強盗,詐欺,恐喝,盗品等罪,文書偽造罪,等 (刑法各論, 2/19/2018)

法律に関し,140字内にまとめ( @right_droit , http://twpf.jp/right_droit)、可能な範囲で,①法的判断枠組み,②事実の分析・評価(例)に分けています。間違い等ありました、ご指摘お願い致します。


〔財産に対する罪〕
■ 強盗罪
刑法1/ 各論1/ 60/ 強盗罪(#刑法236条)の手段たる「暴行」「脅迫」にあたるか否かは、社会通念上一般に被害者の反抗を抑圧するに足る程度のものかという客観的基準により決定される。その際、暴行・脅迫の態様、犯人の性別・年齢・体格、人数、意図、被害者の性別・年齢、人数、犯行の時刻・場所などが考慮される。
[『趣旨・規範ハンドブック』5版3刑事系116頁、最判昭24・2・8刑集3-2-75、R28①、参照。]

刑法12/ 各論4/ 139/ 強盗利得罪(#刑法236条2項)では、相手方は反抗を抑圧されており、任意に基づく処分行為介入の余地がないので、債務免除、支払猶予といった処分行為を要しない。ただ、処罰範囲限定のため、財物移転と同視できる、事実上支払いを免れたなどの、財産的利益移転の具体性・確実性を要すると解する。
[西田典之『刑法各論』5版171頁、最判昭32・9・13刑集11-9-2263、参照。法的判断枠組み、判例+西田説。]

 

■詐欺罪

刑法各論23/ 309/ 拾得・窃取したキャッシュカードを使用し現金自動支払機で、#振替送金したときなど、電子計算機使用詐欺罪(刑法246条2)が処罰する。①財産権得喪・変更に係る不実の電磁的記録の作成、②財産権得喪・変更に係る虚偽の電磁的記録の供用により、財産上不法の利益を得たとき等に限り処罰する。

[山口『刑法各論』2版274頁参照。法的判断枠組み(条文)。R21①参照。]

 

刑法各論24/ 310/ 財産権得喪・変更に係る電磁的記録(刑法246条の2)は、作出・更新により、#直接_事実上_当該財産権得喪・変更を生じるもの。銀行の顧客元帳ファイルの預金残高記録、カードの残度数など。カードの磁気ストライプ部分中の記録や不動産登記ファイルなどは一定事実証明のもので、あたらない。

[山口『刑法各論』2版275頁参照。法的判断枠組み。事実の分析・評価例。]


■ 恐喝罪
刑法2/ 各論2/ 67/ 自力救済禁止の要請から、権利の実行が権利の範囲内をこえ、かつ、その方法が社会通念上一般に認容すべきものと認められる程度範囲を逸脱するときは、行為全体が違法となる。
したがって、債権3万円なのに、6万円喝取した行為につき、6万円全額について恐喝罪(#刑法249条1項)が成立する。
[・山口『刑法各論』2版285、286頁、最判昭30・10・14刑集9-11-2173、参照。]

 

■ 横領罪👉別稿 http://right-droit.hatenablog.com/entry/2018/02/19/175721

 

■盗品等関与罪

●保護法益、罪質

[・盗品等関与罪の保護法益は、前提の犯罪である財産犯の被害者が被害物に対して有する回復請求権(#追求権)であると解する。

 もっとも、盗品等運搬罪、保管罪、有償譲受け罪、有償処分あっせん罪(刑法256条2項)の法定刑が窃盗罪などより重いのは、単なる追求権の侵害のみでは説明できない。これは、前提犯罪(本犯)の犯人による盗品等の利用行為を援助する、#本犯助長性、#事後従犯性が考慮されたものである。また、このような罪質に加え、#利益関与性も認めることができると解する。]

 

刑法各論21/ 438/ 盗品等関与罪の保護法益は,前提犯罪たる財産犯の被害者が被害物に有する回復請求権(#追求権)。しかし,盗品等運搬,保管,有償譲受け,有償処分あっせん罪(刑法256条2項)の法定刑が窃盗罪などより重いのは,本犯の犯人による盗品等の利用を援助する,#本犯助長性_事後従犯性の考慮。また,#利益関与性もある。

[山口『刑法各論』2版337頁、338頁参照。法的判断枠組み。]

 

 

〔風俗に対する罪〕

●わいせつ物頒布等罪

[・わいせつ物頒布等罪(刑法175条1項2項)の構成要件的行為は、①頒布、②公然陳列、③有償頒布目的所持である。]

[・「頒布」とは、#有償・無償を問わず、不特定または多数の人に対する、対象物の交付である。わいせつ物が現実に交付されてたことが必要である。

 頒布の相手方となる行為については、当然予想される対向行為の一方について処罰規定が存在しない。これは、わいせつ物を積極的に伝搬する行為は当罰的な違法性を備えているが、その相手方として伝播を可能にするにとどまる行為については当罰性が低いと考えられるからである。このような理由から、刑法総則の共犯としても処罰することはできないと解する。]

 

●顧客によるダウンロード操作に応じた自動的なデータの送信と「頒布」

[・刑法175条1項後段にいう「頒布」とは、不特定または多数の者の記録媒体上に電磁的記録その他の記録を存在するに至らしめることをいう。

 本件事実関係によれば、Xらが運営する配信サイトには、インターネットを介したダウンロード操作に応じて自動的にデータを送信する機能が備え付けられていたのであって、顧客による操作はXらが意図していた送信の契機となるものにすぎず、Xらは、これに応じてサーバーコンピュータから顧客のパーソナルコンピュータへデータを送信したというべきである。したがって、同条項後段の「頒布」にあたる。]

 

 

〔偽造罪〕 ■文書偽造罪 
刑法各論25/ 311/ 私電磁的記録不正作出罪(刑法161条の2第1項)は、#人の事務処理を誤らせる目的で_事務処理の用に供する権利・義務_事実証明に関する電磁的記録を不正に作った場合。公電磁的記録不正作出罪(同条2項)は、公務所・公務員により作られるべきとき、それらの供用罪は未遂も罰する(3項4項)。
[山口『刑法各論』2版473頁参照。法的判断枠組み(条文)。]