140字法律学

法律書等を読んで,理解し覚えられるように140字以内にまとめています。https://twitter.com/right_droit

2018年10月分(1日~31日)ツイート:138,問題(憲法9;民訴法12;刑法7,刑訴法17);判例(憲法23,行政法2;民法2,民訴法10,要件事実1,倒産法1;刑法23;刑訴法20);その他(憲法4;民訴法2;刑訴法4)

27日~31日:17, Read:

18日~26日:19, Read:

16日,17日:21,Read:

11日~15日:22,Read:

7日~10日:21,Read:

4日~6日:17,Read:

1日~3日:21,Read:   

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2018年10月(27日~31日)分ツイート:17,問題(憲法4;民訴法2);判例(憲法8;民訴法1);その他(憲法2)
2018年10月30日(問題2,判例4)

憲法判例23/ 最判平7・3・7参照:公共施設の種類・規模・構造・設備等から不相当でないにも関わらず許否し得るのは,利用競合の場合,他の基本的人権侵害,公共の福祉が損なわれる危険ある場合に限る。制限が必要・合理的かは,集会の自由の重要性,他の基本的人権の侵害発生の危険性の程度等を較量し,厳格な基準による。
[小山『「憲法上の権利」の作法』新版21頁-22頁(民集49-3-687,泉佐野市民会館事件)参照]

憲法判例22/ 最大判平14・9・11参照:国・公共団体への損害賠償請求権(憲法17条)は,法律による具体化予定。公務員の行為は権力~非権力的なものまで及び,国民へのかかわり方も種々多様⇒国・公共団体が公務員の行為による不法行為責任を原則負い,その要件を立法府の政策判断にゆだねた。#法律への白紙委任ではない。
[[木村『憲法の急所』2版387頁(民集56-7-1439,郵便法違憲判決)参照]

憲法判例21/ 最大判平22・1・20参照:信教の自由保障確保という制度の根本目的との関係で相当限度を超えるかは,#当該宗教的施設の性格_無償貸与の経緯_態様_一般人の評価等_諸般の事情を考慮し_社会通念に照らし総合的に判断。本件利用提供行為は,特定宗教への,市の特別の便益提供,援助と評価されてもやむを得ない。
[小山『「憲法上の権利」の作法』新版149頁(民集64-1-1,空知太神社事件判決)参照]

憲法判例20/ 最大判昭50・4・30参照:薬事法6条1項各号:薬局の構造設備,薬剤師数等につき,許可条件,2項:設置場所の適正配置,4項:条例への具体的内容の委任を規定。1項は,不良薬品供給防止目的に直結,必要性と合理性あり。2項の前提たる,#競争激化_経営不安定_法規違反の因果関係には_確実な根拠に基づく合理性なし。
[木村『憲法の急所』2版284頁(民集29-4-572,薬事法違憲判決,薬局距離制限事件)参照。
 石川健治先生(「30年越しの問い」法学教室332号2008年参照)は,薬事法違憲判決の背景に,ドイツ流の段階理論(Stufentheorie)があるとされる。段階理論とは,①職業活動の規制(事後規制)と,職業選択の規制(事前規制,参入規制)とで段差をつけ,さらに,後者について,②自らの努力で克服できる主観的条件による規制と,③そうでない客観的条件による規制とを段階づける。克服不能の客観的条件で職業選択を封じられること(競争制限的規制)は,その人の人格的価値にとって最も大きなダメージなる。したがって,①<②<③の順で違憲審査基準が厳しくなる,というものである。③においては,実際に必要性・合理性が立証できたときに限り合憲とされる(違憲の推定を置き,実質的関連性を要求する基準)(木村・同書283頁-284頁参照)。
 芦部『憲法』5版220頁の規制の態様にをも考えあわせて,厳格に合理性を審査する基準と同じだと思う。]

憲法問題9/ 憲法R22①旧参照:A県は,駅周辺を中心に簡易設備(洗髪設備なし)で安価・迅速に散髪できる理容所が多く開設されたため,既存の理容所利用者が激減したという事情を背景に,洗髪が必要な場合等のため,および,一層の衛生確保,公衆衛生向上目的で,理容師法12条4号に基づき,洗髪設備設置を義務付ける条例制定。
[平成22年度旧司法試験第二次試験論文式試験問題参照。A県条例に含まれる憲法上の問題について論ぜよ(法律と条例の関係については論じる必要はない),という問題であるが,簡易設備のみを備えた理容業者の財産的損害についの記述がないので,財産権(憲法29条)ではなく,営業の自由(憲法22条1項に含まれる)を検討しなさい,ということなんだろうなー?]

憲法問題8/ 憲法R18①旧参照:国会は,午後6時~11時の時間帯の広告放送時間拡大が,多様で質の高い放送番組への視聴者のアクセスを阻害する効果を及ぼしているとの理由で,#この時間帯の広告放送を1時間ごと5分以内に制限,違反した放送事業者の放送免許を取り消す旨の法律制定。この結果,1社平均数十億円減収見込み。
[平成18年度旧司法試験第二次試験論文式試験問題参照。メインは財産権侵害? 営利的言論の自由については,短く数行書けばいいか?]

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2018年10月分(27日~29日)ツイート:11,判例(憲法4;民訴法1);問題(憲法2;民訴法2);その他(憲法2)

2018年10月29日(判例1)
憲法判例19/ 最判平8・3・8参照:信仰に基づき,剣道実技を拒否し退学処分を受けた市立専門学校生について,#剣道実技は必修とまではいい難く_他体育種目の代替的方法も性質上可能で他宗教者等に圧迫_干渉を加える効果ありともいえない,信仰の核心に密接関連する真摯なもの,不利益は極めて大,裁量権の範囲を超え違法。
[芦部『憲法』5版154頁-155頁(民集50-3-469)参照。代替措置が,「その目的において宗教的意義を有し,特定の宗教を援助,助長,促進する効果を有するものということはできず,他の宗教者又は無宗教者に圧迫,干渉を加える効果があるともいえない」。「当事者の説明する宗教上の信条と履修許否との合理的関連性が認められるかを確認する程度の調査」は,「公教育の宗教的中立性に反するとはいえない」(同書155頁)。
 木村『憲法の急所』2版143頁,剣道実技許否事件の原告が求めているものは,高専在学資格の付与つまり国家の給付であるため,信教の自由に対する制約は認められない。本件は,剣道実技の理由を義務付け強制する措置の当否を直接問題とするものではない。そこで,給付の許否・撤回の違法性を自由権に依拠して主張するロジックが必要となる。それが,ベースライン論(泉佐野市市民会館事件参照,パブリックフォーラム論?)と,自由権の間接的制約の解釈方法(オウム真理教解散命令事件,図書館蔵書廃棄事件(船橋市立図書館事件),君が代不起立訴訟)であり,剣道実技許否事件は,後者と同種のものとされる(143頁~146頁)。
 小山「『憲法上の権利』の作法」新版〔658~664〕197頁~200頁は,パブリックフォーラムないし公的な場という記述が,船橋市立図書館事件の説明で用いられているが,木村先生は,少し穏当な自由権の間接的制約の解釈方法として,区別しておられるということだろうか?
 ここらあたりは,まだ強い理論とは言えないんでしょう?]


2018年10月28日(問題3,判例2;その他1)
憲法85/ 751/ 公立図書館は住民に図書館資料を提供するための公的な場で,#閲覧に供された図書の著作者にとり_思想_意見等を公衆に伝達する公的な場。∴職員が閲覧に供されている図書を思想信条等を理由に不公正廃棄することは,著作者の思想,意見等を公衆に伝達する利益(法的保護に値する人格的利益)を不当に損なう。
[最判平17・7・14民集59-6-1569(船橋市立図書館事件判決,小山「『憲法上の権利』の作法」新版2011年尚学社〔664〕200頁)参照。憲法上の根拠として,思想の自由,表現の自由にかんがみると,法的保護に値する人格的利益である旨判示。]

憲法判例18/ 最判平17・7・14参照:公の施設(地自法244条)たる公立図書館の,資料収集・提供等についての,住民の学習活動等の適切な援助などの役割・機能に照らせば,#住民に対し思想_意見その他情報を含む資料を提供し教養を高める等の目的の公的な場であり,図書館長は,公正に資料を取り扱うべき職務上の義務を負う。
[小山「『憲法上の権利』の作法」新版2011年尚学社〔662,663〕199頁(民集59-6-1569,船橋市立図書館事件)参照。公的な施設(地自法244条)であること,および,思想・意見その他の情報を含む図書館資料を提供することを目的とする公的な場(パブリック・フォーラム論)であることから,図書館長は,公正に図書館資料を取り扱うべき職務上の義務を負うとするので,図書館長には,図書館資料の収集・提供について,フリーハンドの広い裁量が認められる訳ではないということだろう(同書197頁参照)。]

憲法問題7/ 小山・作法新版〔658〕参照:例6)FはY市市民だが,図書館長は特に必要と認めた資料につき利用方法を制限できる旨のY市図書館運営規則に基づき,希望の雑誌の閲覧ができなかった。例7)G執筆の『新しい憲法の教科書』は,Y市図書館で閲読用に購入・配架されたが,職員Zが,同図書館の除籍基準に反し,独断廃棄。
[小山「『憲法上の権利』の作法」新版2011年尚学社〔658〕197頁参照]

民訴法問題13/ 伊藤塾試験対策民訴法20問参照:Xは,自車で交差点を直進しようとしたところ,右折してきたY車に追突され,自動車大破。(1)Xは,Yの前方不注視,対向車確認懈怠を主張。Yは,口頭弁論期日に,前方不注視の事実を認めたが,後日撤回。許されるか? (2)Xは,Yの過失を主張。期日にYは認めたが,後日撤回。許されるか?
[『伊藤塾試験対策問題集 論文5 民事訴訟法』〔第20問〕151頁参照]

民訴法問題12/ LawPractice民訴法初版〔基本20〕参照:Xの夫Aは,民間機搭乗中,自衛隊機と接触し墜落し死亡。国(Y)に対し国賠訴訟提起したXは,事故状況を詳細に指摘し,自衛隊パイロットに民間飛行ルートに侵入しないよう訓練する注意義務を怠った過失ありと主張。国は,包括的一般的過失自白。証拠調べなく過失認定可?
[山本和彦ほか『Law Practice 民事訴訟法』初版〔基本問題20〕154頁参照。過失を基礎づける事実についての自白(同書157頁)]

民訴法判例12/ #権利自白の裁判所拘束力・当事者拘束力は原則否定(最判昭30・7・5参照)。∵法律判断は裁判所の専権事項。相手方の証明不要効(民訴法179条)は残るが,権利自白した当事者は自由に撤回可。例外:日常的な法律概念(所有権,売買など)には拘束力あり(最判昭37・2・13参照)。∵背後にある事実の自白といえる。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック民事系』6版494頁-495頁(順に,民集9-9-985,判時292-18)参照]


2018年10月27日(問題1;判例2;その他1)
憲法判例17/ 市立図書館司書が,規則に反し独断で図書館蔵書を廃棄した事件(最判平17・7・14参照):#公立図書館は住民に思想・意見等の情報を提供する公的な場で(指定的パブリック・フォーラム?),著作者の思想・信条を理由とする不公正な取扱いにより既に閲覧された著作物を廃棄することは,#著作者の人格的利益侵害。
[安西ほか『憲法学読本』2011年有斐閣155頁(民集59-6-1569)参照。パブリックフォーラム論が給付の場面一般に機能的に応用しうるという手掛かりになる判例のようである。表現の自由一般(憲法21条1項)のベースラインとして,受け手へのアクセスの機会の付与も含むと考えられるが,その侵害は表現者の人格的利益の侵害なる,ということだろう。表現の自由を支える価値は,自己実現の価値と自己統治の価値であり,そもそもそれが人格的価値だからと言えそう。]

憲法84/ 750/ アメリ判例法理におけるパブリック・フォーラム論は,伝統的なそれ(街路・補導・公園等),指定的なそれ(公会堂・公立劇場等),非パブリック・フォーラムの3種に区別。そして,#集会の自由という自由権の射程を_パブリック・フォーラムの利用に拡張し_その利用の許否を集会の自由に対する制限として構成。
[小山『「憲法上の権利」の作法』新版2011年尚学社195頁〔656〕参照。
 アメリカの判例法理におけるパブリック・フォーラム論は文字通り,公的な財産に属する集会の場に関する法理であるが,伊藤正己裁判官のパブリック・フォーラム論は,その法理を,表現の場として機能する私的財産にも及ぼし,可能な限り,そのような私的施設等においても,表現の自由に配慮する必要がある,とされたもののようである(曽我部ほか『憲法論点教室』2012年日本評論社124頁参照)。
 さらに,パブリック・フォーラム論は,自由権たる集会の自由のベースラインを,公的施設を集会のために自由に利用させることに,引き上げるものという議論もある(木村草太『憲法の急所』2版144頁-145頁参照)。
 一昨日,財産権規制に関して学んだベースライン論(当該社会の制度イメージに立脚した法律家集団の共通了解としての標準的な制度形態のことで,そこから乖離する場合は必要性と合理性が求められる,ということ。安西ほか『憲法学読本』2011年有斐閣183頁参照)とつながっているのが興味深い。]

憲法判例16/ 最判昭59・12・18補足意見参照:道路,公園,広場など一般公衆が自由に出入りできる場所は,それぞれ本来の利用目的を備えているが,同時に,#表現のための場として機能するパブリック・フォーラムたり得,所有権や管理権に基づく制約を受けるとしても,その機能にかんがみ,表現の自由保障に可能な限り配慮用。
[曽我部ほか『憲法論点教室』2012年日本評論社124頁(刑集38-12-3026,伊藤正己裁判官補足意見)参照。私鉄の駅構内でのビラ配布や演説が問題となった事件]

憲法問題6/ 憲法R28予備参照:A市は,少子化対策条例に基づく結婚支援事業NPO法人等への助成効果を上げるため,成婚数増加を重視し補助金交付要綱改正。助成申請者に,法律婚を積極的に推進する旨の誓約書提出義務付け。#法律・事実婚区別せず支援していたNPO法人Xの消極的表現の自由侵害_結社としての活動の自由侵害?
[平成28年度司法予備試験 憲法問題,出題趣旨参照]

/ ドイツ語勉強したい。全然わかりません。😅
グーテンターク、グーテンモルゲン、ダンケだとか、動詞が2つに分かれるみたいなことしか知りません。
刑法関係はドイツ語や、ドイツ法の理論勉強しないと、学者の議論にはついていけないんでしょうねー?
だけど、手を広げすぎる訳にも行かないなー。

// 企業法bot @izurubot_kigyo
株主総会決議取消の訴え』 遡及効
/ 返信先: @izurubot_kigyoさん
会社法834条17号を除外している839条の反対解釈。👍
シンプルなツイート、結構勉強になる。
論文試験では、かっこ内にこういう風に書いていいのかなー?
それとも、「(839条反対解釈)」だけでいいのかな?
いずれにせよ、条文確認、復習になりました。ありがとうございました。
17:48 - 2018年10月27日
https://twitter.com/right_droit/status/1056105342830968832

// 直系尊属代襲相続なし
/代襲相続は、直系卑属(民法887条2項,3項,再代襲)および兄弟姉妹(889条2項)についてしか認められていない、ということですかね?
わかりにくですね。条文確認の勉強になりました。ありがとうございました。🙂
17:25 - 2018年10月27日
https://twitter.com/right_droit/status/1056099588770131968

/ 会社法31条3項。
勉強が足りていませんでした。😅
株式会社の定款って、誰でも見ることができるわけではなく、発起人、株主、債権者、親会社社員に限られるのかー(同条1項2項3項)。
登記は、誰でも手数料を支払って書面交付受けられるけど、定款は、閲覧等請求権者が限られていたのか。知らなかったー

/ 返信頂いてさらっと読まさせて頂いたんですが,すぐには理解できず,返信遅くなりすみません。
(話は全然変わりますが,今までいいねマークはブックマーク(しおり)のために使っていたのですが,他のアカウント@right_droit3 でそれをして,ここでは興味のあるツイートにどんどんいいねして行こうと思います)
https://twitter.com/right_droit/status/1056078115997249536

 

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2018年10月分(1日~26日)ツイート:120,判例(憲法15,行政法2;民法2,民訴法9,要件事実1,倒産法1;刑法23;刑訴法20);問題(憲法5;民訴法10;刑法7,刑訴法17);その他(憲法2;民訴法2;刑訴法4)
2018年10月18日~26日ツイート:19,判例(憲法5;民法2;刑訴法3);問題(憲法4;刑訴法1);その他(憲法2;刑訴法2)

2018年10月25日(判例6;その他1)
民法判例17,18/ Aの土地をBが善意無過失で10年間占有:①BがAに時効取得するのに登記は不要。#原始取得だが_あたかもAB間譲渡があったかのように扱われ,対抗関係とはならない(大判大7・3・2)。②時効完成前のAからの譲受人Cとの関係でも,同様に登記不要(最判昭41・11・22)。③時効完成後のAからの譲受人Dとは対抗関係。
[内田『民法Ⅰ』4版451頁-452頁(①大判大7・3・2民録24-423,②最判昭41・11・22民集20-9-1901,最判昭46・11・5,③大連判大14・7・8民集4-412,最判昭33・8・28民集12-12-1936)参照。参考:③最判平18・1・17民集60-1-27]

/ Aの土地をBが善意無過失で10年間占有:①ABは対抗関係でない,②時効完成前のAからの譲受人とも同様。③時効完成後のAからの譲受人Dとは対抗関係(大連判大14・7・8)。④Bが現時点から10年逆算し占有開始時期ずらし時効取得主張,不可(最判昭35・7・27)。⑤D登記後時効期間占有⇒主張可(最判昭36・7・20)。
[内田『民法Ⅰ』4版452頁(③大連判大14・7・8民集4-412,最判昭33・8・28民集12-12-1936,④最判昭35・7・27民集14-10-1871,⑤最判昭36・7・20民集15-7-1903)参照。参考:③最判平18・1・17民集60-1-27]

憲法83/ 749/ 法制度保障:#伝統的な私法上の法制度を立法による改変から憲法で保障。単独所有の憲法上の保障は_ローマ法的所有権(一物一権主義)の,憲法制定権力による政治的決断。ベースライン:#当該社会の制度イメージに立脚した法律家集団の共通了解としての標準的制度形態。そこからの乖離には必要性と合理性要。
[安西ほか『憲法学読本』2011年有斐閣183頁参照。
1. 参考:ベースライン論は,長谷部教授の憲法学の1つの特質を濃厚に反映しているとのことで(曽我部ほか『憲法論点教室』2012年135頁),アメリ憲法学に由来し(小山『「憲法上の権利」の作法』新版2011年202頁〔668〕),制度後退排除権,防御権の基礎となるようである(木村『憲法の急所』2版2017年30頁)。
 事後法による財産権の内容変更(最大判昭53・7・12)の議論や現状保障の問題(曽我部ほか同書132頁)が,生存権の制度後退禁止原則の議論につながってるんだなー。
2.また,証券取引法判決(最大判平14・2・13)が,森林法違憲判決(最大判昭62・4・22)と異なり,立法裁量に言及しておらず,判断代置型(判断代置方式,判断代置的審査)であるようで(安西ほか『憲法学読本』2011年182頁),行政法の裁量行為の司法的統制で書かれていることで(『LEGAL QUEST行政法』3版34頁,110頁参照),いろいろな勉強,大変だなー。]

憲法判例16/ 最大判昭53・7・12参照:法律でいったん定められた財産権の内容を事後法で変更しても,#公共の福祉に適合するようにされたものの限り,違憲の立法でない。公共の福祉に適合するようにされたかは,#財産権の性質_内容変更の程度_変更で保護される公益の性質を総合的に勘案し,合理的制約として容認可か判断。
[小山『「憲法上の権利」の作法』新版2011年尚学社154頁〔566〕(民集32-5-946,国有地農地売払特措法事件)参照]

憲法判例15/ 最判平23・9・22等参照:憲法84条は,課税関係に法的安定性が保たれるべき趣旨含む。法律で一旦定められた財産権の内容が事後法により変更される場合に関する最大判昭53・7・12を先例とし,財産権の性質,内容変更の程度,変更で保護される公益の性質など総合的に勘案し,合理的制約として容認されるか判断。
[曽我部ほか『憲法論点教室』2012年日本評論社132頁(最判平23・9・22民集65-6-2756,最判平23・9・30判時2132-39,最大判昭53・7・12民集32-5-946)参照]

憲法判例14/ 最大判平14・2・13参照:①財産権の内在的制約のほか,②財産権の種類,性質等多種多様,#規制目的も_社会・経済政策に基づく~社会生活の安全保障や秩序維持等を図るものまで多岐,種々の態様の財産権規制ありうる。#規制目的_必要性_内容_制限される財産権の種類_性質_侵害程度等を比較考量し合憲性判断
[曽我部ほか『憲法論点教室』2012年日本評論社130頁(民集56-2-331,証券取引法判決)参照。
 財産権規制については,「社会公共の便宜の促進,経済的弱者の保護等の社会政策及び経済政策に基づくもの」(=積極目的)から,「社会生活における安全の保障や秩序維持等を図るもの」(=消極目的)まで多岐にわかれるし,種々の態様の規制があり得るとする。
 積極目的規制(積極的・政策的規制)だから,立法府の広い裁量を認め,合理性の有無をゆるやかに審査するなどの,規制目的二分論だけに依拠するのではなく,規制態様を考えあわせる必要がある(芦部『憲法』5版218頁,220頁参照)ということだろう。
 積極目的あるいは消極目的だから,ゆるやかにあるいは厳格に審査すべきというのも,合憲性審査におけるいくつかの判断手法の一つとして考慮することまで否定したものではないだろう。]

憲法判例13/ 最大判昭62・4・22参照:財産権の種類,性質等は多種多様,規制目的も積極的~消極的なものまで多岐で,財産権規制は種々様々でありうるので,その合憲性は規制目的,必要性,内容,制限される財産権の種類,性質,制限程度等を比較考量すべき。本件では,手段が目的との関係で,合理性と必要性肯定不可は明らか 。
[安西ほか『憲法学読本』2011年有斐閣182頁(民集41-3-408,森林法違憲判決),長谷部『憲法』5版234頁,参照。
 芦部『憲法』5版等も読んだが,わかりにくい。職業選択の自由権規制についての規制目的二分論の枠内で考える理解,経済的自由権は射程外であるとする理解などあるようである。
 理屈・理論はよくわからないが,事実認定としては,森林法旧186条の立法目的は積極目的のように判断し,判断基準として明白の原則が文言上は採用されているが,実質的な中身としては,立法府の広い裁量を認め,合理性の有無をゆるやかに判断するのではなく,厳格に審査し,違憲とされている。
 ということは,積極目的⇒明白の原則(文言上このように読めるが)⇒✖立法府の広い裁量を認め,ゆるやかに判断する,という法的判断枠組みではない,ということだろうか?
 どういう法的判断枠組みを定立すべきか,まだ,勉強が足りません(^^;)。]


2018年10月23日(論述1;問題3)
憲法82/ 748/ 外国移住の自由(憲法22条2項)は,外国が入国を認めることを前提に,外国移住を公権力により禁止されないこと。「移住」には,#永続的なものと_一時的旅行としての海外旅行の自由含む。その用語例から不自然だが,①移動先が国外の点で共通するし,②2項も,公共の福祉による内在的制約に服し不都合ないので。
[森『SUPER論文の基礎・憲法Ⅰ』8版2005年159頁(佐藤幸治憲法』486頁)参照]

憲法問題5/ 憲法R29予備参照:A県特産農産物Xのブランド価値維持のための本件条例:①最大許容生産量を超えると,知事が,全ての生産者に全生産量超過分割合で廃棄命令。②廃棄代執行可。③損失補償なし。甲:#特別の栽培法開発_天候に左右されず一定量生産。20XX年全生産量1.5倍のため,甲分も3分の1割合で代執行廃棄。
[平成29年度司法試験予備試験 憲法問題,出題趣旨参照。財産権保障(憲法29条,森林法違憲判決,証券取引法判決),損失補償請求権(同条3項,河川附近制限事件)]

憲法問題3,4/ 憲法R29①Q1参照:外国人非熟練労働者に適用される架空の特労法に基づき強制出国させられたA国籍妊婦Bは,同法に基づき日本に滞在する,お腹の子どもの父親で同国籍のCを通じ,弁護士甲に委任して国家賠償請求訴訟提起。憲法上の主張如何? 女性の自己決定権,#外国人の人権享有主体性,人身の自由,適正手続。

/ 憲法R29①Q2参照:外国人非熟練労働者対象の架空の特労法に基づき強制出国させられたA国籍の妊娠中の女性Bが,弁護士甲に委任し国家賠償請求訴訟で主張した憲法上の主張と,#国の反論を想定しつつ_憲法上の問題点について_あなた自身の見解を述べなさい。自己決定権,人権享有主体性,人身の自由,適正手続。
[平成29年度司法試験 公法系第1問(憲法)問題,出題趣旨,採点実感参照]

2018年10月20日(判例2)
/ 公的な仕事の競争入札制度が有名無実のように思いますね。#昭和45年の八幡製鉄事件の最判が行きすぎで、与党は,企業献金をあてにして,既存企業優遇政策しかしない。それで社会の変化,時代の流れ,世界の趨勢に後れをとる。省庁・官僚も忖度する。果ては,国会で偽証。文部省はましな方だと思いますが。😩
https://twitter.com/right_droit/status/1053580944513220608

/ 大学3年ぐらいからだらけて,これじゃ,高校3年間の方がよっぽど勉強したって思った時期が,私にありました(笑)。
置かれた状況は私とは違うでしょうが,例えば,朝からツイキャス判例読み配信するとかの方法も考えられます。何回か別垢で試みたんだですが,続いていません。😅
何か妙案ありませんかねー?
https://twitter.com/right_droit/status/1053577737816879105

刑訴法判例20/ 最決平10・5・1参照:令状により差し押さえようとするパソコン,フロッピーディスク等の中に被疑事実に関する情報が記録されている蓋然性が認められる場合に,#そのような情報が実際に記録されているかをその場で確認していたのでは記録された情報が損壊される危険があるときは,内容を確認せず,差押え可。
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版92頁(刑集52-4-275)参照]

刑訴法判例19/ 東京高判平6・5・11参照:場所に対する捜索差押許可状の効力は,当該場所に現在する者が差し押さえるべき物を着衣・身体に隠匿所持していると疑うに足りる相当な理由があり,差押を有効に実現するためはにその者の着衣・身体を捜索する必要がある具体的な状況の下においては,その者の着衣・身体にも及ぶ。
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版90頁(判タ861-299)参照]


2018年10月19日(論述1;判例1;問題1)
刑訴法判例18/ 最判昭30・12・9参照:強姦致死事件被害者Vの原供述『あの人は好かんわ,いやらしいことばかりする』を内容とする情夫Wの証言につき,Xが同意情交を主張する場合,V同意を否定する情況証拠として,Vの嫌悪感を立証するためなら,精神状態の供述(非伝聞)。#犯行自体の間接事実たる動機の証拠とするなら_伝聞
[上口裕『刑事訴訟法』2版379頁注5(刑集9-13-2699,米子「あの人は好かんわ」事件)参照。参考:古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版232頁]

刑訴法89/ 747/ 証人W証言中,V原供述のうち『Xは嫌いだ』部分は,Xの犯人性が争点なら,関連性なし。行為主体性確定後,合意情交か強姦かが争点なら,V強姦致死罪立証に関連性あり,かつ非伝聞(#精神状態の供述)。『いやらしいことばかりする』部分は,#強姦動機を推認させる間接事実として内容真実性が問題となる伝聞証拠
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版232頁〔22〕(最判昭30・12・9刑集9-13-2699,米子「あの人好かんわ」事件)参照]

刑訴法問題17/ 古江事例演習刑訴法初版〔22〕参照:Xは,Vに対する強姦致死罪で起訴され,犯人性を否認したところ,証人Wは,検察官からの主尋問に対し,「Vから,生前,『Xは嫌いだ。いやらしいことばかりするから』と打ち明けられた」旨証言。弁護人は,伝聞排除されるべき旨の異議を直ちに申し立てた。異議は容認されるか。
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』〔22〕参照]


2018年10月18日(論述1;判例1)
ニュース/ ①#手続保障:本件ツイートで原告の方が傷ついた(攻撃防御)→国民の感情(決定)。②事実認定(3:30-5:22):本件ツイッターを読んだ人はどう感じるか:原告すら言っていない,「原告が訴訟を起こしたこと自体がけしからん」と言ってるように,感じる旨,確たる証拠もないまま事実認定。
https://youtu.be/Maq-1Grk_LY?t=58

刑訴法88/ 746/ #供述証拠の内容は_ある要証事実を知覚_記憶_叙述することにより証拠となり_内容の真実性を立証するために用いられる。不正確な知識(見間違え,聞き間違え),記憶の喪失・混乱・入替え,故意・過失等による記憶と叙述の不一致などが生じるおそれあり。そこで,#伝聞証拠中_原供述者の供述の正確性_吟味要
[緑大輔『刑事訴訟法入門』267頁参照]

憲法判例12/ 最大判平23・3・23参照:衆議院議員選挙を中選挙区制から小選挙区比例代表制にする選挙制度改革にあたり,小選挙区について各都道府県に一議席を配分し,残りの議席を人口比例で都道府県意配分する一人別枠方式は,最大格差が1対2.30まで拡大した2009(平21)年選挙において,#合理性はもはや失われ違憲状態
[安西ほか『憲法学読本』2011年有斐閣204頁-205頁(判時2108-3),1人別枠方式とは - 新語時事用語辞典 Weblio辞書(https://www.weblio.jp/content/1%E4%BA%BA%E5%88%A5%E6%9E%A0%E6%96%B9%E5%BC%8F),参照]

 

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2018年10月分(1日~17日)ツイート:102,論述(民訴法2;刑訴法2);判例(憲法10,行政法2;民訴法9,要件事実1,倒産法1;刑法23;刑訴法17);問題(憲法2;民訴法10;刑法7,刑訴法16)

2018年10月16日,17日ツイート:21,判例(刑訴法10);問題(刑訴11)

2018年10月17日(判例2;問題9)
刑訴法問題16/ 刑訴法R29②Q2-2参照:甲らは,被疑事実を認め,Tの覚せい剤密売関与につき,甲は一時否定,その後認め,乙は一貫否定。丁は覚せい剤取締法違反(営利目的共同所持)でH裁判所に公判請求され,第2回公判期日の甲証言の証明力を争うため別機会の甲供述が取り調べられた場合,甲証言の証明力の回復証拠取調べ,許容?
[平成29年度司法試験 刑訴法問題設問2小問2参照。回復証拠]

刑訴法判例17/ 最判平18・11・7参照:刑訴法328条は,公判期日等の被告人,証人などの供述が,別機会のその者の供述と矛盾する場合,矛盾供述したこと自体の立証を許すことで,公判期日等のその者の供述の信用性減殺を図ることを許容する趣旨。⇒同人の供述書,供述録取書等,厳格な要件をみたす証拠に表れている部分に限る。
[司法協会『刑事訴訟法講義案』4訂版335頁[206](刑集60-9-561)参照]

刑訴法問題15/ 刑訴法R29②Q2-1参照:甲らは,取調べで被疑事実を認めたが,Tの覚せい剤密売関与否定。甲はその後,T関与を認め,乙は一貫し否定。丁は覚せい剤取締法違反(営利目的共同所持)で逮捕され,検察官送致,勾留後,H裁判所に公判請求された。第2回公判期日の甲証言の証明力を争うため取調べ請求された各証拠の適否?
[平成29年度司法試験 刑訴法論文問題設問2小問1参照。参考:最判平18・11・7刑集60-9-561]

刑訴法問題14/ 古江・事例演習〔4〕(2)参照:司法警察員Kは,深夜2時ころコンビニエンスストアA店で強盗事件発生のため店員Vに事情聴取。事件の約2時間後,店舗から約8kmの路上で犯人の人相風体に似たXを発見,質問。X否認。Xを現行犯逮捕,検察官送致。検察官は逮捕手続が違法なので釈放。同一被疑事実でXを逮捕できるか?
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版〔4〕小問(2)参照]

刑訴法問題13/ 古江・事例演習〔4〕(1)参照:司法警察員Kは,深夜2時ころコンビニエンスストアA店で強盗事件発生のため,店員Vに事情聴取。付近を探索。事件の約2時間後,店舗から約8km離れた路上で犯人の人相風体に似たXを発見,質問したが,Xは否認。Xを現行犯逮捕,検察官送致,勾留請求。裁判官はいかなる裁判をすべきか?
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版〔4〕小問(1)参照]

刑訴法判例16/ 東京地決昭44・11・5参照:刑訴法は,#勾留請求につき逮捕前置主義を採用し_違法逮捕に対する司法的抑制を期待するのだから,違法な逮捕手続に引き続く勾留請求は,仮に将来同一事実に基づく再度の逮捕や勾留請求が予想されても,#その時点において逮捕手続の違法を司法的に明確にすると意味で,却下すべき。
[緑大輔『刑事訴訟法入門』98頁(判時629-103)参照]

刑訴法問題12/ 緑・刑訴法入門5講(2):司法巡査K3は現行犯逮捕の要件たる犯人・犯行の明白性を欠き,犯行時刻からかなり時間が経っていたにもかかわらず(212条1項),これを糊塗しBを窃盗で現行犯逮捕。検察官は逮捕段階の違法に気づかず勾留請求。裁判官が勾留質問で現行犯逮捕の違法に気づいた場合,勾留状発付すべきか?
[緑大輔『刑事訴訟法入門』〔8講〕事例(2)参照]

刑訴法問題11/ 緑・刑訴法入門8講(1)参照:司法巡査K1は,逮捕令状でAを逮捕したが,その際,逮捕状呈示(201条1項)を失念。Aの身体を受け取った司法警察員K2は,被疑事実の要旨・弁護人選任権を告知して弁解聴取した上で,検察官送致,検察官は勾留請求。#裁判官が勾留質問で令状呈示の瑕疵を知った場合_勾留状発付すべきか?
[緑大輔『刑事訴訟法入門』〔8講〕事例(1)参照]

刑訴法問題10/ 刑訴法R29②Q1参照:覚せい剤取締法違反(所持)の逮捕者の供述から,司法警察員Pは,甲の,自宅Kマンション付近での,覚せい剤密売を疑い,捜索差押許可状で,甲方捜索。居合わせた丙がそわそわしながらトイレに行く前に,ポケットの中身を見せるの拒んだため,③ポケットに手を差し入れ,5枚の紙片を取り出した。
[平成29年度司法試験 刑訴法論文問題 設問1③参照]

刑法問題9/ 刑訴法R29②Q1参照:覚せい剤取締法違反(所持)で逮捕した複数の者の供述から,司法警察員Pは,甲が内妻乙と居住する自宅Kマンション付近での,覚せい剤密売を疑い,捜索差押許可状で,甲方捜索。捜索中,乙がハンドバックを持ったまま玄関に行こうとし,見せるのを許否したため,②#それを取り上げ_中身を捜索
[平成29年度司法試験 刑訴法論文問題 設問1②参照]

刑訴法問題8/ 刑訴法R29②Q1参照:覚せい剤取締法違反(所持)で逮捕したAなど複数の者の供述から,司法警察員Pは,甲が内妻と居住する自宅Kマンションを拠点に覚せい剤を密売している疑いを強め,甲方捜索差押許可状の発付を得た。甲がドアチェーンを掛けたままドアを開けたので,①ベランダ窓ガラスを割り,甲方に入った。
[平成29年度司法試験 刑訴法論文問題 設問1①参照。参考:同採点実感。
https://youtu.be/WrH-pyjXJrQ?t=6301
1.甲方に立ち入った措置の適法性(222条1項・111条1項「必要な処分」):①捜索差押えの実効性を確保するために必要であること(必要性),②社会通念上相当な態様であること(相当性)。
 ①実刑判決を受ける可能性が高く,証拠隠滅の動機があり,捜索対象物件の破棄隠匿のおそれがある。ドアチェーンを掛けるという予測される被捜索者の対応。密航性の高い薬物事犯で,譲渡の有罪立証に不可欠の証拠。洗面所に流したりするなどごく短時間で容易に覚せい剤事態を隠滅できる。薬物事犯の特殊性=差押え物件の重要性,証拠隠滅の容易性。
 他方,②ガラス窓は取り外し可能な動産で,建物自体を壊したという訳ではないし,ガラス窓自体の財産的価値は高価であるとはいえない。さらに,居室にいた甲らの身体に対し特段,有形力の行使をするものではない。被侵害利益の内容,侵害の程度。とりわけ,財産的損害の内容を分析。
⇒窓ガラスを割り,甲方に立ち入った措置は許容される。
2.令状の呈示時期:]


2018年10月16日(判例8;問題2)
刑訴法問題7/ 緑・刑訴法入門55頁参照:警察官KはAに対し殺人罪の嫌疑を抱き,取調べのため警察署に出頭を求め,取調べで嫌疑を深めたKは,さらに取り調べるためAを旅館に3泊させ,警察署で取り調べた。Aは宿泊希望の旨の答申書提出。常時警察官が交代でホテル周辺に張り込み,A動静を監視。任意処分として適法な取調べか?
[緑大輔『刑事訴訟法入門』55頁事案(最決昭59・2・29刑集38-3-479,高輪グリーンマンション事件を簡略化したもの)参照]

刑訴法問題6/ 緑・刑訴法入門5講参照:(1)公道デモ行進中のAらが,監視中の警察官らと小競り合いを始めたため,警察官Kは様子をビデオカメラ撮影。(2)銀行ATMで撮られた振り込め詐欺犯人の容ぼうとパチンコ店に出入りする被疑者Bの容ぼうを比較し,犯人か判断するため,警察官Kは店長に依頼し,容ぼうを防犯カメラで撮影。
[緑大輔『刑事訴訟法入門』〔5講〕事例参照]

刑訴法判例15/ 被疑者やその妻が公道上のゴミ集積所に不要物として出したゴミ袋を警察官が回収し,その中から証拠物を発見した事案で,最決平20・4・15は,#捜査の必要がある場合は_刑訴法221条により_遺留物として領置可とする。ゴミを捨てた者には,焼却処分等されるという期待があるとはいえ,捜査の必要に優越しない。
[寺崎『刑事訴訟法』3版151頁(刑主62-5-1398)参照。R22②]

刑訴法判例14/ 最判平15・2・14参照:逮捕時逮捕状の呈示なく,その緊急執行もされていない手続的違法あるにとどまらず,#その違法を糊塗するため_内容虚偽の捜査報告書を作成し_公判廷で事実と反する証言をしている等の警察官の態度を総合的に考慮すれば,本件逮捕手続の違法の程度は,令状主義の精神を没却するほど重大!
[司法協会『刑事訴訟法講義案』4訂版389頁(刑集57-2-121)参照。最高裁として初めて証拠能力否定の判断を示したもの。(抜粋要約した判旨の続き)「本件逮捕手続の違法の程度は,令状主義の精神を潜脱し,没却するような重大なもの」。「このような違法な逮捕に密接に関連する証拠を許容することは,将来における違法捜査抑制の見地からも相当でないと認められるから,その証拠能力を否定すべきである。」]

刑訴法判例13/ 最判昭61・4・25参照:採尿手続が違法だと認められる場合も,直ちに尿の鑑定書の証拠能力を否定すべきでなく,#その違法の程度が令状主義を没却するような重大なものであり_右鑑定書の証拠としての許容が_将来における違法な捜査の抑制の見地から相当でないと認められるときに,証拠能力が否定されるべき。
[司法協会『刑事訴訟法講義案』4訂版387頁(刑集40-3-215,最判昭53・9・7刑集32-6-1872)参照。証拠収集手続に違法があるため,証拠物(尿(の鑑定書))の証拠能力が否定される場合。]

刑訴法判例12/ 最判昭30・1・11参照:検察官面前調書に関する(相対的)特信情況(刑訴法321条1項2号後段)の判断資料につき,#必ずしも外部的な特別事情でなくても_供述内容自体で信用性ある情況の存在を推知せしめる事由となる。外部的事情を基準とし副次的にこれを推認する資料として調書の供述内容も考慮可とする趣旨。
[『刑事訴訟法判例百選』10版〔A38〕(刑集9-1-14)参照]

刑訴法判例11/ 最決昭44・4・25刑集248頁参照:証拠調べ段階後,具体的必要性を示し,一定の証拠を閲覧させるよう検察官に命ぜられたい旨,申出がされた場合,事案の性質,審理状況,証拠の種類・内容,時期等,諸般の事情を勘案し,被告人の防御のため特に重要で罪証隠滅等のおそれなく,相当なとき,訴訟指揮権に基づき命令可。
[『刑事訴訟法判例百選』10版〔A27〕(刑集23-4-248)参照。参考:辰巳『趣旨・規範ハンドブック刑事系』5版248頁。
 この決定は,証拠調べ段階後の,訴訟指揮権に基づく証拠開示命令を認めたもののようであるが,平成16年改正により,公判前整理手続・期日間整理手続における証拠開示制度が採用されたため,事実上その役割を終えたともいえる(前掲,刑訴法判例百選10版245頁参照)。]

刑訴法判例10/ 最決平19・12・25参照:公判前整理手続・期日間整理手続における証拠開示制度の趣旨が争点整理と証拠調べを有効・効率的に行うためにある点にかんがみると,刑訴法316条の26第1項の証拠開示命令の対象は,#検察官が現に保管中の証拠に限らず_捜査過程で作成・入手した書面で_入手が容易なものも含まれる。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック刑事系』5版248頁-249頁参照。参考:『刑事訴訟法判例百選』10版125頁(刑集61-9-895)]

刑訴法判例9/ 最決平20・9・30参照:公務員が職務過程で作成するメモのうち,専ら自らが使用するため作成したもので,公開を全く想定していないものは開示命令対象でない。しかし,#警察官としての職務を執行するに際しその職務の執行のために作成した公的性質を有するもので_職務上保管するものなら,開示対象とできる。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック刑事系』5版249頁参照。参考:『刑事訴訟法判例百選』10版〔54〕(刑集62-8-2753)]

刑訴法判例8/ 大阪高判昭60・12・18参照:現行犯逮捕についても逮捕の必要性(逃亡or罪証隠滅のおそれ)が要件となるかにつき,明文規定は存しないが,#現行犯逮捕も人の身体の自由を拘束する強制処分であるから_要件をできる限り厳格に解すべきで_通常逮捕同様(刑訴法199条2項,規則143条の3),逮捕の必要性を要件とする。
[『刑事訴訟法判例百選』10版〔A2〕(判時1201-93)参照。参考:辰巳『趣旨・規範ハンドブック刑事系』5版200頁]

 

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2018年10月分(1日~15日)ツイート:81,論述(民訴法2;刑訴法2);判例(憲法10,行政法2;民訴法9,要件事実1,倒産法1;刑法23;刑訴法7);問題(憲法2;民訴法10;刑法7,刑訴法5))

2018年10月分ツイート(11日~15日):22,論述(刑訴法2);判例(憲法1;倒産法1;刑法7;刑訴法6);問題(刑訴法5)
2018年10月15日(判例2;問題2)

刑訴法判例2/ 最決平14・10・4参照:①捜索差押許可状呈示に先立ちドアをマスターキーで開け入室した措置:捜索差押えの実効性確保のため必要で,社会通念上相当な態様。②110条の呈示は,#手続の公正担保_処分を受ける者の人権に配慮する趣旨⇒執行着手前呈示原則。捜索差押えの実効性確保確保のためやむを得ない範囲。
[『刑事訴訟法判例百選』10版〔A6〕(刑集56-8-507),R29②,20②,参照]

刑訴法問題5/ 古江事例演習初版155頁参照:覚せい剤取締法違反事件で,被告人が使用を否認したため,使用日時,場所,方法に幅のある記載の訴因で起訴したところ,公判で,被告人が使用日時,場所,方法を自白したり,自白せずとも他の証拠からそれらが明確になった場合,訴因の補正(訴因変更)をしなければ,訴因不特定となるか?
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版155頁,156頁参照]

刑訴法問題4/ 刑訴法R29予備Q2-3参照:公訴事実:乙は,甲と共謀の上,平成29年5月21日午後10時頃J町1-2-3路上で,殺意をもって,甲がサバイバルナイフでV胸部を1回突き刺し,左胸刺創の失血死で殺害。争点顕在化:#5月18日,甲方での殺害謀議の存否。乙は,甲と,#5月11日,甲方で,V殺害謀議を遂げた,と認定し有罪判決できるか?
[平成29年度司法予備試験 刑訴法論文問題設問2小問3と出題趣旨 参照。参考:古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版153頁,154頁,争点顕在化の措置(最判昭58・12・13刑集37-10-1581,よど号ハイジャック事件)。
 5月18日に謀議があったか否かが争点とされたが,裁判所は証拠調べの結果,5月11日に謀議があったとの心証を得た場合,5月11日謀議で有罪判決をしたとしても,それは訴因,「罪となるべき事実」には含まれていないので,有罪判決できるであろう(335条1項)。実質的に,「犯罪の証明」(333条1項)がなされていたか否かが問題なだけ?
 裁判官が心証を得たということは,それを得るだけの「犯罪の証明」がなされていたということだろうか?]

倒産法判例8/ 大阪地判平21・1・29参照:Xは,平成17年3月28日,賃料月額1906万余円で平成22年3月27日まで,本件建物をYに賃貸。定期賃貸借契約(借地借家法38条)。Yの中途解約は,残期間分支払った場合のみ可,明渡しまで賃料相当額の倍額賠償義務。平成17年5月9日,Y再生手続開始決定。この賃料相当額・損害金は再生債権。
[『倒産判例百選』5版〔77①〕(判時2037-74)参照。問題点:多額の違約金負担が発生するることがあり,管財人等の解除権行使の制限になりかねない。債権者平等の原則に反しないか。民再法49条1項に基づく適法な解除であり,違法な債務不履行にはあたらず,損害賠償債務(賃料相当額の倍額の損害金支払債務)は発生しないのではないか。]


2018年10月14日(論述2;判例3;問題1)
刑訴法判例6/ 最決昭59・12・21:犯行状況等を撮影したいわゆる現場写真は,非伝聞証拠である旨判示し,写真による記録過程の伝聞性を否定。最判平17・9・27:#再現者が行動で示した供述を撮影したいわゆる供述写真は伝聞証拠だが,写真による記録過程部分の伝聞性は否定。⇒#記録過程の正確性担保のための署名押印不要。
[『刑事訴訟法判例百選』10版191頁タテ5右欄(順に,刑集38-12-3071,刑集59-7-753)参照。いわゆる現場写真と,いわゆる供述写真の違い,ぱっと見わかりにくかったが,こういうことなんだなー。参考:同書〔89〕]

刑訴法判例5/ 最判平17・9・27参照:捜査機関が任意処分として行う検証を,実況見分と呼び,結果を記録したものが実況見分調書で,#伝聞証拠。再現実況見分調書からは心証形成しないことが前提だが,#本件では証拠の標目欄に掲げられたこと等から_実質上_再現されたとおりの犯罪事実の存在を要証事実とすると考えられた。
[『刑事訴訟法判例百選』10版〔83〕(刑集59-7-753)参照。被疑者,被害者,目撃者などによる再現実況見分調書は,これにより裁判官のが心証形成にしないことを前提とするが,本件では,当該事案の争点や公判経過のほか,本件両書証が第1審で証拠の標目欄(刑訴法335条1項)に掲げられたことに鑑み,(結果的に)実質において,再現されたとおりの犯罪事実の存在の心証を裁判官に抱かせることを目的とする,すなわち,当該犯罪事実の存在を要証事実とする伝聞証拠と,最高裁は考えたということだろう。参考:R21②,25②]

刑訴法87/ 745/ #共謀を共同遂行の合意とすると,故意が実行行為と同時存在であるのと似て,#共謀も実行行為時に存在すれば足り,謀議行為は実行行為時の共同遂行の合意を推認させる間接事実にすぎず,訴因特定に不可欠とはいえない。#共謀を謀議行為と解しても,識別説から,共謀の日時,場所,内容等記載なくとも,訴因特定。
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版153頁,R29予備Q2-1,参照。同書164頁の記述と併せて考えると,古江先生は,共謀=謀議行為と解されているようである。そして識別説から,共同正犯と教唆・幇助の識別の必要な場合に,訴因の特定にとって不可欠とされるのだろう。]

刑訴法86/ 744/ #訴因特定に不可欠な事項(裁判所の義務的求釈明対象)についての検察官釈明は,訴因内容をなし,判決で異なる事実を認定するには訴因変更手続要。訴因特定に不可欠といえない事項(裁判所の裁量的求釈明対象)についての検察官釈明は,訴因内容とならず,訴因変更手続不要。ただ,争点顕在化措置要の場合あり。
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版154頁(最判昭58・12・13刑集37-10-1581,よど号ハイジャック事件),R29予備Q2-2,参照]

刑訴法問題3/ 刑訴法R29予備Q2-2参照:公訴事実:乙は,甲と共謀の上,平成29年5月21日午後10時頃J町1-2-3路上で,殺意をもって,甲がサバイバルナイフでV胸部を1回突き刺し,左胸刺創の失血死で殺害。乙の公判前整理手続での,乙は,甲との間で,平成29年5月18日,甲方で,V殺害謀議を遂げた旨の検察官釈明は,訴因内容となるか?
[平成29年度司法試験予備試験 刑訴法論文試験 問題と出題趣旨参照。参考:古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版154頁]

憲法判例11/ 最大判昭37・5・30参照:条例は,法律以下の法令といっても,#地方公共団体の議会制定の自治立法で,行政府制定の命令等とは性質を異にし,むしろ国会制定の法律に類するものだから,条例で刑罰を定める場合,法律の授権が相当程度に具体的で限定されていれば(憲法73条6号ただし書参照),#憲法31条に反しない。
[芦部『憲法』5版361頁(刑集16-5-577)参照]


2018年10月13日(判例3;問題1)
刑訴法判例3,4/ 最判昭37・11・28参照:訴因を明示するには,できる限り日時・場所・方法をもって「罪となるべき事実」の特定を要する(刑訴法256条3項)のは,①裁判所に審判対象を限定し②被告人に防御範囲を示す目的。#犯罪の日時・場所・方法は_犯罪構成要素となっている場合を除き_罪となるべき事実そのものではない。

/ 最判昭37・11・28参照:犯罪の日時・場所・方法は,犯罪構成要素たる場合を除き,罪となるべき事実そのものではなく,訴因を特定する一手段として,できる限り具体的に表示されるべきでものなので,犯罪の種類,性質等から,#詳らかにできない特殊事情ある場合,上記目的①②を害さないかぎり,#幅のある表示可。
[司法協会『刑事訴訟法講義案』4訂版120頁(刑集16-11-1633)参照]

刑訴法問題2/ 刑訴法R29予備Q2-1参照:被告人は,#甲と共謀の上,平成29年5月21日午後10時頃,H県I市J町1-2-3先路上において,Vに対し,殺意をもって,甲がサバイバルナイフでVの胸部を1回突き刺し,よって,その頃,同所において,同人を左胸刺創による失血により死亡させて殺害したものである,との公訴事実は,訴因特定十分か?
[平成29年度司法試験予備試験 刑訴法論文式試験 設問2小問1問題と出題趣旨,参照]

刑訴法判例2/ 京都地決昭44・11・5参照:司法巡査による現行犯逮捕は,犯行時より20分後,犯行現場から20数m地点だが,①巡査自身による被疑者犯行の目撃,②被疑者が犯罪に供した凶器等所持,③身体,被服などに犯罪の証拠残存,④逃走しようとした,⑤被害者自身から追呼されていた,わけではない。⇒現行犯逮捕要件不具備。
[有斐閣『ケースブック刑事訴訟法』3版〔6-1〕80頁(判時629-103),R29予備Q1,刑訴法212条2項,429条1項2号(勾留裁判に対する準抗告),参照。逮捕前置主義。司法的抑制。逮捕手続の違法を司法的に明確にする→拘留請求却下。]


2018年10月12日(問題1)
刑訴法問題1/ 刑訴法R29予備Q1参照:平成29年5月21日午後10時頃,J町1-2-3先路上で,Vがサバイバルナイフで胸部を刺され殺害され,W,犯行を目撃,犯人を追跡したが,現場から約200m地点で見失う。警察官は,約30分後,約2km離れた路上で,Wから聴いた犯人の特徴と合致する甲を発見,甲は犯行を認めた。現行犯逮捕の適法性如何?
[平成29年度司法試験予備試験 刑訴法論文式試験 設問1問題と出題趣旨,参照。参考:京都地決昭44・11・5判時629-103]


2018年10月11日(判例7)
刑法判例28/ 自招侵害は,行為者が,#自ら侵害を招き_これに対し防衛行為を行ったという一連の事実経過全体を対象に,正当防衛要件検討。/喧嘩・闘争状況下の正当防衛の可否も同様。喧嘩両成敗思想から,正当防衛の余地なしとの古い判例もあるが,最高裁は,全体的に考察し,喧嘩・闘争状況下の正当防衛成立可能性を肯定。
[『判例ラクティス 刑法Ⅰ』199頁(最判昭32・1・22)参照]

刑法判例27/ 判例は,防衛の意思必要説だが,内容不明確なので,相手方に憤激や攻撃意思ある場合の防衛意思の有無,問題? 最高裁は,憤激や逆上に基づく場合も,防衛意思に欠けるわけではないとし,#攻撃的意思と防衛意思が併存しうること_ただし_防衛に名を借り侵害者に積極的に攻撃を加える行為は防衛意思を欠くとする。
[『判例ラクティス 刑法Ⅰ』198頁(大判昭11・12・7刑集15-1561,最判昭46・11・16,最判昭50・11・28)参照]

刑法判例26/ ある行為をなすに当たって_被害者または第三者が適切な行動をすることを信頼するのが相当な場合には_被害者または第三者の不適切な行動によって結果が発生したとしても_行為者は責任を負わない(信頼の原則)。これは,過失行為の実質的危険性(客観的予見可能性)がない場合の原則(客観的構成要件該当性)。
[『判例ラクティス 刑法Ⅰ』113頁(最判昭41・12・20),平野『刑法概説』86頁,85頁,山口『刑法総論』3版257頁LL2,247頁LL11-9,参照]

刑法判例25/ 過失成立要件としてとしての予見可能性は,内容の特定しない抽象的な危惧感・不安感では不十分で,#構成要件該当事実に関する具体的な予見可能性でなければならない。もっとも,その細部に至るまでの予見可能性は必要なく,#構成要件的結果および結果発生に至る因果関係の基本的部分の予見可能性で足りる。
[『判例ラクティス 刑法Ⅰ』112頁(大阪高判平3・3・22)参照]

刑法判例24/ 明文なき過失犯処罰につき,関連法令や立法趣旨等からその意図が看守できる場合,判例は,法規の実効性確保等の観点から肯定。/責任主義から,結果的加重犯の成立を認めるのに,基本犯と重い結果との間の因果関係だけでなく,重い結果の発生に過失(予見可能性)が必要かにつき,判例は因果関係あれば足るする。
[『判例ラクティス 刑法Ⅰ』112頁(順に,最決昭57・4・2,最判昭32・2・26)参照]

刑法判例23/ 最判平17・7・4参照:①入院中の患者を退院させ生命に具体的危険を生じさせ,②親族から患者の手当てを全面的にゆだねられた犯人が,生命維持に必要な医療措置を受けさせずに死亡させた事案:不作為による殺人罪成立。#先行行為による危険創出_患者に対する支配関係(患者の依存関係)から保証人的地位肯定。
[山口『刑法総論』3版85頁(刑集59-6-403,シャクティ治療殺人事件)参照]

刑法判例22/ 最大判平29・11・29参照:性的被害に係る犯罪への社会の一般的な受け止め方の変化等を踏まえると,行為者の性的意図を強制わいせつ罪の成立要件とすべきでない。/Xの行為は,行為そのものが持つ性的性質が明確な行為なので,その他事情を考慮するまでもなく,性的な意味の強い行為として,客観的にわいせつ。
[『平成29年度重要判例解説』149頁(裁時1688-1)参照]

 

2018年10月分(1日~10日)ツイート:59,論述(民訴法2);判例(憲法9,行政法2;民訴法9,要件事実1;刑法16;刑訴法1);問題(憲法2;民訴法10;刑法7)

2018年10月分(7日~10日)ツイート:21,判例(行政法2;刑法13,刑訴法1);問題(刑法5)

2018年10月10日(判例6)

刑法判例20,21/ 共謀共同正犯成立には,#二人以上の者が_特定の犯罪を行うため_共同意思の下に一体となり互いに他人の行為を利用し_各自の意思を実行に移す謀議をし,よって犯罪を実行した事実なければならず,共謀に参加した以上,直接実行行為に関与せずとも,#他人の行為をいわば自己の手段として犯罪を行ったといえる。
[山口『刑法総論』3版339頁(最判昭33・5・28刑集12-8-1718,練馬事件)参照

/ 共謀に基づき犯罪実行あれば,共謀参加者は,実行行為分担有無を問わず,共同正犯たりうる。事前共謀,#現場共謀含む。具体的謀議行為がなくても,#共謀者間に暗黙の意思連絡あるにすぎない場合も,成立しうる。被告人が,#犯罪を共同遂行する合意の下_自己の犯罪を行う意思で関与した場合,共同正犯成立傾向。
[山口『刑法総論』3版339頁-340頁(最決平15・5・1刑集57-5-507,スワット事件)参照。下級審判決には,実行行為の遂行・分担を行った者についても,自己の犯罪として関与してないとして共同正犯の成立を否定し,幇助として処罰したものもある。]

刑法判例19/ 共同正犯は実行行為の分担実行があった場合に限る(形式的正犯概念)わけではなく,住居侵入窃盗などの見張りにも肯定(大判明28・12・19)。さらに,犯罪の謀議に関与したに過ぎない者にも共同正犯成立肯定(最大判昭33・5・28など.共謀共同正犯)。構成要件的結果を共同惹起したかが判断基準になると解する。
[山口『刑法総論』3版338頁(順に,刑録1-5-89,刑集12-8-1718(練馬事件))参照]

刑法判例18/ 正犯の幇助は可罰的(刑法62条1項)。従犯(幇助犯)の幇助も可罰的,#正犯を間接幇助するから(最判昭44・7・17参照)。ただし,正犯行為に対する促進・強化作用ある場合のみ。しかし,#教唆の幇助は不可罰。規定ない上,幇助は刑が減軽され(63条),教唆(・幇助)の教唆の処罰規定しかないから(61条2項反対解釈)。
[山口『刑法総論』3版336頁-337頁(刑集23-8-1061)参照。正犯の幇助:可罰(62条1項)。幇助の幇助:正犯の間接幇助なら可罰。教唆の幇助:不可罰。/正犯の教唆:可罰(61条1項)。教唆の教唆:可罰(61条2項)。幇助の教唆:可罰(62条2項)。]

刑法判例16,17/ 最決平23・12・19参照:適法な用途にも著作権侵害用途にも利用できるファイル共有ソフトを,インターネットを通じ公開・適用し,著作権侵害行為に利用された事案:#かかるソフト提供行為につき幇助犯が成立するためには_一般的可能性を超える具体的な侵害利用状況と_提供者においてそのことの認識_認容要。
[山口『刑法総論』3版322頁(刑集65-9-1380,Winny事件)参照]

/ 共犯構成要件の因果関係を肯定するためには,教唆・幇助行為における正犯実行行為を惹起・促進する危険性が現実化し,正犯実行行為が実際,惹起・促進されたこと要。銃声の音漏れ防止のため地下室に目張りしたが,殺人は行われず,正犯に認識されてもなければ,殺人幇助とならない(東京高判平2・2・21参照)。
[山口『刑法総論』3版322頁(判タ733-232)参照]

動画/ https://youtu.be/7wWGQfOjLXM?t=2532
刑法の問題提起:行為識別,条文指摘。(1:09:19)長く書けば書くほど,減点ポイント出てしまう。あてはめから逆算し,論点があるから問題となるとのように見える。詳細な事実なければ,実行の着手時期は問題とならないという訳じゃない。問題提起部分長く書いていいことは全くない。
[YouTube動画,わかりやすかった。
答案例の部分(https://youtu.be/7wWGQfOjLXM?t=3746)]


2018年10月8日(判例6)
行政法判例2/ 最判平18・11・2,行政法T22(24ア),参照:(#都市計画法の定める)基準に従って都市施設の規模,配置等に関する事項を定めるに当たっては,当該都市施設に関する諸般の事情を総合的に考慮した上で,#政策的_技術的な見地から判断することが不可欠で,このような判断は,#行政庁の広範な裁量にゆだねられている。
[弘文堂『ケースブック行政法』4版101頁(判時1953-3,小田急訴訟本案判決),『行政判例百選Ⅰ』6版〔79〕(民集60-9-3249),平成22年度新司法試験 短答式試験問題 公法系第24問肢ア,参照]

刑法判例15/ 「侵奪」(刑法235条の2)とは,不動産に対する他人の占有を排除し自己or第三者の占有を設定すること。#不動産に対する事実的な支配の侵害をいい,不動産登記の改ざんや登記名義の不正取得は含まない。他人の土地に無断で建物を建てた場合が典型。土地利用権限を超え,容易に原状回復不能にする使用も含む。
[山口『刑法総論』3版206頁-207頁(最決平11・12・9刑集53-9-1117)参照]

刑法判例14/ 不法領得の意思とは,#権利者を排除して他人の物を自己の所有物としてその経済的用法に従い利用_処分する意思をいう(判例)。毀棄・隠匿の意思の場合には否定され,また,単に一時使用ための場合も除かれるが,船などの乗り捨て意思の場合,肯定される。前半部分を排除意思,後半部分を利用意思とも記述可能。
[山口『刑法総論』3版197頁-198頁(大判大4・5・21刑録21-663,教育勅語事件,最判昭26・7・13刑集5-8-1437等)参照]

刑法判例13/ 刑法上の占有:財物に対する事実上の支配。その存否は,占有の事実(客観的要件)と占有の意思(主観的要件)を総合し,社会通念に従い判断。#主観的要件は客観的要件を補完。①財物握持,②人の閉鎖的支配内,③一時置き忘れ:場所的・時間的離隔,僅か,④一定の保管場所に保管する意思,⑤当該領域支配者に移転。
[山口『刑法総論』3版177頁,178頁-180頁(最判昭32・11・8刑集11-12-3061など)参照。R27①,T25(4オ)]

刑法判例12/ 「財物」とは,#財産的価値ある有体物をいうと解する。財産的価値には,金銭的・経済的価値のみならず,所有者・管理者の主観的価値(#客観的交換価値なくとも主観的使用価値で足る),財物が悪用されないように手元に置く利益(消極的価値)あるものを含む。価値が僅少であるとして財物性を否定した判例あり。
[山口『刑法総論』3版175頁,172頁-174頁(大判明36・5・21刑録9-874,東京高判昭28・9・18判特39-108,東京地判昭39・7・31下刑集6-7=8-891等)参照。古い判例は,管理可能性説だが,裁判例においては,情報それ自体を財物としていないように,有体性説がとられているようである。]

刑法判例11/ 千葉地判平28・12・15参照:Xが,橋の欄干外側にしゃがみ込んだVの手をCDに握らせたのは,Vが川に落下しかねない現実的危険性ある体勢をとらせるもので,VがXYの指示に従わざるを得ない状況下,被害者の行為を利用した暴行に該当。YがDの腕を強く押し,衝撃でVを落下させたことに,XY間に黙示の意思連絡あり。
[『平成29年度重要判例解説』148頁(平成28(わ)204)参照]


2018年10月7日(判例4;問題5)
刑法判例10/ 福岡高判平28・12・20参照:#行為の危険性は_行為時点_その場に置かれた一般通常人が認識し得た事情・行為者が特に認識していた事情を基礎に判断(具体的危険説)。/Xは,Vが騙されたふりをしている事情を認識せず,その場に置かれた一般通常人も認識し得なかったといえるから,当該事情は基礎事情から排除。
[『平成29年度重要判例解説』147頁(判時2338-112)参照。したがって,騙されたふりをしている被害者は存在せず,特殊詐欺によって騙された被害者が本件荷物を発送し,被告人が受領したということになるので,被告人の本件受領行為の,詐欺の実行行為としての危険性が認めらるので,不能犯ではない。
 客体の不能に関する裁判例と考えられる(山口『刑法総論』3版288頁参照)。]

刑法判例9/ 刑法判例:#方法の不能事案では_結果発生の可能性が科学的な根拠を問題としてかなり客観的に判断される場合が多いが,その一部の判決と,客体の不能判決では,#一般人の危険感が援用され具体的危険説(行為時に一般人に認識でき,あるいは行為者の認識した事実に基づき危険判断)に近い基準で未遂犯成立肯定。
[山口『刑法総論』3版288頁参照]

行政法判例1/ 最判平4・10・29参照:原子炉の安全性は「#現在の科学技術水準に照らし」て判断すべき。#審査対象はあくまで処分時における原子炉の安全性だが(違法判断の基準時=処分時説),その後の科学的知見によって安全でないことが明らかになれば,#処分時においても安全だったとはいえない(処分時説と矛盾しない)。
[『LEGAL QUEST 行政法』3版247頁(民集46-7-1174,伊方原発訴訟)参照]

刑訴法判例1/ 京都地決昭44・11・5参照:#先行する逮捕は適法でなければならない。∵①逮捕が違法なら釈放されてしかるべきで,逮捕前置主義をみたさない,②刑訴法には逮捕に対する準抗告がないので,拘留請求を却下し逮捕手続の違法性を司法的に明確化必要。/#逮捕被疑事実と拘留被疑事実とは同一でなければならない。
[寺崎『刑事訴訟法』3版176頁-177頁(判時629-103)参照]

刑法問題5,6,7/ 刑法R29予備参照:甲は民間病院内科部長医師,Vと交際。V心臓の特異疾患を甲Vは知っていたが,通常診察で判明し得ないもの。甲は,劇薬入りワインでV殺害を図り,Vのみ居住宅に宅配便で送付。致死量10mlのところ,8mlしか含まれてなかったが,特異疾患あるV摂取なら,死亡の危険あり。V不在で未受領。甲の罪責?

/ 刑法R29予備参照:Vは私立大学病院内科医乙に熱中症と診断され,治療方針を相談された内科部長甲が,劇薬Y致死量6mlだが,心臓に特異疾患あるVは3mlでも死亡の危険あることを知りながら,確実を期し6ml,熱中症薬Bと偽り,乙に注射指示。容器に薬剤名なかったが,乙は中身確認せず,3ml注射。V死亡。甲乙の罪責?

/ 刑法R29予備参照:民間病院内科医乙は,V死亡後,検査の結果,劇薬Y注射が原因の心臓発作による急性心不全と知った。乙は,内科部長甲に就職時に世話になったので,注射指示した甲に刑事責任が及ばないよう,専ら甲のため,死亡診断書に虚偽死因を記載,署名押印し,Vの母親Dに渡し,Dは,C市役所に提出。乙の罪責?
[平成29年度司法試験予備試験 論文式試験 問題と出題趣旨,参照]

刑法問題4/ 刑法R29①参照:先行する自分たちの行為(正当防衛/過剰防衛)により死に至らしめたと誤信した被害者Aの,財布取得。
Aは生きているので,客観的には窃盗罪の構成要件該当。死者の占有(窃盗or占有離脱物横領,抽象的事実の錯誤)?
不法領得意思:利用意思?/器物損壊罪
異なる構成要件間における共同正犯の成否?
[平成29年度司法試験問題論文式試験問題,採点実感,参照。
 私は,故意は,犯罪事実(違法性を基礎づける事実)の認識だろうと思うので,その認識対象は,構成要件該当事実および違法性阻却事由の不存在自由の両方だと思っています。
 そうすると,主観的違法要素たる不法領得の意思を,自らが保持していることも、理論的本来的には,故意の認識対象だろうと思います。
 しかし,答案政策上は,故意を不法領得の意思より先に検討する方がシンプルに書ける場合があるということだろう。(学問としての厳密な考察によるものではなく,現時点てそう思うだけだが,)要件事実論におけるせり上がりと同じようなものと理解できないであろうか? ]

刑法問題3/ 刑法R29①参照:Aが甲顔面を右手拳骨で殴ろうとしたのを,甲はかわし,#防御のため乙に加勢を頼み_乙同意。甲乙は正面からAに体当たりし路上に仰向けに倒し,しばらく押さえ付け落ち着くのを待ったが,まだ暴れるため,乙は未必の殺意なく,重さ800gの丸石でA顔面を力を込め殴った。A失神,鼻骨骨折。乙の罪責?
[平成29年度司法試験論文式試験問題,採点実感,参照]

 

2018年10月分ツイート(1日~6日):論述(民訴法2);判例(憲法9;民訴法9,要件事実1;刑法3);問題(憲法2;民訴法10;刑法2)

2018年10月分ツイート(4日~6日):17,判例(民訴法3,要件事実1;刑法3);問題(憲法1;民訴法7;刑法2)

2018年10月6日(判例3;問題3)
刑法問題2/ 刑法R29①参照:甲は,同僚Aから,B信販会社所有のクレジットカードを借り,#10万円の腕時計購入のためだけに使うという当初の約束を破り,50万円の腕時計と併せ,60万円分購入。#B信販会社規約には_会員である名義人のみ利用でき_貸与等が禁じられていた。同日夕方,甲はAに事情を話し了承を得た。甲の罪責?
[平成29年度司法試験論文式試験問題,出題趣旨,参照。詐欺罪,有印私文書偽造罪・同行使罪,背任罪または横領罪の成否]

刑法問題1/ 教唆・幇助は,正犯と同じ犯罪(罪名)でのみ成立するか,正犯と異なった犯罪(罪名)の共犯を認め得るか?/罪名は自らの責任要件(故意)に対応。殺意をもって人に切り付けようとしてる正犯Aに,傷害を与えるにすぎないと思いBがナイフを貸し,被害者が傷害を負った場合,Bには自己の故意に対応する傷害幇助成立。
[山口『刑法』2版158頁参照。罪名は正犯に従属しない。ただし,共犯の故意が正犯の故意よりも重い罪についてのものである場合,教唆・幇助は二次的責任類型であるから,共犯の罪名は正犯の罪名を超えない。要するに,共犯の罪名は正犯の罪名よりも軽いものにはなるが,重いものにはならない(山口『刑法総論』3版331頁参照)。その意味で,罪名従属性が完全に否定されるわけではない(山口『刑法』2版158頁参照)。
 罪名従属性と,部分的犯罪共同説・行為共同説との関係,どうなっているのであろうか?]

刑法判例7,8/ 最決昭54・4・13参照:ABらが,Vに暴行・傷害を加える旨共謀したところ,Aが殺意をもってVを刺殺した事案で,#殺意のなかったBらには殺人罪の共同正犯と傷害致死罪の共同正犯の構成要件が重なり合う限度で軽い傷害致死罪の共同正犯が成立するとした。/Aにつき,行為共同説によれば,殺人罪の共同正犯となる。
[山口『刑法総論』3版318頁(刑集33-3-179)参照。これは,犯罪の成立と科刑の分離を認める以前の実務の考え方(団藤・大塚説)を否定したもの。/Aの罪責につき,部分的犯罪共同説によれば,殺人罪の単独正犯となる。]

/ 最決平17・7・4参照:殺意あるAと殺意なきBが共同した,不作為による殺人罪と保護責任者遺棄致死罪の共同正犯事案で,#Aに殺人罪成立_Bとの間で保護責任者遺棄致死罪の限度で共同正犯。Aが殺人罪の共同正犯でないなど,部分的犯罪共同説だが,殺意なき共同者の行為で死の結果が直接惹起された事案で不都合。
[山口『刑法総論』3版318頁-319頁(刑集59-6-403)参照]

刑法判例6/ 最判昭41・4・8参照:Xは,当初財物領得の意思はなかったが,#野外で_人を殺害後_領得意思を生じ_犯行直後_現場で_被害者が身に着けていた時計を奪取したのであり,このような場合,被害者の生前の財物所持は死亡直後もなお継続保護すべき。#Xの一連の行為は_全体的に考察し_他人の財物に対する所持の侵害。
[平成29年度司法試験の採点実感(刑事系科目第1問,R29①)6頁(刑集20-4-207)参照。窃盗罪の故意と死者の占有]

憲法問題2/ 憲法T22(3)参照:ア.#租税法分野での取扱いの区別は_立法目的が正当で_区別態様が目的との関連で著しく不合理でない限り_14条1項に反しない。イ.14条1項後段は例示列挙。また,事柄の性質に応じ合理的区別可。ウ.25条の要請にこたえて制定された法令でも,合理的理由のない不当な差別は14条に違反しうる。
[平成22年度新司法試験短答式試験公法系第3問参照。法の下の平等]


2018年10月4日(判例5;問題6)
要件事実判例1/ 代物弁済の要件事実(動産の所有権取得原因):①#債務の発生原因事実,②債務の弁済に代え動産所有権を移転するとの合意,③債務者が①の当時,当該動産所有,④(①合意に基づき)当該動産の引渡し(⇔最判昭40・3・11参照)。/所有権喪失の抗弁ならば,請求原因で動産所有主張されているので,③の主張立証不要。
[改訂『紛争類型別の要件事実』114頁,113頁参照。判例(最判昭40・3・11集民78-259など)の考え方によれば,代物弁済による所有権移転の効果は,原則,当事者間の代物弁済契約の意思表示によって生じる諾成契約といういことなので,要件事実④の主張立証は不要ということらしい。]

民訴法問題11/ 民訴法R28予備Q1(1)参照:X→Y1,Y1→Y2と経由された甲土地の各所有権移転登記につき,Xは甲土地所有権に基づき,Y1らを被告とし,各登記の抹消登記手続請求訴訟提起。X:Y1に1000万円の貸金返還債務ある旨,自白。XがY2から1000万円を借り受け,甲土地を譲渡担保に供したと事実認定しての判決は,弁論主義違反?
[平成28年司法試験予備試験論文式試験 設問1小問(1)の問題と出題趣旨参照。当事者の主張していない所有権取得経過を判決の基礎とすることの適否。]

民訴法問題10/ 伊藤塾民訴法R第31問Q1参照:XはYに対し金銭消費貸借契約に基づく500万円の貸金返還請求訴訟提起。Yは,Xに対する600万円の売掛代金債権を相殺の抗弁として提出。裁判所は,自動債権不存在を理由に抗弁を排斥し,X請求認容。判決確定後,Yが別訴でXに対し売掛代金債権全額の支払請求訴訟提起。裁判所の措置?
[伊藤塾『試験対策問題集論文民事訴訟法』〔第31問〕設問(1)参照。既判力の客観的範囲]

民訴法問題9/ ロープラ民訴法 基本29:故A所有の本件土地につき自作農特別措置法により買収処分され故Bに売り渡されたが,Aの相続人XはBの相続人Yに対し,買収処分無効としてされたXB間の買戻契約に基づく所有権移転登記請求訴訟を提起。棄却判決確定。その後,買収処分から20年後,Xは処分無効を理由に土地明渡請求訴訟?
[『Law Practice 民事訴訟法』初版〔基本問題29〕参照。参考判例:最判昭51・9・30民集30-8-799等]

民訴法問題8/ 民訴法R5②Q2:甲は,乙を被告として,乙に対する300万円の請負代金の支払いを求める訴え提起。乙は右請負代金債権成立を争うとともに,甲に対する100万円の売買代金債権を自働債権とする訴訟上の相殺の抗弁提出。#乙が_判決までの間に_甲を被告として右売買代金支払を求める別訴提起。裁判所の取扱い如何?
[平成5年度司法試験 民訴法論文第2問 設問(2)参照。二重起訴禁止,抗弁先行別訴後行型]

民訴法判例11/ 最判昭51・9・30参照:前訴の訴訟物と異なる後訴請求を信義則に反するとして遮断。要件:①実質的に蒸し返し,②前訴において後訴請求をすることに何ら支障なかった,③勝訴当事者が前訴判決により紛争が解決済みとの信頼を抱いており,法的安定要求保護要,④前訴で充実した審理,⑤前訴で争うべき誘因あり。
[『Law Practice 民事訴訟法』初版220頁-221頁(民集30-8-799)参照]

民訴法判例10/ 最判平10・6・12参照:#明示的一部請求でも_審理は債権全額の存否にわたる以上_前訴で敗訴した原告が残部請求の訴えを提起することは_特段の事情なき限り_信義則に反し許されない。∵①債権全部を審理判断,当事者の主張立証範囲も通常は同様,②一部請求全部・一部棄却⇒残部不存在,③実質的に蒸し返し。
[司法協会『民事訴訟法講義案』再訂補訂版66頁(民集52-4-1147)参照]

民訴法問題7/ ロープラ民訴法 発展13:XはYと,Y所有別荘を代金1億円で購入する契約を締結したが,履行期前に焼失。Xは,Yの過失によるとして,債務不履行による損害額3000万円中,500万円の支払を求める賠償請求。過失認められず,X請求棄却判決確定。Xがあらためて上記損害額残額2500万円支払を求める後訴は認められるか?
[『Law Practice 民事訴訟法』初版〔発展問題13〕参照。参考判例:最判平10・6・12民集52-4-1147]

民訴法問題7/ ロープラ民訴法 発展13:XはYと,Y所有別荘を代金1億円で購入する契約を締結したが,履行期前に焼失。Xは,Yの過失によるとして,債務不履行による損害額3000万円中,500万円の支払を求める賠償請求。過失認められず,X請求棄却判決確定。Xがあらためて上記損害額残額2500万円支払を求める後訴は認められるか?
[『Law Practice 民事訴訟法』初版〔発展問題13〕参照]

民訴法判例9/ 東京地判平26・9・3参照:原告の請求は,前訴確定判決の既判力に抵触するものではないが,(本件における)#抗弁事実の存在は前訴で攻撃防御が尽くされた上で理由中で認められたものであり_これを本件で原告が争うことは_前訴で解決された紛争を不当に蒸し返すもので信義則に照らして許されない。請求棄却。
[『平成28年度重要判例解説』131頁(判タ1421-310)参照。参考判例:最判昭51・9・30民集30-8-799]

民訴法問題6/ 民訴法R29予備Q2:Xは,Yに対し,300万円の不当利得返還請求。Yは,500万円の貸金債権と対等額で相殺する旨の意思表示。X債権全額認められ,Y債権中450万円弁済済として,50万円の範囲で相殺認容(判決確定)。Yは,貸金債権中450万円未弁済として後訴提起。裁判所は,貸金債権の存否を改めて審理・判断できるか?
[平成29年司法試験予備試験論文式試験問題と出題趣旨の設問2参照]

民訴法問題5/ 民訴法R5②Q1:甲は,乙を被告として,乙に対する300万円の請負代金の支払いを求める訴えを提起。乙は右請負代金債権成立を争うとともに,甲に対する100万円の売買代金債権を自働債権とする訴訟上の相殺の抗弁提出。#請負代金債権の成立および相殺の抗弁も認められ_200万円支払を命ずる判決確定。効力如何?
[平成5年度司法試験 民訴法論文第2問 設問(1)参照。相殺の抗弁認容の場合の既判力の及ぶ範囲]

 

2018年10月分ツイート(1日~3日):21,論述(民訴法2);判例(憲法9,民訴法6);問題(憲法1;民訴法3)

2018年10月3日(論述1;判例4;問題2)
民訴法判例8/ 最大判昭56・12・16参照:現在不法行為が行われ,同一態様の行為が将来も継続する予想があっても,①#損害賠償請求権の成否・額の判断が複雑で_変動が予想され,#あらかじめ一義的に明確に認定できず_むしろ具体的請求権成立時点で初めて認定でき,②債権者に立証責任ある場合,将来給付の訴えの適格性なし。
[司法協会『民事訴訟法』再訂補訂版71頁(民集35-10-1369),R29予備Q1,参照。その後の判例として,最判平28・12・8民集63-5-1321(『平成29年度重要判例解説』〔民訴法1〕)。]

民訴法114/ 743/ 将来給付の訴えは,口頭弁論終結時までに履行すべき状態にならない給付請求権の存在の主張だから,あらかじめ請求の必要ある場合に限られる(民訴法135条)。#義務者の態度_給付義務の目的・性質などを考慮し判断。反復継続的給付は,履行期にある部分の不履行あれば,将来分も期待薄なので,訴えの利益あり。
[司法協会『民事訴訟法講義案』再訂補訂版71頁,R29予備Q1,参照]

民訴法問題4/ 民訴法R29予備Q1:将来にわたり継続的に発生する不当利得返還請求訴訟につき,①#将来給付の訴えと現在給付の訴えの区別基準,②#将来給付の訴えの利益の判断要件等を問う。民訴法135条の趣旨に触れつつ,昭和56年最大判,大阪国際空港夜間飛行差止訴訟等に言及し自説を述べ,具体的事実関係を踏まえ論述要。
[平成29年司法試験予備試験論文式試験問題と出題趣旨の設問1,最大判昭56・12・16民集35-10-1369参照]

民訴法判例7/ 最判昭51・3・30参照:#補助参加の利益は本案判決主文で示される訴訟物たる権利・法律関係の存否に関する利害関係を指し,判決理由中で判断される事実や法律関係についての利害関係では足りないとされてきたが,本判決は,#加害者たる共同被告の一方が他方への求償権保全のため,補助参加することを認めた。
[『民事訴訟判例百選』5版〔A32〕(判時814-112,裁判集民事117-323)参照]

民訴法問題3/ 民訴法R30③Q3:BはAに250万円支払え,Cに対する請求棄却という判決に,Aに不服申立て意思はなかったが,#BがAを補助するため参加申出_A控訴人_C被控訴人として_控訴期間内に控訴。Cは,Bによる補助参加に異議申述。#補助参加の利益なし等のC主張の当否を検討し,控訴裁判所はどのように判断すべきか論ぜよ。
[平成29年司法試験問題と出題趣旨,民事系第3問設問3参照。最判昭51・3・30(判時814-112,裁判集民事117-323)参照]

民訴法判例6/ 主債務者と連帯保証人を訴える場合(最判昭27・12・25),複数人に自己の所有権確認を求める場合(最判昭34・7・3等)や登記抹消を求める場合(最判昭29・9・17等)など,論理ないし事実上の統一的解釈の必要性,全員に勝訴しなければ目的達せられないという実際上の統一的解釈の必要性あるが,#通常共同訴訟。
[司法協会『民事訴訟法』再訂補訂版295頁(順に,民集6-12-1255,民集13-7-898,民集8-9-1635)参照]

民訴法判例5/ 大阪高判昭62・7・16参照:手形金債務不存在確認の訴え係属中,被告が簡易迅速な手形訴訟(民訴法350条以下)を提起することは,重複起訴か? 訴訟物も当事者も同一。#もし先行の訴え中での反訴提起しかできなければ_簡易迅速な手続が採れず,手形訴訟提起妨害も可能となり不合理。重複起訴と解すべきでない。
[和田吉弘『基礎からわかる民事訴訟法』60頁(判時1258-130),R30③Q1,参照]


2018年10月2日(論述1;判例4;問題2)
民訴法判例4/ 最決平19・12・11参照:金融機関の得た顧客情報の守秘義務は個々の顧客との関係で認められるに過ぎないので,金融機関が民事訴訟当事者として開示を求められ,当該顧客も受訴裁判所に開示義務を負うならば,#顧客は金融機関の守秘義務で保護さるべき正当な利益なく_金融機関が開示しても守秘義務違反なし。
[『民事訴訟判例百選』5版144頁(民集61-9-3364),R30③Q2,参照。同書4版〔A23〕]

民訴法問題2/ 民訴法R30③Q2:不法行為損害賠償請求訴訟の原告Aの診療記録の所持者D病院として,文書提出命令を申し立てる場合に,Dからの反論を念頭に置き,#文書提出義務あることを説得的に立論しなさい。一般的文書提出義務(民訴法22条4号),#文書の所持者が当該訴訟当事者に対し負う守秘義務(同号ハ)? 利益文書(3号)?
[平成29年司法試験問題と出題趣旨,民事系第3問設問2(最決平19・12・11民集61-9-3364)参照]

民訴法判例3/ 最大判昭33・3・5参照:和解調書(民訴法267条)に,#既判力を肯定することを前提とする。大判昭8・11・24参照:#訴訟上の和解の実体は当事者の意思表示であり,判決と異なり,意思表示に存する瑕疵のため和解が当然無効となる場合あり。最判昭33・6・14参照:#要素の錯誤により訴訟上の和解が無効となりうる。
[司法協会『民事訴訟法講義案』再訂補訂版]254頁(順に,民集12-3-381,裁判例7-267(最判昭31・3・30民集10-3-242),民集12-9-1492)参照]

民訴法113/ 742/ 相殺の抗弁は,訴え提起と異なり,相手方提訴を機に防御手段として提出されるのであり,相手方訴求債権と簡易迅速・確実決済を図る機能を持つので,#1個の債権の残部で他の債権との相殺を主張することは_債権発生事由_一部請求経緯_審理経過等にかんがみ訴訟上の権利濫用など特段の事情なき限り_許される。
[司法協会『民事訴訟法講義案』再訂補訂版91頁-92頁(最判平10・6・30民集52-4-1225)参照]

憲法判例10/ 最大判昭58・6・22参照:拘留中の被疑者が新聞を定期購読していたが,日航機「よど号」乗っ取り事件に関する新聞記事を拘置所長が全面的に抹消。新聞購読の自由制限は,在監目的達成のため真に必要と認められる限度でのみ,#閲読を許すことにより監獄内の規律・秩序の維持に障害が生ずる相当の蓋然性必要。
[芦部『憲法』5版109頁(民集37-5-793,「よど号」ハイ・ジャック新聞記事抹消事件)参照。T22(2イ)]

憲法判例9/ 在監者の信書検閲(監獄法50条)は検閲禁止にも,憲法21条1項にも反しない(最判平6・10・27参照)。/死刑確定者の信書の発送制限につき,同人の心情の安定等も配慮し監獄長の裁量的判断是認(最判平11・2・26参照)。#相当の蓋然性有無を判断代置審査_受刑者の信書発送制限_違法とした(最判平18・3・23参照)。
[『判例ラクティス憲法』増補版32頁(順に,判時1513-91,判時1682-12,判時1929-37),芦部『憲法』5版109頁-110頁,T22(2ウ),参照。「信書ノ検閲」(旧監獄法50条,刑事収容施設法127条)は,合憲とされており,「信書の発」送(旧監獄法46条1項,刑事収容施設法126条~133条。「死刑確定者」については,同法139条以下)の不許可処分については,死刑確定者に対するものは合憲,それ以外の受刑者については,監獄内の規律・秩序維持などの点において放置することができない程度の障害が生じる,相当の蓋然性の有無を裁判所が判断代置して審査し,裁量権逸脱、違憲とした判例があるようである。
 なお,「受刑者」と異なり,「未決拘禁者」については,刑事収容施設法134条以下に規定がある。また,受刑者のうち,「死刑確定者」については,別に同法139条以下に規定。他に,その他の被収容者についての規定もあり。]

憲法問題1/ 憲法T22(1):ア.議会制民主主義を支える不可欠の要素たる政党の健全な発展への協力も,社会的実在としての会社に当然期待されるので,#会社は自然人同様_政治的行為をなす自由あり。イ.#税理士会が多数決で政治献金をすることは_会の目的の範囲外。ウ.#外国人は_外国へ一時旅行する自由を保障されてない。
[平成22年新司法試験 短答式試験問題 第1問参照。人権の享有主体性。]


2018年10月1日(判例7)
憲法判例2,3/ 最判平8・3・19参照:#政治献金は選挙における投票の自由と表裏をなすので会員個人が市民として自主的に決すべきだから,強制加入団体たる税理士会(公益法人)は,#多数決原理で構成員に協力を義務付け得ない。たとい税理士に係る法令に関しても,税理士法49条6項所定の税理士会の目的の範囲外の行為,無効。
[芦部『憲法』5版90頁(民集50-3-615,南九州税理士会(政治献金)事件),憲法T22(1イ),参照]

/ 最判平14・4・25参照:強制加入団体たる司法書士会が大震災で被災した兵庫県司法書士協会に3000万円の復興支援拠出金を寄付するため,特別負担金を会員から徴収する総会決議を行った。#司法書士業務の円滑な遂行による公的機能回復に資するので,会の目的の範囲を逸脱しない。反対意見:寄付金額多額過ぎ。
[芦部『憲法』5版91頁(裁判所時報1314-1,群馬司法書士会震災支援寄付事件)参照]

憲法判例4/ 最大判昭45・6・24参照:八幡製鉄(新日本製鉄)の代表取締役自由民主党に政治献金した行為の責任を追及した株主代表訴訟。#議会制民主主義を支える不可欠の要素たる政党の健全な発展に協力することも_社会的実在としての会社に当然期待されるので,自然人同様,政治的行為をなす自由あり。行きすぎ判決。
[芦部『憲法』5版91頁(民集24-6-625,八幡製鉄事件)参照。T22(1ア)]

憲法判例8/ 最大判平17・1・26参照:①公権力行使等地方公務員の職(直接的に統治作用に関わる管理職)と,②これに昇任するのに必要な職務経験を積むために経るべき職(#統治作用に関わる程度の弱い管理職)の,#一体的な管理職任用制度,可。⇒#管理職試験受験資格で外国人を区別しても合理的な区別。/制度を人権に優先?
[芦部『憲法』5版93頁-94頁(民集59-1-128)参照]

憲法判例5/ 最判平4・11・16参照:1973年入国し日本人と結婚した定住外国人(アメリカ国籍)森川キャサリーンさんが,韓国への旅行計画をたて再入国許可申請したところ,指紋押捺許否を理由に不許可とされた。#外国人には_憲法上_外国へ一時旅行する自由は保障されていない。/法改正で特別永住者の再入国規制若干緩和。
[芦部『憲法』5版95頁(裁集民事166-575,森川キャサリーン事件),憲法T22(1ウ),参照]

憲法判例6/ 最大判昭53・10・4参照:アメリカ人マクリーンが在留期間1年として入国,1年後,在留期間更新申請。#人権の保障は権利の性質上許されるかぎり外国人にも及び_政治活動も_その地位にかんがみ相当でない活動を除き保障されるが,在留制度の枠内。合憲合法の行為も,#更新許否の消極的理由としてしんしゃく可。
[芦部『憲法』5版96頁(民集32・7・1223,マクリーン事件)参照]

憲法判例7/ 最判平7・12・15参照:押捺義務3年に1度,1指のみだった制度(昭和57年改正前)につき,#指紋の押なつを強制されない自由は_個人の私生活上の自由(憲法13条)の一つだが,右押捺制度立法目的には十分な合理性,必要性あり,手段も一般的に許容される限度を超えない相当なもの。/平11年法改正,指紋押捺制度廃止。
[芦部『憲法』5版97頁(刑集49-10-842,指紋押捺拒否事件)参照]

 

2018年9月分ツイート75: 論述19(民法8,商法10,要件事実1);判例48(憲法1;民法16,会社法17,民訴法2,倒産法7,刑法5);問題8(行政法1;会社法4,民訴法1,要件事実2) - 140字法律学