140字法律学

法律書等を読んで,理解し覚えられるように140字以内にまとめています。原文・判決文どおりでないところもあります。https://twitter.com/right_droit

2018年6月分ツイート: 16(憲法3,行政法5; 民法4,民訴法1; 倒産法3)

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2018年6月29日(2)

民法93,94/ 債権総論21,22/ 660,661/ 使用者と使用者に代わって監督する者とがともに被用者の他人に加えた損害全部の賠償義務を負うような場合(民法715条)、両者の債務内容は同一で,#一方の弁済により他方も債務を免れるので,連帯債務の法律関係に似ているが,,#両債務者間には共同目的のための主観的連結がなく,不真正連帯債務と呼ばれる。

/ #不真正連帯債務は,債権者が債務者の一人に対し,または同時もしくは順次に総債務者に対して,全部または一部の履行を請求しうる点で連帯債務と同一だが,一人の債務者について生じた事由は,#弁済その他債権の満足(弁済に準じるもの)#のほかは_相対的効力である点で(消滅時効,免除),#連帯債務とは異なる。
[ダットサン民法Ⅱ』3版(2009年)〔40〕124頁(消滅時効につき大判昭12・6・30民集16-1285。免除につき最判昭57・3・4判時1042-87。最判平6・11・24判時1514-82。ただし最判平10・9・10民集52-6-1494)参照]

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19:00 - 2018年6月20日
https://twitter.com/right_droit/status/1009375413825441792
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民法92/ 総則14/ 659/ 詐欺による意思表示は取り消しうる(民法96条1項)。詐欺とは欺罔行為により他人を錯誤に陥れる違法行為。その他人がこの錯誤により意思表示すれば詐欺による意思表示。#意思表示の内容の重要な部分(要素)でなくてよい。欺罔行為で動機に錯誤が生じたときも,動機の表示にかかわらず,詐欺による意思表示。
[ダットサン民法Ⅰ』3版(2008年)〔92〕157頁参照]


2018年6月18日(1)
民法91/ 総則13/ 658/ 委任イコール代理と考えず,#代理は契約関係と別個独立の制度と考えれば,代理権は代理権を発生させようとする本人・代理人間の法律行為(#授権行為)で成立と説明可。代理あるところに常に委任がなければならないと擬制する要なし。授権行為は,理論上,委任契約そのものではなく,#一種の無名契約と解する。
[ダットサン民法Ⅰ』3版(2008年)〔99〕173頁,174頁参照]


2018年6月13日(1)
行政法49/ 657/ 行政行為の内容決定時に考慮要の事項を考慮せず判断⇒,#要考慮事項遺脱の瑕疵,逆に考慮すべきでない事項を考慮し判断⇒,#他事考慮の瑕疵,違法(形式的考慮事項審査)。重視されるべき事項・要素を不当に軽視,逆に過大評価すべきでない事項・要素を加重評価⇒,#考慮不尽の瑕疵,違法(実質的考慮事項審査)。
[『LEGAL QUEST行政法』3版113頁(最判昭48・9・14民集27-8-925,最判平8・3・8民集50-3-469,最判平18・2・7民集60-2-401(呉市学校使用施設許可不許可事件),最判平19・12・7民集61-9-3290,東京高判昭48・7・13行集24-6=7-533(日光太郎杉事件))参照。判断過程の統制法理]

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https://twitter.com/right_droit/status/1006930368669204480


2018年6月12日(1)
行政法48/ 656/ 「重大な損害を生ずるおそれ」(行訴法37条の4第1項)があると認められるためには,処分により生ずるおそれのある損害が,#処分後に取消訴訟等を提起し執行停止決定を受けるなどで容易に救済を受けられるものでなく,処分前に差止めを命ずる方法によるのでなければ救済を受けるのが困難なものであること要。
[最判平24・2・9民集66-2-183(『行政判例百選Ⅱ』6版〔214〕),R27②Q1,参照]


2018年6月11日(3)
行政法46,47/ 654,655/ 行政立法は,行政機関が行政の組織・活動に関し一般的・抽象的法規範を定立すること。 #法規命令と行政規則がある。前者は,#国民の権利義務を規律する法規たる性質を有する行政法規で,法律の授権要(執行命令,委任命令)。後者は,#法規たる性質を有しない行政法規。外部的効力がないので,法律の授権不要。
[『論文基本問題 行政法120選』2版46頁]

/ 行政規則は,法規たる性質を有しない行政法規。行政機関内部でのみ効力を有す。#告示や訓令・通達などの形式が多い。内容の観点から,①組織に関する定め,②特別の関係をもつ者に関する定め(公務員関係など),③行政機関の行動基準(#解釈基準・裁量基準,給付規則,行政指導指針)に関する定めに分けられる。
[『論文基本問題 行政法120選』2版46頁,『LEGAL QUEST行政法』3版60頁,参照]

行政法45/ 653/ 行政活動は,基本的に議会制定法たる法律や条例に基づき行われるが,行政機関自ら,法をより具体化する一般的定めを定立する場合あり(#行政基準,広義の行政立法)。①一般私人(国民,住民)の権利義務に関係する #法規たる性質を有する法規命令(狭義の行政立法),②#もっぱら行政組織内部で作用する行政規則。
[『LEGAL QUEST行政法』3版53頁,54頁参照]


2018年6月8日(2)
倒産法69,70/ 50,51/ 651,652/ 破2条11項の「債務者が,支払能力を欠く」とは,#財産_信用_労務のいずれによっても債務支払能力がないこと,「一般的」とは,#弁済できない債務が債務者の債務の全部または大部分を占めること,「継続的」とは,#一時的に支払が不可能であっても_直ちに回復する場合は支払不能にはならないこと,を意味する。

/ 「債務のうち弁済期にあるもの」(破2条11項)については,#弁済期未到来の債務を将来弁済できないことが確実に予想されても_弁済期の到来している債務を現在支払っている限りは_支払不能にはあたらないことを意味する。なぜなら,支払不能は弁済期の到来した債務の支払可能性を問題とする概念であるから。
[『倒産判例百選』5版〔25〕53頁解説,倒産法判例: 東京地裁平19・3・29金判1279-48,参照]


2018年6月7日(2)
憲法79,80/ 人権72,73/ 649,650/ 健康で文化的な最低限度の生活は,極めて抽象的・相対的概念で,#保護基準(生活保護法8条1項)の不利益変更で,現実の生活条件を無視し著しく低い基準設定するなど,憲法25条・法の趣旨・目的に反する危険を常に内包。#既にされた保護決定(法24条3項等)の不利益変更禁止(法56条)は,そうした事態回避の担保。

/ 保護基準変更の具体的内容のみならず,変更の要否,内容の検討過程・経過措置を含む実施過程も総合し,基準不利益変更に「正当な理由」があったか判断されるべき(#判断過程統制)。その限度で,法56条(#保護実施機関による保護決定の不利益変更禁止)は,#厚生労働大臣による保護基準(法8条1項)変更にも適要。
[東京地判平20・6・26判時2014-48(『判例プラクティス憲法』増補版〔227〕)参照]


2018年6月5日(2)
倒産法68/ 破49/ 648/ 債権質の設定者は,#質権者の同意あるなど_特段の事情なき限り_当該債権の債務者破産を申立て不可。質権設定者は,原則その債権を取り立て得ず,#質権者が専ら取立権を有するが(民法366条),債務者破産で,破産手続以外の債権取立てが不能となる(破100条)など,質権者の取立権行使に重大な影響を及ぼすから。
[最判平11・4・16民集53-4-740『倒産判例百選』5版26頁,参照]

憲法78/ 人権71/ 647/ ①#憲法25条から個人の具体的権利は直接導出されない。しかし,②25条は.個人の権利(主観的権利)として.#最低生活等の基礎的生活保障に一定水準を要求しており(抽象的権利),立法や行政措置で段階的に実現要。③#段階的実現の各過程に_憲法の要請にもとる措置が講ぜられれば_裁判所は_違憲・違法判断可。
[尾形健「生存権ーー「権利であることはどういうことだろう?」」法学教室452号(2018年5月)28頁,29頁(⇔高橋和之教授の判例の理解によると,憲法25条は,具体的権利でも,主観的権利(個人の権利)でもないとし(①),また,判例が一定の場合に裁量権の逸脱・濫用を認めた部分(②③)は,主観的権利についての側面ではなく,客観法(国家に対する禁止ないし制限)の側面である,ということになるようである。この文献を読んだ限りでのまとめなので,高橋教授の本を読んでみないと,このまとめでよいのか,私としては断定できません。
 そもそも,主観的権利と客観法(規範)の理解が,私にはまだ足りません。ですので,とりあえずのノートです。)参照。生存権の法的性格と立法・行政裁量の統制とのつながり(同書26頁参照)]

17:55 - 2018年6月5日
/ #一回ごとの募集です。勉強スケジュールに合えば,お問合せ下さい。用意して来られた問題にどういう記述が期待されるかなど,ご説明頂いた後に(1時間くらい),相手の問題を解きます(手書き,1時間くらい)。基本書等参照可ですが,#問題の事案は初見となりますので_解き甲斐があると思います。どの説でも可。
https://twitter.com/right_droit/status/1003923271740342272

2018年6月3日(1)
2:36 - 2018年6月4日
/ #求む)今週は,#憲法論文の答案手書きPDFを交換・添削してもらえる方募集! 内容:各自4~5日かけ,#憲法全範囲から_1時間くらいで書ける分量の問題を探し,スケジュールの合う日時に(金~日),#問題交換し,Zoom等で若干意見交換した後,相手の問題を解き(基本書等参照可,手書き),PDFにして1~2時間後に送る。
https://twitter.com/right_droit/status/1003329544001019904

民訴法103/ 646/ 当事者間で争いのない事実,自白した要件事実は,弁論主義下,#証拠で認定不要(第3原則参照。証明不要,民訴法179条),#自白事実に反する認定不可(裁判所拘束,第2原則)。自白成立なら,①刑事上罰すべき他人の行為で自白,②相手方の同意あり,③自白内容が反真実,かつ,錯誤のとき除き,#撤回不可(当事者拘束)。
[『新問題研究 要件事実』13頁,『民事訴訟法講義案』再訂補訂版182頁,183頁,121頁,参照]

 

right-droit.hatenablog.com

刑訴法/ 接見交通権 (刑訴法39条, 80条・81条)

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◯接見後その内容を捜査機関に報告させることの適法性,「立会人なくして」(刑訴法39条1項)の意義

[・接見後その内容を捜査機関に報告させることは違法。

 なぜなら、刑訴法39条1項が被告人らが弁護人と立会人なくして接見することができると規定しているのは、被告人が弁護人から有効・適切な援助を受ける上では、被告人が弁護人に必要・十分な情報を提供し、弁護人から被告人に適切な助言をするなど自由な意思疎通が捜査機関に知られることなくなされることが必要不可欠だからであるが、接見内容が捜査機関に知られることになれば、被告人と弁護人の情報伝達が差し控えられるという萎縮的効果が生じ、被告人が実質的かつ効果的な弁護人の援助を受けられなくなるからである。

 そうすると、「立会人なくして」(刑訴法39条1項)とは、接見に際して捜査機関が立ち会わなければ、これで足りるとするというにとどまらず、およそ接見内容について捜査機関は知ることができないとの接見内容の秘密を保障したものといえる。]

 

刑訴法68,69/ 627,628/ #接見後その内容を捜査機関に報告させるのは違法。刑訴法39条1項が被告人らが弁護人と立会人なしの接見を認めるのは,#被告人が弁護人から有効・適切な援助を受ける上で,被告人と弁護人との自由な意思疎通が必要不可欠であり,#接見内容が捜査機関に知られると_情報伝達に萎縮的効果が生じるからである。

[接見内容を捜査機関に報告させることの違法性]

  

/ 立会人なしの接見により,被告人に実質的かつ効果的な弁護人の援助を受けさせる必要あり立会人なくして(刑訴法39条1項)とは,接見に際し捜査機関が立ち会わなければ,これで足りるとするというにとどまらず,#およそ接見内容について捜査機関は知ることができないとの接見内容の秘密を保障したもの。

[辰巳『趣旨・規範ハンドブック』5版228頁(鹿児島地判平20・3・24)参照。「立会人なくして」(刑訴法39条1項)の意義]

  

◯「捜査のために必要があるとき」(刑訴法39条3項)

刑訴法7/ 捜査7/ 25 接見交通権の保障は、憲法の保障する弁護人依頼権(34条前段)黙秘権(38条1項)等の被疑者の防御権を実質的に確保する上で不可欠なものであるから、「捜査のため必要があるとき」(#刑訴法39条3項)とは、限定的に解釈すべきであり、捜査の中断による支障が顕著な場合をいうと解する

[辰巳『趣旨・規範ハンドブック』5版229頁(最大判平11・3・24)参照。「捜査のため必要があるとき」(刑訴法39条3項)とは]

 

刑訴法8/ 捜査8/ 26 捜査の中断による支障が顕著な場合であったかの判断においては、①接見指定の必要現に取調中であったり間近い取調べの確実な予定があったか等)、②接見指定の相当(方法の合理性、迅速かつ円滑な接見交通が害されたか等、被疑者の防御権への配慮があったといえるか)が考慮される。#刑訴法 

[辰巳『趣旨・規範ハンドブック』5版230頁参照。捜査の中断による支障が顕著な場合にあたるかの判断における考慮事由]

 

◯弁護人との協議,初回の接見

刑訴法9/ 捜査9/ 27/  捜査機関は弁護人と協議してできる限り速やかな接見等のための日時等を指定し、被疑者が弁護人等と防御の準備ができるようにしなければならない(#刑訴法39条3項ただし書)。特に、初回の接見の場合、比較的短時間でも、即時または近接した時点で接見を認めるべきである。

[辰巳『趣旨・規範ハンドブック』5版230頁(最判平12・6・13)参照。弁護人との協議が必要で,初回接見については特に配慮要]

 

 

◯要望ある場合の,いわゆる面会接見ができるよう特別の配慮をする義務

刑訴法10/ 捜査10/ 28/  弁護人等と被疑者との立会人なしの接見でも、被疑者の逃亡や罪証隠滅を防止でき、戒護等の支障が生じない設備ある部屋等が存在しない場合、接見申出を拒否しても、原則違法ではない。しかし、いわゆる面会接見ができるよう特別の配慮をする義務を怠った場合、違法となる。#刑訴法

[辰巳『趣旨・規範ハンドブック』5版230頁,231頁(最判平17・4・19)参照。いわゆる面会接見]

 

◯余罪捜査を理由とする接見指定

[・余罪捜査を理由とする接見指定については、余罪につき身柄拘束がされていない場合には認められない。なぜなら、「身体の拘束を受けている」(刑訴法39条1項)ことが前提であり、かつ、逮捕・勾留の効力は令状に記載されている事実についてのみ及ぶからである(事件単位の原則)。

 もっとも、余罪についても身柄拘束を受けている場合には、被告事件についての防御権の不当な制限にわたらない限り(同条3項ただし書)、余罪捜査を理由とする接見指定も許されると解する。余罪捜査の必要性と接見交通権の高い優越性をともに考慮する必要があるからである。]

 

刑訴法70/ 629/ 余罪捜査を理由とする接見指定は,余罪につき身柄拘束なき場合,不可。「#身体の拘束を受けている」(刑訴法39条1項)が前提で,逮捕・勾留の効力は令状記載事実にのみ及ぶから。

余罪につき身柄拘束ある場合,#被告事件の防御権の不当制限にわたらない限り(3項ただし書),余罪捜査を理由とする接見指定も

[辰巳『趣旨・規範ハンドブック』5版231頁(最決昭41・7・26,最決昭55・4・28)参照。余罪捜査を理由とする接見指定の可否]

 

 

◯弁護人以外の者との接見、書類・物の授受(刑訴法80条)

刑訴法27/ 捜査14/ 318/ 勾留され、あるいは勾引状により刑事施設に留置されている被告人は、法令の範囲内で、#弁護人以外の者と接見し、書類・物の授受ができる(刑訴法80条)。勾留されている被疑者(207条1項による準用)、鑑定留置中の被告人(167条5項)も同様。接見禁止(81条)、接見立会いなど制約あり。

[寺崎『刑事訴訟法』3版207頁,等参照。法的判断枠組み(条文知識)]

 

right-droit.hatenablog.com

憲法/ いわゆる三段階審査について

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国家からの自由

[・表現の自由、通信の秘密、住居の不可侵、居住・移転の自由などの、国家からの自由の保障にとって重要なのは、原則としての自由と例外としての制限という、原則-例外の関係である。]

 

憲法73,74/ 人権69,70/ 625,626/ 表現の自由,通信の秘密,住居の不可侵,居住・移転の自由などの,#国家からの自由の保障にとり重要なのは,原則としての自由と例外としての制限(原則-例外の関係)である。#権利が国家に不作為を要求する,(防御権)の論証では,三段階審査という手順が用いられる。#三段階審査は_原則・例外関係を前提とする。

[小山『「憲法上の権利」の作法12頁』新版12頁,10頁参照。いわゆる三段階審査基準について]

 

憲法上の権利に関わる論証のひな形

[・憲法上の権利に関わる論証は、権利が国家に不作為を要求するのか、作為を要求するのかによって異なる。前者(防御権)の論証においては、いわゆる三段階審査という手順が用いられる。

 三段階審査は、原則-例外関係を前提としている。自由が原則であり、制限は例外的にのみ許される(憲法上正当化できない限り、自由の制限は違憲である)という理解から、三段階審査は①ある憲法上の権利が、具体的に何を保障するのか(保護範囲)、②法律および国家の具体的措置が、その保護領域に制約を加えているのか(制限)、③その制限は憲法上、正当化しうるのか、という順で審査する。]

 

/ #自由が原則_制限は例外的にのみ許される(憲法上正当化できない限り,自由の制限は違憲)という理解から,三段階審査は①ある憲法上の権利が,#具体的に何を保障するか(保護範囲),②#法律_国家の具体的措置が_その保護領域に制約を加えているか(制限),③その制限は憲法上,#正当化しうるか,という順で審査。

[小山『「憲法上の権利」の作法12頁』新版10頁参照。国家からの自由(防御権)に対する具体的制限についての違憲審査の手順]

 

◯実質的観点からの正当化

[・Q: 公共施設の管理者が,施設・備品等の破損を防止するためにビデオカメラによる監視を行うことができるという法律上の規定に基づきビデオカメラによる監視を行う場合、撮影対象者の自己情報コントロール権(憲法13条)に対する規制の目的が正当なとき、その手段は実質的観点から正当化できるか。

A: まず、ビデオカメラによる監視という手段は、立法目的の達成のための効果的な手段か(手段の適合性・合理性)、審査する。カメラ設置により犯罪が減少すれば、効果的な手段だと認められるが、撮影対象者(侵害者?)が隣のベンチに移るだけなら、犯罪予防に役立たず、監視は違憲となりうる。

 さらに、警察官による巡回という、より緩やかな手段によって、犯罪予防という立法目的を同じように達成できるのであれば、監視は違憲である。なぜなら、選択された手段には、必要性がないためである(手段の必要性)。

 最後に、きわめて軽微な秩序違反を防止するために監視という重大な制限が加えられるとしたら、制限によって得られる利益と失われる利益の均衡を失し、違憲となる(狭義の比例性・均衡性)。]

 

人権56,57/ 512,513/ 公共施設管理者が,備品等破損防止のためビデオカメラ監視可とする法令に基づき行う場合,自己情報コントロール権(憲法13条)へのこの規制の目的が正当なら,手段は実質的に正当か。

カメラ設置により犯罪減少すれば効果的だが(#手段の合理性),隣のベンチに移るだけなら犯罪予防に役立たず違憲となりうる。

 

/ →警察官による巡回という,より緩やかな手段で犯罪予防(立法)目的を同じように達成できるなら,違憲。選択された手段に必要性がないため(#手段の必要性)。きわめて軽微な秩序違反防止のため監視という重大な制限が加えられるなら,制限によって得られる利益と失われる利益の均衡を失し,違憲(#比例原則)

[小山『「憲法上の権利」の作法』新版16頁,14頁参照。事実の分析・評価例]

 

[1.  以前は,以下(↓)のように考えていました。下記タテ1『1、』部分が法的三段論法の大前提(法的判断枠組み)で,起承転結の承の部分と考えていました。

 しかし、『起』の部分で,ある憲法上の権利が具体的に何を保障しており(保護範囲),法律ないし国家の具体的措置が,その保護領域に制約を加えているか(制限),分析・検討し,『承』の部分で,その制限を正当化しうるか,合憲または違憲審査基準を定立すべき,と考えます。

 すなわち,法的判断枠組みに関する知識(保護範囲,制限の部分)は,問題的部分(起)でも使える,と気が付きました。

2. あるいは,場合によっては,保護範囲または制限の部分が,当該問題解決のためのポイントであれが,その部分に関する知識が,大前提部分(承)の論証とすべき場合もある,と思います。]

 

○三段階審査

人権32/ 328/ 0、①いかなる権利?

1、#保護範囲、②憲法上保障されているか③人権共有主体性、④保障されているとしても何らかの制約原理(実質的公平の原理、パターナリスティックな制約、裁判の公正、等)、⑤合憲・違憲審査基準。

2、#制限の有無の認定。⑤の基準による審査(#正当化)。

3、結論。

[村田浩一『憲法合格答案の書き方』14頁~18頁、辰巳『趣旨・規範ハンドブック』公法系5版5頁、木村『憲法の急所』2版9頁、11頁等、参照。法的判断枠組み(憲法試験論文の構成)。

 憲法論文の答案構成例。いくつかさらっと読んで見ましたが、それでも書き方よくわかりません。一応の暫定的なものです。ドイツ流の三段階審査を、いざ法的三段論法にあわせて書く場合、こんな感じになるのかな~と思って、まとめました。

 タテ0が問題提起。

 タテ1の部分が大前提たる法的判断枠組み(定義、規範等)の構築の部分にあたり、この部分は基本書等で獲得する知識であり、スマートに、コンパクトに書く。

 タテ2が、小前提たるあてはめ、事実の分析、評価部分。事実のピックアップ間違いなきように、また、その評価も、他人が納得できるように説得的に、ていねいに書く。

 そして、タテ3、結論。

 特に③人権共有主体性が問題となる場合には、この部分にも、規範定立要だろう。]

 

http://twpf.jp/right_droit 

行政法/ 訴えの利益

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◯訴えの利益(狭義)

[・取消訴訟を提起し追行するためには、当該処分取消しによって原告が現実に法律上の利益を受けることを要する。これを狭義の訴えの利益という。原告適格とあわせて広義の訴えの利益という。原告適格ある者が取消訴訟を提起する場合、通常は訴えの利益もある。しかし、当該処分の後の事情変更等によって事後的に訴えの利益が失われることもある。

 行訴法9条は「法律上の利益を有する者」に、処分または採決の効果が期間の経過その他の理由によりなくなった後においてもなおそれらの取消しによって回復すべき法律上の利益を有する者も含む旨規定している。]

 

行訴法40/ 620/ 取消訴訟を提起,追行するのに,当該処分取消しにより原告が現実に法律上の利益を受ける必要あり(狭義の訴えの利益)。原告適格ある者が訴訟提起すれば通常,訴えの利益もある。しかし,処分後の事情変更等によりそれが失われることもある。「法律上の利益」に,#回復すべき法律上の利益含む(行訴法9条1項)。

[『LEGAL QUEST行政法』3版235頁参照。(狭義の)訴えの利益とは何か]

 

◯建築確認の取消訴訟における訴えの利益

[・建築確認の取消訴訟係属中に建築工事が完了した場合、建築確認は工事を適法に行わせる効果しかなく、また、工事完了後の検査や是正命令は建築物それ自体の適法性を基準にしており、建築確認の適法性はもはや問題とならない。そして、是正命令の発動は特定行政庁の裁量に委ねられており、建築確認の適法性によって左右されるものではない。したがって、この場合、訴えの利益は否定される。]

 

行政法41/ 621/ 建築確認の取消訴訟係属中に建築工事が完了した場合,そもそも,#建築確認は工事を適法に行わせる効果しかなく,工事完了後検査や是正命令は,#建築物それ自体の適法性を基準とし,是正命令の発動も特定行政庁の裁量であり,#建築確認の適法性により左右されるものではない。よってこの場合,訴えの利益消滅。

[『LEGAL QUEST行政法』3版236頁(最判昭59・10・26民集38-10-1169,仙台市建築確認取消請求事件)参照。建築確認の取消訴訟における訴えの利益]

 

土地改良事業の施工認可取消訴訟における訴えの利益

[・土地改良事業の施工認可取消訴訟の係属中に工事が完了した場合も、①当該認可は事業施工者に事業施工権を付与するものであり、その後の一連の手続・処分は認可の存在を前提とするので、認可取消しでそれらの法的効力が影響を受ける、②工事完了により社会通念上現状回復が不可能となるとしても、事情判決(行訴法31条1項)の適用において考慮すべき事柄なので、訴えの利益を失わしめない。]

 

行政法42/ 622/ 土地改良事業の施工認可取消訴訟係属中,工事完了の場合も,①#当該認可は事業施工者への事業施工権付与であり,その後の一連の手続・処分はそれを前提とし,認可取消しで法的効力に影響,②工事完了で社会通念上現状回復不可能としても,#事情判決(行訴法31条1項)で考慮すべきで,訴えの利益を失わしめない。

[『LEGAL QUEST行政法』3版236頁(最判平4・1・24民集46-1-54,八鹿町土地改良事業施工認可処分取消訴訟請求事件)参照。現状回復が事実上困難であるというだけでは,訴えの利益は消滅しない。]

 

◯回復すべき法律上の利益

[・「回復すべき法律上の利益」(行訴法9条1項かっこ書)が認められるのは、①実体法上の請求権や②法規の定める何らかの効果が残っている場合だけである。③名誉侵害の場合は事実上の効果に過ぎず、④将来同種の処分が繰り返されるおそれ(反復の危険)がある場合も、③④いずれの場合にも訴えの利益は認められない。

 ①報酬請求等、②日弁連会長選挙規定により、懲戒処分を受けた弁護士は会長選挙の被選挙権をもたないとされる効果、などである。

 ③運転免許書停止処分、④特定年度の公共施設の使用不許可処分、などで訴えの利益が認められなかった。しかし、③について、名誉等も法的利益といえるし、④についても、特定期日の処分については争う方法がないことになる不都合がある。]

 

行政法43/ 623/ 「回復すべき法律上の利益」(行訴法9条1項かっこ書)が認められるのは,①#実体法上の請求権(報酬請求権など),②#法規の定める何らかの効果が残っている場合(日弁連会長選挙規定による効果など)だけ。③名誉侵害の場合,事実上の効果に過ぎず,④将来,同種処分の繰返しのおそれある場合も,訴えの利益なし。

[『LEGAL QUEST行政法』3版238頁-240頁(②最判昭58・4・5判時1077-50,③最判昭55・11・25民集34-6-781,運転免許停止処分取消請求事件,④最大判昭28・12・23民集7-13-1561),235頁(①最大判昭40・4・28民集19-3-721,名古屋郵政局職員免職処分取消請求事件),参照]

 

行政法/ 不作為の違法確認訴訟 - 140字法律学

2018年5月分ツイート : 49 (憲法5,行訴法5; 民法8,要件事実1,民訴法2,倒産法10; 刑法3,刑訴法13; はしがき2)

http://twpf.jp/right_droit

2018年5月31日(3)
民訴法102/ 645/ 請求原因,抗弁などへの認否の態様:#自白(認める),#否認,不知(知らない),沈黙。#不知:当該事実を争ったと推定(民訴法159条2項),#沈黙:弁論の全趣旨から争っていると認められるとき以外,自白とみなされる(1項)。裁判上の自白は,#口頭弁論等での相手方主張の自己に不利益な事実を認めて争わない旨の陳述。
[『新問題研究 要件事実』13頁,『民訴法講義案』再訂補訂版182頁,参照]

行政法44/ 644/ 処分の名宛人以外の第三者の法律上の利益?①処分・裁決の根拠法令の文言のみによらず,②法令の趣旨・目的,③処分で考慮されるべき利益の内容・性質を考慮。②#目的を共通にする関係法令の趣旨・目的も参酌,③#違反で害される利益の内容_性質_態様_程度も勘案し,個々人の個別的利益として保護要か確定。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック』公法系5版152頁参照。行訴法9条2項]

要件事実14/ 643/ 民法709条に基づく損害賠償請求権は,#加害行為ごと(加害行為1個説),#被侵害権利・利益ごと(被侵害権利・利益説),に訴訟物を異にする。人損と物損とで別の訴訟物。しかし,損害種別(同一事故に基づく同一損害を理由とする財産的損害と精神的損害)は不法行為の発生原因と被害利益が共通なので同一訴訟物。
[森圭司『要件事実の基礎』(2008年)221頁参照]

 

2018年5月30日(3)
はしがき2/ 642/ 倒産法などの基本書等を読んで140字に圧縮しています。勉強のモチベーション維持,整理,保存,確認用。判決文の記述・理論のままでない所もあり,大事な所の抜け落ち,短すぎ,理解不足による間違いありえます。ご指摘有難いです。bots計60+。一回り2日弱。http://right-droit.hatenablog.com/entry/2018/04/30/165503

憲法76,77/ 統治3,4/ 640,641/ 戦争・内乱・恐慌・大規模自然災害など,平時の統治機構で対処できない非常事態に,国家の存立維持のため,国家権力が,#立憲的な憲法秩序を一時停止し非常措置をとる権限を国家緊急権という。憲法保障の一形態だが,執行権への権力集中と強化で危機を乗り切ろうとするもので,#立憲主義を破壊する危険性大。
[芦部『憲法』5版365頁参照。基礎理論]

/ 超憲法的非常措置は,法の問題でなく,事実・政治の問題で,自然権思想を推進力に発展してきた人権,それを支えてきた抵抗権と性質異なる。#緊急権濫用の危険を最小限度に抑える法制化はきわめて困難(ワイマール憲法48条参照)。明治憲法8条(緊急命令),14条(戒厳宣告),31条(非常大権)。日本国憲法にはない。
[芦部『憲法』5版365,366頁参照。基礎理論]

 

2018年5月29日(4)
民法90/ 担保物権7/ 639/ 払渡し又は引渡し(民法304条1項)に債権譲渡含まず,抵当権者は,対象たる賃料債権譲渡,#対抗要件具備後も,自ら差し押さえ,物上代位権行使可。優先権保全説(第三者保護説)で差押えによる物上代位公示と債権譲渡の対抗要件具備先後でなく,#抵当権設定登記が物上代位の公示基準。差押えは第三者債務者保護。
[『事例から民法を考える』88頁(最判平10・1・30民集52-1-1)参照。第三債務者保護説]

民法89/ 担保物権6/ 638/ 物上代位は政策的権能。#抵当権の優先権は執行手続に乗る限り保護(民執法193条1項第2文参照)。他債権者が先に差押えした場合,抵当権者は配当要求の終期(民執法165条)までに差押えすれば,抵当権登記の順位で優先権主張可。他債権者が転付命令を得たり,#債権譲渡された場合_物上代位不可(優先権保全説)。
[内田『民法Ⅲ』3版411頁(先取特権に関する最判昭60・7・19)参照。従来の判例の立場]

民法88/ 担保物権5/ 637/ #物上代位は価値権たる抵当権の本質から当然に認められ,抵当目的物の交換価値変形物に,抵当権が及ぶのは当然。#優先弁済が抵当権登記で公示されている抵当権者にとり,優先的地位確保に特別手続の要なく,#民法304条の差押えは単に優先弁済の対象の特定性を維持するためのものに過ぎない(特定性維持説)。
[内田『民法Ⅲ』3版410頁参照。従来の多数説]

はしがき/ 636/ 法律書等を読んで140字に圧縮しています。勉強のモチベーション維持,整理,保存,確認用。判決文の記述・理論のままでない所もあり,大事な所の抜け落ち,短すぎ,理解不足による間違いありえます。ご指摘有難いです。憲法,行政法;民法,商法,民訴法,要件事実;刑法,刑訴法等。bots計550+。一回り12日くらい。
https://twitter.com/right_droit/status/1001305467560210432

 

2018年5月25日(2)
倒産法67/ 破48/ 635/ 賃貸借契約締結時に交付された保証金名目での金銭の性質?#敷金とは_賃貸借契約関係から発生する賃貸人の賃借人に対する債権の担保として差し入れられるもの。そのような性質あるかぎり,名称にかかわらず,敷金として扱われる。実際,保証金という名称で差し入れられた金銭の一定部分を敷金とした例あり。

倒産法66/ 破47/ 634/ 破産管財人は,破産財団に属する財産を換価し配当の原資とする善管注意義務を負うが,例外的に,#裁判所の許可を得てそれを破産財団から放棄可(破78条2項12号)。換価しても廉価で,換価費用がコスト割れになる財産や,担保割れの財産などの保有・管理コスト削減のため。#放棄された財産は破産者の自由財産。
[山本和彦ほか『倒産法概説』2版545頁,R30①Q2(1),参照。基礎知識]

 

2018年5月24日(1)
倒産法65/ 破46/ 633/ 第三者対抗要件(破56条)は,賃借権登記(民605条),借地借家法上の対抗力(10条,31条),特許法99条による対抗力,備える場合,含む。財団債権となる「相手方の請求権」(破56条2項)は,当該契約上の請求権で,使用・収益請求権,修繕請求権(同606条1項),費用償還請求権(同608条)など。#敷金返還請求権は該当せず。
[『倒産法演習ノート22問』2版197頁参照。条文の説明]


2018年5月22日(1)
倒産法64/ 破45/ 632/ 双方未履行双務契約は,破産管財人の選択肢として契約解除権があるが,賃貸借契約の特則あり。賃貸人破産で賃借人が賃借権に「第三者に対抗することができる要件を備えている場合」,破産管財人に解除権なく,#賃借人の使用収益請求権など契約上の請求権は財団債権となり,賃借人は使用収益継続可(破56条)。
[『倒産法演習ノート22問』2版196頁,197頁参照。条文]


2018年5月20日(1)
刑法各論28/ 偽造等罪2/ 631/ 偽造有価証券行使等罪の構成要件的行為:①偽造有価証券等の行使,②行使目的での(人への)交付,③行使目的での輸入。行使は,偽造有価証券等を,真正な・内容真実の有価証券として使用すること,通貨と異なり,#流通に置くこと要せず。#人に対し偽造有価証券等を呈示要,機器への挿入では足りないと解すべき。
[山口『刑法各論』2版485頁(大判明44・3・31刑録17-482,大判昭7・5・5刑集11-578。山口「テレホンカードと有価証券変造」ジュリ951号54頁以下⇔変造テレホンカードをカード式公衆電話機で使用する行為を行使にあたるとする最決平3・4・5刑集45-4-171),T30(4②),参照。偽造有価証券行使等罪の「行使」の意義]

 

2018年5月18日(4)
刑法各論27/ 財産に対する罪19/ 630/ 他人の不動産の登記名義人が,その地位を利用し不法に抵当権を設定し,その後当該不動産を売却した場合,#後行売却行為にも横領罪成立(包括一罪)。横領罪の本質は,委託関係破壊にあるところ,先行する抵当権設定行為で所有権に変更なく,委託関係の全面的破壊でなく,後行行為は不可罰的事後行為でないから。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック』5判136頁(最大判平15・4・23),R24①,参照。横領後の横領]

刑訴法70/ 629/ 余罪捜査を理由とする接見指定は,余罪につき身柄拘束なき場合,不可。「#身体の拘束を受けている」(刑訴法39条1項)が前提で,逮捕・勾留の効力は令状記載事実にのみ及ぶから。
余罪につき身柄拘束ある場合,#被告事件の防御権の不当制限にわたらない限り(3項ただし書),余罪捜査を理由とする接見指定も可。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック』5版231頁(最決昭41・7・26,最決昭55・4・28)参照。余罪捜査を理由とする接見指定の可否]

刑訴法68,69/ 627,628/ #接見後その内容を捜査機関に報告させるのは違法。刑訴法39条1項が被告人らが弁護人と立会人なしの接見を認めるのは,#被告人が弁護人から有効・適切な援助を受ける上で,被告人と弁護人との自由な意思疎通が必要不可欠であり,#接見内容が捜査機関に知られると_情報伝達に萎縮的効果が生じるからである。
[接見内容を捜査機関に報告させることの違法性]

/ 立会人なしの接見により,被告人に実質的かつ効果的な弁護人の援助を受けさせる必要あり。「立会人なくして」(刑訴法39条1項)とは,接見に際し捜査機関が立ち会わなければ,これで足りるとするというにとどまらず,#およそ接見内容について捜査機関は知ることができないとの接見内容の秘密を保障したもの。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック』5版228頁(鹿児島地判平20・3・24)参照。「立会人なくして」(刑訴法39条1項)の意義]

 

2018年5月14日(3)
憲法74,75/ 人権69,70/ 625,626/ 表現の自由,通信の秘密,住居の不可侵,居住・移転の自由などの,#国家からの自由の保障にとり重要なのは,原則としての自由と例外としての制限(原則-例外の関係)である。#権利が国家に不作為を要求する,(防御権)の論証では,三段階審査という手順が用いられる。#三段階審査は_原則・例外関係を前提とする。
[小山『「憲法上の権利」の作法12頁』新版12頁,10頁参照。いわゆる三段階審査基準について]

/ #自由が原則_制限は例外的にのみ許される(憲法上正当化できない限り,自由の制限は違憲)という理解から,三段階審査は①ある憲法上の権利が,#具体的に何を保障するか(保護範囲),②#法律_国家の具体的措置が_その保護領域に制約を加えているか(制限),③その制限は憲法上,#正当化しうるか,という順で審査。
[小山『「憲法上の権利」の作法12頁』新版10頁参照。国家からの自由(防御権)に対する具体的制限についての違憲審査の手順]

憲法73/ 人権68/ 624/ 表現の自由(憲法21条)を支える価値は,①自己実現の価値,②自己統治の価値。①個人が言論活動を通じ自己の人格を高める個人的な価値。#各個人が多くの源から情報を受領し知見を広め_人格形成に資する手段確保の価値。②言論活動で国民が政治的意思決定に関与する公共的価値,#民主政の過程を基礎づける。
[森圭司『SUPER論文の基礎 憲法Ⅰ』8版(2005年)116頁(芦部『憲法』,『演習憲法』)参照。表現の自由を支える価値)

 

2018年5月13日(4)
行政法43/ 623/ 「回復すべき法律上の利益」(行訴法9条1項かっこ書)が認められるのは,①#実体法上の請求権(報酬請求権など),②#法規の定める何らかの効果が残っている場合(日弁連会長選挙規定による効果など)だけ。③名誉侵害の場合,事実上の効果に過ぎず,④将来,同種処分の繰返しのおそれある場合も,訴えの利益なし。
[『LEGAL QUEST行政法』3版238頁-240頁(②最判昭58・4・5判時1077-50,③最判昭55・11・25民集34-6-781,運転免許停止処分取消請求事件,④最大判昭28・12・23民集7-13-1561),235頁(①最大判昭40・4・28民集19-3-721,名古屋郵政局職員免職処分取消請求事件),参照]

行政法42/ 622/ 土地改良事業の施工認可取消訴訟係属中,工事完了の場合も,①#当該認可は事業施工者への事業施工権付与であり,その後の一連の手続・処分はそれを前提とし,認可取消しで法的効力に影響,②工事完了で社会通念上現状回復不可能としても,#事情判決(行訴法31条1項)で考慮すべきで,訴えの利益を失わしめない。
[『LEGAL QUEST行政法』3版236頁(最判平4・1・24民集46-1-54,八鹿町土地改良事業施工認可処分取消訴訟請求事件)参照。現状回復が事実上困難であるというだけでは,訴えの利益は消滅しない。]

行政法41/ 621/ 建築確認の取消訴訟係属中に建築工事が完了した場合,そもそも,#建築確認は工事を適法に行わせる効果しかなく,工事完了後検査や是正命令は,#建築物それ自体の適法性を基準とし,是正命令の発動も特定行政庁の裁量であり,#建築確認の適法性により左右されるものではない。よってこの場合,訴えの利益消滅。
[『LEGAL QUEST行政法』3版236頁(最判昭59・10・26民集38-10-1169,仙台市建築確認取消請求事件)参照。建築確認の取消訴訟における訴えの利益]

行訴法40/ 620/ 取消訴訟を提起,追行するのに,当該処分取消しにより原告が現実に法律上の利益を受ける必要あり(狭義の訴えの利益)。原告適格ある者が訴訟提起すれば通常,訴えの利益もある。しかし,処分後の事情変更等によりそれが失われることもある。「法律上の利益」に,#回復すべき法律上の利益含む(行訴法9条1項)。
[『LEGAL QUEST行政法』3版235頁参照。(狭義の)訴えの利益とは何か]

 

2018年5月12日(3)
倒産法62,63/ 手続開始前2,3/ 618,619/ 債務者財産に関する保全処分(破28条,民再30条)や他手続中止命令等(破24条, 民再26条1項)は,#個別的に財産散逸を防止する原則的保全処分。破産手続では,再生手続と異なり,特定財産上の担保権は中止命令対象外。個別的保全処分で複数強制処分に対処できない場合,包括的禁止命令(破25条,民再27条)を行う。

/ 個別的に対処できない場合,包括的禁止命令(破25条,民再27条)を行うが,#連鎖倒産を避ける必要ある場合には個別的禁止解除。否認権のための保全処分(破171条,民再134条の2)あり。
保全処分の効果として,債務者に対する債務名義取得自体は禁止されず,弁済禁止の保全処分命令後の履行遅滞による解除,不可。
[[ハイローヤー2018年4月(334号)23頁(最判昭37・3・23百5版A4,最判昭57・3・20百5版75)参照。個別的保全処分と包括的保全処分,および効果]

倒産法61/ 手続開始前1/ 617/ 破産(再生)手続開始決定があると,債権者の個別的権利行使禁止(破42条1項,100条1項.民再85条1項),債務者の財産管理処分権剥奪(破78条1項),公平誠実義務(民再38条2項)などにより,#債務者財産を維持。しかし,申立てから手続開始決定までの間も財産散逸を防ぐ必要があるとき,#手続開始前の保全処分を行う。
[ハイローヤー2018年4月(334号)23頁参照。債務者の財産の保全]

短答/ 国民の義務に関するウの記述について,正しいものには◯,誤っているものには✕をつけなさい。[No.20]
ウ. 憲法第30条の定める国民の納税義務は憲法上の義務であるが,その義務は法律によって具体化されるので,国民が租税法規に従って税金を納付しない場合でも,法的には租税法規違反にとどまる。
0%7. ◯ (正)
0%8. ✕ (誤)
21:04 - 2018年5月12日

/ #憲法 #短答 H27年第10問 肢ウ
正解→(http://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00114.html)
#納税義務は_法律によって具体化されない限り実現されえないもの(憲法30条),法律によらない限り課税されない権利。法律として具体化されれば,納税義務は一種の法律服従義務に他ならないが,憲法上の服従義務ではない(cf長谷部『憲法』)。

短答/ #憲法25条に関する次の記述についての、正(1)、誤(2)? イ.憲法第25条第1項は,将来に向けた政策の指針を定めたもので,国民の権利を保障するものではないと解するプログラム規定説によっても,裁判所が同項に基づいて個々の法律について国民の生存権を侵害するか否かを判断できる。[No.14]
0%1. 正
0%2. 誤
20:38 - 2018年5月12日

/ #憲法 #短答 H27年第7問 肢イ. [解答欄は, No.14]
正解→ (http://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00114.html)

ヒント: 25条は,国民の生存を確保すべき政治的・道義的義務を国に課したにとどまり,個々の国民に対して具体的権利を保障したものではないという見解を一般にプログラム規定説と言う(芦部・憲法5版260頁参照)。

短答/ 国公法102条1項「#政治的行為」についての2判決(最二判H24・12・7刑集66-12-1337,同66-12-1722)。
ア.「政治的行為」とは,公務員の政治的な行為一般ではなく,公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが,観念的なものにとどまらず,#現実的に起こり得るものとして実質的に認められるものを指す。
0% 2. 正(◯)
0% 6. 誤(✕)
20:18 - 2018年5月12日
https://twitter.com/right_droit/status/995261992280576001

/ #憲法 #短答 H27年第1問 肢ア. (解答欄は,[No.1])
正解→ (http://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00114.html)

判例プラクティス憲法 増補版454頁〔20-2〕など参照。

/ メモ)#行政法,注目分野:①#国家賠償法(29年予備,北村和生先生)。②行政指導(29年予備)。③(狭義の)#訴えの利益(21年論文,29年予備)。④裁量と内部基準(26年~29年論文)。⑤処分性(最判H17・7・15,最大判H20・9・10),原告適格(北村・事例研究行政法)。⑥行政権の濫用(最判S53・5・26,最判H16・12・24)。
19:36 - 2018年5月12日
https://twitter.com/right_droit/status/995251390359396353

 

2018年5月11日
/ メモ) 憲法,注目分野: ①表現の自由(放送,報道,取材,#メディアの中立性,論文20年,芸術的表現の自由,ろくでなし子事件とわいせつ表現規制)。②生存権(法的性質,合憲性判定基準,後退禁止原則,最判平24・2・28),平等権(合憲性判定基準)。③教育権(旭川学テ)。④選挙権(25年予備,在外日本国民選挙権最判)。
0:49 - 2018年5月12日
https://twitter.com/right_droit/status/994967786022625286

 

2018年5月10日(1)
刑訴法66/ 616/ 公道上における写真撮影は任意処分。
撮影される本人の同意なく,裁判官令状なく,警察官による個人の容ぼう等の撮影が許容される要件として現行犯性を要する(高度の緊急性)。なぜなら,#個人の私生活上の自由として_承諾なしに_みだりに容ぼう等を撮影されない自由の内容に_肖像権_表現の自由,含むから。
[猪俣尚人『捜査法演習 理論と実務の架橋のための15講』91頁,90頁(最判44・12・24刑集23-12-1625)参照。公道上における写真撮影が,任意処分として許容される要件に,現行犯性が含まれるか]

 

2018年5月9日(3)
刑訴法64,65/ 614.615/ 退去強制(入管法24条)により外国に在る者は供述不能に当たり得るが,検察官調書作成時点で国内におり,#国家機関により退去強制が行われて供述不能の状態が作出されていることから,被告人の反対尋問権保障(憲法37条2項)や適正手続理念に照らし,その証拠請求が手続的正義の観点から公正さを欠く場合あり。

/ 退去強制により外国に在る者の,検察官調書の証拠請求が手続的正義の観点から公正さを欠く場合,証拠として許容されない。①#検察官が_供述者が国外に退去させられ期日に供述不能となると認識しながら殊更その事態を利用した場合,②#その供述者の承認尋問決定があるにかかわらず強制送還された場合など。
[日野浩一郎『刑事公判法演習 理論と実務の架橋のための15講』169頁(最判平7・6・20刑集49-6-741)参照。退去強制された者の検察官面前調書の証拠能力が認められない場合]

短答/ H25年第15問 肢ウ #憲法短答 政党に関するウの記述について,正誤を,後記1、2の中から選びなさい。(解答欄は,[No.29]) ウ. 政党に対する公的助成を行う場合には,法律により,政党の役員・党員等の名簿,活動計画書を提出させた上で政党の設立を許可する制度を設けても,違憲とはならない。
25% 1.◯ 正
75% 2.✕ 誤

4票終結
https://twitter.com/right_droit/status/994196227250995200

/ 公法系科目の正解,各自ご確認下さい。http://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00083.html
結社の自由(憲法21条1項),国会法46条「会派」,公職選挙法86条の2-同条の7等,政党助成法1条,最大判昭45・6・24民集24-6-625「議会制民主義を支える不可欠の要素」「国民の政治意思を形成する最も有力な媒体」,芦部・憲法5版280頁-281頁参照
21:43 - 2018年5月9日

 

刑法各論26/ 自由に対する罪3/ 613/ 逮捕・監禁致死傷罪(刑法221条)の死傷結果は,①#逮捕・監禁事実から(停車中の自動車のトランク内に監禁された被害者が自動車追突により死亡したなど),あるいは②#逮捕・監禁の手段から生じたこと要。傷害結果に故意ある場合,含む。その機会の暴行での死傷結果には,傷害罪,傷害致死罪など成立(併合罪)。
[山口『刑法各論』2版88頁(最決平18・3・27刑集60-3-382,名古屋高判昭31・5・31裁特3-14-685),T25(2④),参照。逮捕監禁致死傷罪の死傷結果について]

 

2018年5月8日(1)
刑訴法63/ 612/ 刑訴法321条1項3号は第三者の伝聞証拠の基本形。#他の伝聞例外規定は_本号の要件をそれぞれの理由で軽減したもの。その要件は,供述者が被告人以外の者のほか,①供述不能,②その供述の不可欠性,③絶対的特信情況である。①②が必要性,③が信用性の情況的保障(供述が信用できる外部的情況の存在)の趣旨。
[日野浩一郎『刑事公判法演習 理論と実務の架橋のための15講』164頁,165頁参照。刑訴法321条1項3号について]


2018年5月7日(2)
刑訴法62/ 611/ #公判廷外供述を内容とし_その内容の真実性立証に用いる証拠が伝聞証拠。ある人(原供述者)の言語的表現(原供述,動作によるもの含む)につき,内容たる事実を証明する証拠資料が供述証拠。これが,公判廷に供述代用書面や伝聞供述として現れる場合が伝聞証拠で,#原則_証拠能力なし(刑訴法320条,証拠法則)。
[日野浩一郎『刑事公判法演習 理論と実務の架橋のための15講』159頁参照。伝聞証拠とは何か。供述証拠という言葉との関係。ほか]

 

刑訴法61/ 610/ 私人の住居内盗撮はプライバシー,住居内にいる者以外の他者の視線にさらされず行動できる利益が問題。公共の場での撮影行為は,他者の視線を常に意識する公共の場での肖像権が問題。保護程度,異なる。#前者は_身体_住居_財産に匹敵し_強制処分法定主義_令状主義の保護に値する。後者は,任意処分の対象。
[猪俣尚人『捜査法演習 理論と実務の架橋のための15講』89頁参照。私人の住居内の盗撮と公共の場での撮影行為における,保護法益の違いおよび保護すべき程度の違いによる,捜査手段の区別(強制処分によるか,任意処分によるか)]

 

2018年5月6日(3)

刑訴法60/ 609/ 秘密盗聴の侵害するプライバシーは,通信の秘密(憲法21条2項後段),私生活上の自由(13条)として保護され,住居,書類・所持品同様,強制処分法定主義・令状主義で高度に保護すべきものであり(35条),強制処分。同意盗聴は,#会話内容_プライバシーは相手方支配下に置かれ_要保護性の質的低下により,任意処分。
[猪俣尚人『捜査法演習 理論と実務の架橋のための15講』85頁,86頁参照。侵害される権利・法益内容の質的な違いによる,強制処分性判断]

刑訴法59/ 608/ 会話傍受(秘密盗聴,同意盗聴)処分は,#処分相手方に反対意思形成機会を全く与えず被処分者の権利を完全に侵害するものであり,有形力行使のように侵害程度の強弱は想定できず,#意思制圧と価値的に同視可。このような捜査の場合,意思制圧が一般的に認められ,#侵害される権利・法益内容で,強制処分性判断。
[猪俣尚人『捜査法演習 理論と実務の架橋のための15講』85頁参照。会話傍受の強制処分性の判断基準(意思制圧基準および重要な権利侵害基準によるが,前者は一般的に認められるの,後者の内容だけで判断。
前半部分,同書では「秘密盗聴のような処分」(85頁L6)と書かれていますが,秘密盗聴(会話当事者のいずれの同意も得ていない場合)と同意盗聴(会話当事者の一方の同意を得ている場合,同書84頁参照)を含むものと判断し,そういう方向でまとめています。]

刑訴法58/ 607/ おとり捜査に,#意思制圧要素は考えられず_任意捜査といえる。したがって,おとり捜査により制約される権利・法益と捜査の必要性,緊急性を利益衡量し,当該捜査手法が相当かどうか判断。#制約される権利・法益は_適正手続の観点からの司法の廉潔性_対象者の人格的自律権_国民一般の法益(社会的法益)など。
[猪俣尚人『捜査法演習 理論と実務の架橋のための15講』77頁-79頁参照。おとり捜査がどのような法益を制約することになるから(おとり捜査の規制根拠、同書78頁)、この捜査手法が許容されるのかという問題とリンクさせた上での(同書82頁L3,4参照)、おとり捜査の適法性の判断基準]

 

2018年5月5日(1)
刑訴法57/ 606/ #少なくとも_直接の被害者なき薬物犯罪等の捜査で_通常の捜査方法のみでは摘発困難な場合_機会あれば犯罪遂行意思ありと疑われる者を対象のおとり捜査は,刑訴法197条1項に基づく任意捜査として許容可。
他の捜査手法で証拠収集困難,Xは既に買い手を求めていたのだから,捜査官が仕向けたとしても,適法。
[猪俣尚人『捜査法演習 理論と実務の架橋のための15講』80頁(最決平16・7・12刑集58-5-333),および81頁L11-15も参照。範囲誘発型・機会提供型に分ける二分説に、必ずしも依拠しない判断枠組みおよび事案分析・評価例(判例)]

 

2018年5月4日(6)
倒産法59,60/ 破43,44/ 604,605/ 債権・債務の対立状態が,破産手続開始後や,支払不能・支払停止・破産手続開始申立(危機時期)後に生じた場合,#濫用的に債権債務の対立が創出され,債権者間の公平を害する事態が想定されるため,相殺原則禁止。まず,①#破産債権者による_破産手続開始後の債務負担に基づく相殺は_全面禁止(破71条1項1号)。

/ ②#破産債権者による危機時期の事情を知っての債務負担に基づく相殺,原則禁止(破71条1項2号~4号),相殺の合理的期待保護の例外あり(2項)。

③#破産者に債務を負っている者による,破産手続開始後の債権取得に基づく相殺,全面禁止(72条)。④#危機時期の事情を知っての債権取得,相殺禁止対象。例外あり。
[山本和彦『倒産処理法』4版95頁-97頁参照。破産手続における相殺権の制限の概略]

倒産法58/ 破42/ 603/ 破産手続開始前に破産者に対する債権債務が対立状態にある場合,破産手続開始後も,破産債権者は破産手続によらず自由に相殺可(破67条1項,原則,#相殺の担保的機能尊重)。破産債権者の有する自働債権が破産手続開始時に期限未到来でも,受働債権が期限付・条件付でも相殺可(破67条2項,#相殺権の範囲拡張)。
[山本和彦『倒産処理法』4版95頁参照。破産手続における相殺権の概略]

民法87/ 債権総論20/ 602/ 電気店Aは,買主Bの注文に応じ,新型テレビをB宅に届けたところ,内部の不具合で異常音発生。Bの修理の求めに対し,Aは異常のない新品を引き渡し修理義務を免れ得るか。
債権者(B)に特別な不都合なき限り,#取引慣行・取引上の信義則適用として_変更権(他の物をもって代えることができる権利)を認めるべき。
[内田『民法Ⅲ』3版20頁(大判昭12・7・7民集16-1220)参照]

民法86/ 債権総論19/ 601/ 引渡債務の目的物特定で,債務者は,特定した物の引渡債務を負う。また,①保管義務の加重,#善管注意義務(民法400条)を負う。②#目的物滅失により履行不能。滅失に債務者の帰責事由なければ,危険負担の債権者主義適用(534条2項)。帰責事由あれば,債務不履行責任(415条後段)。③特約なき限り,#所有権移転。
[内田『民法Ⅲ』3版19頁(最判昭35・6・24民集14-8-1528)参照。種類物特定の効果]

民法85/ 債権総論18/ 600/ 「給付をするのに必要な行為」(民法401条2項前段)による特定は,持参債務は,債権者の住所地(履行地)に持参し提供したとき。取立債務は,債務者が,#目的物を分離し引渡の準備を整え_債権者に通知したとき。送付債務は,履行地に目的物を送付し,そこで履行提供したとき。#送付が債務者の好意の場合_発送時。
[内田『民法Ⅲ』3版17頁-19頁(最判昭30・10・18民集9-11-1642)参照。条文解釈(法的判断枠組み)]

 

2018年5月3日,憲法記念日
基本姿勢/ 国家権力の正当性の根拠は憲法にあり,#あらゆる国家権力は憲法によって制約_拘束される(立憲主義)。立憲主義をより深化・徹底する観点,#立憲主義に基づき権力を制約し国民の権利の拡大に寄与するとの観点から,憲法に限らず,関連法も含め,国民にとって真に必要な改定を積極的に検討(立憲的憲法論議)要。
[立憲民主党サイト「憲法に関する当面の考え方」【組み込み版】.pdf(https://cdp-japan.jp/news/20180426_0408)参照。]

国政調査権について/ 国政調査権は両議院の権能,#証人の出頭・証言_記録の提出を求めることができる(憲法62条)。具体的には,特別の院議決定に基く調査特別委員会設置,常任委員会による調査要求の議長による承認により行使。#平成10年に予備的調査制度が採用されたが(衆議院規則56条の2,56条の3,86条の2),強制力を伴はない。

/ #国政調査権は国会の権能の行使のための補助的権能だが,国会の権能は立法権,予算審議,行政監視など広範で,行政国家では,立憲主義の観点から議会による行政統制の重要手段。しかし,#議院内閣制下_議会多数派が内閣を構成し,行政監視のための行使も,多数決原理で与党合意なき限り発動しえず,実効性疑問。
[以上,立憲民主党サイト「憲法に関する当面の考え方」【組み込み版】.pdf(https://cdp-japan.jp/news/20180426_0408),衆議院サイト(http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/ugoki/h11ugoki/h11/h11yobit.htm)参照。]

知る権利などについて/ #権力行使の行き過ぎも_表現の自由の確保により是正可能。表現の自由は,説得と投票箱の過程,民主主義プロセスの担保。しかし,前提として十分な情報に接していることが必要。不十分な情報や誤った情報に基づき議論を重ねても,正しい結論は得られない。#公文書管理や情報公開は_この知る権利を担保する。
[立憲民主党サイト「憲法に関する当面の考え方」【組み込み版】.pdf(https://cdp-japan.jp/news/20180426_0408)参照。]

/ 日本国憲法の核である,#国民主権_平和主義_基本的人権の尊重は,日本国民が長年月をかけて育み,定着させてきたもの。憲法改正は,思想的,観念的・抽象的議論でなく,憲法規定が原因で政策遂行に支障が生じるか,規定不在によりどのような不都合が生じるかなど,#その必要性につき具体的事実に基づき検討要。

/ 基本的人権の中でも,特に重要な人権である表現の自由が民主主義のプロセスにとって有効に機能するためには,前提として,#国民が十分かつ正確な情報に接していることが必要不可欠。公文書管理や情報公開の在り方を正し,#権力制約_国民の権利拡大に寄与するとの観点_立憲主義の観点から立憲的憲法論議要。
[以上,立憲民主党代表・枝野幸男「【代表談話】憲法記念日にあたって」立憲民主当サイト(https://cdp-japan.jp/news/20180502_0422)参照]

/ 歴史が証明するように,時として権力は暴走する。個人弾圧,人権抑圧もある。だからこそ国家権力を縛り,#権力を抑制的に,真に国民のために行使させるべく憲法がある。憲法は,#長い歴史を持つ人類の英知の結晶である。時の権力者による権力私物化や乱用は枚挙に暇がない。憲法を活かすも殺すも,国民次第。
[自由党代表・小沢一郎憲法記念日にあたって」BLOGOS(http://blogos.com/article/294667/)参照]

 

2018年5月2日(3)
民法84/ 債権総論17/ 599/ 種類債権(不特定物債権)とは,#同じ種類の物の一定数量の引渡しが目的とされる場合(民法401条1項参照)。その目的物を種類物という。不動産や美術品のように,#物の個性に着目し引渡し対象とされた物を特定物といい,特定物引渡しを目的とする債権が特定物債権。同じ種類かどうかは,当事者の意思で決まる。
[内田『民法Ⅲ』3版16頁参照。種類債権(種類物債権,不特定物債権)と特定物債権との違い]

/ Q:国会の会議に関し,正しいのはどれか。1.両院協議会は公開とする。
2.出席議員の3分の2以上の多数で秘密会を決議したときも,会議録のすべてを公開しなくてよい訳ではない。
3.会議録の頒布は憲法上の要請ではない。
4.出席議員の5分の1以上の要求があれば,要求した議員の評決のみ会議録に記載される。
20% 肢1. 憲法57条1項(本会議)、国会法97条参照
20% 肢2. 憲法57条2項
40% 肢3. 憲法57条2項
20% 肢4. 憲法57条3項参照
5票•最終結
https://twitter.com/right_droit/status/991609206707929089

/ (ヒント) 憲法57条2項: 両議院は,各々その会議の記録を保存し,秘密会の記録の中で特に秘密を要すると認められるもの以外は,これを公表し,且つ一般に頒布しなければならない。(以下,補足,正解→)

肢5.「旧憲法には議員の公開の原則は定めていなかった。」 誤り。大日本帝国憲法48条。

昭和44年旧司法試験 憲法23問 正解: 肢2

民訴法101/ 598/ 作成目的,記載内容,所持経緯,その他から判断し,#専ら内部者の利用に供する目的で作成され_外部者への開示が予定されていない文書で,開示により個人のプライバシー侵害,個人・団体の自由意思形成の阻害,#所持者側への看過し難い不利益のおそれがある場合,特段の事情なき限り,民訴法220項4号ニに当たる。
[最決平19・8・23判時1985-63(LEX/DB 28131982)参照。自己利用文書に当たるかの判断の仕方]

/ メモ) 民訴法は何が重要だろうか? #基本的な原理・原則についての深い理解要(受験新報)。訴えの変更,補助参加,独立当事者参加における二当事者間における和解,既判力の時的限界,文書提出命令,処分権主義,上訴の利益,訴訟担当,遺言者生前における推定相続人による遺言無効確認の訴えなど(ハイローヤー)
https://twitter.com/right_droit/status/991547393626681344

民法83/ 債権総論16/ 597/ #借地上建物の賃借人は敷地の地代の弁済に法律上の利害関係あり。なぜなら,土地賃貸人と直接の契約関係はないが,#土地賃借権消滅により,建物賃借人は土地賃貸人に,#賃借建物からの退去・土地明渡義務を負う法律関係にあり,建物賃借人は,敷地の地代弁済,敷地賃借権消滅防止に法律上の利益を有するから。
[最判昭63・7・1集民154-254,T29(21イ),参照。「利害関係を有しない第三者」(民法474条1項)の解釈。改正民法474条2項「弁済をするについて正当な利益を有する者」参照]


2018年5月1日
憲法・刑訴法/ GPS捜査(プライバシー侵害; 強制処分法定主義.令状主義), 写真・ビデオ撮影
http://right-droit.hatenablog.com/entry/2018/05/01/234625

 

right-droit.hatenablog.com

 

憲法/ 国民の知る権利(憲法21条)と受信契約締結強制(放送法64条1項)

http://twpf.jp/right_droit 

以下,判決(最大判平29・12・6,LX/DB25449082)の「理由」「第2」「上告代理人永野剛志ほかの上告受理申立て理由について」の部分を,さっと読んでまとめたものですので,理解不足による間違いもありえます。ちょっと読んで興味を覚えられた方は,ぜひ,ご自分で判決原文をご確認下さい。裁判所 | 裁判例情報:検索結果一覧表示画面

 

放送法の目的

[・放送は、憲法21条の表現の自由の保障の下で、国民の知る権利を実質化し、健全な民主主義の発達に資するために、国民に広く普及されるべきである。これが放送法の目的である。]

[・この目的を実現するため、放送法は、公共放送事業と民間放送事業とが、各々その長所を発揮し、互いに啓もうし、欠点を補い、放送により国民が十分福祉を享受できるようにしている。日本放送協会(NHK)が、営利を目的として業務を行うことや他人の営業に関する広告の放送を禁止し(放送法20条4項、83条1項)、事業運営の財源を受信設備設置者から支払われる受信料によって賄うこととしているのは、NHKが公共的性格を有することの財源面からの裏付けである。NHKは、このような全体により支えられる事業体として、民主的かつ多元的な基盤に基づきつつ自律的に運営される事業体として、公共の福祉のための放送を行う必要がある。]

 

人権41/ 443/ 放送は,憲法21条の表現の自由保障下,#国民の知る権利の実質化,#健全な民主主義発達に資するため,国民に広く普及要(放送法の目的)。この目的実現のため放送法は,#公共放送事業と民間放送事業とが,各々その長所を発揮し,互いに啓もうし,欠点を補い,放送により国民が十分福祉を享受できるよう図っている。

[最大判平29・12・6,LX/DB25449082,放送法第1条、参照。法的判断枠組み。]

 

人権42/ 444/ 日本放送協会(NHK)は,営利目的業務・他人の営業の広告放送を禁止され(放送法20条4項,83条1項),事業運営財源がテレビジョン受信設備設置者から支払われる受信料によって賄われる(財源面における公共的性格)。NHKは,#民主的・多元的基盤に基づき自律的運営の事業体として,公共の福祉のための放送を行う。

[最大判平29・12・6,LX/DB25449082参照。法的判断枠組み(放送法)。]

 

⚫金銭の負担なく視聴することができる民間放送を視聴する自由

[・公共放送事業者と民間放送事業者との体制下で、前者を担う日本放送協会(NHK)を存立させ、民主的かつ多元的な基盤に基づきつつ自律的に運営される事業体たらしめるためその財源的基盤を受信設備設置者に受信料を負担させることにより確保する仕組みは、憲法21条の表現の自由の下で国民の知る権利を実質化し、合理的なものと解される。放送環境の変化が生じつつある今日もその合理性は失われていない。したがって、このような仕組みは、憲法上許容される立法裁量の範囲内にある。よって、このような制度の枠を離れて、国民がテレビジョン受信設備を用いて放送を視聴する自由は、そもそも憲法上保障されているものではない。

 具体的には、このような制度の枠外にある、金銭の負担なく視聴することができる民間放送を視聴する自由というものは、憲法上保障されていない。]

 

人権43/ 445/ 公共放送,民間放送事業者体制下,前者の日本放送協会の民主的・多元的基盤に基づく自律的運営事業体としての存立ため,#財源的基盤をテレビジョン受信設備設置者の受信料負担により確保する仕組みは,憲法21条の表現の自由下,#国民の知る権利の実質化であり,合理的。放送環境の変化でも合理性変わらない。

[最大判平29・12・6,LX/DB25449082参照。事実の分析・評価。]

 

人権44/ 446/ 財源的基盤を受信設備設置者の受信料負担で確保する仕組みは,合理的で,#憲法上許容される立法裁量の範囲内。したがって,#このような制度の枠を離れ_国民がテレビジョン受信設備を用い放送を視聴する自由,具体的には,#金銭の負担なく視聴することのできる民間放送視聴の自由は,憲法上保障されていない。

[最大判平29・12・6,LX/DB25449082参照。法的判断枠組み。]

 

⚫受信契約締結強制の合憲性

[・放送法64条1項は、テレビジョン受信設備設置者に対し、受信契約の締結を強制するにとどまる。そのように解することから、受信契約の申込みに対して受信設備設置者が承諾をしない場合には、承諾の意思表示を命ずる判決の確定によってはじめて受信契約が成立すると解すべきである。このように解することは、放送法の目的を達成するのに必要かつ合理的な範囲内ものであり、憲法上許容される。]

 

人権45/ 447/ 放送法64条1項は,#テレビジョン受信設備設置者に_受信契約締結を強制するにとどまる。したがって,放送法の目的を達成するのに必要・合理的範囲内であり,憲法上許容される。受信契約の申込みに対し受信設備設置者が承諾しない場合,#承諾の意思表示を命ずる判決の確定により受信契約が成立すると解する

[最大判平29・12・6,LX/DB25449082参照。法的判断枠組み。

 以上,5ツイート,判決の斜め読みで,自分なりにわかりやすくまとめましたので,判決の趣旨に沿っていない可能性もあります。ご容赦下さい。正確な判文は,各人でご確認下さい(裁判所,裁判例情報,http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/281/087281_hanrei.pdf)。]

 

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憲法・刑訴法/ GPS捜査(プライバシー侵害; 強制処分法定主義.令状主義), 写真・ビデオ撮影

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 ⚫GPS捜査によるプライバシー侵害の度合い

憲法23/ 人権23/ 110/ 本件GPSは、対象車を発見し追尾できる程に正確で搭乗者位置情報の取得と同視でき私有地という、不特定多数の者から目視され観察されることのない、プライバシー保護の合理的期待が高い空間でも、位置情報取得可能である。取付け時の私有地への侵入も想定され、プライバシー等侵害が大きい。#人権

[プライバシー等を大きく侵害する⇒身体、住居、財産等(、重要な権利・利益)の制約(・侵害)が認められる。刑訴法で、強制処分の要件の一つの認定のときにも、似たような事情を拾って、『プライバシーの保護の合理的期待が高い~』などと分析して、書ければいいな~。

 結局、対象車両の位置情報に留まらず、それは、本件GPSについては、乗車している『人の位置情報』と同視でき、それが私有地という、不特定多数の第三者から目視によって監視されることのない、『プライバシー保護の合理的期待の高い』空間に及ぶ場合があったこと、および、私有地への侵入行為も想定されることから、プライバシー等を大きく侵害する、と結論づけているのだろう。事実の評価例(プライバシー侵害するか否かのあてはめ)。

 大阪地決H27・6・5、27年度『重要判例解説』〔憲法3〕参照。]

 

憲法24/ 人権24/ 124/ GPS捜査は、プライバシーが強く保護されるべき空間も含め対象車両・使用者の所在と移動状況を逐一把握し個人の行動を継続的網羅的に把握しプライバシーを侵害しうるし、機器を個人の所持品に密かに装着する点、公道上での肉眼把握・カメラ撮影と異なり、公権力による私的領域への侵入を伴う。#人権

[最大判平29・3・15平28年(あ)442号、LEX/DB25448527参照。]

 

 ⚫強制処分

[・強制処分(刑訴法197条1項ただし書)とは、個人の意思を制圧し、身体、住居、財産等に制約を加えて強制的に捜査目的を実現する行為など、特別の根拠規定がなければ許容することが相当でない処分いう。その程度に至らない有形力の行使は、任意捜査においても許容される場合がある。ただ、強制手段にあたらない有形力の行使であっても、何らかの法益を侵害しまたは侵害するおそれがあるのだから、状況のいかんを問わず常に許容されるものではなく、必要性、緊急性なども考慮したうえ、具体的状況のもとで相当と認められる限度で許容される。]

 

刑訴法51/ 505/ 強制処分(刑訴法197条1項ただし書)は,#個人意思を制圧し_身体_住居_財産等を制約し強制的に捜査目的を実現するなど,特別の根拠規定なければ許容されない処分。その程度に至らない有形力行使も,何らか法益侵害のおそれあるので,#必要性_緊急性など考慮し_具体的状況下_相当と認められる限度でのみ許容。

[最決昭51・3・16刑集30-2-187(『刑事訴訟法判例百選』10版〔1〕),R27②採点実感(刑事系科目第2問)3頁,参照。法的判断枠組み(判例)]

  

刑訴法4/ 捜査4/ 22/ 「強制の処分」(#刑訴法197条1項 ただし書)とは、人の(明示ないし黙示の)意思を制圧し、身体、住居、財産等に制約を加えて強制的に捜査目的を実現する行為など、重要な権利・利益の侵害となるため、特別の根拠規定がなければ許容することが相当でない手段による場合をいう。

[辰巳『趣旨・規範ハンドブック』刑事系5版189頁、190頁、寺崎『刑事訴訟法』3版73頁注17、など参照。法的判断枠組み(条文の文言の意義)]

  

⚫令状主義

刑訴法37/ 捜査17/ 342/ 令状主義(憲法33条、35条)は、逮捕、差押えなど最も人権侵害の危険のある強制処分につき、捜査機関の判断だけに任せるのでなく、原則として、#裁判官の事前の判断(令状)を要求する制度である。全くの無実の者が拘束されるといった事態も避け得る。強制処分に対する司法的抑制の理念に基づく。

[『刑事訴訟法講義案』四訂版64頁参照。法的判断枠組み(令状主義の意義)]

 

刑訴法38/ 捜査18/ 343/ 逮捕状には、逮捕の理由となる犯罪の明示(憲法33条)、捜索・差押状は、捜索する場所・押収する物の明示を要する(同35条)。後者は場所・物を限定する趣旨である。1通の令状さえあれば、どこでも捜索し何でも押収できるというのでは、令状主義が意味をなさないからである(#一般令状の禁止)。

[『刑事訴訟法講義案』四訂版64頁、65頁参照。法的判断枠組み(令状主義の趣旨)]

 

刑訴法39/ 捜査19/ 344/ 捜査機関の請求による令状発付につき、裁判所・裁判官は当該強制処分の必要性も判断する。#司法的抑制の理念に基づく令状主義の趣旨を十分活かすためである。逮捕状については、犯罪の嫌疑(刑訴法199条1項2項)に加え、逮捕の必要性(199条2項ただし書、規則143条の3)の判断も要する。

[『刑事訴訟法講義案』四訂版65頁参照。法的判断枠組み(強制処分の必要性の判断の可否・要否)]

 

GPS捜査と強制処分法的主義,令状主義

刑訴法22/ 捜査12/ 180/ 憲法35条は、「所持品」等に準ずる私的領域へ「侵入」されない権利も保障している。個人のプライバシー侵害を可能とする機器を所持品に秘かに装着し、個人の合理的意思に反し、その私的領域に侵入する捜査手法たるGPS捜査は、個人の意思を制圧し重要な法的利益を侵害する #強制処分 にあたる。

[最大判平29・3・15平28年(あ)442号、LEX/DB25448527参照。事実の評価例(GPS捜査が、「強制の処分」(刑訴法197条1項ただし書)にあたるか)]

 

刑訴法23/ 捜査13/ 181/ #GPS捜査 は対象車両の移動状況等を把握する点、検証の性質をもつが、端末を付けた車両を通じ使用者の所在を検索する点で異なる。検証・捜索許可状でも、被疑事実と無関係の使用者の行動の、継続的網羅的で、過剰な把握を抑制できず(令状主義違反)、事前の令状呈示もできない(適正手続違反)。

[最大判平29・3・15平28年(あ)442号、LEX/DB25448527参照。事実の分析(GPS捜査の法的性質、検証許可状・捜索許可状の発付で行うことができるか?)GPS捜査という現に行われていた・いる事実としての捜査手法の分析。その法的評価・分析。]

 

⚫任意捜査

刑訴法5/ 捜査5/ 23/ 任意捜査とはいえ何らか法益を侵害し、侵害するおそれがあるから、捜査のため必要な限度、①捜査の必要性・緊急性等を考慮し、②具体的状況のもと、相当と認められる限度、でのみ許される。①事案の性質、容疑の程度、②被疑者の意思、取調べの時間帯・長さ、行動の規制状況が考慮事情となる。#刑訴法

[辰巳『趣旨・規範ハンドブック』刑事系5版190頁参照。法的判断枠組み(事実の評価方法)]

 

◆写真・ビデオ撮影

刑訴法30/ 捜査16/ 332/ [検察官による人の容ぼう等の撮影が、現行犯・準現行犯の場合のほかは許されないというわけではない。]

#捜査機関がXを犯人と疑う合理的理由あり、かつ、強盗殺人等捜査に関し、防犯ビデオに写っていた犯人特定の証拠資料入手のため必要限度での、公道上のX、不特定多数の集まるパチンコ店内のXの容ぼう等の撮影であり、#通常人が他人から容ぼう等を観察されること自体受忍せざるを得ない場所のもの。

[⇒これらのビデオ撮影は、捜査目的達成のため、必要な範囲において、かつ相当な方法によって行われたものといえ、捜査活動として適法である。

 最決平20・4・15刑集62-5-1398(『刑事訴訟法判例百選』10版〔8〕18頁)参照。事実の評価例]

 

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