・規模・構造・設備等から不相当でないにも関わらず許否し得るのは,利用競合の場合,他の基本的人権侵害,公共の福祉が損なわれる危険ある場合に限る。制限が必要・合理的かは,集会の自由の重要性,他の基本的人権の侵害発生の危険性の程度等を較量し,厳格な基準による。
[小山『「憲法上の権利」の作法』新版21頁-22頁(民集49-3-687,泉佐野市民会館事件)参照]

憲法判例22/ 最大判平14・9・11参照:国・公共団体への損害賠償請求権(憲法17条)は,法律による具体化予定。公務員の行為は権力~非権力的なものまで及び,国民へのかかわり方も種々多様⇒国・公共団体が公務員の行為による不法行為責任を原則負い,その要件を立法府の政策判断にゆだねた。#法律への白紙委任ではない。
[[木村『憲法の急所』2版387頁(民集56-7-1439,郵便法違憲判決)参照]

憲法判例21/ 最大判平22・1・20参照:信教の自由保障確保という制度の根本目的との関係で相当限度を超えるかは,#当該宗教的施設の性格_無償貸与の経緯_態様_一般人の評価等_諸般の事情を考慮し_社会通念に照らし総合的に判断。本件利用提供行為は,特定宗教への,市の特別の便益提供,援助と評価されてもやむを得ない。
[小山『「憲法上の権利」の作法』新版149頁(民集64-1-1,空知太神社事件判決)参照]

憲法判例20/ 最大判昭50・4・30参照:薬事法6条1項各号:薬局の構造設備,薬剤師数等につき,許可条件,2項:設置場所の適正配置,4項:条例への具体的内容の委任を規定。1項は,不良薬品供給防止目的に直結,必要性と合理性あり。2項の前提たる,#競争激化_経営不安定_法規違反の因果関係には_確実な根拠に基づく合理性なし。
[木村『憲法の急所』2版284頁(民集29-4-572,薬事法違憲判決,薬局距離制限事件)参照。
 石川健治先生(「30年越しの問い」法学教室332号2008年参照)は,薬事法違憲判決の背景に,ドイツ流の段階理論(Stufentheorie)があるとされる。段階理論とは,①職業活動の規制(事後規制)と,職業選択の規制(事前規制,参入規制)とで段差をつけ,さらに,後者について,②自らの努力で克服できる主観的条件による規制と,③そうでない客観的条件による規制とを段階づける。克服不能の客観的条件で職業選択を封じられること(競争制限的規制)は,その人の人格的価値にとって最も大きなダメージなる。したがって,①<②<③の順で違憲審査基準が厳しくなる,というものである。③においては,実際に必要性・合理性が立証できたときに限り合憲とされる(違憲の推定を置き,実質的関連性を要求する基準)(木村・同書283頁-284頁参照)。
 芦部『憲法』5版220頁の規制の態様にをも考えあわせて,厳格に合理性を審査する基準と同じだと思う。]

憲法問題9/ 憲法R22①旧参照:A県は,駅周辺を中心に簡易設備(洗髪設備なし)で安価・迅速に散髪できる理容所が多く開設されたため,既存の理容所利用者が激減したという事情を背景に,洗髪が必要な場合等のため,および,一層の衛生確保,公衆衛生向上目的で,理容師法12条4号に基づき,洗髪設備設置を義務付ける条例制定。
[平成22年度旧司法試験第二次試験論文式試験問題参照。A県条例に含まれる憲法上の問題について論ぜよ(法律と条例の関係については論じる必要はない),という問題であるが,簡易設備のみを備えた理容業者の財産的損害についの記述がないので,財産権(憲法29条)ではなく,営業の自由(憲法22条1項に含まれる)を検討しなさい,ということなんだろうなー?]

憲法問題8/ 憲法R18①旧参照:国会は,午後6時~11時の時間帯の広告放送時間拡大が,多様で質の高い放送番組への視聴者のアクセスを阻害する効果を及ぼしているとの理由で,#この時間帯の広告放送を1時間ごと5分以内に制限,違反した放送事業者の放送免許を取り消す旨の法律制定。この結果,1社平均数十億円減収見込み。
[平成18年度旧司法試験第二次試験論文式試験問題参照。メインは財産権侵害? 営利的言論の自由については,短く数行書けばいいか?]

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2018年10月分(27日~29日)ツイート:11,判例(憲法4;民訴法1);問題(憲法2;民訴法2);その他(憲法2)

2018年10月29日(判例1)
憲法判例19/ 最判平8・3・8参照:信仰に基づき,剣道実技を拒否し退学処分を受けた市立専門学校生について,#剣道実技は必修とまではいい難く_他体育種目の代替的方法も性質上可能で他宗教者等に圧迫_干渉を加える効果ありともいえない,信仰の核心に密接関連する真摯なもの,不利益は極めて大,裁量権の範囲を超え違法。
[芦部『憲法』5版154頁-155頁(民集50-3-469)参照。代替措置が,「その目的において宗教的意義を有し,特定の宗教を援助,助長,促進する効果を有するものということはできず,他の宗教者又は無宗教者に圧迫,干渉を加える効果があるともいえない」。「当事者の説明する宗教上の信条と履修許否との合理的関連性が認められるかを確認する程度の調査」は,「公教育の宗教的中立性に反するとはいえない」(同書155頁)。
 木村『憲法の急所』2版143頁,剣道実技許否事件の原告が求めているものは,高専在学資格の付与つまり国家の給付であるため,信教の自由に対する制約は認められない。本件は,剣道実技の理由を義務付け強制する措置の当否を直接問題とするものではない。そこで,給付の許否・撤回の違法性を自由権に依拠して主張するロジックが必要となる。それが,ベースライン論(泉佐野市市民会館事件参照,パブリックフォーラム論?)と,自由権の間接的制約の解釈方法(オウム真理教解散命令事件,図書館蔵書廃棄事件(船橋市立図書館事件),君が代不起立訴訟)であり,剣道実技許否事件は,後者と同種のものとされる(143頁~146頁)。
 小山「『憲法上の権利』の作法」新版〔658~664〕197頁~200頁は,パブリックフォーラムないし公的な場という記述が,船橋市立図書館事件の説明で用いられているが,木村先生は,少し穏当な自由権の間接的制約の解釈方法として,区別しておられるということだろうか?
 ここらあたりは,まだ強い理論とは言えないんでしょう?]


2018年10月28日(問題3,判例2;その他1)
憲法85/ 751/ 公立図書館は住民に図書館資料を提供するための公的な場で,#閲覧に供された図書の著作者にとり_思想_意見等を公衆に伝達する公的な場。∴職員が閲覧に供されている図書を思想信条等を理由に不公正廃棄することは,著作者の思想,意見等を公衆に伝達する利益(法的保護に値する人格的利益)を不当に損なう。
[最判平17・7・14民集59-6-1569(船橋市立図書館事件判決,小山「『憲法上の権利』の作法」新版2011年尚学社〔664〕200頁)参照。憲法上の根拠として,思想の自由,表現の自由にかんがみると,法的保護に値する人格的利益である旨判示。]

憲法判例18/ 最判平17・7・14参照:公の施設(地自法244条)たる公立図書館の,資料収集・提供等についての,住民の学習活動等の適切な援助などの役割・機能に照らせば,#住民に対し思想_意見その他情報を含む資料を提供し教養を高める等の目的の公的な場であり,図書館長は,公正に資料を取り扱うべき職務上の義務を負う。
[小山「『憲法上の権利』の作法」新版2011年尚学社〔662,663〕199頁(民集59-6-1569,船橋市立図書館事件)参照。公的な施設(地自法244条)であること,および,思想・意見その他の情報を含む図書館資料を提供することを目的とする公的な場(パブリック・フォーラム論)であることから,図書館長は,公正に図書館資料を取り扱うべき職務上の義務を負うとするので,図書館長には,図書館資料の収集・提供について,フリーハンドの広い裁量が認められる訳ではないということだろう(同書197頁参照)。]

憲法問題7/ 小山・作法新版〔658〕参照:例6)FはY市市民だが,図書館長は特に必要と認めた資料につき利用方法を制限できる旨のY市図書館運営規則に基づき,希望の雑誌の閲覧ができなかった。例7)G執筆の『新しい憲法の教科書』は,Y市図書館で閲読用に購入・配架されたが,職員Zが,同図書館の除籍基準に反し,独断廃棄。
[小山「『憲法上の権利』の作法」新版2011年尚学社〔658〕197頁参照]

民訴法問題13/ 伊藤塾試験対策民訴法20問参照:Xは,自車で交差点を直進しようとしたところ,右折してきたY車に追突され,自動車大破。(1)Xは,Yの前方不注視,対向車確認懈怠を主張。Yは,口頭弁論期日に,前方不注視の事実を認めたが,後日撤回。許されるか? (2)Xは,Yの過失を主張。期日にYは認めたが,後日撤回。許されるか?
[『伊藤塾試験対策問題集 論文5 民事訴訟法』〔第20問〕151頁参照]

民訴法問題12/ LawPractice民訴法初版〔基本20〕参照:Xの夫Aは,民間機搭乗中,自衛隊機と接触し墜落し死亡。国(Y)に対し国賠訴訟提起したXは,事故状況を詳細に指摘し,自衛隊パイロットに民間飛行ルートに侵入しないよう訓練する注意義務を怠った過失ありと主張。国は,包括的一般的過失自白。証拠調べなく過失認定可?
[山本和彦ほか『Law Practice 民事訴訟法』初版〔基本問題20〕154頁参照。過失を基礎づける事実についての自白(同書157頁)]

民訴法判例12/ #権利自白の裁判所拘束力・当事者拘束力は原則否定(最判昭30・7・5参照)。∵法律判断は裁判所の専権事項。相手方の証明不要効(民訴法179条)は残るが,権利自白した当事者は自由に撤回可。例外:日常的な法律概念(所有権,売買など)には拘束力あり(最判昭37・2・13参照)。∵背後にある事実の自白といえる。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック民事系』6版494頁-495頁(順に,民集9-9-985,判時292-18)参照]


2018年10月27日(問題1;判例2;その他1)
憲法判例17/ 市立図書館司書が,規則に反し独断で図書館蔵書を廃棄した事件(最判平17・7・14参照):#公立図書館は住民に思想・意見等の情報を提供する公的な場で(指定的パブリック・フォーラム?),著作者の思想・信条を理由とする不公正な取扱いにより既に閲覧された著作物を廃棄することは,#著作者の人格的利益侵害。
[安西ほか『憲法学読本』2011年有斐閣155頁(民集59-6-1569)参照。パブリックフォーラム論が給付の場面一般に機能的に応用しうるという手掛かりになる判例のようである。表現の自由一般(憲法21条1項)のベースラインとして,受け手へのアクセスの機会の付与も含むと考えられるが,その侵害は表現者の人格的利益の侵害なる,ということだろう。表現の自由を支える価値は,自己実現の価値と自己統治の価値であり,そもそもそれが人格的価値だからと言えそう。]

憲法84/ 750/ アメリ判例法理におけるパブリック・フォーラム論は,伝統的なそれ(街路・補導・公園等),指定的なそれ(公会堂・公立劇場等),非パブリック・フォーラムの3種に区別。そして,#集会の自由という自由権の射程を_パブリック・フォーラムの利用に拡張し_その利用の許否を集会の自由に対する制限として構成。
[小山『「憲法上の権利」の作法』新版2011年尚学社195頁〔656〕参照。
 アメリカの判例法理におけるパブリック・フォーラム論は文字通り,公的な財産に属する集会の場に関する法理であるが,伊藤正己裁判官のパブリック・フォーラム論は,その法理を,表現の場として機能する私的財産にも及ぼし,可能な限り,そのような私的施設等においても,表現の自由に配慮する必要がある,とされたもののようである(曽我部ほか『憲法論点教室』2012年日本評論社124頁参照)。
 さらに,パブリック・フォーラム論は,自由権たる集会の自由のベースラインを,公的施設を集会のために自由に利用させることに,引き上げるものという議論もある(木村草太『憲法の急所』2版144頁-145頁参照)。
 一昨日,財産権規制に関して学んだベースライン論(当該社会の制度イメージに立脚した法律家集団の共通了解としての標準的な制度形態のことで,そこから乖離する場合は必要性と合理性が求められる,ということ。安西ほか『憲法学読本』2011年有斐閣183頁参照)とつながっているのが興味深い。]

憲法判例16/ 最判昭59・12・18補足意見参照:道路,公園,広場など一般公衆が自由に出入りできる場所は,それぞれ本来の利用目的を備えているが,同時に,#表現のための場として機能するパブリック・フォーラムたり得,所有権や管理権に基づく制約を受けるとしても,その機能にかんがみ,表現の自由保障に可能な限り配慮用。
[曽我部ほか『憲法論点教室』2012年日本評論社124頁(刑集38-12-3026,伊藤正己裁判官補足意見)参照。私鉄の駅構内でのビラ配布や演説が問題となった事件]

憲法問題6/ 憲法R28予備参照:A市は,少子化対策条例に基づく結婚支援事業NPO法人等への助成効果を上げるため,成婚数増加を重視し補助金交付要綱改正。助成申請者に,法律婚を積極的に推進する旨の誓約書提出義務付け。#法律・事実婚区別せず支援していたNPO法人Xの消極的表現の自由侵害_結社としての活動の自由侵害?
[平成28年度司法予備試験 憲法問題,出題趣旨参照]

/ ドイツ語勉強したい。全然わかりません。😅
グーテンターク、グーテンモルゲン、ダンケだとか、動詞が2つに分かれるみたいなことしか知りません。
刑法関係はドイツ語や、ドイツ法の理論勉強しないと、学者の議論にはついていけないんでしょうねー?
だけど、手を広げすぎる訳にも行かないなー。

// 企業法bot @izurubot_kigyo
株主総会決議取消の訴え』 遡及効
/ 返信先: @izurubot_kigyoさん
会社法834条17号を除外している839条の反対解釈。👍
シンプルなツイート、結構勉強になる。
論文試験では、かっこ内にこういう風に書いていいのかなー?
それとも、「(839条反対解釈)」だけでいいのかな?
いずれにせよ、条文確認、復習になりました。ありがとうございました。
17:48 - 2018年10月27日
https://twitter.com/right_droit/status/1056105342830968832

// 直系尊属代襲相続なし
/代襲相続は、直系卑属(民法887条2項,3項,再代襲)および兄弟姉妹(889条2項)についてしか認められていない、ということですかね?
わかりにくですね。条文確認の勉強になりました。ありがとうございました。🙂
17:25 - 2018年10月27日
https://twitter.com/right_droit/status/1056099588770131968

/ 会社法31条3項。
勉強が足りていませんでした。😅
株式会社の定款って、誰でも見ることができるわけではなく、発起人、株主、債権者、親会社社員に限られるのかー(同条1項2項3項)。
登記は、誰でも手数料を支払って書面交付受けられるけど、定款は、閲覧等請求権者が限られていたのか。知らなかったー

/ 返信頂いてさらっと読まさせて頂いたんですが,すぐには理解できず,返信遅くなりすみません。
(話は全然変わりますが,今までいいねマークはブックマーク(しおり)のために使っていたのですが,他のアカウント@right_droit3 でそれをして,ここでは興味のあるツイートにどんどんいいねして行こうと思います)
https://twitter.com/right_droit/status/1056078115997249536

 

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2018年10月分(1日~26日)ツイート:120,判例(憲法15,行政法2;民法2,民訴法9,要件事実1,倒産法1;刑法23;刑訴法20);問題(憲法5;民訴法10;刑法7,刑訴法17);その他(憲法2;民訴法2;刑訴法4)
2018年10月18日~26日ツイート:19,判例(憲法5;民法2;刑訴法3);問題(憲法4;刑訴法1);その他(憲法2;刑訴法2)

2018年10月25日(判例6;その他1)
民法判例17,18/ Aの土地をBが善意無過失で10年間占有:①BがAに時効取得するのに登記は不要。#原始取得だが_あたかもAB間譲渡があったかのように扱われ,対抗関係とはならない(大判大7・3・2)。②時効完成前のAからの譲受人Cとの関係でも,同様に登記不要(最判昭41・11・22)。③時効完成後のAからの譲受人Dとは対抗関係。
[内田『民法Ⅰ』4版451頁-452頁(①大判大7・3・2民録24-423,②最判昭41・11・22民集20-9-1901,最判昭46・11・5,③大連判大14・7・8民集4-412,最判昭33・8・28民集12-12-1936)参照。参考:③最判平18・1・17民集60-1-27]

/ Aの土地をBが善意無過失で10年間占有:①ABは対抗関係でない,②時効完成前のAからの譲受人とも同様。③時効完成後のAからの譲受人Dとは対抗関係(大連判大14・7・8)。④Bが現時点から10年逆算し占有開始時期ずらし時効取得主張,不可(最判昭35・7・27)。⑤D登記後時効期間占有⇒主張可(最判昭36・7・20)。
[内田『民法Ⅰ』4版452頁(③大連判大14・7・8民集4-412,最判昭33・8・28民集12-12-1936,④最判昭35・7・27民集14-10-1871,⑤最判昭36・7・20民集15-7-1903)参照。参考:③最判平18・1・17民集60-1-27]

憲法83/ 749/ 法制度保障:#伝統的な私法上の法制度を立法による改変から憲法で保障。単独所有の憲法上の保障は_ローマ法的所有権(一物一権主義)の,憲法制定権力による政治的決断。ベースライン:#当該社会の制度イメージに立脚した法律家集団の共通了解としての標準的制度形態。そこからの乖離には必要性と合理性要。
[安西ほか『憲法学読本』2011年有斐閣183頁参照。
1. 参考:ベースライン論は,長谷部教授の憲法学の1つの特質を濃厚に反映しているとのことで(曽我部ほか『憲法論点教室』2012年135頁),アメリ憲法学に由来し(小山『「憲法上の権利」の作法』新版2011年202頁〔668〕),制度後退排除権,防御権の基礎となるようである(木村『憲法の急所』2版2017年30頁)。
 事後法による財産権の内容変更(最大判昭53・7・12)の議論や現状保障の問題(曽我部ほか同書132頁)が,生存権の制度後退禁止原則の議論につながってるんだなー。
2.また,証券取引法判決(最大判平14・2・13)が,森林法違憲判決(最大判昭62・4・22)と異なり,立法裁量に言及しておらず,判断代置型(判断代置方式,判断代置的審査)であるようで(安西ほか『憲法学読本』2011年182頁),行政法の裁量行為の司法的統制で書かれていることで(『LEGAL QUEST行政法』3版34頁,110頁参照),いろいろな勉強,大変だなー。]

憲法判例16/ 最大判昭53・7・12参照:法律でいったん定められた財産権の内容を事後法で変更しても,#公共の福祉に適合するようにされたものの限り,違憲の立法でない。公共の福祉に適合するようにされたかは,#財産権の性質_内容変更の程度_変更で保護される公益の性質を総合的に勘案し,合理的制約として容認可か判断。
[小山『「憲法上の権利」の作法』新版2011年尚学社154頁〔566〕(民集32-5-946,国有地農地売払特措法事件)参照]

憲法判例15/ 最判平23・9・22等参照:憲法84条は,課税関係に法的安定性が保たれるべき趣旨含む。法律で一旦定められた財産権の内容が事後法により変更される場合に関する最大判昭53・7・12を先例とし,財産権の性質,内容変更の程度,変更で保護される公益の性質など総合的に勘案し,合理的制約として容認されるか判断。
[曽我部ほか『憲法論点教室』2012年日本評論社132頁(最判平23・9・22民集65-6-2756,最判平23・9・30判時2132-39,最大判昭53・7・12民集32-5-946)参照]

憲法判例14/ 最大判平14・2・13参照:①財産権の内在的制約のほか,②財産権の種類,性質等多種多様,#規制目的も_社会・経済政策に基づく~社会生活の安全保障や秩序維持等を図るものまで多岐,種々の態様の財産権規制ありうる。#規制目的_必要性_内容_制限される財産権の種類_性質_侵害程度等を比較考量し合憲性判断
[曽我部ほか『憲法論点教室』2012年日本評論社130頁(民集56-2-331,証券取引法判決)参照。
 財産権規制については,「社会公共の便宜の促進,経済的弱者の保護等の社会政策及び経済政策に基づくもの」(=積極目的)から,「社会生活における安全の保障や秩序維持等を図るもの」(=消極目的)まで多岐にわかれるし,種々の態様の規制があり得るとする。
 積極目的規制(積極的・政策的規制)だから,立法府の広い裁量を認め,合理性の有無をゆるやかに審査するなどの,規制目的二分論だけに依拠するのではなく,規制態様を考えあわせる必要がある(芦部『憲法』5版218頁,220頁参照)ということだろう。
 積極目的あるいは消極目的だから,ゆるやかにあるいは厳格に審査すべきというのも,合憲性審査におけるいくつかの判断手法の一つとして考慮することまで否定したものではないだろう。]

憲法判例13/ 最大判昭62・4・22参照:財産権の種類,性質等は多種多様,規制目的も積極的~消極的なものまで多岐で,財産権規制は種々様々でありうるので,その合憲性は規制目的,必要性,内容,制限される財産権の種類,性質,制限程度等を比較考量すべき。本件では,手段が目的との関係で,合理性と必要性肯定不可は明らか 。
[安西ほか『憲法学読本』2011年有斐閣182頁(民集41-3-408,森林法違憲判決),長谷部『憲法』5版234頁,参照。
 芦部『憲法』5版等も読んだが,わかりにくい。職業選択の自由権規制についての規制目的二分論の枠内で考える理解,経済的自由権は射程外であるとする理解などあるようである。
 理屈・理論はよくわからないが,事実認定としては,森林法旧186条の立法目的は積極目的のように判断し,判断基準として明白の原則が文言上は採用されているが,実質的な中身としては,立法府の広い裁量を認め,合理性の有無をゆるやかに判断するのではなく,厳格に審査し,違憲とされている。
 ということは,積極目的⇒明白の原則(文言上このように読めるが)⇒✖立法府の広い裁量を認め,ゆるやかに判断する,という法的判断枠組みではない,ということだろうか?
 どういう法的判断枠組みを定立すべきか,まだ,勉強が足りません(^^;)。]


2018年10月23日(論述1;問題3)
憲法82/ 748/ 外国移住の自由(憲法22条2項)は,外国が入国を認めることを前提に,外国移住を公権力により禁止されないこと。「移住」には,#永続的なものと_一時的旅行としての海外旅行の自由含む。その用語例から不自然だが,①移動先が国外の点で共通するし,②2項も,公共の福祉による内在的制約に服し不都合ないので。
[森『SUPER論文の基礎・憲法Ⅰ』8版2005年159頁(佐藤幸治憲法』486頁)参照]

憲法問題5/ 憲法R29予備参照:A県特産農産物Xのブランド価値維持のための本件条例:①最大許容生産量を超えると,知事が,全ての生産者に全生産量超過分割合で廃棄命令。②廃棄代執行可。③損失補償なし。甲:#特別の栽培法開発_天候に左右されず一定量生産。20XX年全生産量1.5倍のため,甲分も3分の1割合で代執行廃棄。
[平成29年度司法試験予備試験 憲法問題,出題趣旨参照。財産権保障(憲法29条,森林法違憲判決,証券取引法判決),損失補償請求権(同条3項,河川附近制限事件)]

憲法問題3,4/ 憲法R29①Q1参照:外国人非熟練労働者に適用される架空の特労法に基づき強制出国させられたA国籍妊婦Bは,同法に基づき日本に滞在する,お腹の子どもの父親で同国籍のCを通じ,弁護士甲に委任して国家賠償請求訴訟提起。憲法上の主張如何? 女性の自己決定権,#外国人の人権享有主体性,人身の自由,適正手続。

/ 憲法R29①Q2参照:外国人非熟練労働者対象の架空の特労法に基づき強制出国させられたA国籍の妊娠中の女性Bが,弁護士甲に委任し国家賠償請求訴訟で主張した憲法上の主張と,#国の反論を想定しつつ_憲法上の問題点について_あなた自身の見解を述べなさい。自己決定権,人権享有主体性,人身の自由,適正手続。
[平成29年度司法試験 公法系第1問(憲法)問題,出題趣旨,採点実感参照]

2018年10月20日(判例2)
/ 公的な仕事の競争入札制度が有名無実のように思いますね。#昭和45年の八幡製鉄事件の最判が行きすぎで、与党は,企業献金をあてにして,既存企業優遇政策しかしない。それで社会の変化,時代の流れ,世界の趨勢に後れをとる。省庁・官僚も忖度する。果ては,国会で偽証。文部省はましな方だと思いますが。😩
https://twitter.com/right_droit/status/1053580944513220608

/ 大学3年ぐらいからだらけて,これじゃ,高校3年間の方がよっぽど勉強したって思った時期が,私にありました(笑)。
置かれた状況は私とは違うでしょうが,例えば,朝からツイキャス判例読み配信するとかの方法も考えられます。何回か別垢で試みたんだですが,続いていません。😅
何か妙案ありませんかねー?
https://twitter.com/right_droit/status/1053577737816879105

刑訴法判例20/ 最決平10・5・1参照:令状により差し押さえようとするパソコン,フロッピーディスク等の中に被疑事実に関する情報が記録されている蓋然性が認められる場合に,#そのような情報が実際に記録されているかをその場で確認していたのでは記録された情報が損壊される危険があるときは,内容を確認せず,差押え可。
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版92頁(刑集52-4-275)参照]

刑訴法判例19/ 東京高判平6・5・11参照:場所に対する捜索差押許可状の効力は,当該場所に現在する者が差し押さえるべき物を着衣・身体に隠匿所持していると疑うに足りる相当な理由があり,差押を有効に実現するためはにその者の着衣・身体を捜索する必要がある具体的な状況の下においては,その者の着衣・身体にも及ぶ。
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版90頁(判タ861-299)参照]


2018年10月19日(論述1;判例1;問題1)
刑訴法判例18/ 最判昭30・12・9参照:強姦致死事件被害者Vの原供述『あの人は好かんわ,いやらしいことばかりする』を内容とする情夫Wの証言につき,Xが同意情交を主張する場合,V同意を否定する情況証拠として,Vの嫌悪感を立証するためなら,精神状態の供述(非伝聞)。#犯行自体の間接事実たる動機の証拠とするなら_伝聞
[上口裕『刑事訴訟法』2版379頁注5(刑集9-13-2699,米子「あの人は好かんわ」事件)参照。参考:古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版232頁]

刑訴法89/ 747/ 証人W証言中,V原供述のうち『Xは嫌いだ』部分は,Xの犯人性が争点なら,関連性なし。行為主体性確定後,合意情交か強姦かが争点なら,V強姦致死罪立証に関連性あり,かつ非伝聞(#精神状態の供述)。『いやらしいことばかりする』部分は,#強姦動機を推認させる間接事実として内容真実性が問題となる伝聞証拠
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版232頁〔22〕(最判昭30・12・9刑集9-13-2699,米子「あの人好かんわ」事件)参照]

刑訴法問題17/ 古江事例演習刑訴法初版〔22〕参照:Xは,Vに対する強姦致死罪で起訴され,犯人性を否認したところ,証人Wは,検察官からの主尋問に対し,「Vから,生前,『Xは嫌いだ。いやらしいことばかりするから』と打ち明けられた」旨証言。弁護人は,伝聞排除されるべき旨の異議を直ちに申し立てた。異議は容認されるか。
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』〔22〕参照]


2018年10月18日(論述1;判例1)
ニュース/ ①#手続保障:本件ツイートで原告の方が傷ついた(攻撃防御)→国民の感情(決定)。②事実認定(3:30-5:22):本件ツイッターを読んだ人はどう感じるか:原告すら言っていない,「原告が訴訟を起こしたこと自体がけしからん」と言ってるように,感じる旨,確たる証拠もないまま事実認定。
https://youtu.be/Maq-1Grk_LY?t=58

刑訴法88/ 746/ #供述証拠の内容は_ある要証事実を知覚_記憶_叙述することにより証拠となり_内容の真実性を立証するために用いられる。不正確な知識(見間違え,聞き間違え),記憶の喪失・混乱・入替え,故意・過失等による記憶と叙述の不一致などが生じるおそれあり。そこで,#伝聞証拠中_原供述者の供述の正確性_吟味要
[緑大輔『刑事訴訟法入門』267頁参照]

憲法判例12/ 最大判平23・3・23参照:衆議院議員選挙を中選挙区制から小選挙区比例代表制にする選挙制度改革にあたり,小選挙区について各都道府県に一議席を配分し,残りの議席を人口比例で都道府県意配分する一人別枠方式は,最大格差が1対2.30まで拡大した2009(平21)年選挙において,#合理性はもはや失われ違憲状態
[安西ほか『憲法学読本』2011年有斐閣204頁-205頁(判時2108-3),1人別枠方式とは - 新語時事用語辞典 Weblio辞書(https://www.weblio.jp/content/1%E4%BA%BA%E5%88%A5%E6%9E%A0%E6%96%B9%E5%BC%8F),参照]

 

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2018年10月分(1日~17日)ツイート:102,論述(民訴法2;刑訴法2);判例(憲法10,行政法2;民訴法9,要件事実1,倒産法1;刑法23;刑訴法17);問題(憲法2;民訴法10;刑法7,刑訴法16)

2018年10月16日,17日ツイート:21,判例(刑訴法10);問題(刑訴11)

2018年10月17日(判例2;問題9)
刑訴法問題16/ 刑訴法R29②Q2-2参照:甲らは,被疑事実を認め,Tの覚せい剤密売関与につき,甲は一時否定,その後認め,乙は一貫否定。丁は覚せい剤取締法違反(営利目的共同所持)でH裁判所に公判請求され,第2回公判期日の甲証言の証明力を争うため別機会の甲供述が取り調べられた場合,甲証言の証明力の回復証拠取調べ,許容?
[平成29年度司法試験 刑訴法問題設問2小問2参照。回復証拠]

刑訴法判例17/ 最判平18・11・7参照:刑訴法328条は,公判期日等の被告人,証人などの供述が,別機会のその者の供述と矛盾する場合,矛盾供述したこと自体の立証を許すことで,公判期日等のその者の供述の信用性減殺を図ることを許容する趣旨。⇒同人の供述書,供述録取書等,厳格な要件をみたす証拠に表れている部分に限る。
[司法協会『刑事訴訟法講義案』4訂版335頁[206](刑集60-9-561)参照]

刑訴法問題15/ 刑訴法R29②Q2-1参照:甲らは,取調べで被疑事実を認めたが,Tの覚せい剤密売関与否定。甲はその後,T関与を認め,乙は一貫し否定。丁は覚せい剤取締法違反(営利目的共同所持)で逮捕され,検察官送致,勾留後,H裁判所に公判請求された。第2回公判期日の甲証言の証明力を争うため取調べ請求された各証拠の適否?
[平成29年度司法試験 刑訴法論文問題設問2小問1参照。参考:最判平18・11・7刑集60-9-561]

刑訴法問題14/ 古江・事例演習〔4〕(2)参照:司法警察員Kは,深夜2時ころコンビニエンスストアA店で強盗事件発生のため店員Vに事情聴取。事件の約2時間後,店舗から約8kmの路上で犯人の人相風体に似たXを発見,質問。X否認。Xを現行犯逮捕,検察官送致。検察官は逮捕手続が違法なので釈放。同一被疑事実でXを逮捕できるか?
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版〔4〕小問(2)参照]

刑訴法問題13/ 古江・事例演習〔4〕(1)参照:司法警察員Kは,深夜2時ころコンビニエンスストアA店で強盗事件発生のため,店員Vに事情聴取。付近を探索。事件の約2時間後,店舗から約8km離れた路上で犯人の人相風体に似たXを発見,質問したが,Xは否認。Xを現行犯逮捕,検察官送致,勾留請求。裁判官はいかなる裁判をすべきか?
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版〔4〕小問(1)参照]

刑訴法判例16/ 東京地決昭44・11・5参照:刑訴法は,#勾留請求につき逮捕前置主義を採用し_違法逮捕に対する司法的抑制を期待するのだから,違法な逮捕手続に引き続く勾留請求は,仮に将来同一事実に基づく再度の逮捕や勾留請求が予想されても,#その時点において逮捕手続の違法を司法的に明確にすると意味で,却下すべき。
[緑大輔『刑事訴訟法入門』98頁(判時629-103)参照]

刑訴法問題12/ 緑・刑訴法入門5講(2):司法巡査K3は現行犯逮捕の要件たる犯人・犯行の明白性を欠き,犯行時刻からかなり時間が経っていたにもかかわらず(212条1項),これを糊塗しBを窃盗で現行犯逮捕。検察官は逮捕段階の違法に気づかず勾留請求。裁判官が勾留質問で現行犯逮捕の違法に気づいた場合,勾留状発付すべきか?
[緑大輔『刑事訴訟法入門』〔8講〕事例(2)参照]

刑訴法問題11/ 緑・刑訴法入門8講(1)参照:司法巡査K1は,逮捕令状でAを逮捕したが,その際,逮捕状呈示(201条1項)を失念。Aの身体を受け取った司法警察員K2は,被疑事実の要旨・弁護人選任権を告知して弁解聴取した上で,検察官送致,検察官は勾留請求。#裁判官が勾留質問で令状呈示の瑕疵を知った場合_勾留状発付すべきか?
[緑大輔『刑事訴訟法入門』〔8講〕事例(1)参照]

刑訴法問題10/ 刑訴法R29②Q1参照:覚せい剤取締法違反(所持)の逮捕者の供述から,司法警察員Pは,甲の,自宅Kマンション付近での,覚せい剤密売を疑い,捜索差押許可状で,甲方捜索。居合わせた丙がそわそわしながらトイレに行く前に,ポケットの中身を見せるの拒んだため,③ポケットに手を差し入れ,5枚の紙片を取り出した。
[平成29年度司法試験 刑訴法論文問題 設問1③参照]

刑法問題9/ 刑訴法R29②Q1参照:覚せい剤取締法違反(所持)で逮捕した複数の者の供述から,司法警察員Pは,甲が内妻乙と居住する自宅Kマンション付近での,覚せい剤密売を疑い,捜索差押許可状で,甲方捜索。捜索中,乙がハンドバックを持ったまま玄関に行こうとし,見せるのを許否したため,②#それを取り上げ_中身を捜索
[平成29年度司法試験 刑訴法論文問題 設問1②参照]

刑訴法問題8/ 刑訴法R29②Q1参照:覚せい剤取締法違反(所持)で逮捕したAなど複数の者の供述から,司法警察員Pは,甲が内妻と居住する自宅Kマンションを拠点に覚せい剤を密売している疑いを強め,甲方捜索差押許可状の発付を得た。甲がドアチェーンを掛けたままドアを開けたので,①ベランダ窓ガラスを割り,甲方に入った。
[平成29年度司法試験 刑訴法論文問題 設問1①参照。参考:同採点実感。
https://youtu.be/WrH-pyjXJrQ?t=6301
1.甲方に立ち入った措置の適法性(222条1項・111条1項「必要な処分」):①捜索差押えの実効性を確保するために必要であること(必要性),②社会通念上相当な態様であること(相当性)。
 ①実刑判決を受ける可能性が高く,証拠隠滅の動機があり,捜索対象物件の破棄隠匿のおそれがある。ドアチェーンを掛けるという予測される被捜索者の対応。密航性の高い薬物事犯で,譲渡の有罪立証に不可欠の証拠。洗面所に流したりするなどごく短時間で容易に覚せい剤事態を隠滅できる。薬物事犯の特殊性=差押え物件の重要性,証拠隠滅の容易性。
 他方,②ガラス窓は取り外し可能な動産で,建物自体を壊したという訳ではないし,ガラス窓自体の財産的価値は高価であるとはいえない。さらに,居室にいた甲らの身体に対し特段,有形力の行使をするものではない。被侵害利益の内容,侵害の程度。とりわけ,財産的損害の内容を分析。
⇒窓ガラスを割り,甲方に立ち入った措置は許容される。
2.令状の呈示時期:]


2018年10月16日(判例8;問題2)
刑訴法問題7/ 緑・刑訴法入門55頁参照:警察官KはAに対し殺人罪の嫌疑を抱き,取調べのため警察署に出頭を求め,取調べで嫌疑を深めたKは,さらに取り調べるためAを旅館に3泊させ,警察署で取り調べた。Aは宿泊希望の旨の答申書提出。常時警察官が交代でホテル周辺に張り込み,A動静を監視。任意処分として適法な取調べか?
[緑大輔『刑事訴訟法入門』55頁事案(最決昭59・2・29刑集38-3-479,高輪グリーンマンション事件を簡略化したもの)参照]

刑訴法問題6/ 緑・刑訴法入門5講参照:(1)公道デモ行進中のAらが,監視中の警察官らと小競り合いを始めたため,警察官Kは様子をビデオカメラ撮影。(2)銀行ATMで撮られた振り込め詐欺犯人の容ぼうとパチンコ店に出入りする被疑者Bの容ぼうを比較し,犯人か判断するため,警察官Kは店長に依頼し,容ぼうを防犯カメラで撮影。
[緑大輔『刑事訴訟法入門』〔5講〕事例参照]

刑訴法判例15/ 被疑者やその妻が公道上のゴミ集積所に不要物として出したゴミ袋を警察官が回収し,その中から証拠物を発見した事案で,最決平20・4・15は,#捜査の必要がある場合は_刑訴法221条により_遺留物として領置可とする。ゴミを捨てた者には,焼却処分等されるという期待があるとはいえ,捜査の必要に優越しない。
[寺崎『刑事訴訟法』3版151頁(刑主62-5-1398)参照。R22②]

刑訴法判例14/ 最判平15・2・14参照:逮捕時逮捕状の呈示なく,その緊急執行もされていない手続的違法あるにとどまらず,#その違法を糊塗するため_内容虚偽の捜査報告書を作成し_公判廷で事実と反する証言をしている等の警察官の態度を総合的に考慮すれば,本件逮捕手続の違法の程度は,令状主義の精神を没却するほど重大!
[司法協会『刑事訴訟法講義案』4訂版389頁(刑集57-2-121)参照。最高裁として初めて証拠能力否定の判断を示したもの。(抜粋要約した判旨の続き)「本件逮捕手続の違法の程度は,令状主義の精神を潜脱し,没却するような重大なもの」。「このような違法な逮捕に密接に関連する証拠を許容することは,将来における違法捜査抑制の見地からも相当でないと認められるから,その証拠能力を否定すべきである。」]

刑訴法判例13/ 最判昭61・4・25参照:採尿手続が違法だと認められる場合も,直ちに尿の鑑定書の証拠能力を否定すべきでなく,#その違法の程度が令状主義を没却するような重大なものであり_右鑑定書の証拠としての許容が_将来における違法な捜査の抑制の見地から相当でないと認められるときに,証拠能力が否定されるべき。
[司法協会『刑事訴訟法講義案』4訂版387頁(刑集40-3-215,最判昭53・9・7刑集32-6-1872)参照。証拠収集手続に違法があるため,証拠物(尿(の鑑定書))の証拠能力が否定される場合。]

刑訴法判例12/ 最判昭30・1・11参照:検察官面前調書に関する(相対的)特信情況(刑訴法321条1項2号後段)の判断資料につき,#必ずしも外部的な特別事情でなくても_供述内容自体で信用性ある情況の存在を推知せしめる事由となる。外部的事情を基準とし副次的にこれを推認する資料として調書の供述内容も考慮可とする趣旨。
[『刑事訴訟法判例百選』10版〔A38〕(刑集9-1-14)参照]

刑訴法判例11/ 最決昭44・4・25刑集248頁参照:証拠調べ段階後,具体的必要性を示し,一定の証拠を閲覧させるよう検察官に命ぜられたい旨,申出がされた場合,事案の性質,審理状況,証拠の種類・内容,時期等,諸般の事情を勘案し,被告人の防御のため特に重要で罪証隠滅等のおそれなく,相当なとき,訴訟指揮権に基づき命令可。
[『刑事訴訟法判例百選』10版〔A27〕(刑集23-4-248)参照。参考:辰巳『趣旨・規範ハンドブック刑事系』5版248頁。
 この決定は,証拠調べ段階後の,訴訟指揮権に基づく証拠開示命令を認めたもののようであるが,平成16年改正により,公判前整理手続・期日間整理手続における証拠開示制度が採用されたため,事実上その役割を終えたともいえる(前掲,刑訴法判例百選10版245頁参照)。]

刑訴法判例10/ 最決平19・12・25参照:公判前整理手続・期日間整理手続における証拠開示制度の趣旨が争点整理と証拠調べを有効・効率的に行うためにある点にかんがみると,刑訴法316条の26第1項の証拠開示命令の対象は,#検察官が現に保管中の証拠に限らず_捜査過程で作成・入手した書面で_入手が容易なものも含まれる。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック刑事系』5版248頁-249頁参照。参考:『刑事訴訟法判例百選』10版125頁(刑集61-9-895)]

刑訴法判例9/ 最決平20・9・30参照:公務員が職務過程で作成するメモのうち,専ら自らが使用するため作成したもので,公開を全く想定していないものは開示命令対象でない。しかし,#警察官としての職務を執行するに際しその職務の執行のために作成した公的性質を有するもので_職務上保管するものなら,開示対象とできる。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック刑事系』5版249頁参照。参考:『刑事訴訟法判例百選』10版〔54〕(刑集62-8-2753)]

刑訴法判例8/ 大阪高判昭60・12・18参照:現行犯逮捕についても逮捕の必要性(逃亡or罪証隠滅のおそれ)が要件となるかにつき,明文規定は存しないが,#現行犯逮捕も人の身体の自由を拘束する強制処分であるから_要件をできる限り厳格に解すべきで_通常逮捕同様(刑訴法199条2項,規則143条の3),逮捕の必要性を要件とする。
[『刑事訴訟法判例百選』10版〔A2〕(判時1201-93)参照。参考:辰巳『趣旨・規範ハンドブック刑事系』5版200頁]

 

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2018年10月分(1日~15日)ツイート:81,論述(民訴法2;刑訴法2);判例(憲法10,行政法2;民訴法9,要件事実1,倒産法1;刑法23;刑訴法7);問題(憲法2;民訴法10;刑法7,刑訴法5))

2018年10月分ツイート(11日~15日):22,論述(刑訴法2);判例(憲法1;倒産法1;刑法7;刑訴法6);問題(刑訴法5)
2018年10月15日(判例2;問題2)

刑訴法判例2/ 最決平14・10・4参照:①捜索差押許可状呈示に先立ちドアをマスターキーで開け入室した措置:捜索差押えの実効性確保のため必要で,社会通念上相当な態様。②110条の呈示は,#手続の公正担保_処分を受ける者の人権に配慮する趣旨⇒執行着手前呈示原則。捜索差押えの実効性確保確保のためやむを得ない範囲。
[『刑事訴訟法判例百選』10版〔A6〕(刑集56-8-507),R29②,20②,参照]

刑訴法問題5/ 古江事例演習初版155頁参照:覚せい剤取締法違反事件で,被告人が使用を否認したため,使用日時,場所,方法に幅のある記載の訴因で起訴したところ,公判で,被告人が使用日時,場所,方法を自白したり,自白せずとも他の証拠からそれらが明確になった場合,訴因の補正(訴因変更)をしなければ,訴因不特定となるか?
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版155頁,156頁参照]

刑訴法問題4/ 刑訴法R29予備Q2-3参照:公訴事実:乙は,甲と共謀の上,平成29年5月21日午後10時頃J町1-2-3路上で,殺意をもって,甲がサバイバルナイフでV胸部を1回突き刺し,左胸刺創の失血死で殺害。争点顕在化:#5月18日,甲方での殺害謀議の存否。乙は,甲と,#5月11日,甲方で,V殺害謀議を遂げた,と認定し有罪判決できるか?
[平成29年度司法予備試験 刑訴法論文問題設問2小問3と出題趣旨 参照。参考:古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版153頁,154頁,争点顕在化の措置(最判昭58・12・13刑集37-10-1581,よど号ハイジャック事件)。
 5月18日に謀議があったか否かが争点とされたが,裁判所は証拠調べの結果,5月11日に謀議があったとの心証を得た場合,5月11日謀議で有罪判決をしたとしても,それは訴因,「罪となるべき事実」には含まれていないので,有罪判決できるであろう(335条1項)。実質的に,「犯罪の証明」(333条1項)がなされていたか否かが問題なだけ?
 裁判官が心証を得たということは,それを得るだけの「犯罪の証明」がなされていたということだろうか?]

倒産法判例8/ 大阪地判平21・1・29参照:Xは,平成17年3月28日,賃料月額1906万余円で平成22年3月27日まで,本件建物をYに賃貸。定期賃貸借契約(借地借家法38条)。Yの中途解約は,残期間分支払った場合のみ可,明渡しまで賃料相当額の倍額賠償義務。平成17年5月9日,Y再生手続開始決定。この賃料相当額・損害金は再生債権。
[『倒産判例百選』5版〔77①〕(判時2037-74)参照。問題点:多額の違約金負担が発生するることがあり,管財人等の解除権行使の制限になりかねない。債権者平等の原則に反しないか。民再法49条1項に基づく適法な解除であり,違法な債務不履行にはあたらず,損害賠償債務(賃料相当額の倍額の損害金支払債務)は発生しないのではないか。]


2018年10月14日(論述2;判例3;問題1)
刑訴法判例6/ 最決昭59・12・21:犯行状況等を撮影したいわゆる現場写真は,非伝聞証拠である旨判示し,写真による記録過程の伝聞性を否定。最判平17・9・27:#再現者が行動で示した供述を撮影したいわゆる供述写真は伝聞証拠だが,写真による記録過程部分の伝聞性は否定。⇒#記録過程の正確性担保のための署名押印不要。
[『刑事訴訟法判例百選』10版191頁タテ5右欄(順に,刑集38-12-3071,刑集59-7-753)参照。いわゆる現場写真と,いわゆる供述写真の違い,ぱっと見わかりにくかったが,こういうことなんだなー。参考:同書〔89〕]

刑訴法判例5/ 最判平17・9・27参照:捜査機関が任意処分として行う検証を,実況見分と呼び,結果を記録したものが実況見分調書で,#伝聞証拠。再現実況見分調書からは心証形成しないことが前提だが,#本件では証拠の標目欄に掲げられたこと等から_実質上_再現されたとおりの犯罪事実の存在を要証事実とすると考えられた。
[『刑事訴訟法判例百選』10版〔83〕(刑集59-7-753)参照。被疑者,被害者,目撃者などによる再現実況見分調書は,これにより裁判官のが心証形成にしないことを前提とするが,本件では,当該事案の争点や公判経過のほか,本件両書証が第1審で証拠の標目欄(刑訴法335条1項)に掲げられたことに鑑み,(結果的に)実質において,再現されたとおりの犯罪事実の存在の心証を裁判官に抱かせることを目的とする,すなわち,当該犯罪事実の存在を要証事実とする伝聞証拠と,最高裁は考えたということだろう。参考:R21②,25②]

刑訴法87/ 745/ #共謀を共同遂行の合意とすると,故意が実行行為と同時存在であるのと似て,#共謀も実行行為時に存在すれば足り,謀議行為は実行行為時の共同遂行の合意を推認させる間接事実にすぎず,訴因特定に不可欠とはいえない。#共謀を謀議行為と解しても,識別説から,共謀の日時,場所,内容等記載なくとも,訴因特定。
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版153頁,R29予備Q2-1,参照。同書164頁の記述と併せて考えると,古江先生は,共謀=謀議行為と解されているようである。そして識別説から,共同正犯と教唆・幇助の識別の必要な場合に,訴因の特定にとって不可欠とされるのだろう。]

刑訴法86/ 744/ #訴因特定に不可欠な事項(裁判所の義務的求釈明対象)についての検察官釈明は,訴因内容をなし,判決で異なる事実を認定するには訴因変更手続要。訴因特定に不可欠といえない事項(裁判所の裁量的求釈明対象)についての検察官釈明は,訴因内容とならず,訴因変更手続不要。ただ,争点顕在化措置要の場合あり。
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版154頁(最判昭58・12・13刑集37-10-1581,よど号ハイジャック事件),R29予備Q2-2,参照]

刑訴法問題3/ 刑訴法R29予備Q2-2参照:公訴事実:乙は,甲と共謀の上,平成29年5月21日午後10時頃J町1-2-3路上で,殺意をもって,甲がサバイバルナイフでV胸部を1回突き刺し,左胸刺創の失血死で殺害。乙の公判前整理手続での,乙は,甲との間で,平成29年5月18日,甲方で,V殺害謀議を遂げた旨の検察官釈明は,訴因内容となるか?
[平成29年度司法試験予備試験 刑訴法論文試験 問題と出題趣旨参照。参考:古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版154頁]

憲法判例11/ 最大判昭37・5・30参照:条例は,法律以下の法令といっても,#地方公共団体の議会制定の自治立法で,行政府制定の命令等とは性質を異にし,むしろ国会制定の法律に類するものだから,条例で刑罰を定める場合,法律の授権が相当程度に具体的で限定されていれば(憲法73条6号ただし書参照),#憲法31条に反しない。
[芦部『憲法』5版361頁(刑集16-5-577)参照]


2018年10月13日(判例3;問題1)
刑訴法判例3,4/ 最判昭37・11・28参照:訴因を明示するには,できる限り日時・場所・方法をもって「罪となるべき事実」の特定を要する(刑訴法256条3項)のは,①裁判所に審判対象を限定し②被告人に防御範囲を示す目的。#犯罪の日時・場所・方法は_犯罪構成要素となっている場合を除き_罪となるべき事実そのものではない。

/ 最判昭37・11・28参照:犯罪の日時・場所・方法は,犯罪構成要素たる場合を除き,罪となるべき事実そのものではなく,訴因を特定する一手段として,できる限り具体的に表示されるべきでものなので,犯罪の種類,性質等から,#詳らかにできない特殊事情ある場合,上記目的①②を害さないかぎり,#幅のある表示可。
[司法協会『刑事訴訟法講義案』4訂版120頁(刑集16-11-1633)参照]

刑訴法問題2/ 刑訴法R29予備Q2-1参照:被告人は,#甲と共謀の上,平成29年5月21日午後10時頃,H県I市J町1-2-3先路上において,Vに対し,殺意をもって,甲がサバイバルナイフでVの胸部を1回突き刺し,よって,その頃,同所において,同人を左胸刺創による失血により死亡させて殺害したものである,との公訴事実は,訴因特定十分か?
[平成29年度司法試験予備試験 刑訴法論文式試験 設問2小問1問題と出題趣旨,参照]

刑訴法判例2/ 京都地決昭44・11・5参照:司法巡査による現行犯逮捕は,犯行時より20分後,犯行現場から20数m地点だが,①巡査自身による被疑者犯行の目撃,②被疑者が犯罪に供した凶器等所持,③身体,被服などに犯罪の証拠残存,④逃走しようとした,⑤被害者自身から追呼されていた,わけではない。⇒現行犯逮捕要件不具備。
[有斐閣『ケースブック刑事訴訟法』3版〔6-1〕80頁(判時629-103),R29予備Q1,刑訴法212条2項,429条1項2号(勾留裁判に対する準抗告),参照。逮捕前置主義。司法的抑制。逮捕手続の違法を司法的に明確にする→拘留請求却下。]


2018年10月12日(問題1)
刑訴法問題1/ 刑訴法R29予備Q1参照:平成29年5月21日午後10時頃,J町1-2-3先路上で,Vがサバイバルナイフで胸部を刺され殺害され,W,犯行を目撃,犯人を追跡したが,現場から約200m地点で見失う。警察官は,約30分後,約2km離れた路上で,Wから聴いた犯人の特徴と合致する甲を発見,甲は犯行を認めた。現行犯逮捕の適法性如何?
[平成29年度司法試験予備試験 刑訴法論文式試験 設問1問題と出題趣旨,参照。参考:京都地決昭44・11・5判時629-103]


2018年10月11日(判例7)
刑法判例28/ 自招侵害は,行為者が,#自ら侵害を招き_これに対し防衛行為を行ったという一連の事実経過全体を対象に,正当防衛要件検討。/喧嘩・闘争状況下の正当防衛の可否も同様。喧嘩両成敗思想から,正当防衛の余地なしとの古い判例もあるが,最高裁は,全体的に考察し,喧嘩・闘争状況下の正当防衛成立可能性を肯定。
[『判例ラクティス 刑法Ⅰ』199頁(最判昭32・1・22)参照]

刑法判例27/ 判例は,防衛の意思必要説だが,内容不明確なので,相手方に憤激や攻撃意思ある場合の防衛意思の有無,問題? 最高裁は,憤激や逆上に基づく場合も,防衛意思に欠けるわけではないとし,#攻撃的意思と防衛意思が併存しうること_ただし_防衛に名を借り侵害者に積極的に攻撃を加える行為は防衛意思を欠くとする。
[『判例ラクティス 刑法Ⅰ』198頁(大判昭11・12・7刑集15-1561,最判昭46・11・16,最判昭50・11・28)参照]

刑法判例26/ ある行為をなすに当たって_被害者または第三者が適切な行動をすることを信頼するのが相当な場合には_被害者または第三者の不適切な行動によって結果が発生したとしても_行為者は責任を負わない(信頼の原則)。これは,過失行為の実質的危険性(客観的予見可能性)がない場合の原則(客観的構成要件該当性)。
[『判例ラクティス 刑法Ⅰ』113頁(最判昭41・12・20),平野『刑法概説』86頁,85頁,山口『刑法総論』3版257頁LL2,247頁LL11-9,参照]

刑法判例25/ 過失成立要件としてとしての予見可能性は,内容の特定しない抽象的な危惧感・不安感では不十分で,#構成要件該当事実に関する具体的な予見可能性でなければならない。もっとも,その細部に至るまでの予見可能性は必要なく,#構成要件的結果および結果発生に至る因果関係の基本的部分の予見可能性で足りる。
[『判例ラクティス 刑法Ⅰ』112頁(大阪高判平3・3・22)参照]

刑法判例24/ 明文なき過失犯処罰につき,関連法令や立法趣旨等からその意図が看守できる場合,判例は,法規の実効性確保等の観点から肯定。/責任主義から,結果的加重犯の成立を認めるのに,基本犯と重い結果との間の因果関係だけでなく,重い結果の発生に過失(予見可能性)が必要かにつき,判例は因果関係あれば足るする。
[『判例ラクティス 刑法Ⅰ』112頁(順に,最決昭57・4・2,最判昭32・2・26)参照]

刑法判例23/ 最判平17・7・4参照:①入院中の患者を退院させ生命に具体的危険を生じさせ,②親族から患者の手当てを全面的にゆだねられた犯人が,生命維持に必要な医療措置を受けさせずに死亡させた事案:不作為による殺人罪成立。#先行行為による危険創出_患者に対する支配関係(患者の依存関係)から保証人的地位肯定。
[山口『刑法総論』3版85頁(刑集59-6-403,シャクティ治療殺人事件)参照]

刑法判例22/ 最大判平29・11・29参照:性的被害に係る犯罪への社会の一般的な受け止め方の変化等を踏まえると,行為者の性的意図を強制わいせつ罪の成立要件とすべきでない。/Xの行為は,行為そのものが持つ性的性質が明確な行為なので,その他事情を考慮するまでもなく,性的な意味の強い行為として,客観的にわいせつ。
[『平成29年度重要判例解説』149頁(裁時1688-1)参照]

 

2018年10月分(1日~10日)ツイート:59,論述(民訴法2);判例(憲法9,行政法2;民訴法9,要件事実1;刑法16;刑訴法1);問題(憲法2;民訴法10;刑法7)

2018年10月分(7日~10日)ツイート:21,判例(行政法2;刑法13,刑訴法1);問題(刑法5)

2018年10月10日(判例6)

刑法判例20,21/ 共謀共同正犯成立には,#二人以上の者が_特定の犯罪を行うため_共同意思の下に一体となり互いに他人の行為を利用し_各自の意思を実行に移す謀議をし,よって犯罪を実行した事実なければならず,共謀に参加した以上,直接実行行為に関与せずとも,#他人の行為をいわば自己の手段として犯罪を行ったといえる。
[山口『刑法総論』3版339頁(最判昭33・5・28刑集12-8-1718,練馬事件)参照

/ 共謀に基づき犯罪実行あれば,共謀参加者は,実行行為分担有無を問わず,共同正犯たりうる。事前共謀,#現場共謀含む。具体的謀議行為がなくても,#共謀者間に暗黙の意思連絡あるにすぎない場合も,成立しうる。被告人が,#犯罪を共同遂行する合意の下_自己の犯罪を行う意思で関与した場合,共同正犯成立傾向。
[山口『刑法総論』3版339頁-340頁(最決平15・5・1刑集57-5-507,スワット事件)参照。下級審判決には,実行行為の遂行・分担を行った者についても,自己の犯罪として関与してないとして共同正犯の成立を否定し,幇助として処罰したものもある。]

刑法判例19/ 共同正犯は実行行為の分担実行があった場合に限る(形式的正犯概念)わけではなく,住居侵入窃盗などの見張りにも肯定(大判明28・12・19)。さらに,犯罪の謀議に関与したに過ぎない者にも共同正犯成立肯定(最大判昭33・5・28など.共謀共同正犯)。構成要件的結果を共同惹起したかが判断基準になると解する。
[山口『刑法総論』3版338頁(順に,刑録1-5-89,刑集12-8-1718(練馬事件))参照]

刑法判例18/ 正犯の幇助は可罰的(刑法62条1項)。従犯(幇助犯)の幇助も可罰的,#正犯を間接幇助するから(最判昭44・7・17参照)。ただし,正犯行為に対する促進・強化作用ある場合のみ。しかし,#教唆の幇助は不可罰。規定ない上,幇助は刑が減軽され(63条),教唆(・幇助)の教唆の処罰規定しかないから(61条2項反対解釈)。
[山口『刑法総論』3版336頁-337頁(刑集23-8-1061)参照。正犯の幇助:可罰(62条1項)。幇助の幇助:正犯の間接幇助なら可罰。教唆の幇助:不可罰。/正犯の教唆:可罰(61条1項)。教唆の教唆:可罰(61条2項)。幇助の教唆:可罰(62条2項)。]

刑法判例16,17/ 最決平23・12・19参照:適法な用途にも著作権侵害用途にも利用できるファイル共有ソフトを,インターネットを通じ公開・適用し,著作権侵害行為に利用された事案:#かかるソフト提供行為につき幇助犯が成立するためには_一般的可能性を超える具体的な侵害利用状況と_提供者においてそのことの認識_認容要。
[山口『刑法総論』3版322頁(刑集65-9-1380,Winny事件)参照]

/ 共犯構成要件の因果関係を肯定するためには,教唆・幇助行為における正犯実行行為を惹起・促進する危険性が現実化し,正犯実行行為が実際,惹起・促進されたこと要。銃声の音漏れ防止のため地下室に目張りしたが,殺人は行われず,正犯に認識されてもなければ,殺人幇助とならない(東京高判平2・2・21参照)。
[山口『刑法総論』3版322頁(判タ733-232)参照]

動画/ https://youtu.be/7wWGQfOjLXM?t=2532
刑法の問題提起:行為識別,条文指摘。(1:09:19)長く書けば書くほど,減点ポイント出てしまう。あてはめから逆算し,論点があるから問題となるとのように見える。詳細な事実なければ,実行の着手時期は問題とならないという訳じゃない。問題提起部分長く書いていいことは全くない。
[YouTube動画,わかりやすかった。
答案例の部分(https://youtu.be/7wWGQfOjLXM?t=3746)]


2018年10月8日(判例6)
行政法判例2/ 最判平18・11・2,行政法T22(24ア),参照:(#都市計画法の定める)基準に従って都市施設の規模,配置等に関する事項を定めるに当たっては,当該都市施設に関する諸般の事情を総合的に考慮した上で,#政策的_技術的な見地から判断することが不可欠で,このような判断は,#行政庁の広範な裁量にゆだねられている。
[弘文堂『ケースブック行政法』4版101頁(判時1953-3,小田急訴訟本案判決),『行政判例百選Ⅰ』6版〔79〕(民集60-9-3249),平成22年度新司法試験 短答式試験問題 公法系第24問肢ア,参照]

刑法判例15/ 「侵奪」(刑法235条の2)とは,不動産に対する他人の占有を排除し自己or第三者の占有を設定すること。#不動産に対する事実的な支配の侵害をいい,不動産登記の改ざんや登記名義の不正取得は含まない。他人の土地に無断で建物を建てた場合が典型。土地利用権限を超え,容易に原状回復不能にする使用も含む。
[山口『刑法総論』3版206頁-207頁(最決平11・12・9刑集53-9-1117)参照]

刑法判例14/ 不法領得の意思とは,#権利者を排除して他人の物を自己の所有物としてその経済的用法に従い利用_処分する意思をいう(判例)。毀棄・隠匿の意思の場合には否定され,また,単に一時使用ための場合も除かれるが,船などの乗り捨て意思の場合,肯定される。前半部分を排除意思,後半部分を利用意思とも記述可能。
[山口『刑法総論』3版197頁-198頁(大判大4・5・21刑録21-663,教育勅語事件,最判昭26・7・13刑集5-8-1437等)参照]

刑法判例13/ 刑法上の占有:財物に対する事実上の支配。その存否は,占有の事実(客観的要件)と占有の意思(主観的要件)を総合し,社会通念に従い判断。#主観的要件は客観的要件を補完。①財物握持,②人の閉鎖的支配内,③一時置き忘れ:場所的・時間的離隔,僅か,④一定の保管場所に保管する意思,⑤当該領域支配者に移転。
[山口『刑法総論』3版177頁,178頁-180頁(最判昭32・11・8刑集11-12-3061など)参照。R27①,T25(4オ)]

刑法判例12/ 「財物」とは,#財産的価値ある有体物をいうと解する。財産的価値には,金銭的・経済的価値のみならず,所有者・管理者の主観的価値(#客観的交換価値なくとも主観的使用価値で足る),財物が悪用されないように手元に置く利益(消極的価値)あるものを含む。価値が僅少であるとして財物性を否定した判例あり。
[山口『刑法総論』3版175頁,172頁-174頁(大判明36・5・21刑録9-874,東京高判昭28・9・18判特39-108,東京地判昭39・7・31下刑集6-7=8-891等)参照。古い判例は,管理可能性説だが,裁判例においては,情報それ自体を財物としていないように,有体性説がとられているようである。]

刑法判例11/ 千葉地判平28・12・15参照:Xが,橋の欄干外側にしゃがみ込んだVの手をCDに握らせたのは,Vが川に落下しかねない現実的危険性ある体勢をとらせるもので,VがXYの指示に従わざるを得ない状況下,被害者の行為を利用した暴行に該当。YがDの腕を強く押し,衝撃でVを落下させたことに,XY間に黙示の意思連絡あり。
[『平成29年度重要判例解説』148頁(平成28(わ)204)参照]


2018年10月7日(判例4;問題5)
刑法判例10/ 福岡高判平28・12・20参照:#行為の危険性は_行為時点_その場に置かれた一般通常人が認識し得た事情・行為者が特に認識していた事情を基礎に判断(具体的危険説)。/Xは,Vが騙されたふりをしている事情を認識せず,その場に置かれた一般通常人も認識し得なかったといえるから,当該事情は基礎事情から排除。
[『平成29年度重要判例解説』147頁(判時2338-112)参照。したがって,騙されたふりをしている被害者は存在せず,特殊詐欺によって騙された被害者が本件荷物を発送し,被告人が受領したということになるので,被告人の本件受領行為の,詐欺の実行行為としての危険性が認めらるので,不能犯ではない。
 客体の不能に関する裁判例と考えられる(山口『刑法総論』3版288頁参照)。]

刑法判例9/ 刑法判例:#方法の不能事案では_結果発生の可能性が科学的な根拠を問題としてかなり客観的に判断される場合が多いが,その一部の判決と,客体の不能判決では,#一般人の危険感が援用され具体的危険説(行為時に一般人に認識でき,あるいは行為者の認識した事実に基づき危険判断)に近い基準で未遂犯成立肯定。
[山口『刑法総論』3版288頁参照]

行政法判例1/ 最判平4・10・29参照:原子炉の安全性は「#現在の科学技術水準に照らし」て判断すべき。#審査対象はあくまで処分時における原子炉の安全性だが(違法判断の基準時=処分時説),その後の科学的知見によって安全でないことが明らかになれば,#処分時においても安全だったとはいえない(処分時説と矛盾しない)。
[『LEGAL QUEST 行政法』3版247頁(民集46-7-1174,伊方原発訴訟)参照]

刑訴法判例1/ 京都地決昭44・11・5参照:#先行する逮捕は適法でなければならない。∵①逮捕が違法なら釈放されてしかるべきで,逮捕前置主義をみたさない,②刑訴法には逮捕に対する準抗告がないので,拘留請求を却下し逮捕手続の違法性を司法的に明確化必要。/#逮捕被疑事実と拘留被疑事実とは同一でなければならない。
[寺崎『刑事訴訟法』3版176頁-177頁(判時629-103)参照]

刑法問題5,6,7/ 刑法R29予備参照:甲は民間病院内科部長医師,Vと交際。V心臓の特異疾患を甲Vは知っていたが,通常診察で判明し得ないもの。甲は,劇薬入りワインでV殺害を図り,Vのみ居住宅に宅配便で送付。致死量10mlのところ,8mlしか含まれてなかったが,特異疾患あるV摂取なら,死亡の危険あり。V不在で未受領。甲の罪責?

/ 刑法R29予備参照:Vは私立大学病院内科医乙に熱中症と診断され,治療方針を相談された内科部長甲が,劇薬Y致死量6mlだが,心臓に特異疾患あるVは3mlでも死亡の危険あることを知りながら,確実を期し6ml,熱中症薬Bと偽り,乙に注射指示。容器に薬剤名なかったが,乙は中身確認せず,3ml注射。V死亡。甲乙の罪責?

/ 刑法R29予備参照:民間病院内科医乙は,V死亡後,検査の結果,劇薬Y注射が原因の心臓発作による急性心不全と知った。乙は,内科部長甲に就職時に世話になったので,注射指示した甲に刑事責任が及ばないよう,専ら甲のため,死亡診断書に虚偽死因を記載,署名押印し,Vの母親Dに渡し,Dは,C市役所に提出。乙の罪責?
[平成29年度司法試験予備試験 論文式試験 問題と出題趣旨,参照]

刑法問題4/ 刑法R29①参照:先行する自分たちの行為(正当防衛/過剰防衛)により死に至らしめたと誤信した被害者Aの,財布取得。
Aは生きているので,客観的には窃盗罪の構成要件該当。死者の占有(窃盗or占有離脱物横領,抽象的事実の錯誤)?
不法領得意思:利用意思?/器物損壊罪
異なる構成要件間における共同正犯の成否?
[平成29年度司法試験問題論文式試験問題,採点実感,参照。
 私は,故意は,犯罪事実(違法性を基礎づける事実)の認識だろうと思うので,その認識対象は,構成要件該当事実および違法性阻却事由の不存在自由の両方だと思っています。
 そうすると,主観的違法要素たる不法領得の意思を,自らが保持していることも、理論的本来的には,故意の認識対象だろうと思います。
 しかし,答案政策上は,故意を不法領得の意思より先に検討する方がシンプルに書ける場合があるということだろう。(学問としての厳密な考察によるものではなく,現時点てそう思うだけだが,)要件事実論におけるせり上がりと同じようなものと理解できないであろうか? ]

刑法問題3/ 刑法R29①参照:Aが甲顔面を右手拳骨で殴ろうとしたのを,甲はかわし,#防御のため乙に加勢を頼み_乙同意。甲乙は正面からAに体当たりし路上に仰向けに倒し,しばらく押さえ付け落ち着くのを待ったが,まだ暴れるため,乙は未必の殺意なく,重さ800gの丸石でA顔面を力を込め殴った。A失神,鼻骨骨折。乙の罪責?
[平成29年度司法試験論文式試験問題,採点実感,参照]

 

2018年10月分ツイート(1日~6日):論述(民訴法2);判例(憲法9;民訴法9,要件事実1;刑法3);問題(憲法2;民訴法10;刑法2)

2018年10月分ツイート(4日~6日):17,判例(民訴法3,要件事実1;刑法3);問題(憲法1;民訴法7;刑法2)

2018年10月6日(判例3;問題3)
刑法問題2/ 刑法R29①参照:甲は,同僚Aから,B信販会社所有のクレジットカードを借り,#10万円の腕時計購入のためだけに使うという当初の約束を破り,50万円の腕時計と併せ,60万円分購入。#B信販会社規約には_会員である名義人のみ利用でき_貸与等が禁じられていた。同日夕方,甲はAに事情を話し了承を得た。甲の罪責?
[平成29年度司法試験論文式試験問題,出題趣旨,参照。詐欺罪,有印私文書偽造罪・同行使罪,背任罪または横領罪の成否]

刑法問題1/ 教唆・幇助は,正犯と同じ犯罪(罪名)でのみ成立するか,正犯と異なった犯罪(罪名)の共犯を認め得るか?/罪名は自らの責任要件(故意)に対応。殺意をもって人に切り付けようとしてる正犯Aに,傷害を与えるにすぎないと思いBがナイフを貸し,被害者が傷害を負った場合,Bには自己の故意に対応する傷害幇助成立。
[山口『刑法』2版158頁参照。罪名は正犯に従属しない。ただし,共犯の故意が正犯の故意よりも重い罪についてのものである場合,教唆・幇助は二次的責任類型であるから,共犯の罪名は正犯の罪名を超えない。要するに,共犯の罪名は正犯の罪名よりも軽いものにはなるが,重いものにはならない(山口『刑法総論』3版331頁参照)。その意味で,罪名従属性が完全に否定されるわけではない(山口『刑法』2版158頁参照)。
 罪名従属性と,部分的犯罪共同説・行為共同説との関係,どうなっているのであろうか?]

刑法判例7,8/ 最決昭54・4・13参照:ABらが,Vに暴行・傷害を加える旨共謀したところ,Aが殺意をもってVを刺殺した事案で,#殺意のなかったBらには殺人罪の共同正犯と傷害致死罪の共同正犯の構成要件が重なり合う限度で軽い傷害致死罪の共同正犯が成立するとした。/Aにつき,行為共同説によれば,殺人罪の共同正犯となる。
[山口『刑法総論』3版318頁(刑集33-3-179)参照。これは,犯罪の成立と科刑の分離を認める以前の実務の考え方(団藤・大塚説)を否定したもの。/Aの罪責につき,部分的犯罪共同説によれば,殺人罪の単独正犯となる。]

/ 最決平17・7・4参照:殺意あるAと殺意なきBが共同した,不作為による殺人罪と保護責任者遺棄致死罪の共同正犯事案で,#Aに殺人罪成立_Bとの間で保護責任者遺棄致死罪の限度で共同正犯。Aが殺人罪の共同正犯でないなど,部分的犯罪共同説だが,殺意なき共同者の行為で死の結果が直接惹起された事案で不都合。
[山口『刑法総論』3版318頁-319頁(刑集59-6-403)参照]

刑法判例6/ 最判昭41・4・8参照:Xは,当初財物領得の意思はなかったが,#野外で_人を殺害後_領得意思を生じ_犯行直後_現場で_被害者が身に着けていた時計を奪取したのであり,このような場合,被害者の生前の財物所持は死亡直後もなお継続保護すべき。#Xの一連の行為は_全体的に考察し_他人の財物に対する所持の侵害。
[平成29年度司法試験の採点実感(刑事系科目第1問,R29①)6頁(刑集20-4-207)参照。窃盗罪の故意と死者の占有]

憲法問題2/ 憲法T22(3)参照:ア.#租税法分野での取扱いの区別は_立法目的が正当で_区別態様が目的との関連で著しく不合理でない限り_14条1項に反しない。イ.14条1項後段は例示列挙。また,事柄の性質に応じ合理的区別可。ウ.25条の要請にこたえて制定された法令でも,合理的理由のない不当な差別は14条に違反しうる。
[平成22年度新司法試験短答式試験公法系第3問参照。法の下の平等]


2018年10月4日(判例5;問題6)
要件事実判例1/ 代物弁済の要件事実(動産の所有権取得原因):①#債務の発生原因事実,②債務の弁済に代え動産所有権を移転するとの合意,③債務者が①の当時,当該動産所有,④(①合意に基づき)当該動産の引渡し(⇔最判昭40・3・11参照)。/所有権喪失の抗弁ならば,請求原因で動産所有主張されているので,③の主張立証不要。
[改訂『紛争類型別の要件事実』114頁,113頁参照。判例(最判昭40・3・11集民78-259など)の考え方によれば,代物弁済による所有権移転の効果は,原則,当事者間の代物弁済契約の意思表示によって生じる諾成契約といういことなので,要件事実④の主張立証は不要ということらしい。]

民訴法問題11/ 民訴法R28予備Q1(1)参照:X→Y1,Y1→Y2と経由された甲土地の各所有権移転登記につき,Xは甲土地所有権に基づき,Y1らを被告とし,各登記の抹消登記手続請求訴訟提起。X:Y1に1000万円の貸金返還債務ある旨,自白。XがY2から1000万円を借り受け,甲土地を譲渡担保に供したと事実認定しての判決は,弁論主義違反?
[平成28年司法試験予備試験論文式試験 設問1小問(1)の問題と出題趣旨参照。当事者の主張していない所有権取得経過を判決の基礎とすることの適否。]

民訴法問題10/ 伊藤塾民訴法R第31問Q1参照:XはYに対し金銭消費貸借契約に基づく500万円の貸金返還請求訴訟提起。Yは,Xに対する600万円の売掛代金債権を相殺の抗弁として提出。裁判所は,自動債権不存在を理由に抗弁を排斥し,X請求認容。判決確定後,Yが別訴でXに対し売掛代金債権全額の支払請求訴訟提起。裁判所の措置?
[伊藤塾『試験対策問題集論文民事訴訟法』〔第31問〕設問(1)参照。既判力の客観的範囲]

民訴法問題9/ ロープラ民訴法 基本29:故A所有の本件土地につき自作農特別措置法により買収処分され故Bに売り渡されたが,Aの相続人XはBの相続人Yに対し,買収処分無効としてされたXB間の買戻契約に基づく所有権移転登記請求訴訟を提起。棄却判決確定。その後,買収処分から20年後,Xは処分無効を理由に土地明渡請求訴訟?
[『Law Practice 民事訴訟法』初版〔基本問題29〕参照。参考判例:最判昭51・9・30民集30-8-799等]

民訴法問題8/ 民訴法R5②Q2:甲は,乙を被告として,乙に対する300万円の請負代金の支払いを求める訴え提起。乙は右請負代金債権成立を争うとともに,甲に対する100万円の売買代金債権を自働債権とする訴訟上の相殺の抗弁提出。#乙が_判決までの間に_甲を被告として右売買代金支払を求める別訴提起。裁判所の取扱い如何?
[平成5年度司法試験 民訴法論文第2問 設問(2)参照。二重起訴禁止,抗弁先行別訴後行型]

民訴法判例11/ 最判昭51・9・30参照:前訴の訴訟物と異なる後訴請求を信義則に反するとして遮断。要件:①実質的に蒸し返し,②前訴において後訴請求をすることに何ら支障なかった,③勝訴当事者が前訴判決により紛争が解決済みとの信頼を抱いており,法的安定要求保護要,④前訴で充実した審理,⑤前訴で争うべき誘因あり。
[『Law Practice 民事訴訟法』初版220頁-221頁(民集30-8-799)参照]

民訴法判例10/ 最判平10・6・12参照:#明示的一部請求でも_審理は債権全額の存否にわたる以上_前訴で敗訴した原告が残部請求の訴えを提起することは_特段の事情なき限り_信義則に反し許されない。∵①債権全部を審理判断,当事者の主張立証範囲も通常は同様,②一部請求全部・一部棄却⇒残部不存在,③実質的に蒸し返し。
[司法協会『民事訴訟法講義案』再訂補訂版66頁(民集52-4-1147)参照]

民訴法問題7/ ロープラ民訴法 発展13:XはYと,Y所有別荘を代金1億円で購入する契約を締結したが,履行期前に焼失。Xは,Yの過失によるとして,債務不履行による損害額3000万円中,500万円の支払を求める賠償請求。過失認められず,X請求棄却判決確定。Xがあらためて上記損害額残額2500万円支払を求める後訴は認められるか?
[『Law Practice 民事訴訟法』初版〔発展問題13〕参照。参考判例:最判平10・6・12民集52-4-1147]

民訴法問題7/ ロープラ民訴法 発展13:XはYと,Y所有別荘を代金1億円で購入する契約を締結したが,履行期前に焼失。Xは,Yの過失によるとして,債務不履行による損害額3000万円中,500万円の支払を求める賠償請求。過失認められず,X請求棄却判決確定。Xがあらためて上記損害額残額2500万円支払を求める後訴は認められるか?
[『Law Practice 民事訴訟法』初版〔発展問題13〕参照]

民訴法判例9/ 東京地判平26・9・3参照:原告の請求は,前訴確定判決の既判力に抵触するものではないが,(本件における)#抗弁事実の存在は前訴で攻撃防御が尽くされた上で理由中で認められたものであり_これを本件で原告が争うことは_前訴で解決された紛争を不当に蒸し返すもので信義則に照らして許されない。請求棄却。
[『平成28年度重要判例解説』131頁(判タ1421-310)参照。参考判例:最判昭51・9・30民集30-8-799]

民訴法問題6/ 民訴法R29予備Q2:Xは,Yに対し,300万円の不当利得返還請求。Yは,500万円の貸金債権と対等額で相殺する旨の意思表示。X債権全額認められ,Y債権中450万円弁済済として,50万円の範囲で相殺認容(判決確定)。Yは,貸金債権中450万円未弁済として後訴提起。裁判所は,貸金債権の存否を改めて審理・判断できるか?
[平成29年司法試験予備試験論文式試験問題と出題趣旨の設問2参照]

民訴法問題5/ 民訴法R5②Q1:甲は,乙を被告として,乙に対する300万円の請負代金の支払いを求める訴えを提起。乙は右請負代金債権成立を争うとともに,甲に対する100万円の売買代金債権を自働債権とする訴訟上の相殺の抗弁提出。#請負代金債権の成立および相殺の抗弁も認められ_200万円支払を命ずる判決確定。効力如何?
[平成5年度司法試験 民訴法論文第2問 設問(1)参照。相殺の抗弁認容の場合の既判力の及ぶ範囲]

 

2018年10月分ツイート(1日~3日):21,論述(民訴法2);判例(憲法9,民訴法6);問題(憲法1;民訴法3)

2018年10月3日(論述1;判例4;問題2)
民訴法判例8/ 最大判昭56・12・16参照:現在不法行為が行われ,同一態様の行為が将来も継続する予想があっても,①#損害賠償請求権の成否・額の判断が複雑で_変動が予想され,#あらかじめ一義的に明確に認定できず_むしろ具体的請求権成立時点で初めて認定でき,②債権者に立証責任ある場合,将来給付の訴えの適格性なし。
[司法協会『民事訴訟法』再訂補訂版71頁(民集35-10-1369),R29予備Q1,参照。その後の判例として,最判平28・12・8民集63-5-1321(『平成29年度重要判例解説』〔民訴法1〕)。]

民訴法114/ 743/ 将来給付の訴えは,口頭弁論終結時までに履行すべき状態にならない給付請求権の存在の主張だから,あらかじめ請求の必要ある場合に限られる(民訴法135条)。#義務者の態度_給付義務の目的・性質などを考慮し判断。反復継続的給付は,履行期にある部分の不履行あれば,将来分も期待薄なので,訴えの利益あり。
[司法協会『民事訴訟法講義案』再訂補訂版71頁,R29予備Q1,参照]

民訴法問題4/ 民訴法R29予備Q1:将来にわたり継続的に発生する不当利得返還請求訴訟につき,①#将来給付の訴えと現在給付の訴えの区別基準,②#将来給付の訴えの利益の判断要件等を問う。民訴法135条の趣旨に触れつつ,昭和56年最大判,大阪国際空港夜間飛行差止訴訟等に言及し自説を述べ,具体的事実関係を踏まえ論述要。
[平成29年司法試験予備試験論文式試験問題と出題趣旨の設問1,最大判昭56・12・16民集35-10-1369参照]

民訴法判例7/ 最判昭51・3・30参照:#補助参加の利益は本案判決主文で示される訴訟物たる権利・法律関係の存否に関する利害関係を指し,判決理由中で判断される事実や法律関係についての利害関係では足りないとされてきたが,本判決は,#加害者たる共同被告の一方が他方への求償権保全のため,補助参加することを認めた。
[『民事訴訟判例百選』5版〔A32〕(判時814-112,裁判集民事117-323)参照]

民訴法問題3/ 民訴法R30③Q3:BはAに250万円支払え,Cに対する請求棄却という判決に,Aに不服申立て意思はなかったが,#BがAを補助するため参加申出_A控訴人_C被控訴人として_控訴期間内に控訴。Cは,Bによる補助参加に異議申述。#補助参加の利益なし等のC主張の当否を検討し,控訴裁判所はどのように判断すべきか論ぜよ。
[平成29年司法試験問題と出題趣旨,民事系第3問設問3参照。最判昭51・3・30(判時814-112,裁判集民事117-323)参照]

民訴法判例6/ 主債務者と連帯保証人を訴える場合(最判昭27・12・25),複数人に自己の所有権確認を求める場合(最判昭34・7・3等)や登記抹消を求める場合(最判昭29・9・17等)など,論理ないし事実上の統一的解釈の必要性,全員に勝訴しなければ目的達せられないという実際上の統一的解釈の必要性あるが,#通常共同訴訟。
[司法協会『民事訴訟法』再訂補訂版295頁(順に,民集6-12-1255,民集13-7-898,民集8-9-1635)参照]

民訴法判例5/ 大阪高判昭62・7・16参照:手形金債務不存在確認の訴え係属中,被告が簡易迅速な手形訴訟(民訴法350条以下)を提起することは,重複起訴か? 訴訟物も当事者も同一。#もし先行の訴え中での反訴提起しかできなければ_簡易迅速な手続が採れず,手形訴訟提起妨害も可能となり不合理。重複起訴と解すべきでない。
[和田吉弘『基礎からわかる民事訴訟法』60頁(判時1258-130),R30③Q1,参照]


2018年10月2日(論述1;判例4;問題2)
民訴法判例4/ 最決平19・12・11参照:金融機関の得た顧客情報の守秘義務は個々の顧客との関係で認められるに過ぎないので,金融機関が民事訴訟当事者として開示を求められ,当該顧客も受訴裁判所に開示義務を負うならば,#顧客は金融機関の守秘義務で保護さるべき正当な利益なく_金融機関が開示しても守秘義務違反なし。
[『民事訴訟判例百選』5版144頁(民集61-9-3364),R30③Q2,参照。同書4版〔A23〕]

民訴法問題2/ 民訴法R30③Q2:不法行為損害賠償請求訴訟の原告Aの診療記録の所持者D病院として,文書提出命令を申し立てる場合に,Dからの反論を念頭に置き,#文書提出義務あることを説得的に立論しなさい。一般的文書提出義務(民訴法22条4号),#文書の所持者が当該訴訟当事者に対し負う守秘義務(同号ハ)? 利益文書(3号)?
[平成29年司法試験問題と出題趣旨,民事系第3問設問2(最決平19・12・11民集61-9-3364)参照]

民訴法判例3/ 最大判昭33・3・5参照:和解調書(民訴法267条)に,#既判力を肯定することを前提とする。大判昭8・11・24参照:#訴訟上の和解の実体は当事者の意思表示であり,判決と異なり,意思表示に存する瑕疵のため和解が当然無効となる場合あり。最判昭33・6・14参照:#要素の錯誤により訴訟上の和解が無効となりうる。
[司法協会『民事訴訟法講義案』再訂補訂版]254頁(順に,民集12-3-381,裁判例7-267(最判昭31・3・30民集10-3-242),民集12-9-1492)参照]

民訴法113/ 742/ 相殺の抗弁は,訴え提起と異なり,相手方提訴を機に防御手段として提出されるのであり,相手方訴求債権と簡易迅速・確実決済を図る機能を持つので,#1個の債権の残部で他の債権との相殺を主張することは_債権発生事由_一部請求経緯_審理経過等にかんがみ訴訟上の権利濫用など特段の事情なき限り_許される。
[司法協会『民事訴訟法講義案』再訂補訂版91頁-92頁(最判平10・6・30民集52-4-1225)参照]

憲法判例10/ 最大判昭58・6・22参照:拘留中の被疑者が新聞を定期購読していたが,日航機「よど号」乗っ取り事件に関する新聞記事を拘置所長が全面的に抹消。新聞購読の自由制限は,在監目的達成のため真に必要と認められる限度でのみ,#閲読を許すことにより監獄内の規律・秩序の維持に障害が生ずる相当の蓋然性必要。
[芦部『憲法』5版109頁(民集37-5-793,「よど号」ハイ・ジャック新聞記事抹消事件)参照。T22(2イ)]

憲法判例9/ 在監者の信書検閲(監獄法50条)は検閲禁止にも,憲法21条1項にも反しない(最判平6・10・27参照)。/死刑確定者の信書の発送制限につき,同人の心情の安定等も配慮し監獄長の裁量的判断是認(最判平11・2・26参照)。#相当の蓋然性有無を判断代置審査_受刑者の信書発送制限_違法とした(最判平18・3・23参照)。
[『判例ラクティス憲法』増補版32頁(順に,判時1513-91,判時1682-12,判時1929-37),芦部『憲法』5版109頁-110頁,T22(2ウ),参照。「信書ノ検閲」(旧監獄法50条,刑事収容施設法127条)は,合憲とされており,「信書の発」送(旧監獄法46条1項,刑事収容施設法126条~133条。「死刑確定者」については,同法139条以下)の不許可処分については,死刑確定者に対するものは合憲,それ以外の受刑者については,監獄内の規律・秩序維持などの点において放置することができない程度の障害が生じる,相当の蓋然性の有無を裁判所が判断代置して審査し,裁量権逸脱、違憲とした判例があるようである。
 なお,「受刑者」と異なり,「未決拘禁者」については,刑事収容施設法134条以下に規定がある。また,受刑者のうち,「死刑確定者」については,別に同法139条以下に規定。他に,その他の被収容者についての規定もあり。]

憲法問題1/ 憲法T22(1):ア.議会制民主主義を支える不可欠の要素たる政党の健全な発展への協力も,社会的実在としての会社に当然期待されるので,#会社は自然人同様_政治的行為をなす自由あり。イ.#税理士会が多数決で政治献金をすることは_会の目的の範囲外。ウ.#外国人は_外国へ一時旅行する自由を保障されてない。
[平成22年新司法試験 短答式試験問題 第1問参照。人権の享有主体性。]


2018年10月1日(判例7)
憲法判例2,3/ 最判平8・3・19参照:#政治献金は選挙における投票の自由と表裏をなすので会員個人が市民として自主的に決すべきだから,強制加入団体たる税理士会(公益法人)は,#多数決原理で構成員に協力を義務付け得ない。たとい税理士に係る法令に関しても,税理士法49条6項所定の税理士会の目的の範囲外の行為,無効。
[芦部『憲法』5版90頁(民集50-3-615,南九州税理士会(政治献金)事件),憲法T22(1イ),参照]

/ 最判平14・4・25参照:強制加入団体たる司法書士会が大震災で被災した兵庫県司法書士協会に3000万円の復興支援拠出金を寄付するため,特別負担金を会員から徴収する総会決議を行った。#司法書士業務の円滑な遂行による公的機能回復に資するので,会の目的の範囲を逸脱しない。反対意見:寄付金額多額過ぎ。
[芦部『憲法』5版91頁(裁判所時報1314-1,群馬司法書士会震災支援寄付事件)参照]

憲法判例4/ 最大判昭45・6・24参照:八幡製鉄(新日本製鉄)の代表取締役自由民主党に政治献金した行為の責任を追及した株主代表訴訟。#議会制民主主義を支える不可欠の要素たる政党の健全な発展に協力することも_社会的実在としての会社に当然期待されるので,自然人同様,政治的行為をなす自由あり。行きすぎ判決。
[芦部『憲法』5版91頁(民集24-6-625,八幡製鉄事件)参照。T22(1ア)]

憲法判例8/ 最大判平17・1・26参照:①公権力行使等地方公務員の職(直接的に統治作用に関わる管理職)と,②これに昇任するのに必要な職務経験を積むために経るべき職(#統治作用に関わる程度の弱い管理職)の,#一体的な管理職任用制度,可。⇒#管理職試験受験資格で外国人を区別しても合理的な区別。/制度を人権に優先?
[芦部『憲法』5版93頁-94頁(民集59-1-128)参照]

憲法判例5/ 最判平4・11・16参照:1973年入国し日本人と結婚した定住外国人(アメリカ国籍)森川キャサリーンさんが,韓国への旅行計画をたて再入国許可申請したところ,指紋押捺許否を理由に不許可とされた。#外国人には_憲法上_外国へ一時旅行する自由は保障されていない。/法改正で特別永住者の再入国規制若干緩和。
[芦部『憲法』5版95頁(裁集民事166-575,森川キャサリーン事件),憲法T22(1ウ),参照]

憲法判例6/ 最大判昭53・10・4参照:アメリカ人マクリーンが在留期間1年として入国,1年後,在留期間更新申請。#人権の保障は権利の性質上許されるかぎり外国人にも及び_政治活動も_その地位にかんがみ相当でない活動を除き保障されるが,在留制度の枠内。合憲合法の行為も,#更新許否の消極的理由としてしんしゃく可。
[芦部『憲法』5版96頁(民集32・7・1223,マクリーン事件)参照]

憲法判例7/ 最判平7・12・15参照:押捺義務3年に1度,1指のみだった制度(昭和57年改正前)につき,#指紋の押なつを強制されない自由は_個人の私生活上の自由(憲法13条)の一つだが,右押捺制度立法目的には十分な合理性,必要性あり,手段も一般的に許容される限度を超えない相当なもの。/平11年法改正,指紋押捺制度廃止。
[芦部『憲法』5版97頁(刑集49-10-842,指紋押捺拒否事件)参照]

 

2018年9月分ツイート75: 論述19(民法8,商法10,要件事実1);判例48(憲法1;民法16,会社法17,民訴法2,倒産法7,刑法5);問題8(行政法1;会社法4,民訴法1,要件事実2) - 140字法律学