ミニマム法律学

法律書等を読んで,理解し覚えられるように短くまとめて行こうと思っています。ツイッター→https://twitter.com/right_droit YouTube(判例原文の音読)→https://www.youtube.com/channel/UCqVOy5zBmI3GzOI_WF5Dc6Q/featured

2018年2月分ツイート: 49 (憲法7,行政法5;民法10,商法16,民訴法1要件事実2,倒産法2;刑法2,刑訴法4)

法律に関し、140字以内にまとめ、できる限り、①法的判断枠組み、②事実の分析・評価例に分けています ( https://twitter.com/right_droit  http://twpf.jp/right_droit)。

 

2018年2月27日(2)
民法53/ 物権総論13/ 479/ 添付規定により,添付物の所有権を失う当事者は,所有権を取得した当事者に,償金請求可(民法248条・703条・704条)。#添付規定を「#法律上の原因」としての利得なので,#一般不当利得要件は具備しないが,利得者は,#所有権を失う者の損失において_対価支払いなく_利得する実質がある。これが248条規定理由。
[『事例から民法を考える』297頁参照。法的判断枠組み(条文制度の説明)。]

民法52/ 法定債権6(不当利得)/ 478/ 甲乙間契約に基づき甲が乙に給付したが,対価支払いなく,乙の利得が丙に移転した場合,#甲が_乙に債権をもつにもかかわらず_契約関係にない丙に利得返還を求める権利が転用物訴権。丙が支払っている場合,二重支払,甲も乙の一般債権者にすぎず,不適切。#丙が対価関係なしに利得を得たときに限られるべき。
[『事例から民法を考える』297頁-298頁(最判昭45・7・16民集24-7-909(ブルドーザー事件),最判平7・9・19民集49-8-2805)参照。事実の分析・評価例(判例)]

 

2018年2月26日(2)
刑訴法48/ 違法収集証拠/ 477/ 派生証拠(毒樹の果実)も原則証拠排除されるが,収集過程,先行違法手続との関連性,派生証拠の重要性等を総合考慮。例外,①#独立入手源法理(違法捜査と無関係の独立情報源),②#希釈法理(第1次証拠と第2次証拠との因果関係が希釈化),③#不可避的発見法理(違法捜査なくとも,独立の捜査で発見したであろう)。
[小林充『刑事訴訟法』新訂版263頁,264頁(最判平15・2・14刑集57-2-121)参照。法的判断枠組み(前半は,事実の判断手法(判例参照)。後半は,毒樹の果実理論の下位規範,あるいは,事実認定において,例外的に,派生証拠(毒樹の果実)が証拠排除されない場合の,具体的な理由づけの例(上記の3つの法理)]

 

刑訴法47/ 違法収集証拠/ 476/ 違法に収集された非供述証拠は,その違法が証明力に影響を及ぼさないが,証拠物の押収手続に,#憲法35条・刑訴法218条1項当の所期する令状主義の精神を没却するような重大な違法があり,証拠として許容することが,#将来の違法な捜査の抑制の見地からして相当でないと認められる場合,証拠能力が否定される。
[小林充『刑事訴訟法』新訂版262頁-263頁(最判昭53・9・7刑集32-6-1672)参照。法的判断枠組み(判例参照)。]

 

2018年2月25日(4)
要件事実13/ 不動産明渡し(賃貸借終了)/ 475/ 賃借人は契約終了により目的物原状回復含む,賃貸借契約に基づく目的物返還義務(#付属物収去義務包摂)負う。したがって,土地賃貸人が土地上に建物所有する土地賃借人に,契約終了に基づき建物収去土地明渡請求する場合,#訴訟物は賃貸借契約終了に基づく目的物返還請求権としての建物収去土地明渡請求権。
[改訂『紛争類型別の要件事実』91頁参照。事実の分析・評価例。]

要件事実12/ 不動産明渡し(賃貸借終了)/ 474/ 賃貸借契約終了に基づく明渡請求権は,#賃貸借契約の効果として発生する賃借物返還義務が基礎。解除,解約申入れ等の終了原因自体の効果でない。したがって,1個の賃貸借契約に基づく明渡請求は,終了原因いかんにかかわらず,訴訟物1個,#賃貸借契約終了に基づく目的物返還請求権としての不動産明渡請求権。
[改訂『紛争類型別の要件事実』90頁参照。法的判断枠組み(理論)。]

行政法28/ 損失補償/ 473/ 公健法4条2項認定者への障害補償費は,損害の迅速な填補の趣旨,原因者が本来すべき損害賠償義務の履行に代わる支給(13条1項も同じ前提)。都道府県知事は,#認定者が_原因者への損害賠償請求訴訟判決で民事上_損害賠償義務全ての履行を受けている場合,公健法に基づく障害補償費の支給義務の全てを免れる。
[最判平29・9・8裁時1683-3(新・判例解説 Watch ◆ 行政法 No.183)参照。事実の分析・評価例。]

行政法27/ 損失補償/ 472/ #障害補償費の支給費用は都道府県等が支弁し(公健法47条),4条2項認定者への障害補償費の支給費用は全額,原因者から徴収する特定賦課金で充て(48条1項,49条2項),最終的に原因者負担。#健康被害に係る損害の迅速な填補という趣旨で原因者が本来すべき損害賠償義務の履行に代わり支給されるものと解する。
[最判平29・9・8裁時1683-3(新・判例解説 Watch ◆ 行政法 No.183)参照。法的判断枠組み。]

 

2018年2月24日(4)
会社法94/ 計算3/ 471/ 会社利益は,①#会計帳簿(会社法432条,元帳,仕訳帳,伝票),②#計算書類・事業報告書・附属明細書の2段階(決算)を経て記録(複式帳簿)。会計ルールは,会社法,施行規則,計算規則,金融商品取引法,法人税法などに規定。具体的ルールは膨大,変化も速いため,#公正な会計慣行に従うべきもの(431条,計算規則3条)。
[『LEGAL QUEST会社法』3版256頁-257頁参照。法的判断枠組み(制度,条文)。]

会社法93/ 計算2/ 470/ 会社債権者利益保護のため,分配可能額内でのみ剰余金配当等が可(会社法461条)。実効性確保のため,違反した剰余金配当等につき,一定の者は会社への金銭支払義務を負う。金銭等の交付を受けた者は,#交付を受けた金銭等すべての帳簿価額に相当する金銭支払義務を負う(462条1項柱書)。過失の有無問わない。
[『LEGAL QUEST会社法』3版285頁,R23②,参照。法的判断枠組み(条文制度)。]

民法51/ 物権総論12/ 469/ 未完成建物の出来形部分所有権が注文者でなく請負人等に帰属し第三者が建物を完成させた場合,#契約関係ないため物権法理で処理。動産に動産を単純付合させ工作価値を無視しうる場合と違い,#建物建築は材料に施される工作が特段の価値を有し_完成価格が原材料より相当程度増加するので,加工規定による。
[『事例から民法を考える』293頁-294頁(最判昭54・1・25民集33-1-26)参照。事実の分析・評価例。]

民法50/ 物権総論11/ 468/ 建物は土地に付合(民法242条)せず,土地,建物は別個独立の不動産(370条参照)。#建築途上で屋根・周壁等により外気分断性を備え建物(不動産)となる前の未完成建物(動産,86条2項)も同様。添付は任意規定。#建築請負契約にいずれ独立した建物になるという当事者間の添付規定適用排除合意ありといえるから。
[『事例から民法を考える』285頁参照。事実の分析・評価(契約の解釈)。]

 

2018年2月(1日-22日)分ツイート: 37 (憲法7,行政法3;民法6,商法14,民訴法1,倒産法2;刑法2,刑訴法2)

2018年2月22日(4)
刑法総論34/ 共犯12/ 467/ 同時犯は,2人以上が意思連絡なく同時期,同一客体へ同一犯罪を実現するもの。場所同一を要せず。ほぼ同時期に並列していれば足る。#故意・過失犯_異なった犯罪の同時犯も。単独正犯並列なので,各自の行為による結果に正犯責任。結果発生しても誰の行為か不明なら未遂責任。#傷害罪特例あり(刑法207条)。
[森・スーパー論文の基礎(大塚仁『刑法総論』240頁)参照。法的判断枠組み(法的概念の説明)。]

 

会社法92/ 株式15/ 465/ #基準日後に募集株式の発行(会社法199条)等によって,新たに株主になった者は,会社が認めれば,株主総会における議決権を行使できる(124条4項)。しかし,#基準日後に他の株主から株式を譲り受けた者の議決権行使を会社が認めることは_基準日時点の株主の権利を害するため許されない(同条項ただし書参照)。
[『LEGAL QUEST会社法』3版113頁参照。法的判断枠組み,および,事実の分析・評価例(募集株式の発行等の株主総会決議を経て新たに株主になった者と異なり,株主総会決議を経ずに他の株主から譲り受けた者の場合)。]

 

会社法91/ 株式14/ 465/ 株式が広く流通,譲渡される会社は,株主名簿上の株主確定に相当時間を要する場合がある。そこで,#会社は一定の日を基準日とし(権利行使日の3か月以内,会社法124条2項),その日の株主名簿上の株主を後日の権利行使者と定めうる(同条1項)。#定款で定めた場合を除き,基準日の2週間前までに公告要(同条3項)。
[『LEGAL QUEST会社法』3版113頁参照。法的判断枠組み(条文制度)。]

 

会社法90/ 企業の買収/ 464/ 会社法179条の8第1項の売買価格決定申立て制度は,#同条の4第1項・振替法161条2項の通知・公告時点の対象会社株主が,定められた額で株式売渡しを強いられるので,不服ある当該株主に適正対価を得る機会を与える趣旨。#通知・公告で株式売渡し確定後の売渡株式の譲受人は保護対象として想定されていない。
[最決平29・8・30民集71-6-1000(TKC・新・判例解説 Watch ◆ 商法 No.106)参照。法的判断枠組み(条文制度趣旨),事実の分析・評価例。]

 

2018年2月21日(1)
会社法89/ 企業の買収/ 463/ 株式会社の総株主の議決権の9割以上を有する者(#特別支配株主)は,他の株主全員に対し,保有株式等全部の売渡しを請求できる(会社法179条)。#買収者が議決権のほとんどを有する場合_帰趨は決まっている。公開買付けからキャッシュアウトまで,#長期間_他の株主を不安定な地位に立たせる問題もあったため。
[『LEGAL QUEST会社法』3版381頁。法的判断枠組み(条文,制度趣旨)。]


2018年2月20日(1)
民法49/ 相続7/ 462/ 相続人は相続開始時から被相続人の「財産」に属した一切の権利義務承継(民法896条本文)。#親族法上のもの含まず。#被相続人一身専属するもの非承継(ただし書)。①個人的信頼に基づくもの。②権利者個人,行使を決めるべき権利。③性質上本来の債務者自身の給付を要する債務。④遺留分減殺請求権など。
[ダットサン民法3』3版273頁~276頁参照。法的判断枠組み。]


2018年2月19日(2)
会社法88/ 企業の買収・合併・再編20(株式併合,キャッシュ・アウト,株主総会決議取消訴訟)/ 461/ 株式併合・全部取得条項付種類株式取得によるキャッシュ・アウト対価不当性は,原則,#価格決定手続(会社法182条の5,172条)で争えば足り,併合・取得行為効力に影響なし。例外,#買収者の議決権行使により著しく不当な対価でキャッシュ・アウト可決の場合,決議取消し可(831条1項3号)。行為の効力も否定可。
[『LEGAL QUEST会社法』3版380頁,164頁(,429頁),R29②Q2,参照。法的判断枠組み。]

 

民法48/ 債権総論14/ 460/ 債権者代位権,①債権保全の必要性(#債務者無資力),②債務者が権利未行使,③債務者の一身専属権でない,④被保全債権が弁済期(裁判上代位,保存行為除く)が要件(民法423条)。#責任財産保全の趣旨から,原則,金銭債権限定。例外,転用事例(①不要)。要件③,離婚に伴う財産分与請求権など,#具体的金額確定要。
[『基本から合格答案を即効で書けるようになる本②民事系』59頁参照。法的判断枠組み。]

 

2018年2月18日(2)
行政法25/ 行政作用(行政行為)/ 459/ 処分時示さなかった理由事後提示,不十分だった理由を事後に完備したものにするなど,#理由追完は許されない。理由提示制度(行手法8条1項,14条1項)趣旨,①恣意抑制,慎重配慮確保,公正処分決定担保,②不服申立便宜,を全く没却するから。#いったん提示した完備した理由に事後的に別理由を追加_差替えは可。
[『LEGAL QUEST行政法』3版92頁(最判平11・11・19民集53-8-1862),91頁((最判昭60・1・22民集39-1-1等)参照。事実の分析・評価例。]

行政法24/ 行政作用(行政行為)/ 458/ 理由提示(行手法8条1項,14条1項)の趣旨は,①#恣意抑制・慎重配慮確保・公正処分決定担保機能,②#不服申立便宜機能。理由の具体性は,処分の根拠規定適示では足りず,#いかなる事実関係に基づきいかなる法規を適応し結論に至ったか_理由記載自体からわかる程度に示す。審査・適用基準の適用関係提示も要。
[『LEGAL QUEST行政法』3版91頁(最判昭60・1・22民集39-1-1等),92頁(最判平23・6・7民集65-4-2081,『行政法判例百選Ⅰ』6版〔128〕,「処分基準」(行手法12条1項参照)の適用関係に関する。等)参照。法的判断枠組み。]

 

2018年2月17日(2)
刑訴法46/ 公訴4/ 457/ 「訴因」は,#罪となるべき事実と日時・場所・方法から構成される(刑訴法256条3項)。後者は,犯罪構成要素の場合を除き,「罪となるべき事実」そのものではない。#訴因を特定する一手段,できる限り具体的に表示すべき。罪となるべき事実特定に資する要素はこれらに限られず,例示。#不可欠の要素ではない。
[古江『事例演習 刑事訴訟法』初版149頁,150頁(白山丸事件,最大判昭37・11・28刑集16-11-1633)参照。法的判断枠組み(条文解釈)。]

会社法87/ 機関44/ 456/ ①役員等の任務懈怠,②会社に損害,③①②の間の因果関係(会社法423条1項),④役員等の帰責事由(428条,故意・過失)が任務懈怠責任要件。法令違反でない経営上の決定:①は善管注意義務(330条・民法644条),忠実義務(355条)違反。債務不履行責任の特則:#追求側①②③,#役員等④帰責事由なきことの証明責任。
[『事例で考える会社法』156頁,157頁参照。法的判断枠組み(条文)]

 

2018年2月16日(1)
人権47/ 455/ ピアノ伴奏の拒否は,一般的に歴史観・世界観と不可分に結びつくものではなく,#伴奏を求めても_歴史観・世界観自体を否定するものではない。客観的にも,ピアノ伴奏は,音楽専科の教諭等にとり通常想定され期待され,#伴奏を行うことにより特定の思想を有することを外部に表明する行為であるとはいえない。
[『趣旨・規範ハンドブック』公法系5版43頁(最判平19・2・27,平23年度『重要判例解説』〔憲法3〕43頁)。事実の分析・評価例。]

 

2月(10日-15日)分ツイート: 7 (憲法2,行政法1;民法2,民訴法1,倒産法1)

2018年2月15日(1)
民訴法92/ 判決/ 454/ 保証人は,主債務者・債権者間の判決の既判力を受けないが,主債務者が勝訴し,弁済の要がなくなれば,保証債務の附従性から(民法448条),債権者にその勝訴結果を援用可。もっとも,#連帯保証債務履行請求訴訟で敗訴確定判決を受けた保証人は_その後の主債務者勝訴確定判決を_請求異議事由にできない(判例)。
[『民事訴訟法講義案』再訂補訂版293頁,294頁参照。事実の分析・評価例(前半学説、後半判例)。]

2018年2月13日(4)
物権総論10/ 453/ 不動産所有権が,元所有者から中間者,中間者から現所有者に順次移転したにかかわらず,登記名義が元所有者にある場合に現所有者が元所有者に対し,現所有者への真正な登記名義回復を原因とする所有権移転登記手続請求するのは,#物権変動過程を忠実に登記記録に反映しようとする不登法に反する(61条参照)。
[23年度『重要判例解説』〔民法4〕(最判平22・12・16民集64-8-2050)参照。事実の分析・評価例。]

債権総論13/ 債権の消滅/ 452/ 民法494条は,493条と異なり,「あらかじめ」文言欠く。そこで,あらかじめ受領拒絶の場合,#さらに弁済提供(493条)し,債権者が受領遅滞に陥ったとき,はじめて供託可。#あらかじめ受領拒絶の意思を明確にしていた場合は別。賃貸人が一度でも受領拒絶した場合,その後の賃料につき受領拒絶意思明確と判断可。
[ダットサン民法2』3版190頁,191頁(大判明40・5・20民録13-576,大判明45・7・3民録18-684,最判昭45・8・20民集24-9-1243)参照。事実の分析・評価例。]

行政法23/ 国賠法/ 451/ 市町村設置の中学校の教諭が職務時に,故意・過失で違法に生徒に損害を与えた場合,#給与を負担する都道府県が,国家賠償法1条1項,3条1項に従い生徒に賠償すれば,同条2項に基づき,#賠償した損害全額を中学校を設置する市町村(「#内部関係でその損害を賠償する責任ある者」)に求償可(学校教育法5条等参照)
[最判平21・10・23民集63-8-1849,『行政判例百選Ⅱ』6版〔251〕参照。事実の分析・評価例。]

人権46/ 450/ 個人が掲載したからといって,#閲覧者に信頼性の低い情報と受け取られるとは限らない。不特定多数者が瞬時に閲覧可能で,名誉毀損被害は時に深刻。一度損なわれた名誉回復は容易でなく,#ネット上での反論で十分回復が図られる保証はない。したがって,インターネット利用者による表現行為も,#同様の要件。
[最決平22・3・15刑集64-2-1,憲法判例プラクティス』増補版〔115〕参照。事実の分析・評価例。]

2018年2月11日(2)
破36/ 449/ 受益者の悪意は,原則,破産管財人が証明責任を負うが,#受益者がいわゆる内部者である場合,通常,破産者の経済状態を熟知してるはずなので,証明責任が転換される(破162条2項1号)。さらに,#対象たる行為や時期についての非義務行為も,証明責任が転換され,支払不能の30日前まで拡大されている(同条1項2号)。
[山本和彦『倒産処理法入門』4版103頁参照。法的判断枠組み(条文制度)。]

破35/ 448/ 偏頗行為否認(破162条)は,原則,支払不能時が基準時である(同条1項1号)。#債務者が支払能力欠乏のため弁済期にある債務を一般的・継続的に弁済できない(2条11項参照)とき,一部債権者のみへの弁済は許されないし,相手方も弁済を受け取ってはならないと考えられるから。#受益者の悪意が条件とされている。
[山本和彦『倒産処理法入門』4版103頁参照。法的判断枠組み(条文制度)。]

 

2月(1日-10日)分ツイート: 17 (憲法5;民法2,商法8;刑法1,刑訴法1)

2018年2月10日(5)
人権45/ 447/ 放送法64条1項は,#テレビジョン受信設備設置者に_受信契約締結を強制するにとどまる。したがって,放送法の目的を達成するのに必要・合理的範囲内であり,憲法上許容される。受信契約の申込みに対し受信設備設置者が承諾しない場合,#承諾の意思表示を命ずる判決の確定により受信契約が成立すると解する
[最大判平29・12・6,LX/DB25449082参照。法的判断枠組み。
 以上,5ツイート,判決の斜め読みで,自分なりにわかりやすくまとめましたので,判決の趣旨に沿っていない可能性もあります。ご容赦下さい。正確な判文は,各人でご確認下さい(裁判所,裁判例情報,http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/281/087281_hanrei.pdf)。]

人権44/ 446/ 財源的基盤を受信設備設置者の受信料負担で確保する仕組みは,合理的で,#憲法上許容される立法裁量の範囲内。したがって,#このような制度の枠を離れ_国民がテレビジョン受信設備を用い放送を視聴する自由,具体的には,#金銭の負担なく視聴することのできる民間放送視聴の自由は,憲法上保障されていない。
[最大判平29・12・6,LX/DB25449082参照。法的判断枠組み。]

人権43/ 445/ 公共放送,民間放送事業者体制下,前者の日本放送協会の民主的・多元的基盤に基づく自律的運営事業体としての存立ため,#財源的基盤をテレビジョン受信設備設置者の受信料負担により確保する仕組みは,憲法21条の表現の自由下,#国民の知る権利の実質化であり,合理的。放送環境の変化でも合理性変わらない。
[最大判平29・12・6,LX/DB25449082参照。事実の分析・評価。]

人権42/ 444/ 日本放送協会(NHK)は,営利目的業務・他人の営業の広告放送を禁止され(放送法20条4項,83条1項),事業運営財源がテレビジョン受信設備設置者から支払われる受信料によって賄われる(財源面における公共的性格)。NHKは,#民主的・多元的基盤に基づき自律的運営の事業体として,公共の福祉のための放送を行う。
[最大判平29・12・6,LX/DB25449082参照。法的判断枠組み(放送法)。]

人権41/ 443/ 放送は,憲法21条の表現の自由保障下,#国民の知る権利の実質化,#健全な民主主義発達に資するため,国民に広く普及要(放送法の目的)。この目的実現のため放送法は,#公共放送事業と民間放送事業とが,各々その長所を発揮し,互いに啓もうし,欠点を補い,放送により国民が十分福祉を享受できるよう図っている。
[最大判平29・12・6,LX/DB25449082,放送法1条、参照。法的判断枠組み。]


2018年2月6日(1)
刑訴法45/ 442/ 同日時,自宅でテレビ視聴,約束通り,その1時間20分前頃,西成の知人方に行った旨の供述に,更に詳しい供述を求めた本件質問等は,#公判前整理手続で明示の,同日時,西成区の自宅,付近にいた旨のアリバイ主張に関する具体的供述要求等にすぎず,刑訴法295条1項に該当しない。316条の17第1項義務違反でもない。
[最決平成27・5・25刑集69-4-636(平成27年度『重要判例解説』〔刑訴法3〕)参照。事実の分析・評価例。]


2018年2月5日(3)
会社法86/ 株式13/ 441/ 株式併合は株主の利害に重大な影響を与えるため,①#端数株式買取請求権(会社法182条の4),②#差止請求権(同条の3),③#事前情報開示(181条,182条の2.施行規則33条の9),④#事後情報開示(182条の6,施行規則33条の10)で保護される。併合により端数となる株式が単元未満株式だけの場合を除く(同条の2第1項)。
[『LEGAL QUEST会社法』3版126頁参照。法的判断枠組み(条文、制度)。]

会社法85/ 株式12/ 440/ 株式併合は株主総会特別決議で,#併合割合,効力発生日,発行可能株式総数等の定め要(会社法180条2項・309条2項4号)。株主の利害に重大な影響があるから。取締役は株主総会で,#株式併合を要する理由説明要(180条4項)。公開会社の発行可能株式総数は,効力発生日における発行済株式総数の4倍以下(同条3項)。
[『LEGAL QUEST会社法』3版125頁、126頁、R29②Q2、参照。法的判断枠組み。]

刑法各論21/ 438/ 盗品等関与罪の保護法益は,前提犯罪たる財産犯の被害者が被害物に有する回復請求権(#追求権)。しかし,盗品等運搬,保管,有償譲受け,有償処分あっせん罪(刑法256条2項)の法定刑が窃盗罪などより重いのは,本犯の犯人による盗品等の利用を援助する,#本犯助長性_事後従犯性の考慮。また,#利益関与性もある。
[山口『刑法各論』2版337頁、338頁参照。法的判断枠組み。]


2018年2月4日(5)
会社法84/ 機関44/ 437/ 代理人資格を株主に限る定款の #厳格適用は,株主代理人のみ議決権行使させる過度の制約,#相当程度の制限とはいえない場合がある。団体職員や法人従業員を代理人とし出席させ,議決権行使させても総会攪乱のおそれなく,認めないと事実上議決権行使機会を奪うに等しい。このような場合,定款の効力制限要。
[『LEGAL QUEST会社法』3版154頁、R29②Q2、参照。事実の評価・分析例。]

会社法83/ 機関43/ 436/ 代理人により議決権行使可(会社法310条1項前段)。出席できない株主の議決権行使機会の保障。株主総会ごと代理権授与し(310条2項),それを証する書面提出による(同条1項後段)。ただし,#株主でない者による株主総会攪乱の防止のため,代理人資格を株主に限る定款も,合理的理由による相当程度の制限で有効。
[『LEGAL QUEST会社法』3版154頁、R29②Q2,参照。法的判断枠組み、および、事実の分析・評価。] 

会社法82/ 機関42/ 435/ 取締役等に説明義務が発生した場合,#株主が議題を合理的に判断するのに客観的に必要な説明で足りる。何を説明すべきかは,#具体的な議題・議案や総会での質問内容により決まる。退職慰労金議案の場合,会社法361条1項が資金流出コントロールにあるので,確定した支給基準から額を算出できることの説明要。
[『LEGAL QUEST会社法』3版150頁、151頁参照。法的判断枠組み、および、事実の分析・評価例。]

会社法81/ 機関41/ 434/ 取締役等は,株主総会で,株主から特定事項の説明を求められれば,#説明義務を負う(会社法314条)。議案の賛否判断のため。#総会で具体的質問なき限り義務は生じない。議題に関しない,株主の共同利益や他者の権利を害する,調査要,実質的に同一事項の繰返しなどのとき,を除く(同条ただし書,#施行規則71条)。
[『LEGAL QUEST会社法』3版149頁、150頁参照。法的判断枠組み(条文)]

会社法80/ 機関40/ 433/ 株主総会に出席しない株主のため,招集に際し,#書面による議決権行使を認めることができる(会社法298条1項3号)。#株主数が1000人以上の会社では,必要的な義務である。招集通知に際し,株主に株主総会参考書類,議決権行使書面を交付(301条1項)。株主は,議決権行使書面に記入し,会社に提出する(311条1項)。
[『LEGAL QUEST会社法』3版154頁、155頁参照。法的判断枠組み(条文、制度)。]


2018年2月3日(2)
民法46/ 債権総論11/ 432/ 弁済により消えるはずの原債権も担保と一緒に弁済者に移転。代位弁済者に,#求償債権_原債権が帰属。原債権,担保権も,求償債権の確保のための付従的性格を有し,求償債権の範囲内でのみ行使可。求償債権が弁済されれば,どちらも消滅。原債権も移転するので,代位弁済者は原債権の債務名義を承継し利用可。
[内田『民法Ⅲ』3版78頁、79頁参照。法的判断枠組み(理論的説明)。]

民法45/ 債権総論10/ 432/ 弁済者は,債務者に求償しうる範囲内で,債権の効力,担保として債権者が有していた一切の権利を行使可(民法501条本文)。もとの債権に付随する損害賠償請求権,債権者代位権,債権者取消権等, 抵当権,保証等である。#原債権が担保権とともに弁済者に移転する。契約当事者の地位に付随する権利は移転しない。
[内田『民法Ⅲ』3版78頁参照。法的判断枠組み(理論的説明)。]


2018年2月2日(1)
会社法79/ 企業再編19/ 431/ 株式併合,全部取得条項付種類株式の全部取得の効力を争う特別の訴えはない。しかし,#重大な法令違反の場合,当然無効。必要な株主総会決議,種類株主総会決議に #取消事由(会社法831条1項)ある場合,訴えで決議が取り消せば,これらの行為も無効。対価不当性は,原則,#価格決定手続(182条の5,172条)による。
[『LEGAL QUEST会社法』3版380頁参照。法的判断枠組み。]