倒産法 - 相殺権 2018/01/07

倒産法に関する140字以内でのまとめ、①法的判断枠組み、②事実の分析・評価へ振分け twitter.com 

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相殺権

相殺権 

[・破産法は、破産手続開始前に破産者に対する債権と破産者に対する債務とが対立状態にある場合に、破産手続開始後も破産債権者が破産手続によらずに自由に相殺することを認めている(破67条1項)。相殺の担保的機能は破産手続においても、原則として尊重されているのである。

 さらに、破産法には、相殺権の範囲をより拡張する規定もある。たとえば、破産債権者の有する自働債権が破産手続開始時に期限未到来であっても、相殺できるし、受働債権が期限付・条件付の場合も相殺できる(破67条2項)。]

 

倒産法43/ 破32/ 363/ #停止条件付自働債権は、条件が成就しない間、債権はいまだ発生していないから(民127条1項)、相殺に供しえない(破67条1項参照)。しかし、破産手続中に条件成就の可能性があるので、破産債権者は、債務弁済の際に、後日の相殺の可能性確保のため、#弁済額の寄託を請求できる(同70条)。

伊藤『破産法・民事再生法』2版363頁・364頁。R18①設問2、参照。[法的判断枠組み(条文)]

 

 

債権・債務の対立状態が、破産手続開始後、または、支払不能・支払停止・破産手続開始申立(危機時期)後に発生した場合 

[・このような場合にも相殺を無制限に認めると、濫用的に債権債務の対立が創出され、債権者間の公平を害する事態が想定される。そのため、破産法は、そのような場合の相殺を原則として禁止する。

 まず、①破産債権者による、破産手続開始後の債務負担に基づく相殺は、全面的に禁止される(破71条1項1号)。他方、②危機時期の債務負担の場合には、そのような事情を知った上でされた債務負担に基づく相殺を原則として禁じながら(同条項2号~4号)、例外的に相殺についての合理的な期待などの保護のために、認められる場合がある(同条2項)。

 次に、③破産者に債務を負っている者による債権取得に基づく相殺も、破産手続開始後の債権取得に基づく相殺は、全面的に禁止される(破72条1項1号)。④危機時期の債権取得については、そのような事由を知って債権を取得した場合に、相殺禁止の対象となる。ただし、例外的に合理的な相殺期待などの保護のために相殺が許される場合がある。]