ミニマム法律学

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人権/ 非嫡出子の国籍取得差別と法の下の平等

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⚫非嫡出子の国籍取得差別と法の下の平等

 

人権60-67/ 562-569/ 改正前国籍法3条1項は,同法の基本的な原則である血統主義を基調としつつ,#日本国民との法律上の親子関係の存在に加え我が国との密接な結び付きの指標となる一定の要件を設け,これらを満たす場合に限り出生後における日本国籍取得を認めることとした。#このような立法目的自体には_合理的な根拠がある。

[最大判平20・6・4民集62-6-1367『判例プラクティス憲法』増補版〔48〕,T29(3ア)参照。立法目的の認定]

 

 

/ 日本国民たる父_母の嫡出子,日本国民たる父から胎児認知された非嫡出子,日本国民たる母の非嫡出子も,生来的に日本国籍を取得するのに,日本国民を血統上の親として出生し,法律上の親子関係ある子にもかかわらず,#日本国民たる父から出生後に認知された子のうち準正により嫡出子たる身分を取得しないもの

 

/ に限り,生来的に日本国籍を取得しないのみならず,改正前国籍法3条1項所定の届出により日本国籍を取得することもできないことになる。このような区別の結果,#日本国民たる父から出生後に認知されたにとどまる非嫡出子のみが日本国籍取得について著しい差別的取扱いを受けているものといわざるを得ない。

[事実の分析評価]

 

 

/ #日本国民たる父から胎児認知された子と出生後に認知された子との間において日本国民たる父との家族生活を通じた我が国社会との結び付きの程度に一般的な差異が存するとは考え難く,日本国籍取得に関して上記の区別を設けることの合理性を我が国社会との結び付きの程度という観点から説明するのは困難。

 

/ また,#父母両系血統主義を採用する国籍法の下で,日本国民たる母の非嫡出子が出生により日本国籍を取得するにもかかわらず,日本国民たる父から出生後に認知されたにとどまる非嫡出子が届出による日本国籍取得すら認められないのは,#両性の平等という観点からみてその基本的立場に沿わないところがある。

[同上]

 

/ 日本国民との間に法律上の親子関係を生じた子であるにかかわらず,上記のような非嫡出子にのみ,父母の婚姻という,#子にはどうすることもできない父母の身分行為なき限り,生来的にも届出でも日本国籍取得を認めない点は,立法府裁量権を考慮しても,#立法目的との合理的関連性の範囲を著しく超える手段

[同上。T29(3イ)参照]

 

 

/ 本件区別は,遅くともXが法務大臣あてに国籍取得届を提出した当時に,#立法府に与えられた裁量権を考慮してもなおその立法目的との間に合理的関連性を欠くものとなっていたと解され,上記時点において,合理的理由のない差別であり,#国籍法33項が本件区別を生じさせていることは_憲法141項に違反する

 

/ 憲法14条1項の平等取扱い要請と国籍法の父母両系血統主義を踏まえれば,父母婚姻により嫡出子身分取得という部分を除き3条1項所定要件を満たす場合,届出で日本国籍取得を認める,#合憲的で合理的な解釈可能で_本件区別による不合理な差別的取扱いを受けている者に直接的な救済のみちを開くためにも相当

[結論]