多数当事者訴訟(民事訴訟法)

民訴法について140字以内にまとめ、①法的判断枠組み、②事実の分析・評価に区分。 twitter.com

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〔多数当事者訴訟〕 ■共同訴訟 ■訴訟参加 
■共同訴訟 ●通常共同訴訟 ●必要的共同訴訟
●通常共同訴訟

民訴法81/ 385/
通常の共同訴訟では、共同訴訟人の一人のする訴訟行為は他の共同訴訟人のために効力を生じないのであって、共同訴訟人間に共通の利害関係が存するときも同様。したがって、#共同訴訟人が相互に補助するためには_補助参加の申出を要する。そうしなければ、#明確な基準なく_訴訟を混乱せしめるから。
 最判勝43・9・12民集22-9-1896(『民事訴訟判例百選』5版〔95〕200頁)、R28③、参照。[法的判断枠組み(当然の補助参加の理論の否定)]

民訴法82/ 386/
共同訴訟人の一部が提出した証拠は、援用の有無にかかわらず他の共同訴訟人についても事実認定の資料にできる(#共同訴訟人間における証拠共通の原則)。弁論・証拠調べが原則、共通の期日で行われ、#自由心証主義の下で1つの歴史的事実につき異なる事実認定をするのは不可能・不自然だからである。
 『民事訴訟判例百選』5版〔95〕200頁、201頁参照。[法的判断枠組み]

民訴法83/ 387/
訴訟経済や統一的紛争解決を強調し、一人の共同訴訟人がある主張をし、他の共同訴訟人がこれと抵触する行為を積極的にしていない場合、他の共同訴訟人に有利であるかぎり、#共同訴訟人間に主張共通を認める見解もある。しかし、通常共同訴訟は紛争の統一的解決を要求しないし、民訴法39条に反する。
 『民事訴訟判例百選』5版〔95〕201頁参照。[法的判断枠組み(新堂説への批判)]

民訴法84/ 388/
共同訴訟人間の当然の補助参加関係理論は、共同訴訟人の一人による訴訟行為が他の共同訴訟人のためにもされたと見て、紛争の統一的解決を図る。しかし、補助参加の利益があっても、補助参加の意思まで擬制できないし、#そもそも各共同訴訟人と相手方間の請求を矛盾なく判断させるための制度でもない。
 『民事訴訟判例百選』5版〔95〕201頁参照。[法的判断枠組み(兼子説への批判)]


民訴法8/ 102/
訴訟係属中、第三者による当事者に対する請求、または、当事者による第三者に対する請求として併合審判を求める、訴えの主観的追加的併合は、一定の場合、すなわち、第三者による追加として共同訴訟参加(#民訴法52条)、当事者による追加として訴訟引受け(50条、51条)など、認められている。
 『民事訴訟法講義案』再訂補訂版307頁参照。[法的判断枠組み]

民訴法9/ 103/
当事者申立権として、いわゆる明文なき訴えの主観的追加的併合を認め、当然の併合審理の効果を付与すべきか。
必ずしも訴訟経済に適うものでなく、かえって訴訟複雑化・濫訴・遅延を招きやすいことから消極に解する。別訴提起後、裁判所の裁量としての弁論併合(#民訴法152条)によるべきである。
 『民事訴訟法講義案』再訂補訂版307頁参照。[法的判断枠組み]

民訴法70/ 374/
当然の主観的追加的併合は、明文規定なく、認められない。認めても、新訴に旧訴訟の訴訟状態を当然に利用できるか問題があり、必ずしも訴訟経済に適うものではなく、#かえって訴訟を複雑化させる弊害_軽率な提訴・濫訴が増えるおそれもあり_新訴提起時期いかんによっては訴訟遅延を招きやすいから。
最判昭62・7・17民集41-5-1402(『民事訴訟判例百選』5版〔96〕202頁)、R28③、参照。[法的判断枠組み(判例)]

 

●必要的共同訴訟
民訴法60/ 354/
入会地であることの確認を求める訴えは、入会集団の構成員全員が当事者として関与し、その間で合一確定を要する #固有必要的共同訴訟 である。#構成員のうちに訴え提起に同調しない者がいても、入会権の存否に争いがあるときは、#入会権の存在を主張する構成員の訴権は保護されなければならない。
 最判平20・7・17民集62-7-1994(『民事訴訟判例百選』5版〔97〕204頁)参照。R28③。[法的判断枠組み(民事手続制度について、ある解釈をとるべき理由。判例)]

民訴法61/ 355/
入会集団の構成員のうちに入会確認の訴えの提起に同調しない者がいる場合、入会権の存在を主張する構成員が原告となり、#訴え提起に同調しない者を被告に加え、訴え提起できる。当該判決の効力を構成員全員に及ぼしても、#構成員全員が訴訟当事者として関与するのだから、構成員の利益は害されない。
 最判平20・7・17民集62-7-1994(『民事訴訟判例百選』5版〔97〕204頁)参照。R28③。[法的判断枠組み(判例)]


民訴訟66/ 370/
①共有権確認を求める訴えは、共有者全員が当事者となる必要がある固有必要的共同訴訟だが、②持分権確認を求める訴えは、各共有者が持分権に基づき単独提起可。③共有権に基づく請求(妨害排除請求など)は、#持分権に基づく保存行為や不可分債権という構成員単独行使可能な実体権あれば、単独で可。
 『民事訴訟判例百選』5版206頁解説タテ2参照。[法的判断枠組み]

民訴法65/ 369/
不動産共有者の1人は、#持分権に基づき共有不動産への妨害を排除できるところ、#不実の持分移転登記ある場合、共有不動産に対する妨害状態が生じているということができるから、共有不動産に全く実体法上の権利を有しないのに持分移転登記を経由している者に対し、#単独で抹消登記手続請求できる。
 最判平15・7・11民集57-7-787(『民事訴訟判例百選』5版〔98〕206頁)参照。[事実の評価]

民訴法67/ 371/
#共有者が求める移転登記請求は_共有者全員が原告となるべき固有必要的共同訴訟。抹消登記は不実登記の抹消だけで、1人での訴求も共有者全員の利益となるが、移転登記は共有者全員の登記としなければ意味なく、1人で移転登記請求し1人だけの登記を実現すれば実体に合わず他者の利益を害するから。
 『民事訴訟判例百選』5版207頁解説タテ3(最判昭46・10・7民集25-7-885 『民事訴訟判例百選』5版〔A31〕263頁)参照。[事実の分析・評価]

民訴法68/ 372/
土地所有者が所有権に基づき地上建物所有者たる共同相続人に、建物収去土地明渡請求する訴訟は、固有必要的共同訴訟ではない。#共同相続人等の義務は不可分債務であり、請求認容のときに、同人らは土地所有者に対し、各自係争物件への侵害全部を除去すべき義務を負うから(民法430条・432条)。
 最判昭43・3・15民集22-3-607(『民事訴訟判例百選』5版〔99〕208頁)参照。[事実の分析・評価]

民訴法69/ 373/
遺産確認の訴えは、当該財産が現に共同相続人による遺産分割前の共有関係にあることの確認を求める訴えであり、勝訴の確定判決の既判力により、当該財産の遺産帰属性を争うことは許されななくなり、紛争解決に資する。#共同相続人全員が当事者として関与_合一確定を要する固有必要的共同訴訟である。
 最判平元・3・28民集43-3-167(『民事訴訟判例百選』5版〔100〕210頁)参照。[事実の分析・評価]

 

 


■訴訟参加
民訴法7/ 101/
補助参加の要件は、①訴訟の結果に②利害関係を有することである(#民訴法42条)。②は、法律上の利害関係であり、私法上または公法上の法的地位。法的利益に影響を及ぼすおそれがある場合をいう。判決効が及ぶ場合に限られない。①は、判決主文で判断される訴訟物たる権利・法律関係の存否を指す。
 『民事訴訟法講義案』再訂補訂版312、313頁参照。[法的判断枠組み]