140字法律学

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刑訴法/ 現行犯逮捕, 逮捕前置主義 (平成29年度司法予備試験 設問1関連)

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〇現行犯逮捕の要件ーー逮捕の必要性
刑訴法判例8/ 大阪高判昭60・12・18参照:現行犯逮捕についても逮捕の必要性(逃亡or罪証隠滅のおそれ)が要件となるかにつき,明文規定は存しないが,#現行犯逮捕も人の身体の自由を拘束する強制処分であるから_要件をできる限り厳格に解すべきで_通常逮捕同様(刑訴法199条2項,規則143条の3),逮捕の必要性を要件とする。
[『刑事訴訟法判例百選』10版〔A2〕(判時1201-93)参照。参考:辰巳『趣旨・規範ハンドブック刑事系』5版200頁]

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☆現行犯逮捕の適法性
刑訴法問題1/ 刑訴法R29予備Q1参照:平成29年5月21日午後10時頃,J町1-2-3先路上で,Vがサバイバルナイフで胸部を刺され殺害され,W,犯行を目撃,犯人を追跡したが,現場から約200m地点で見失う。警察 官は,約30分後,約2km離れた路上で,Wから聴いた犯人の特徴と合致する甲を発見,甲は犯行を認めた。現行犯逮捕の適法性如何?
[平成29年度司法試験予備試験 刑訴法論文式試験 設問1問題と出題趣旨,参照。京都地決昭44・11・5判時629-103(有斐閣『ケースブック刑事訴訟法』3版79頁)参考]

☆現行犯逮捕の適法性と,その後の勾留請求への影響
刑訴法問題13/ 古江・事例演習〔4〕(1)参照:司法警察員Kは,深夜2時ころコンビニエンスストアA店で強盗事件発生のため,店員Vに事情聴取。付近を探索。事件の約2時間後,店舗から約8km離れた路上で犯人の人相風体に似たXを発見,質問したが,Xは否認。Xを現行犯逮捕,検察官送致,勾留請求。裁判官はいかなる裁判をすべきか?
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版〔4〕小問(1)参照]

〇現行犯逮捕の要件。逮捕前置主義
刑訴法判例2/ 京都地決昭44・11・5参照:司法巡査による現行犯逮捕は,犯行時より20分後,犯行現場から20数m地点だが,①巡査自身による被疑者犯行の目撃,②被疑者が犯罪に供した凶器等所持,③身体,被服などに犯罪の証拠残存,④逃走しようとした,⑤被害者自身から追呼されていた,わけではない。⇒現行犯逮捕要件不具備。
[有斐閣『ケースブック刑事訴訟法』3版〔6-1〕80頁(判時629-103),R29予備Q1,刑訴法212条2項,429条1項2号(勾留裁判に対する準抗告),参照。逮捕前置主義。司法的抑制。逮捕手続の違法を司法的に明確にする→勾留請求却下。]

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〇逮捕前置主義――先行する逮捕は適法でなければならないか
刑訴法判例1/ 京都地決昭44・11・5参照:#先行する逮捕は適法でなければならない。∵①逮捕が違法なら釈放されてしかるべきで,逮捕前置主義をみたさない,②刑訴法には逮捕に対する準抗告がないので,勾留請求を却下し逮捕手続の違法性を司法的に明確化必要。/#逮捕被疑事実と勾留被疑事実とは同一でなければならない
[寺崎『刑事訴訟法』3版176頁-177頁(判時629-103)参照]

☆逮捕の違法がその後の勾留に影響するか
刑訴法問題11/ 緑・刑訴法入門8講(1)参照:司法巡査K1は,逮捕令状でAを逮捕したが,その際,逮捕状呈示(201条1項)を失念。Aの身体を受け取った司法警察員K2は,被疑事実の要旨・弁護人選任権を告知して弁解聴取した上で,検察官送致,検察官は勾留請求。#裁判官が勾留質問で令状呈示の瑕疵を知った場合_勾留状発付すべきか?
[緑大輔『刑事訴訟法入門』〔8講〕事例(1)参照]

☆逮捕の違法がその後の勾留に影響するか
刑訴法12/ 緑・刑訴法入門5講(2):司法巡査K3は現行犯逮捕の要件たる犯人・犯行の明白性を欠き,犯行時刻からかなり時間が経っていたにもかかわらず(212条1項),これを糊塗しBを窃盗で現行犯逮捕。検察官は逮捕段階の違法に気づかず勾留請求。裁判官が勾留質問で現行犯逮捕の違法に気づいた場合,勾留状発付すべきか?
[緑大輔『刑事訴訟法入門』〔8講〕事例(2)参照]

〇逮捕の違法と拘留請求
刑訴法判例16/ 東京地決昭44・11・5参照:刑訴法は,#勾留請求につき逮捕前置主義を採用し_違法逮捕に対する司法的抑制を期待するのだから,違法な逮捕手続に引き続く勾留請求は,仮に将来同一事実に基づく再度の逮捕や勾留請求が予想されても,#その時点において逮捕手続の違法を司法的に明確にすると意味で,却下すべき。
[緑大輔『刑事訴訟法入門』98頁(判時629-103)参照]

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