ミニマム法律学

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行政行為等 (行政法)

法律に関し,140字内にまとめ(https://twitter.com/right_droit http://twpf.jp/right_droit)、可能な範囲で,①法的判断枠組み,②事実の分析・評価(例)に分けています。
そのほか、補足説明等を、[ ]内の文章に記載しています。間違い等のご指摘いただけたら有難いです。よろしくお願い致します。

 

 

[総論]

行政法の基本原則〕

■信義則・信頼保護原則

行政法7/ 91/ 地方公共団体が、基本的義務に反し既に具体的権利として発生している国民の重要な権利に関し、法令に違反し行使を積極的に妨げる一方的・統一的取扱いをし行使を著しく困難にし消滅時効にかからせた極めて例外的場合、当該公共団体に時効主張を許さずとも、国民の平等的取扱い理念に反しない。#地自法

[『基本から合格答案を即効で書けるようになる本』公法系(平成26年1月)160、161頁、最判平19・2・6、参照。事実の評価例(判例)。]

 

[行政過程論(行政作用法)]

〔行政作用〕

■行政行為

●行政行為の定義

[・行政行為とは、行政作用のうち、具体的事項について対外的な法効果をもってなす権力的行為である。個別の実定法では、命令、禁止、許可、免許、承認、更正、決定、裁決等のさまざまな名称で用いられている。一般法的には、「行政の処分」(行手法2条2号、行審法1条2項、行訴法3条2項)とか、「行政処分」(地自法242条の2第1項2号)の概念がほぼこれに相当する。

 ただし、争訟法上の「処分」概念には、権力的事実行為も含むほか(行審法46条、47条、59条。旧行審法2条1項参照)、「行政庁の処分その他公権力の行使」(行訴法3条2項)を包括する広義の意味で用いられることが多く、具体的規律をする行政立法を包含するなど、必ずしも行政行為の概念とは一致しない。もっとも、「処分」ないし「行政処分」の語を、行政行為と同じ意味で用いることがある。]

 

行政法21/ 422/ #行政行為 とは,行政作用のうち,具体的事項について対外的な法効果をもってなす権力的行為である。個別実定法の,命令,禁止,許可,免許,承認,更正,決定,裁決等の名称に該当する。一般法的には,「行政の処分」(行手法2条2号,行審法1条2項,行訴法3条2項),「行政処分」(地自法242条の2第1項2号)にほぼ相当。

[『LEGAL QUEST行政法』3版64頁参照。法的判断枠組み(定義、条文)。]

 

行政法22/ 423/ 争訟法上の「#処分」概念は,#権力的事実行為 も含み(行審法46条,47条,59条),「行政庁の処分その他公権力の行使」(行訴法3条2項)と包括して用いることが多く,#具体的規律をする行政立法 を含むなど,必ずしも行政行為概念と一致しない。もっとも,処分,行政処分を,#行政行為 と同じ意味で用いることあり。

[『LEGAL QUEST行政法』3版64頁、65頁参照。法的判断枠組み(文言の意味、条文)。]

 

●申請拒否処分についての理由提示

[・1.理由提示制度(行手法8条1項、14条1項)の法的意義・趣旨は、①恣意抑制機能、慎重配慮確保機能、公正処分決定担保機能、②不服申立便宜機能(以上、判例)、③相手方に対する説得機能、④決定過程公開機能に求められる。

 提示されるべき理由の程度(付記理由の具体性)については、処分の根拠規定の適示だけでは足りず、いかなる事実関係に基づきいかなる法規を適応して結論に至ったかが、理由の記載自体からわかる程度に示す必要がある。審査基準はあらかじめ定められ公開されているので(5条)、その適用関係も提示する必要がある。

2. なお、処分時に示されなかった理由を事後に提示するとか、不十分であった理由を事後に完備したものにするなどの理由の追完は、理由提示制度の前述の趣旨を全く没却するもので許されない。

 ただ、いったん提示された(完備した)理由を事後的に追加・差替えすることは、許されると解する。]

 

行政法24/ 行政作用(行政行為)/ 458/ 理由提示(行手法8条1項,14条1項)の趣旨は,①#恣意抑制・慎重配慮確保・公正処分決定担保機能,②#不服申立便宜機能。理由の具体性は,処分の根拠規定適示では足りず,#いかなる事実関係に基づきいかなる法規を適応し結論に至ったか_理由記載自体からわかる程度に示す。審査・適用基準の適用関係提示も要。

[『LEGAL QUEST行政法』3版91頁(最判昭60・1・22民集39-1-1等),92頁(最判平23・6・7民集65-4-2081,『行政法判例百選Ⅰ』6版〔128〕,「処分基準」(行手法12条1項参照)の適用関係に関する。等)参照。法的判断枠組み。]

 

行政法25/ 行政作用(行政行為)/ 458/ 処分時示さなかった理由事後提示,不十分だった理由を事後に完備したものにするなど,#理由追完は許されない。理由提示制度(行手法8条1項,14条1項)趣旨,①恣意抑制,慎重配慮確保,公正処分決定担保,②不服申立便宜,を全く没却するから。#いったん提示した完備した理由に事後的に別理由を追加_差替えは可。

[『LEGAL QUEST行政法』3版92頁(最判平11・11・19民集53-8-1862),91頁((最判昭60・1・22民集39-1-1等)参照。事実の分析・評価例。]

 

 

●行政行為の裁量

行政法15/ 286/ 行政行為は根拠規範の個別事案への法適用結果であり、行政庁の判断は、①法文の意味の確定、②事実認定、③当該事実への法適用(法への事実のあてはめ)、④実際にどのような行政行為を行うかの決定、という過程を経る。①②は裁判所判断が優越し、#③④段階についてのみ行政に終局的に委ねられ得る。

[『LEGAL QUEST行政法』3版108頁参照。法的判断枠組み(基礎的な説明)。]

 

行政法16/ 287/ 事実への法適用(法への事実の包摂)につき、行政庁の判断に終局性が認められる場合を #要件裁量(ただし、覊束裁量、法規裁量)、実際にどのような行政行為を行うかにつき終局性が認められる場合を #効果裁量という。#いつの時点で行うかの裁量、#いかなる手続を経て行うかの裁量の余地もある。

[『LEGAL QUEST行政法』3版108頁~110頁参照。法的判断枠組み(法概念の基礎的説明)。]

 

行政法17/ 288/ 法への事実の包摂につき、#不確定な法概念でもそれだけで要件裁量は認められない。通常人の経験則や社会通念により客観的に認定しうる場合は除く。#専門技術的・政治政策的判断も要する場合に認められうる。その場合も、司法審査を免れる自由裁量(便宜裁量)でなく、覊束裁量(法規裁量)と解する。

[『LEGAL QUEST行政法』3版109頁参照。法的判断枠組み(法律要件についての行政庁の裁量)。]

 

 

行政法1/ 33/ 裁量基準は、法律が与えた裁量の範囲内で合理的でなければならず、法律の趣旨・目的を逸脱した不合理なものであれば、それに従ってなされた行政処分も違法となる。もっとも、ある特定のケースへの機械的適用が、かえって法律の趣旨・目的を損なうような場合、個別的な特殊性への配慮を要する。#行政法

[『事例研究 行政法』2版350頁、351頁参照。法的判断枠組み。]

 

 

行政法14/ 285/ 被侵害利益が重大か、多数人の利益調節を要する場合、原告の権利保護の見地から、裁量判断の逸脱・濫用につき審査密度を高める必要がある。①#重要な事実の基礎を欠くか、②考慮不尽、他事考慮、事実評価の不合理により、#判断内容が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くならば、違法であると解する。

[『基本から合格答案を即効で書けるようになる本』公法系168頁(最判18112民集60-9-3239小田急訴訟本案判決。『事例研究 行政法256頁)参照。法的判断枠組み(裁量について判断過程審査を行うべき場合、および、審査基準)。]