140字法律学

法律書等を読んで,理解し覚えられるように140字以内にまとめています。原文・判決文どおりでないところもあります。https://twitter.com/right_droit

2018年9月(1日-10日)分ツイート:

http://twpf.jp/right_droit 

2018年9月分(1日-10日)分ツイート:

2018年9月10日(3)
ノート/ 倒産法ノート (現時点でのツイートの下書き)
序論 tl.gd/n_1sqkl3d
破産財団,破産管財人,など tl.gd/n_1sqkm3e
双務契約など tl.gd/n_1sqkm3p
別除権 tl.gd/n_1sqkm47
相殺権 tl.gd/n_1sqkm4c
否認権 tl.gd/n_1sqkm4g
その他 tl.gd/n_1sqkm4j

民法100-102/ 債権総論27-29/ 729-731/ 最高裁は,将来債権の診療報酬債権を8年3か月にわたり譲渡した事案で,債権発生可能性を要件とせず,#期間の始期と終期を明確にするなどで特定すれば,有効に譲渡可とする。ただし,譲渡人の営業活動等の不当制限,他の債権者に不当な不利益を与えるなどの特段の事情ある場合,公序良俗違反で無効となりうる。

/ #特定債務者との間で生ずる将来の債権の集合は_発生の蓋然性の大きさを問題とすることなく相当将来のものまで_1つの対抗要件で譲渡可。ただし,発生可能性がまったくないなら譲渡は原始的不能といえようし,あまりに長期にわたり譲渡人の収入の大部分を譲渡するような場合,#公序良俗違反と評価されよう。
[内田『民法Ⅲ』3版216頁(最判平11・1・29民集53-1-151,最判昭43・8・2民集22-8-1558)参照。将来債権・集合債権の譲渡(確定的に債権が譲渡されている場合。担保のための債権譲渡・債権の譲渡担保の一種)]

/ 弁済が滞った時にはじめて譲渡債権から債権回収を行う,#本来の意味での担保的な債権譲渡(譲渡担保としての債権譲渡):①将来発生する集合債権の一定範囲を譲渡(対抗要件具備),譲渡人が債務不履行に陥ったときまで取立権限留保型。②譲渡合意時には対抗要件不具備の予約型ないし停止条件型集合債権譲渡。
[同書217頁,218頁,219頁(最判平13・11・22民集55-6-1056)参照]


2018年9月9日(2)
民法98,99/ 債権総論25,26/ 727,728/ 旧民法では,債権譲渡は自由で,譲渡制限特約を認めない趣旨だったとされる。現行民法典では,#譲渡禁止特約が認められ_銀行や国という強い債務者が広く用いている。
では,AのSに対する債権を,Aに対する債権者Gが差し押さえ,#転付命令を得たが_AS間の譲渡禁止特約があった場合,Gの得た転付命令の効力如何?

/ Gに特約を告げ,譲渡禁止特約を対抗し(民法466条1項ただし書),債権譲渡の実質ある転付命令の効力を封じ得るなら,#私人の意思で_差押え可能だが転付命令の効力を生じない財産を自由に作り出せることになり_執行法理念に悖る。そうならないために,差押債権者の善意・悪意問わず転付命令は有効と解すべき。
[内田『民法Ⅲ』3版211頁-213頁(大判大14・4・30民集4-209,最判昭45・4・10民集24-4-240)参照]

民法97/ 債権総論24/ 726/ ローマ法では,債権は債権者と債務者とを結ぶ法の鎖。一端を変ずるれば同一性を失うので,債権譲渡は認められなかった(更改を用いた)。しかし民法では,#債権は法的な同一性を保持しつつ譲渡可能(466条1項本文)。もっとも,①性質上の制限(同条項ただし書)、②法律上の制限,③特約による制限(466条2項)あり。
[内田『民法Ⅲ』3版210頁参照]


2018年9月8日(1)
民法96/ 債権総論23/ 725/ 民法上,債権登記簿はないから,#譲受人は_譲渡人に債権があるか_他に優先者がいないか_債務者に確かめる必要あり(登記所の代わり)。債権譲渡を債務者に知らせ債務者に情報を集めるために(情報センター),債務者への通知・債務者の承諾が対抗要件とされた。もっとも,債務者には情報を伝える法的義務なし。
[内田『民法Ⅲ』3版202頁参照]


2018年9月5日(1)
民法95/ 相続9/ 724/ ①各共同相続人は分割前,遺産全体の相続分に対応する #相続分権を第三者に譲渡可。譲受人が遺産分割に参加するが,他の共同相続人は買戻し可(905条)。②分割前,#単独で遺産に属する個々の財産権処分_債権全額の請求不可(428条不適用)。③#分割前_個々の財産権に相続分に応じた持分権_取得・単独処分可。
[ダットサン民法3親族法・相続法』3版286頁-287頁(最判昭30・5・31民集9-6-793)参照]


2018年9月3日(判例3)
判例3/ 民法3/ 最決平29・5・10:輸入業者Xは本件譲渡担保目的物である本件商品を直接占有したことはないものの,輸入業者から委託された海貨業者(海運貨物取扱業者)が輸入商品の受領等をし,#輸入業者が目的物を直接占有せず転売するのは一般的。Yは信用状を発行した商品に譲渡担保権設定し,占有改定で引渡しを受けた。
[『平成29年度重要判例解説』59頁(最決平29・5・10民集71-5-789)参照]

判例2/ 民法2/ 最判昭30・10・18:通常の種類債権ならば,特別の事情のない限り,履行不能とはならないが,#制限種類債権ならば_履行不能となりうる代わりに_目的物の良否は問題とならない。後者の場合,品質が悪いからといって引取りに行かなければ,受領遅滞の責を免れない。種類債権の特定につき,口頭の提供では不十分。
[『判例ラクティス 民法Ⅱ』〔3〕(最判昭30・10・18民集9-11-1642,漁業用タール事件)参照]

判例1/ 民法1/ 最判平28・12・19:動機錯誤無効(民法95条)の要件:動機の表示プラス法律行為の内容化。#動機が表示されたが法律行為の内容にはならない事例。主債務者が中小企業の実体を有する点に誤認があったことが事後的に判明しても,本件信用保証契約の効力を否定することまでXY双方が前提としていたとはいえない。
[『平成29年度重要判例解説』57頁-58頁(最判平28・12・19判時2327-21)参照]

 

2018年8月分ツイート: 25(憲法1,行政法5;倒産法1;刑法3,刑訴法15) - 140字法律学

2018年8月分ツイート: 25(憲法1,行政法5;倒産法1;刑法3,刑訴法15)

http://twpf.jp/right_droit 

2018年8月29日(4)

行訴法54/ 723/ 原子炉の安全性は,#現在の科学技術水準に照らし判断すべき。審査対象となるのはあくまで処分時における原子炉の安全性だが,その後の科学的知見で危険性が明らかになれば,処分時も安全だったとはいえない。さらに,違法判断基準時を,具体の行政過程における個別実体法の仕組みごとに考察する見解もある。
[『LEGAL QUEST行政法』3版247頁(最判平4・10・29民集46-7-1174,伊方原発訴訟)参照]

行訴法53/ 722/ 定期航空運送事業免許に対し騒音等の被害を訴える空港周辺住民が取消訴訟提起した事案で,騒音被害と無関係な違法事由(供給過剰である等)は主張不可とされた(#行訴法10条1項)。しかし,すでに供給過剰なら,付近住民が航空機騒音を受忍するいわれはないから,自己の法律上の利益に関係がないとはいえない。
[『LEGAL QUEST行政法』3版244頁(最判平元・2・17民集43-2-56,新潟空港訴訟)参照。]

行政法52/ 722/ 処分取消訴訟と,処分の審査請求を棄却した裁決の取消訴訟を提起できるとき,原則,処分取消訴訟を提起すべき(#原処分主義)。裁決取消訴訟で(原)処分の違法を主張不可(行訴法10条2項),#採決固有の瑕疵のみ主張可。法律が採決主義をとる場合,別。採決取消訴訟提起後,原処分取消訴訟も併合提起可(19条1項)。
[『LEGAL QUEST行政法』3版244頁,245頁参照。ちょっと詰め込み過ぎたかも。]

行政法51/ 711/ 処分に理由付記(提示)が必要な場合,処分時付記しなかった理由に差替え可能か。別理由を持ち出すことで処分内容が変わる場合は,不可。それ以外の場合,判例は差替えを認めるが,#恣意抑制・不服申立便宜機能を重視するなら,否定,ないし,当初の理由と同一の基礎事実に基づく場合に限り制限的に肯定すべき。
[『LEGAL QUEST行政法』3版245頁(最判塀11・11・19民集53-8-1862,逗子市住民監査請求記録公開請求事件)参照]


2018年8月27日(1)
行政法50/ 710/ 「回復すべき法律上の利益」(行訴法9条1項かっこ書)は,地方議会議員に対する除名処分取消訴訟係属中に任期満了など,#報酬請求権等の実体法上の請求権が残る場合や,処分の本来的な効果が失われても,#実体法規が付した何らかの法的効果が残る場合,肯定。名誉侵害や反復の危険が残るにすぎない場合,否定。
[『LEGAL QUEST行政法』3版238頁,239頁(最大判昭40・4・28民集19-3-721(名古屋郵政局職員免職処分取消請求事件),最判昭58・4・5判時1077-50)参照]


2018年8月23日(1)
/ 憲法/ 表現の自由の保障の根拠論 (拙いノートですが,ご参照ください。)

Read: http://tl.gd/n_1sqkq6j
21:34 - 2018年8月23日
https://twitter.com/right_droit/status/1032606919461101569

憲法81/ 人権74/ 709/ 表現行為は,自己実現に不可欠で重要な個人的価値を持ち,自由な表現行為を認めれば,#各個人は政治・文化等のあらゆる領域での社会的決定に自由に参加でき_民主的政治決定や文化面での社会的決定を有益なものにする。外国人の表現行為も,個人的社会的公共的価値があり,権利の性質上,基本的に保障される。
[木村草太『憲法の急所』2版194-195頁,なお,200頁L1-5辺り,178頁-179頁も参照。
 表現の自由の保障の根拠論と,外国人の人権に関する権利の性質うんぬんの議論とを,まとめて書いています。どちらも,表現の自由の保護範囲に入るかどうかの問題かなとも思い,そうしました。一応,自分なりに理解して記憶できるように短くしていますので,実際に書くときには,別々に書いた方がいいのだろうとも思います。
 また,この本を読んで初めて,自己統治の価値が政治的意思決定だけに関わるものではないんだということに気が付きました。これは,学説上対立があるんでしょうか,知りません。]


2018年8月15日(3)
刑訴法85/ 708/ 自動車事故の業務上過失致死傷事件で,前方不注視義務違反で殺傷したとの訴因で一時停止義務違反事実を認定できるか。
過失犯は未完結の構成要件であり,それを補充する個々の注意義務違反は,故意犯であれば行為内容(#行為態様)にも値する重要性をもつから,#過失態様の変動は原則_訴因変更要と解すべき。
[森圭司『ベーシック・ノート刑事訴訟法』新訂版(2006年)176頁(最判昭46・6・22)参照]

刑訴法83,84/ 706,707/ 共謀事実も幇助事実も訴因特定に不可欠で,(裸の事実として極めて僅かな事実の差異だとしても,)両者の違いは構成要件的評価が異なる点では(共謀共同正犯,幇助犯),実質的な食い違いといえるが,#共同正犯事実と幇助事実は包摂関係にあることから,結局食い違い認められず,訴因変更手続を経ずに縮小認定可。
[最判昭29・1・21刑集8-1-71,東京地判平2・3・19判タ729-231,浦和地判平3・3・25判タ760-261,参照]

/ 共謀共同正犯の訴因に,被告人が幇助と弁解した場合,弁解通りの認定なので,争点明確化による不意打ち防止不要(実務)。
もっとも,#幇助犯の訴因には幇助にあたる具体的事実記載を要し,「共謀の上」との訴因事実だけで,考えられるあらゆる幇助態様の予備的,黙示的主張とみるのは,訴因機能との関係で問題。
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版164頁,165頁参照(最決昭33・3・27刑集12-4-697)参照]


2018年8月1日
/ #求む(1回ごとの募集)。#民訴法or刑法or刑訴法or倒産法論文の答案手書きPDFを交換・添削してもらえる方! #1時間くらいで書ける基本問題を用意し(オリジナル問可),スケジュールの合う日時(#19日まで)にchat等し(匿名等可),相手出題の問題を解く(基本書等参照可,手書き)。PDF化し送り,数日で添削し返送。
https://twitter.com/right_droit/status/1028488635379642369
12:49 - 2018年8月12日
https://twitter.com/right_droit_2/status/1028488211901767680
12:47 - 2018年8月12日


2018年8月11日(3)
刑訴法82/ 705/ 強盗の起訴に対し恐喝を認定するごとく,裁判所が犯罪事実の態様・限度で訴因事実よりも縮小認定するのに,訴因罰条の変更手続不要。#訴因事実が認定事実を包摂する関係にあり_縮小犯罪事実は_当初から検察官が黙示的・予備的に併せ主張していたといえ,そもそも訴因の記載と異なる事実認定ではないから。
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版162頁,163頁(最判昭26・6・15刑集5-7-1277,最決平13・4・11刑集55-3-127)参照]

刑訴法80,81/ 703,704/ ①#審判対象画定の見地から,訴因の記載として罪となるべき事実の特定に不可欠でない事実は,明示の有無に関わらず,重要な・実質的な事実の食い違いとはいえない。明示された_罪となるべき事実の特定に不可欠な事実は,②#被告人の防御範囲限定の見地から_一般的・抽象的に重要なら,原則,訴因変更手続要。
[①平成13年決定の第1段階の判断枠組み。②第2段階の判断枠組みの前半部分(抽象的防御説)]

/ #争点明確化による不意打ち防止の要請から,訴因で明示された罪となるべき事実の特定に不可欠の事実も,#被告人の防御の具体的な状況等の審理の経過に照らし_被告人に不意打ちを与えるものではなく_被告人にとってより不利益であるとはいえない場合,例外的に,訴因変更手続を経ることなく心証事実認定可。
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版160頁(最決平13・4・11刑集55-3-127)参照。平成13年決定の第2段階の判断枠組みの後半部分]

@right_droit_2/ 法律論文試験用の備忘・モチベーション維持用.倒産法70,要件事実論4,民訴法32。8月12日の週の勉強計画(主に倒産法),できなくても計画だけは立てておこう。日10:30-,月火水木金8:45-,21:45-,関心のある論点や疑問点ありましたら,コメント下さい。

/ #求む(1回ごとの募集)。#民訴法or刑法or刑訴法or倒産法論文の答案手書きPDFを交換・添削してもらえる方! #1時間くらいで書ける基本問題を用意し(オリジナル問題可),スケジュールの合う日時(#来週中)にchat等し(匿名等可),相手出題の問題を解く(基本書等参照可,手書き)。PDF化し送り,数日で添削し返送。
14:07 - 2018年8月11日
https://twitter.com/right_droit/status/1028145876068270081
14:08 - 2018年8月11日
https://twitter.com/right_droit_2/status/1028146016933924864


2018年8月9日(2)
刑訴法79/ 702/ 訴因が審判対象で,訴因は罪となるべき事実の記載とすれば,訴因事実と心証事実に事実の食い違いあれば,訴因変更手続要とも言えるが,僅かな食い違いでも常に手続を要求すると煩瑣に堪えないので,訴因機能を害さない限り,手続を要せず,#事実に重要なあるいは実質的な差異が生じた場合に訴因変更手続要求。
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版159頁参照]

倒産法71/ 破52/ 701/ ①破産手続開始後に合理的相殺期待成立→破産法上の相殺権,基礎づけず(第1ルール)。②危機時期に合理的相殺期待成立→危機時期の認識あれば,保護しない(第2ルール,偏頗行為否認同様)。③#危機時期到来以前に合理的相殺期待成立⇒合理的相殺期待を破産法上の相殺権として保護(第3ルール,別除権と同様)。
[山本和彦ほか『倒産法演習ノート』2版239頁,240頁参照]


2018年8月8日(5)
刑訴法78/ 700/ 逮捕した被疑者の身体・所持品の捜索・差押え(刑訴法220条1項2号)は,①現場状況に照らし,被疑者の名誉等を害し,抵抗による混乱,現場付近の交通を妨げるおそれのためなど,#その場でただちに実施するのに適しないときは,②#すみやかに被疑者を捜索・差押えの実施に適する最寄りの場所まで連行し,実施可。
[伊藤塾『試験対策問題集 論文 刑事訴訟法』(2009年)初版96頁参照]

刑訴法77/ 699/ 常習賭博罪で起訴され保釈中の被告人に,同一の常習賭博罪を構成する新たな賭博行為が見つかった場合も,新たな逮捕・勾留は,一罪一逮捕一拘留原則に反し,できないか。
同原則の趣旨は,不当な身柄拘束蒸し返し防止であり,#捜査機関による同時処理が不可能であった場合,不当な蒸し返しとはいえず,できる。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック刑事系』5版207頁(仙台地決昭49・5・16)参照]

刑訴法76/ 698/ 検察官が,証人がいずれ国外退去させられ公判期日等に供述不能になることを認識しながら殊更にそのような事態を利用しようとした場合,証人尋問決定されているにもかかわらず強制送還した場合等,#当該外国人の検察官面前調書の証拠請求が手続的正義の観点から公正さを欠くと認められるとき証拠能力なし。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック刑事系』5版275頁(最判平7・6・20)参照]

刑訴法75/ 697/ #所持品検査も職務質問に付随し行使可。質問に密接関連し,有効なので。任意手段だから,原則_所持人の承諾要。#犯罪の性質_容疑の程度_態度_証拠の性質等から_必要・緊急性があり_個人法益と公共の利益との権衡上_具体的状況のもとで相当な場合,承諾不要。流動する事象に対応すべき行政警察活動なので。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック刑事系』5版187頁(最判平昭53・6・20)参照。]

刑訴法74/ 696/ 行政警察活動たる職務質問では強制力行使は原則許されない。任意手段に過ぎないので(警職法2条1項3項)。もっとも,#質問の必要性の程度_対象者の対応・状況_自由制限の程度等を総合考慮し,有形力行使に必要・緊急性,相当性ある場合,必要・合理的な実力行使が許される場合あり。質問の実効性確保のため。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック刑事系』5版186頁,187頁(最決平6・9・16),等参照。]


2018年8月7日(2)
刑訴法73/ 695/ ①#審判対象の範囲画定に関する事項と異なった認定には必ず訴因変更要。②それ以外の被告人の防御に必要な事項も,争点顕在化のため,#訴因として明示された以上異なった認定に原則として訴因変更要だが,例外的に,被告人の防御の具体的状況に照らし被告人に不意打ちを与えるものでないなどの場合は不要。
[小林充『刑事訴訟法』新訂版139頁(最決平13・4・11刑集55-3-127),141頁L15(最判昭58・12・13刑集37-10-1581),参照]

刑訴法72/ 694/ 審判対象を公訴事実,訴因は法律的構成を示すものとする説は,訴因の機能を,#もっぱら被告人の防御(法律判断に関する不意打ちの防止)という手続面にあるとする。#審判対象を訴因とする説は,訴因の被告人の防御機能を否定しないが,#それは検察官の主張であってまず審判の範囲を設定するものであるとする。
[小林充『刑事訴訟法』新訂版135頁参照]


2018年8月6日(1)
刑訴法71/ 693/ 審判対象は公訴事実,訴因は法的評価(法律構成)とすれば,日時等は,法的評価に関係する場合(犯罪構成要素の場合)を除き,訴因の本質でない。審判対象は訴因,主張された現実的な刑罰権を発生させる具体的,歴史的,一回的事実とすれば,#日時等は不可欠で,できる限り厳格に特定要,その変化は原則,訴因変更要。
[森圭司『ベーシック・ノート民事訴訟法』新訂版(2006年)172頁,173頁参照]


2018年8月3日(1)
刑法総論50/ 692/ 欺罔行為を受けた被害者が詐欺かもと気づき,現金様の紙を入れた荷物を発送した後に,Xが共謀に加わり,荷物を受領した詐欺未遂事件についての行為の危険性判断も,#当該行為時_その場に置かれた一般通常人が認識し得た事情・行為者が特に認識していた事情を基礎として,当該行為の危険性の有無を判断する。
[平成29年度『重要判例解説』147頁(福岡高判平28・12・20判時2338-112)参照]


2018年8月2日
/ 28年,29年重判の判例の動き,読んでて思ったんですが,#オレオレ詐欺に対して騙されたふり作戦がとられている場合における受け子の罪って,そもそも不能犯? 詐欺未遂罪の未必の故意が認められるか? 単に荷物受領行為に関わっただけで,詐欺未遂罪の共同正犯?(承継的共同正犯?) いろいろ論点あるんですね?🤔
20:00 - 2018年8月2日 (修正)
19:54 - 2018年8月2日 (加筆)
19:42 - 2018年8月2日
https://twitter.com/right_droit/status/1024973300244443136
ps: オレオレ詐欺は,特殊詐欺,振り込め詐欺ともいう。
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/tokushu/furikome/furikome.html


2018年8月1日(2)
刑法総論49/ 691/ 中止犯(刑法43条ただし書)には,「自己の意思により」中止し既遂の現実的・客観的危険(具体的危険)が消滅したとき,褒賞として刑の必要的減免という特典を与え,被害法益の救助しようとする政策的意義あり。もっとも,特典に値する行為を行う意思(中止の認識)が必要(#意識的危険消滅説,違法・責任減少説)。
[山口『刑法総論』3版294頁,295頁参照]

刑法総論48/ 690/ 現実的・客観的危険(未遂の成立要件)は,①#結果が発生しなかった原因を科学的に解明,②これによる,#結果をもたらしたはずの仮定的事実の存在可能性を_一般人の事後的な危険感,ありえたことだと一般人が考えるかの基準を用い判断。もっとも,具体的な被害法益に対する現実的な危険の発生なければ不能犯
[山口『刑法総論』3版290頁,291頁参照]

 

right-droit.hatenablog.com

刑法総論/ 未遂犯(刑法43条)における危険について

〇既遂の現実的危険・客観的危険(具体的危険)

[・未遂犯が成立するために必要とされる危険は、既遂犯の構成要件的結果が惹起される現実的・客観的危険をいうが、それは一般的抽象的なな危険ではなく、具体的に認められる危険である。未遂犯は、既遂の具体的危険を結果とする一種の具体的危険犯(危険の惹起を明文で要求する犯罪である)といえる。

 これらの判断に際して、行為者の法益侵害結果惹起行為を行おうとする行為意思(すなわち、構成要件的結果惹起行為を行おうとする意思)が考慮される(これは、主観的違法要素である)。たとえば、被害者に拳銃を向けて引き金に指をかけている場合、引き金を引く意思があれば、拳銃が発射される現実的危険が生じ、殺人未遂の成立を肯定することができる。

 さらに、判例によれば、行為者の犯行計画も危険判断において考慮される(クロロホルム事件参照)。]

 

刑法総論47/ 689/ 未遂犯成立に必要な危険は,#既遂犯の構成要件的結果を惹起する現実的・客観的危険かつ具体的危険。未遂犯は,既遂の具体的危険を結果とする一種の具体的危険犯(危険惹起を明文で要求する犯罪)。#行為者の法益侵害結果惹起行為を行おうとする行為意思を考慮(主観的違法要素,例:拳銃の引き金を引く意思)。

[山口『刑法総論』3版285頁,47頁L14,参照]

h

https://twitter.com/right_droit/status/1023899342409617410

 

刑法総論/ 故意 (故意の認識対象・認識内容; 確定的故意, 認識のある過失との境など) - 140字法律学

https://twitter.com/right_droit/status/1023899342409617410ttps://twitter.com/right_droit/status/1023899342409617410

 

 

2018年7月分ツイート: 28(商法12,民訴法9,要件事実3;刑法4)

http://twpf.jp/right_droit 

2018年7月分ツイート(21-30): 11(民訴法6,要件事実1;刑法4)
2018年7月30日(1)

刑法総論47/ 689/ 未遂犯成立に必要な危険は,#既遂犯の構成要件的結果を惹起する現実的・客観的危険かつ具体的危険。未遂犯は,既遂の具体的危険を結果とする一種の具体的危険犯(危険惹起を明文で要求する犯罪)。#行為者の法益侵害結果惹起行為を行おうとする行為意思を考慮(主観的違法要素,例:拳銃の引き金を引く意思)。
[山口『刑法総論』3版285頁,47頁L14,参照]


2018年7月23日(3)
民訴法111,112/ 687,688/ 債務不履行に関し,債務者の主張なくとも,裁判所が職権で過失相殺(民法418条)できるが,債権者に過失があった事実(評価根拠事実)は,#債務者が立証責任を負う(判例)。この判例によると,#当該具体的事実の主張なくとも,法律上の主張なくとも,#証拠上認定できれば,裁判所の職権で過失相殺できることになる。
[『民事訴訟法講義案』再訂補訂版(最判昭43・12・24民集22-13-3454)126頁参照]

/ しかしながら,債権者の過失は,債務不履行による損害賠償義務があることを前提に,減額のための要件(#抗弁)であるから,損害額算定の裁量性から直ちに弁論主義を排除することは正当化できない。法律上の主張を要しないと解せるとしても,#その基礎づけ事実は主張を要すると解すべきで,当事者に確認すべき。
[藤田『講義 民事訴訟』2版52頁,『民事訴訟法講義案』再訂補訂版126頁,参照]

刑法各論31/ 686/ 詐欺罪(刑法246条)は,移転罪・交付罪。#瑕疵ある意思に基づく占有の移転要。成立には,①#人を欺く行為(欺罔行為)による②#錯誤の惹起,③#錯誤に基づいた交付行為,交付行為による④#物・利益の移転という⑤#一連の因果関係をたどる必要あり。財物のみならず,財産上の利益も客体で,#個別財産に対する罪。
[山口『刑法各論』2版244頁,250頁参照。なお,2項詐欺罪には全体財産に対する罪も含まれているとするのは,団藤教授,大塚仁教授,詐欺罪を含め財産犯すべて全体財産に対すると解するのは,林幹人教授とのこと(同書244頁参照)。]

2018年7月22日(4)
メモ/ 『民事訴訟判例百選』5版97事件(最判平20・7・17民集62-7-1994)の漢字を調べました。鹿児島県西之表市(#にしのおもてし)塰泊(#あまどまり)集落,塰泊集落の特に水辺に近い一帯を、塰泊浦集落と呼ぶのかもしれません。なお,西表島は「#いりおもてじま」です。
https://twitter.com/right_droit_2/status/1021048971433668608

刑法各論30/ 685/ #堕胎致死傷罪は胎児と母親の区別が前提なので,胎児を母親の一部とすべきでない。母親以外の者による胎児傷害が,#本来堕胎罪として不可罰なのに,傷害罪で罰するのも不当。母体への傷害を出生後の人への傷害と流用するのも,#法益主体の差異を構成要件上重要視しない抽象的法定的符号説で(錯誤論),不当。
[山口『刑法各論』2版26頁(最決昭63・2・29刑集42-2-314)参照。判例は,胎児性水俣病についての事案であり,業務上過失致死罪の成立を肯定するものであるが,山口教授の論理の方がしっくり行く。しかし,論理的にはいいとしても,具体的なすわりの面で,不可罰ということでいいのか,悩むところである。]

刑法各論29/ 684/ 胎児は,堕胎罪で独立の行為客体とされる場合を除き,母体の一部を構成するから,胎児に病変を発生させることは,#人である母体の一部につき,人に病変を発生させること。胎児が出生し人となった後,病変に起因し死亡した場合,#人に病変を発生させ人に死の結果をもたらしたことに帰し,業務上過失致死罪成立。
[最決昭63・2・29刑集42-2-314(『刑法判例百選Ⅱ各論』7版〔3〕)参照]

民訴法109.110/ 682,683/ 和解調書の既判力? 肯定説は,#民訴法267条の文言や和解の判決代用機能を重視し,和解に意思表示等の瑕疵ある場合,再審事由(338条1項2号3号5号)相当のときに,再審の訴えでのみ和解調書取消しを許す。否定説は,#和解の判決とは異なる自主的紛争解決方式性を重視,かつ瑕疵による当事者の不都合除去を志向。

/ 中間説である制限的既判力説は,#訴訟上の和解に既判力が認められるが_その和解に実体法上の要件が欠けるとき_すなわち実体法上の無効・取消原因があるときには_和解は無効であり,既判力は生じないとする。既判力の文言を無視せず,他方で,和解をめぐる瑕疵について当事者の不利益を回避しうる点で妥当。
[森圭司『ベーシック・ノート民事訴訟法』新訂版(2006年)238頁参照]


2018年7月21日(3)
要件事実17/ 681/ 「#過失」のような規範的評価に係る抽象的概念を法律要件とする規範的要件は,#規範的評価を根拠付ける具体的事実(評価根拠事実)を,間接事実とするのではなく,規範的評価自体は_具体的事実が当該規範的要件に該当するかの法的判断であり主要事実ではなく,#評価根拠事実を主要事実とすべき(主要事実説)。
[『新問題研究 要件事実』141頁参照]

民訴法108/ 680/ 一段目の推定を破る事情として,①#印章の紛失_盗難_盗用,②#他人に預託していた印章が冒用された,③文書が作成されていること自体が不自然(#作成日に重病で入院中など),等。二段目の推定を破る事情として,①本人/代理人が白紙に署名/押印したところ,他人が悪用して文書作成,②#文書作成後の改ざん,等。
[『ステップアップ民事事実認定』72頁参照,二段の推定を破る反証事実について]

民訴法107/ 679/ #特定の事件が特定の裁判所で判決手続で審理されている状態を訴訟係属とい,訴訟要件具備を要しないので,訴訟無能力者による訴えや管轄違いの訴えのでも生じる。裁判所への訴状提出時には,原告と裁判所間に訴状受理関係が生じるだけ。#訴状の被告への送達時に,被告にも訴訟関与状態が生じ訴訟係属発生。
[森圭司『ベーシック・ノート民事訴訟法』新訂版(2006年)98頁参照]

 

2018年7月分ツイート(1日-20日): 17 (会社法12,民訴法3,要件事実2)

2018年7月分ツイート(11日-20日): 5 (民訴法3,要件事実2)

2018年7月20日(3)
民訴法106/ 678/ 本人の印章を他人が勝手に使用することは通常あり得ないので(経験則),私文書の作成名義人の印影が同人の印章によるときは,反証なき限り,#当該印影は本人の意思に基づき顕出されたものと事実上推定され(一段目の推定),当該文書は,全体が真正に成立したものと推定される(民訴法228条4項,#二段目の推定)。
[『ステップアップ民事事実認定』72頁(最判昭39・5・12民集18-4-597など)参照,二段の推定]

民訴法105/ 677/ 形成権行使は既判力により遮断されるか。取消・解除等よりも重要な無効の主張さえ確定判決で遮断されるので,均衡上,これらの形成権主張も遮断される。相殺権行使は別異に解すべき。#相殺は取消権等のように権利に付着する瑕疵の主張ではなく,全く別な債権による相殺の可能性まで遮断すべきでないから。
[森圭司『ベーシック・ノート民事訴訟法』新訂版(2006年)269頁,270頁,R62②,参照]

/ 変更) ツイッター・ボットの登録上限700に近くなりつつありますので、#民訴法と要件事実論のツイートを,第2アカウント https://twitter.com/right_droit_2 に随時移動させようと思います。ご了解下さい。
15:07 - 2018年7月20日
https://twitter.com/right_droit/status/1020188523410812928

民訴法104/ 676/ 確定判決は,#主文に包含されるものに限り既判力を有する(民訴法114条1項)。①当事者が攻撃防御対象として判決を求めているのは,#訴訟物たる権利関係の存否なので,その意思を尊重すべき,②前提問題たる権利関係や事実主張につき,#既判力を及ぼすことを正当化するだけの手続保障があるとはいえないため。
[森圭司『ベーシック・ノート民事訴訟法』新訂版(2006年)262頁参照]


2018年7月18日(2)
要件事実15,16/ 674,675/ 主要事実とは,#権利の発生・障害・阻止・消滅という法律効果を判断するのに直接必要な要件事実。訴訟上の請求・訴訟物たる権利関係は,実体法上の法律効果で基礎づけられ,#法律効果の発生はその要件事実の欠けることのない存在を要するので,訴訟上の主張・立証責任も要件事実の存在について考えるべき。

/ 実体規定は,①#権利の発生要件を定めた権利根拠規定,②#権利発生の障害を定めた権利障害規定,③その行使を一時的に阻止する要件を定めた権利阻止規定,④#権利の消滅要件を定めた権利消滅規定に分類でき,当事者はそれぞれ自己に有利な法律効果の発生要件事実につき主張立証責任を負う(法律要件分類説)。
[森圭司『ベーシック・ノート民事訴訟法』新訂版(2006年)147頁参照]

 

 

2018年7月分ツイート(1日-10日): 12 (会社法12)

2018年7月9日
/She is a #heroine of a new era to change #Japan! It's cool!
#JusticeForShiori #FightWithShiori to protect human rights!
https://www.youtube.com/watch?v=G0vpvcTjh0s
1:22 - 2018年7月10日
https://twitter.com/right_droit/status/1016356960986230784
https://www.youtube.com/watch?v=uV1y8ud1ns8

2018年7月8日(1)
会社法116/ 673/ 退職慰労金は,#取締役の在職中の職務執行の対価として支給される限り,「報酬」に含まれる。使用人兼務取締役の使用人分給与は,#使用人の給与体系が確立しており_使用人分は別に支払う旨を明示すれば,含まれない。ストック・オプション(インセンティブ報酬としての新株予約券)も,「報酬等」に含まれる。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック』6版278頁(最判昭39・12・11,最判昭60・3・26)参照]


2018年7月6日(4)
/ 憲法は過去に国家権力がやってきた失敗を繰り返さないよう それを禁じるルール。国の理想を書いたものではなく国家権力を制限するためのもの。
https://twitter.com/kuu19660622/status/1015217990118268929

会社法115/ 672/ 取締役会決議を経ていない重要取引の無効(会社法362条4項違反),を主張できるのは原則,当該会社のみ。同規定は,#業務執行の意思決定を慎重にし会社利益保護を図るものだから。もっとも,#取締役会が既に無効の主張をする旨の決議をしているなど特段の事情ある場合,会社以外の者も,当該決議無効を主張可。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック』6版273頁(最判平21・4・17)参照]

会社法114/ 671/ 財産売却が,重要財産の処分(会社法362条4項1号)にあたるかは,#当該財産の価額_総資産に占める割合_そもそもの保有目的_処分行為態様_従来の取扱い等の事情を総合考慮し判断。多額の借財(2号)かも,#当該借財額_総資産・経常利益等に占める割合_借財の目的・方法_従来の取扱い等の事情を総合考慮し判断。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック』6版272頁,273頁(最判平6・1・20)参照]

会社法113/ 670/ 取締役会は,①#重要財産の処分・譲受け,②#多額の借財,③重要な使用人の選・解任,④重要な組織の設置・変更等,⑤社債募集,⑥#内部統制システム(企業集団含む)概要,⑦#定款に基づく取締役等の責任の一部免除,⑧その他の重要な業務執行の決定(会社法362条4項)は,専横防止等の理由から,取締役に委任不可。
[『LEGAL QUEST会社法』3版180頁参照]

会社法112/ 669/ 取締役会は各取締役が招集するのが原則だが,定款・取締役会決議で特定の取締役を招集権者と定め得る(会社法366条1項)。#その場合も_他の取締役は目的事項を示して招集を請求でき_一定の場合_自ら招集可(2項3項)。2項の場合以外通常,取締役会で様々な事項の付議が当然予想されるべきで,通知に議題不要。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック』6版272頁,『LEGAL QUEST会社法』3版183頁L 11,144頁L2(議題=目的となる事項),参照]

 

2018年7月5日(2)
会社法110,111/ 667,668/ 役員・会計監査人・執行役は,善良な管理者の注意をもって(#注意義務,善管注意義務,会社法330条,402条3項,民法644条),取締役と執行役は,法令・定款・株主総会決議を遵守し,会社のため忠実に(#忠実義務,355条,419条2項),職務を行わねばならない。判例によれば,#後者は前者を敷衍して一層明確にしたもの。
[『LEGAL QUEST会社法』3版217頁(最大判昭45・6・24民集24-6-625)参照]

/ 職務を行うにあたって注意を尽くすべき場合を注意義務(duty of care),#会社と取締役等の利益衝突場面で取締役等が自己の利益を図ってはならない場合を忠実義務(duty of loyalty)と,用語上使い分けはできるが,#忠実義務は_善管義務を敷衍して一層明確にしたにとどまり,別個の高度な異質の義務ではない。
[『LEGAL QUEST会社法』3版217頁参照]


2018年7月3日(2)
会社法108,109/ 665,666/ #権利行使者につき一定の日(基準日(会社法124条),効力発生日(180条2項2号)等)を定めたときは,振替機関(㈱ほふり)は会社に,当該の日の振替口座簿記載株主の氏名(名称)・住所,保有株式の種類・数等を通知要(振替法151条1項,#総株主通知)。株主名簿に記載・記録され(152条1項),株主の権利行使可能となる。

/ 少数株主権等を行使しようとするときは,自己が口座を有する口座管理機関(証券会社等)を通じ振替機関に申し出,保有振替株式の種類・数等を会社に通知してもらう(振替法154条3項-5項,#個別株主通知)。当該株主は株主名簿の記載・記録に関わらず(1項,#対抗要件),通知後4週間内に少数株主権等行使可(2項)。
[『LEGAL QUEST会社法』3版117頁,118頁(最判平22・12・7民集64-8-2003。なお,最決平24・3・28民集66-5-2344)参照]


2018年7月2日(2)
会社法106,107/ 663,664/ 会社は,#株主名簿を本店(株主名簿管理人ある場合,その営業所)に備え置き(会社法125条1項),株主・債権者・親会社社員の閲覧等請求に供する(同条2項~5項)。一定の拒絶事由に該当する場合(総会屋による利益供与要求を拒絶されたことへの報復としての閲覧等請求など)を除き,請求を拒絶できない(同条3項)。

/ 総会屋株主が,利益供与要求拒絶の報復として閲覧等請求する場合,権利確保・行使に関する調査以外の目的(会社法125条3項1号)または株主の共同利益を害する目的(2号)として,#会社は拒絶可。
敵対的買収株主が,#公開買付け・委任状勧誘目的で請求する場合,権利確保・行使に関する調査目的あり,#拒絶不可。
[『LEGAL QUEST会社法』3版114頁]


2018年7月1日(1)
会社法105/ 662/ 平成16年商法改正で,会社は定款で定めれば株券を発行しなくてよいとされたが,会社法(17年)はさらに,#会社は定款で定めた場合のみ_株券を発行するものとした(214条)。また,上場会社では,「社債,株式等の振替に関する法律」(振替法,21年)により株券を廃止し,#振替制度で上場株式譲渡を行うことになった。
[『LEGAL QUEST会社法』3版103頁,115頁参照]

/ 1週間、リーガルクエス会社法と、百選読もうっと!
14:23 - 2018年7月1日
https://twitter.com/right_droit/status/1013291914047598592

 

right-droit.hatenablog.com

2018年6月分ツイート: 16(憲法3,行政法5; 民法4,民訴法1; 倒産法3)

http://twpf.jp/right_droit 

2018年6月29日(2)

民法93,94/ 債権総論21,22/ 660,661/ 使用者と使用者に代わって監督する者とがともに被用者の他人に加えた損害全部の賠償義務を負うような場合(民法715条)、両者の債務内容は同一で,#一方の弁済により他方も債務を免れるので,連帯債務の法律関係に似ているが,,#両債務者間には共同目的のための主観的連結がなく,不真正連帯債務と呼ばれる。

/ #不真正連帯債務は,債権者が債務者の一人に対し,または同時もしくは順次に総債務者に対して,全部または一部の履行を請求しうる点で連帯債務と同一だが,一人の債務者について生じた事由は,#弁済その他債権の満足(弁済に準じるもの)#のほかは_相対的効力である点で(消滅時効,免除),#連帯債務とは異なる。
[ダットサン民法Ⅱ』3版(2009年)〔40〕124頁(消滅時効につき大判昭12・6・30民集16-1285。免除につき最判昭57・3・4判時1042-87。最判平6・11・24判時1514-82。ただし最判平10・9・10民集52-6-1494)参照]

/ #求む(単発の募集)#民法論文の答案手書きPDFを交換・添削してもらえる方募集! 総則,物権,担物から,1時間くらいで書ける量の問題を探し(オリジナル問題可),スケジュールの合う日時(#今週金~日)にZoom等で意見交換し,相手出題の問題を解く(基本書等参照可,手書き)。PDF化し送り,2日内くらいで添削返送。
19:00 - 2018年6月20日
https://twitter.com/right_droit/status/1009375413825441792
/ 意見・情報交換15分~30分,答案作成,問題に合わせ1時間くらい,併せて2時間以内ほど。
メリット:①#論文答案を書く機会を作れる,②自分の関心のある問題を探し,その添削なので,勉強の焦点を絞れる,③#相手出題の問題を解くので_新鮮,④基本書等参照することで,あいまい不正確な記憶に留まらなくて済む。
/ 投票有難うございます。毎週,#お互いに問題を探し相手に出題し_相手の問題を手書きで書くゼミをリアルでしていますが,同じようなゼミを,ウエブ上でできたら,#書く機会を増やせると思い,募集しています。
何が出題されるかわからないので,書けないこともあります(^^;)。
ご検討よろしくお願い致します。

民法92/ 総則14/ 659/ 詐欺による意思表示は取り消しうる(民法96条1項)。詐欺とは欺罔行為により他人を錯誤に陥れる違法行為。その他人がこの錯誤により意思表示すれば詐欺による意思表示。#意思表示の内容の重要な部分(要素)でなくてよい。欺罔行為で動機に錯誤が生じたときも,動機の表示にかかわらず,詐欺による意思表示。
[ダットサン民法Ⅰ』3版(2008年)〔92〕157頁参照]


2018年6月18日(1)
民法91/ 総則13/ 658/ 委任イコール代理と考えず,#代理は契約関係と別個独立の制度と考えれば,代理権は代理権を発生させようとする本人・代理人間の法律行為(#授権行為)で成立と説明可。代理あるところに常に委任がなければならないと擬制する要なし。授権行為は,理論上,委任契約そのものではなく,#一種の無名契約と解する。
[ダットサン民法Ⅰ』3版(2008年)〔99〕173頁,174頁参照]


2018年6月13日(1)
行政法49/ 657/ 行政行為の内容決定時に考慮要の事項を考慮せず判断⇒,#要考慮事項遺脱の瑕疵,逆に考慮すべきでない事項を考慮し判断⇒,#他事考慮の瑕疵,違法(形式的考慮事項審査)。重視されるべき事項・要素を不当に軽視,逆に過大評価すべきでない事項・要素を加重評価⇒,#考慮不尽の瑕疵,違法(実質的考慮事項審査)。
[『LEGAL QUEST行政法』3版113頁(最判昭48・9・14民集27-8-925,最判平8・3・8民集50-3-469,最判平18・2・7民集60-2-401(呉市学校使用施設許可不許可事件),最判平19・12・7民集61-9-3290,東京高判昭48・7・13行集24-6=7-533(日光太郎杉事件))参照。判断過程の統制法理]

/ #求む)#行政法論文の答案手書きPDFを交換・添削してもらえる方募集! 行政法全範囲から,#1時間くらいで書ける量の問題を各自選び(オリジナル,1行問題も可),スケジュールの合う日時(#今週金~日)にZoom等で意見交換し,相手出題の問題を解く(基本書等参照可,手書き)。PDF化し送り,2日内くらいで添削返送。
https://twitter.com/right_droit/status/1006930368669204480


2018年6月12日(1)
行政法48/ 656/ 「重大な損害を生ずるおそれ」(行訴法37条の4第1項)があると認められるためには,処分により生ずるおそれのある損害が,#処分後に取消訴訟等を提起し執行停止決定を受けるなどで容易に救済を受けられるものでなく,処分前に差止めを命ずる方法によるのでなければ救済を受けるのが困難なものであること要。
[最判平24・2・9民集66-2-183(『行政判例百選Ⅱ』6版〔214〕),R27②Q1,参照]


2018年6月11日(3)
行政法46,47/ 654,655/ 行政立法は,行政機関が行政の組織・活動に関し一般的・抽象的法規範を定立すること。 #法規命令と行政規則がある。前者は,#国民の権利義務を規律する法規たる性質を有する行政法規で,法律の授権要(執行命令,委任命令)。後者は,#法規たる性質を有しない行政法規。外部的効力がないので,法律の授権不要。
[『論文基本問題 行政法120選』2版46頁]

/ 行政規則は,法規たる性質を有しない行政法規。行政機関内部でのみ効力を有す。#告示や訓令・通達などの形式が多い。内容の観点から,①組織に関する定め,②特別の関係をもつ者に関する定め(公務員関係など),③行政機関の行動基準(#解釈基準・裁量基準,給付規則,行政指導指針)に関する定めに分けられる。
[『論文基本問題 行政法120選』2版46頁,『LEGAL QUEST行政法』3版60頁,参照]

行政法45/ 653/ 行政活動は,基本的に議会制定法たる法律や条例に基づき行われるが,行政機関自ら,法をより具体化する一般的定めを定立する場合あり(#行政基準,広義の行政立法)。①一般私人(国民,住民)の権利義務に関係する #法規たる性質を有する法規命令(狭義の行政立法),②#もっぱら行政組織内部で作用する行政規則。
[『LEGAL QUEST行政法』3版53頁,54頁参照]


2018年6月8日(2)
倒産法69,70/ 50,51/ 651,652/ 破2条11項の「債務者が,支払能力を欠く」とは,#財産_信用_労務のいずれによっても債務支払能力がないこと,「一般的」とは,#弁済できない債務が債務者の債務の全部または大部分を占めること,「継続的」とは,#一時的に支払が不可能であっても_直ちに回復する場合は支払不能にはならないこと,を意味する。

/ 「債務のうち弁済期にあるもの」(破2条11項)については,#弁済期未到来の債務を将来弁済できないことが確実に予想されても_弁済期の到来している債務を現在支払っている限りは_支払不能にはあたらないことを意味する。なぜなら,支払不能は弁済期の到来した債務の支払可能性を問題とする概念であるから。
[『倒産判例百選』5版〔25〕53頁解説,倒産法判例: 東京地裁平19・3・29金判1279-48,参照]


2018年6月7日(2)
憲法79,80/ 人権72,73/ 649,650/ 健康で文化的な最低限度の生活は,極めて抽象的・相対的概念で,#保護基準(生活保護法8条1項)の不利益変更で,現実の生活条件を無視し著しく低い基準設定するなど,憲法25条・法の趣旨・目的に反する危険を常に内包。#既にされた保護決定(法24条3項等)の不利益変更禁止(法56条)は,そうした事態回避の担保。

/ 保護基準変更の具体的内容のみならず,変更の要否,内容の検討過程・経過措置を含む実施過程も総合し,基準不利益変更に「正当な理由」があったか判断されるべき(#判断過程統制)。その限度で,法56条(#保護実施機関による保護決定の不利益変更禁止)は,#厚生労働大臣による保護基準(法8条1項)変更にも適要。
[東京地判平20・6・26判時2014-48(『判例プラクティス憲法』増補版〔227〕)参照]


2018年6月5日(2)
倒産法68/ 破49/ 648/ 債権質の設定者は,#質権者の同意あるなど_特段の事情なき限り_当該債権の債務者破産を申立て不可。質権設定者は,原則その債権を取り立て得ず,#質権者が専ら取立権を有するが(民法366条),債務者破産で,破産手続以外の債権取立てが不能となる(破100条)など,質権者の取立権行使に重大な影響を及ぼすから。
[最判平11・4・16民集53-4-740『倒産判例百選』5版26頁,参照]

憲法78/ 人権71/ 647/ ①#憲法25条から個人の具体的権利は直接導出されない。しかし,②25条は.個人の権利(主観的権利)として.#最低生活等の基礎的生活保障に一定水準を要求しており(抽象的権利),立法や行政措置で段階的に実現要。③#段階的実現の各過程に_憲法の要請にもとる措置が講ぜられれば_裁判所は_違憲・違法判断可。
[尾形健「生存権ーー「権利であることはどういうことだろう?」」法学教室452号(2018年5月)28頁,29頁(⇔高橋和之教授の判例の理解によると,憲法25条は,具体的権利でも,主観的権利(個人の権利)でもないとし(①),また,判例が一定の場合に裁量権の逸脱・濫用を認めた部分(②③)は,主観的権利についての側面ではなく,客観法(国家に対する禁止ないし制限)の側面である,ということになるようである。この文献を読んだ限りでのまとめなので,高橋教授の本を読んでみないと,このまとめでよいのか,私としては断定できません。
 そもそも,主観的権利と客観法(規範)の理解が,私にはまだ足りません。ですので,とりあえずのノートです。)参照。生存権の法的性格と立法・行政裁量の統制とのつながり(同書26頁参照)]

17:55 - 2018年6月5日
/ #一回ごとの募集です。勉強スケジュールに合えば,お問合せ下さい。用意して来られた問題にどういう記述が期待されるかなど,ご説明頂いた後に(1時間くらい),相手の問題を解きます(手書き,1時間くらい)。基本書等参照可ですが,#問題の事案は初見となりますので_解き甲斐があると思います。どの説でも可。
https://twitter.com/right_droit/status/1003923271740342272

2018年6月3日(1)
2:36 - 2018年6月4日
/ #求む)今週は,#憲法論文の答案手書きPDFを交換・添削してもらえる方募集! 内容:各自4~5日かけ,#憲法全範囲から_1時間くらいで書ける分量の問題を探し,スケジュールの合う日時に(金~日),#問題交換し,Zoom等で若干意見交換した後,相手の問題を解き(基本書等参照可,手書き),PDFにして1~2時間後に送る。
https://twitter.com/right_droit/status/1003329544001019904

民訴法103/ 646/ 当事者間で争いのない事実,自白した要件事実は,弁論主義下,#証拠で認定不要(第3原則参照。証明不要,民訴法179条),#自白事実に反する認定不可(裁判所拘束,第2原則)。自白成立なら,①刑事上罰すべき他人の行為で自白,②相手方の同意あり,③自白内容が反真実,かつ,錯誤のとき除き,#撤回不可(当事者拘束)。
[『新問題研究 要件事実』13頁,『民事訴訟法講義案』再訂補訂版182頁,183頁,121頁,参照]

 

right-droit.hatenablog.com

刑訴法/ 接見交通権 (刑訴法39条, 80条・81条)

http://twpf.jp/right_droit 

◯接見後その内容を捜査機関に報告させることの適法性,「立会人なくして」(刑訴法39条1項)の意義

[・接見後その内容を捜査機関に報告させることは違法。

 なぜなら、刑訴法39条1項が被告人らが弁護人と立会人なくして接見することができると規定しているのは、被告人が弁護人から有効・適切な援助を受ける上では、被告人が弁護人に必要・十分な情報を提供し、弁護人から被告人に適切な助言をするなど自由な意思疎通が捜査機関に知られることなくなされることが必要不可欠だからであるが、接見内容が捜査機関に知られることになれば、被告人と弁護人の情報伝達が差し控えられるという萎縮的効果が生じ、被告人が実質的かつ効果的な弁護人の援助を受けられなくなるからである。

 そうすると、「立会人なくして」(刑訴法39条1項)とは、接見に際して捜査機関が立ち会わなければ、これで足りるとするというにとどまらず、およそ接見内容について捜査機関は知ることができないとの接見内容の秘密を保障したものといえる。]

 

刑訴法68,69/ 627,628/ #接見後その内容を捜査機関に報告させるのは違法。刑訴法39条1項が被告人らが弁護人と立会人なしの接見を認めるのは,#被告人が弁護人から有効・適切な援助を受ける上で,被告人と弁護人との自由な意思疎通が必要不可欠であり,#接見内容が捜査機関に知られると_情報伝達に萎縮的効果が生じるからである。

[接見内容を捜査機関に報告させることの違法性]

  

/ 立会人なしの接見により,被告人に実質的かつ効果的な弁護人の援助を受けさせる必要あり立会人なくして(刑訴法39条1項)とは,接見に際し捜査機関が立ち会わなければ,これで足りるとするというにとどまらず,#およそ接見内容について捜査機関は知ることができないとの接見内容の秘密を保障したもの。

[辰巳『趣旨・規範ハンドブック』5版228頁(鹿児島地判平20・3・24)参照。「立会人なくして」(刑訴法39条1項)の意義]

  

◯「捜査のために必要があるとき」(刑訴法39条3項)

刑訴法7/ 捜査7/ 25 接見交通権の保障は、憲法の保障する弁護人依頼権(34条前段)黙秘権(38条1項)等の被疑者の防御権を実質的に確保する上で不可欠なものであるから、「捜査のため必要があるとき」(#刑訴法39条3項)とは、限定的に解釈すべきであり、捜査の中断による支障が顕著な場合をいうと解する

[辰巳『趣旨・規範ハンドブック』5版229頁(最大判平11・3・24)参照。「捜査のため必要があるとき」(刑訴法39条3項)とは]

 

刑訴法8/ 捜査8/ 26 捜査の中断による支障が顕著な場合であったかの判断においては、①接見指定の必要現に取調中であったり間近い取調べの確実な予定があったか等)、②接見指定の相当(方法の合理性、迅速かつ円滑な接見交通が害されたか等、被疑者の防御権への配慮があったといえるか)が考慮される。#刑訴法 

[辰巳『趣旨・規範ハンドブック』5版230頁参照。捜査の中断による支障が顕著な場合にあたるかの判断における考慮事由]

 

◯弁護人との協議,初回の接見

刑訴法9/ 捜査9/ 27/  捜査機関は弁護人と協議してできる限り速やかな接見等のための日時等を指定し、被疑者が弁護人等と防御の準備ができるようにしなければならない(#刑訴法39条3項ただし書)。特に、初回の接見の場合、比較的短時間でも、即時または近接した時点で接見を認めるべきである。

[辰巳『趣旨・規範ハンドブック』5版230頁(最判平12・6・13)参照。弁護人との協議が必要で,初回接見については特に配慮要]

 

 

◯要望ある場合の,いわゆる面会接見ができるよう特別の配慮をする義務

刑訴法10/ 捜査10/ 28/  弁護人等と被疑者との立会人なしの接見でも、被疑者の逃亡や罪証隠滅を防止でき、戒護等の支障が生じない設備ある部屋等が存在しない場合、接見申出を拒否しても、原則違法ではない。しかし、いわゆる面会接見ができるよう特別の配慮をする義務を怠った場合、違法となる。#刑訴法

[辰巳『趣旨・規範ハンドブック』5版230頁,231頁(最判平17・4・19)参照。いわゆる面会接見]

 

◯余罪捜査を理由とする接見指定

[・余罪捜査を理由とする接見指定については、余罪につき身柄拘束がされていない場合には認められない。なぜなら、「身体の拘束を受けている」(刑訴法39条1項)ことが前提であり、かつ、逮捕・勾留の効力は令状に記載されている事実についてのみ及ぶからである(事件単位の原則)。

 もっとも、余罪についても身柄拘束を受けている場合には、被告事件についての防御権の不当な制限にわたらない限り(同条3項ただし書)、余罪捜査を理由とする接見指定も許されると解する。余罪捜査の必要性と接見交通権の高い優越性をともに考慮する必要があるからである。]

 

刑訴法70/ 629/ 余罪捜査を理由とする接見指定は,余罪につき身柄拘束なき場合,不可。「#身体の拘束を受けている」(刑訴法39条1項)が前提で,逮捕・勾留の効力は令状記載事実にのみ及ぶから。

余罪につき身柄拘束ある場合,#被告事件の防御権の不当制限にわたらない限り(3項ただし書),余罪捜査を理由とする接見指定も

[辰巳『趣旨・規範ハンドブック』5版231頁(最決昭41・7・26,最決昭55・4・28)参照。余罪捜査を理由とする接見指定の可否]

 

 

◯弁護人以外の者との接見、書類・物の授受(刑訴法80条)

刑訴法27/ 捜査14/ 318/ 勾留され、あるいは勾引状により刑事施設に留置されている被告人は、法令の範囲内で、#弁護人以外の者と接見し、書類・物の授受ができる(刑訴法80条)。勾留されている被疑者(207条1項による準用)、鑑定留置中の被告人(167条5項)も同様。接見禁止(81条)、接見立会いなど制約あり。

[寺崎『刑事訴訟法』3版207頁,等参照。法的判断枠組み(条文知識)]

 

right-droit.hatenablog.com

憲法/ いわゆる三段階審査について

http://twpf.jp/right_droit 

国家からの自由

[・表現の自由、通信の秘密、住居の不可侵、居住・移転の自由などの、国家からの自由の保障にとって重要なのは、原則としての自由と例外としての制限という、原則-例外の関係である。]

 

憲法73,74/ 人権69,70/ 625,626/ 表現の自由,通信の秘密,住居の不可侵,居住・移転の自由などの,#国家からの自由の保障にとり重要なのは,原則としての自由と例外としての制限(原則-例外の関係)である。#権利が国家に不作為を要求する,(防御権)の論証では,三段階審査という手順が用いられる。#三段階審査は_原則・例外関係を前提とする。

[小山『「憲法上の権利」の作法12頁』新版12頁,10頁参照。いわゆる三段階審査基準について]

 

憲法上の権利に関わる論証のひな形

[・憲法上の権利に関わる論証は、権利が国家に不作為を要求するのか、作為を要求するのかによって異なる。前者(防御権)の論証においては、いわゆる三段階審査という手順が用いられる。

 三段階審査は、原則-例外関係を前提としている。自由が原則であり、制限は例外的にのみ許される(憲法上正当化できない限り、自由の制限は違憲である)という理解から、三段階審査は①ある憲法上の権利が、具体的に何を保障するのか(保護範囲)、②法律および国家の具体的措置が、その保護領域に制約を加えているのか(制限)、③その制限は憲法上、正当化しうるのか、という順で審査する。]

 

/ #自由が原則_制限は例外的にのみ許される(憲法上正当化できない限り,自由の制限は違憲)という理解から,三段階審査は①ある憲法上の権利が,#具体的に何を保障するか(保護範囲),②#法律_国家の具体的措置が_その保護領域に制約を加えているか(制限),③その制限は憲法上,#正当化しうるか,という順で審査。

[小山『「憲法上の権利」の作法12頁』新版10頁参照。国家からの自由(防御権)に対する具体的制限についての違憲審査の手順]

 

◯実質的観点からの正当化

[・Q: 公共施設の管理者が,施設・備品等の破損を防止するためにビデオカメラによる監視を行うことができるという法律上の規定に基づきビデオカメラによる監視を行う場合、撮影対象者の自己情報コントロール権(憲法13条)に対する規制の目的が正当なとき、その手段は実質的観点から正当化できるか。

A: まず、ビデオカメラによる監視という手段は、立法目的の達成のための効果的な手段か(手段の適合性・合理性)、審査する。カメラ設置により犯罪が減少すれば、効果的な手段だと認められるが、撮影対象者(侵害者?)が隣のベンチに移るだけなら、犯罪予防に役立たず、監視は違憲となりうる。

 さらに、警察官による巡回という、より緩やかな手段によって、犯罪予防という立法目的を同じように達成できるのであれば、監視は違憲である。なぜなら、選択された手段には、必要性がないためである(手段の必要性)。

 最後に、きわめて軽微な秩序違反を防止するために監視という重大な制限が加えられるとしたら、制限によって得られる利益と失われる利益の均衡を失し、違憲となる(狭義の比例性・均衡性)。]

 

人権56,57/ 512,513/ 公共施設管理者が,備品等破損防止のためビデオカメラ監視可とする法令に基づき行う場合,自己情報コントロール権(憲法13条)へのこの規制の目的が正当なら,手段は実質的に正当か。

カメラ設置により犯罪減少すれば効果的だが(#手段の合理性),隣のベンチに移るだけなら犯罪予防に役立たず違憲となりうる。

 

/ →警察官による巡回という,より緩やかな手段で犯罪予防(立法)目的を同じように達成できるなら,違憲。選択された手段に必要性がないため(#手段の必要性)。きわめて軽微な秩序違反防止のため監視という重大な制限が加えられるなら,制限によって得られる利益と失われる利益の均衡を失し,違憲(#比例原則)

[小山『「憲法上の権利」の作法』新版16頁,14頁参照。事実の分析・評価例]

 

[1.  以前は,以下(↓)のように考えていました。下記タテ1『1、』部分が法的三段論法の大前提(法的判断枠組み)で,起承転結の承の部分と考えていました。

 しかし、『起』の部分で,ある憲法上の権利が具体的に何を保障しており(保護範囲),法律ないし国家の具体的措置が,その保護領域に制約を加えているか(制限),分析・検討し,『承』の部分で,その制限を正当化しうるか,合憲または違憲審査基準を定立すべき,と考えます。

 すなわち,法的判断枠組みに関する知識(保護範囲,制限の部分)は,問題的部分(起)でも使える,と気が付きました。

2. あるいは,場合によっては,保護範囲または制限の部分が,当該問題解決のためのポイントであれが,その部分に関する知識が,大前提部分(承)の論証とすべき場合もある,と思います。]

 

○三段階審査

人権32/ 328/ 0、①いかなる権利?

1、#保護範囲、②憲法上保障されているか③人権共有主体性、④保障されているとしても何らかの制約原理(実質的公平の原理、パターナリスティックな制約、裁判の公正、等)、⑤合憲・違憲審査基準。

2、#制限の有無の認定。⑤の基準による審査(#正当化)。

3、結論。

[村田浩一『憲法合格答案の書き方』14頁~18頁、辰巳『趣旨・規範ハンドブック』公法系5版5頁、木村『憲法の急所』2版9頁、11頁等、参照。法的判断枠組み(憲法試験論文の構成)。

 憲法論文の答案構成例。いくつかさらっと読んで見ましたが、それでも書き方よくわかりません。一応の暫定的なものです。ドイツ流の三段階審査を、いざ法的三段論法にあわせて書く場合、こんな感じになるのかな~と思って、まとめました。

 タテ0が問題提起。

 タテ1の部分が大前提たる法的判断枠組み(定義、規範等)の構築の部分にあたり、この部分は基本書等で獲得する知識であり、スマートに、コンパクトに書く。

 タテ2が、小前提たるあてはめ、事実の分析、評価部分。事実のピックアップ間違いなきように、また、その評価も、他人が納得できるように説得的に、ていねいに書く。

 そして、タテ3、結論。

 特に③人権共有主体性が問題となる場合には、この部分にも、規範定立要だろう。]

 

http://twpf.jp/right_droit