140字法律学

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2018年12月分ツイート:20,判例(民訴法1);その他(憲法3;商法4,民訴法9,要件事実2;刑法1)

Read:  T:短答試験,R:論文試験,Q:設問 

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2018年12月30日(その他4)
民訴法120-123/ 816-819/ 「事件」(民訴法142条)の同一性は,当事者の同一と訴訟物の同一につき判断。前者は,訴訟担当者と被担当者(115条1項2号参照)のような実質的な同一性ある場合や原被告逆転しても,同一。後者は,#訴訟物たる権利関係の同一性で判断。先行債務不存在確認訴訟と,後行給付訴訟は,訴訟物異なるが,権利関係同一。
[勅使河原『読解 民事訴訟法』(2015年2月)114頁,R22旧①Q1参照]

/ 重複訴訟の禁止(民訴法142条)の趣旨・根拠は,相手方の応訴の煩の回避,#訴訟経済,判決の矛盾のおそれの回避。第1の趣旨は,原被告逆転のケースではあたらない。第3の趣旨は,再審(338条1項10号)で取り消されない限り,後行の既判力が優先し決定的でなく,司法への信頼維持のための公益的理由の1つといえる。
[同書115頁-116頁参照]

/ 先行訴訟と表裏一体の(訴訟物たる権利関係が同じで原被告逆転した)後行訴訟が,先行訴訟に対し別訴でなく,#反訴で訴求されると_基本的に併合審理。この場合,民訴法142条の趣旨の3つの弊害,つまり,被告側からの反訴で,応訴の煩はないし,併合審理で,他の2つの弊害もない。したがって,後訴は可能とされる。
[同書116頁(東京地判平13・8・31判時1772-60)参照]

/ 同じ給付義務の存否につき,#既判力しか導かない確認訴訟は_既判力に加え執行力まで生じる給付訴訟を包摂。後行給付訴訟提起により,表裏一体にある先行の消極的確認訴訟が確認の訴えの利益,喪失(確認の利益喪失論)。結果,先行確認訴訟に訴訟判決(訴え却下),後行給付訴訟は民訴法142条による却下免れる。
[同書125頁参照]

/ 以上,旧司法試験,平成22年民訴法第1問の設問1および設問2(1)に関連してまとめた4ツイートです。出典は,勅使河原和彦『読解 民事訴訟法』(初版)です。債務不存在確認訴訟と給付訴訟については,高橋『重点講義民事訴訟法』(上)などにも書かれているようです。


2018年12月27日(その他2)
民訴法119/ 815/ 相殺の抗弁は,確定判決により,反対債権(自働債権)の不存在につき既判力を生じるので(民訴法114条2項),#債権消滅という別個の経済的損失を伴う。他方,弁済の抗弁は,理由中の判断で既判力は生じない(同条1項)。したがって,#被告の合理的意思を斟酌し,弁済の抗弁など他の攻撃防御方法から先に審理すべき。
[伊藤塾『試験対策問題集 民事訴訟法 論文5』(2011年11月)255頁(『民事訴訟法講義案235頁,282頁』),R24予備Q2,参照]

民訴法118/ 814/ #相殺は_前訴の訴訟物たる請求権とは別個の債権を犠牲にするものなので_前訴請求権自体に内在・付着する瑕疵にかかる権利とはいえない。自己の別個独立の債権の消滅という不利益を伴い,行使するかは債権者の自由で,前訴で当然に提出すべき防御方法ともいえない。したがって,前訴既判力で遮断されない。
[司法協会『民事訴訟法講義案』再訂補訂版279頁,R24予備Q1②,参照]


2018年12月26日(その他1)
民訴法117/ 813/ 前訴で,~旨の主張は否定されているが,主文中の判断ではないので,既判力は及ばない(民訴法114条1項)。
もっとも,#後訴での当該主張が前訴の実質的な蒸し返しで_前訴で同じ主張が可能であった上_後訴でその主張をすることが相手方を不当に不安定な地位におく場合,そのような主張は,信義則上許されない。
[『工藤北斗の合格論証集 商法 民事訴訟法』(2014年8月)179頁-180頁(最判昭51・9・30),辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版523頁,R24予備Q1①,参照]


2018年12月25日(その他1)
民訴法116/ 812/ #否認は相手方が証明責任を負う事実を否定する陳述_すなわち_相手方主張事実と両立しない事実(反対事実)の主張。抗弁は自己が証明責任を負う事実の主張で,相手方主張事実と両立するもの。準備書面での否認に理由記載要するが(規則79条3項,法161条2項),#内容たる事実の主張立証責任を負うわけではない
[司法協会『民事訴訟法講義案』再訂補訂版233頁-234頁参照]


2018年12月23日(その他2)
要件事実20,21/ 810,811/ XがYに対し,消費貸借契約に基づき貸金返還請求する場合,請求原因として,①XY間で金銭返還を合意,②XがYに金銭を交付,かつ,③#両者間で弁済期合意(以上,契約成立の要件),そして,④その弁済期到来,を主張立証要。契約目的物を受け取るや否や直ちに返還すべき貸借は無意味なので,弁済期合意主張が不可欠。
[改訂『紛争類型別の要件事実』26頁-27頁参照]

/ 消費貸借において「返済の時期を定めなかったとき」(民法591条1項)は,#弁済期を貸主が催告した時とする合意あるものと解される。請求原因として,①XY間で金銭返還合意,②XがYに金銭交付,③弁済期を催告の時とする合意(弁済期の定めなしとの適示で足る),④催告および相当期間の末日の到来の主張立証要。
[改訂『紛争類型別の要件事実』27頁-28頁参照]


2018年12月22日(その他1)
民訴法115/ 809/ 民事訴訟において,#検証とは_裁判官が自己の感覚作用(視覚,聴覚,味覚,臭覚,触覚等)によって,#直接に人体または事物の形状_性質等を認識し,その結果を証拠資料とする証拠調べである。人証や書証が人の思想を証拠とするのに対し,#検証は五感の作用によって知覚しえたものを_直接に証拠とする点で異なる
[司法協会『民事訴訟法講義案』再訂補訂版225頁参照]


2018年12月21日(その他2)
刑法103/ 808/ 罰則は法律で定めなければならない(法律主義,憲法31条,73条6号ただし書)。法律の具体的委任による場合,含む。その実質的根拠は,#何が犯罪かは国民が決定するという民主主義原理。地自法14条3項が条例に罰則制定を一般的・包括的に委任するのは,条例が住民代表機関たる議会により制定されるものだから。
[山口『刑法総論』3版10頁,12頁,憲法T21(18ウ),参照。
 憲法短答問題21年度第18問肢ウは,『憲法第31条により刑罰及びこれを科す手続は「法律」で定める必要があるが、この「法律」には、法律に限らず、その授権を受けた下位法令も含まれる。』としている点で,誤り。より限定され,法律により罰則の制定が,「特に」すなわち特定した具体的な委任に基づき,政令に委ねられている場合にのみ(憲法73条6号ただし書),憲法31条の「法律」に含まれ得るということであろう。]

☆公法系
〔第18問〕(配点:3)
条例と法律の関係に関する次のアからウまでの各記述について、それぞれ正しい場合には1を、誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は、アからウの順に[No.34]から[No.36])
ウ. 憲法第31条により刑罰及びこれを科す手続は「法律」で定める必要があるが、この「法律」には、法律に限らず、その授権を受けた下位法令も含まれる。そして、条例は住民の代表である議会が制定する自主立法として法律に類するから、法律が相当程度具体的に限定して授権している場合には、条例により刑罰及びこれを科す手続を定めることができる。[No.36]

憲法88/ 807/ 法律によらない科刑を禁止する憲法31条,法律の委任なく政令に罰則を設けることを禁止する73条6号との関連で,条例にその違反に対する制裁として罰則を定めうるか? #条例は住民の代表機関たる議会の議決により成立する民主的立法で_実質的に法律に準ずるものなので,可能。#地自法14条3項が最高限を規定
[芦部『憲法』5版360頁,T21(18ウ),参照]


2018年12月18日(判例1)
民訴法判例13/ 訴訟外の第三者たる金融機関への文書提出命令申立て(最決平19・12・11):#開示を求められた顧客情報につき_当該顧客自身が当該民事訴訟の当事者として開示義務負う場合,同情報は,金融機関が職業の秘密として保護に値する独自の利益をもつときを除き,#民訴法197条1項3号の職業の秘密として保護されない
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版504頁参照]


2018年12月9日(その他2)
商法129,130/ 805.806/ 会社法423条1項は,役員等が,任務を怠ったとき(任務懈怠),これによって(因果関係),会社に生じた損害を,会社に対し賠償責任を負う旨規定。#任務懈怠に際し_会社と利益相反する当該取締役との自己取引を除き_帰責事由すなわち故意過失またはそれと信義則上同視し得る事由の存在要する(428条1項反対解釈)。

/ 任務懈怠については,会社法423条3項に推定規定があり,取締役による自己/第三者のための会社との利益相反取引(356条1項2号)で損害が生じた場合,任務懈怠が推定される。
なお,非業務執行取締役(427条1項,2条15号イ)は,会社と責任限定契約締結可能だが,#自己取引による利益相反取引には非適用(428条2項)。
[会社法R30予備Q2,http://asanonaoki.com/blog/平成30(2018)年司法試験予備試験論文再-9/,参照]


2018年12月6日(その他2)
憲法86,87/ 803,804/ 憲法89条後段の目的は,#私的な事業への不当な公権力の支配防止。「公の支配に属する」とは,#予算_執行監督_人事に関与するなど_事業の根本的方向に重大な影響を及ぼしうること(厳格,狭義な解釈)。監督官庁が事業の自主性が失われる程度に達しない(報告聴取,勧告)権限をもつだけでは足りず,助成は違憲

/ 憲法89条後段は,#公財産の乱費防止_慈善事業等の営利的傾向や公権力への依存性排除目的。「公の支配に属する」とは,国・地方公共団体の一定の監督が及んでること(緩やか,広義な解釈)。業務や会計状況報告聴取,予算変更勧告程度の監督権あれば,助成合憲。教育の公の性質,機会均等原則(憲法26条)考慮要。
[芦部『憲法』5版354頁-355頁参照。T21(17)]


2018年12月4日(その他2)
商法127,128/ 801,802/ #株式が流通し頻繁譲渡される会社では_株主名簿上の株主を確定するだけでも相当期間を要する場合があるので,会社は一定の日を基準日とし,その時点の株主を,後日の権利行使者と定めうる(会社法124条1項)。#基準日株主と権利行使時の真の株主とがあまり乖離するのは好ましくないので,3か月以上離せない。

/ 基準日後に株主になった者は当該基準日に係る権利を行使できないのが原則である。ただ,基準日後に募集株式発行(会社法199条)等によって新たに株主になった者は,#会社が認めれば株主総会における議決権行使はできる(124条4項)。しかし,#基準日時点の株主の権利を害することはできない(同条項ただし書)。
[『LEGAL QUEST会社法』3版113頁参照。参考:R30予備②Q1]

 

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