ミニマム法律学

法律書等を読んで,理解し覚えられるように短くまとめて行こうと思っています。ツイッター→https://twitter.com/right_droit YouTube(判例原文の音読)→https://www.youtube.com/channel/UCqVOy5zBmI3GzOI_WF5Dc6Q/featured

代表取締役解職の取締役会決議において当該代表取締役は特別利害関係人にあたるか

以下,最判昭44・3・28民集23-3-645に事案を『会社法判例百選』3版(2016年)〔66〕を見て,140字に圧縮しました。その他の4つの文章は,同じ論点についてまとめたものです。

昭和30年1月5日に開催されたX社の取締役会では,代表取締役Aの解任につき,出席取締役4名のうち,2名が賛成し,Aを含む2名が反対したようです。Aは特別利害関係人(会社法369条2項)にあたるので,議決に加われなかったにも関わらず,加わったということであり,Aの議決を参入せず,結局,この時点で,A解任決議が賛成多数により可決していたというX社の主張が認められたということだと思います。

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代表取締役解職の取締役会決議において当該代表取締役は特別利害関係人にあたるか

商法196/ X株式会社の取締役Aは,Xを代表し,Xの有する債権をY株式会社に譲渡する契約を締結。but,Xは,AにはXを代表する権限がなかったとして,債権譲渡の無効確認を求めた。∵Aは、Xの代表取締役だったが,本件債権譲渡の前に,取締役会で解任が付議され,出席取締役中,Aは特別利害関係人なのでカウントされず,可決。

 

商法176/ →#代表取締役解任に関する取締役会決議については_当該取締役は_会社法369条2項にいう特別利害関係人にあたる。

代表取締役は,会社の経営,支配に大きな権限と影響力を有し,∴意思に反して解任される場合,#一切の私心を去って_忠実義務に従い公正に議決権を行使することは必ずしも期待しがたいから。

[最判昭44・3・28民集23-3-645参照。362条2項3号,349条1項2項4項,355条。参考:R元予備Q1出題趣旨10頁,『会社法判例百選』3版〔66〕,『LEGAL QUEST 会社法』3版(2015年)184頁]

https://www.youtube.com/watch?v=hHGeBf78fDY&t=156s

 

〇取締役会決議の瑕疵

商法197/ 会社法判例15/ 最判昭44・3・28参照:#代表取締役の解職に関する取締役会決議につき_当該代表取締役は特別利害関係人に当たる。その者が取締役会決議に参加した決議には瑕疵があり(会社法369条2項),無効。公正な決議が期待できないから。#特別利害関係人たる取締役は_決議につき意見陳述権なく_議長ならば権限を失う。

[『基本から合格答案を即効で書けるようになる本』民事系116頁参照]

 

◇取締役会決議について特別の利害関係を有する取締役

商法154/ #決議に特別利害関係を有する取締役は_決議の公正を期すため_議決に加われない(会社法369条2項)。ex.365条1項の承認をする場合の取引に関わっている取締役。定足数算定からも除外。退席を要求されれば審議にも加われない。自らの代表取締役選定決議には加われるが,解職決議には加われない(⇔閉鎖型?)。

[『LEGAL QUEST会社法』3版183頁-184頁(最判昭44・3・28民集23-3-645)参照。R令元予備Q1,R28①Q1(1)]

 

商法168/ #取締役会の決議について特別の利害関係を有する取締役は_決議の公正を期すため_議決に加われない(369条2項)。定足数算定からも除外される。

#代表取締役を選定する取締役会決議では_候補者は特別利害関係人にあたらない。他方,#解職の場合_判例は特別利害関係人にあたるとするが,閉鎖型会社では疑問。

[『LEGAL QUESAT会社法』3版(2015年)183頁-184頁(最判昭44・3・28民集23-3-645)参照。R令元予備Q1]

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以上。短い文章の羅列にすぎませんが、こういう短い記事でも、問題ないし事案を圧縮した文章と、それに対する結論の組み合わせをまとめられた、投稿したいと思います。