強盗、横領、わいせつ物頒布等罪(刑法各論, 1/13/2018)

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〔財産に対する罪〕
■ 強盗罪
刑法1/ 各論1/ 60/ 強盗罪(#刑法236条)の手段たる「暴行」「脅迫」にあたるか否かは、社会通念上一般に被害者の反抗を抑圧するに足る程度のものかという客観的基準により決定される。その際、暴行・脅迫の態様、犯人の性別・年齢・体格、人数、意図、被害者の性別・年齢、人数、犯行の時刻・場所などが考慮される。
[『趣旨・規範ハンドブック』5版3刑事系116頁、最判昭24・2・8刑集3-2-75、R28①、参照。]

刑法12/ 各論4/ 139/ 強盗利得罪(#刑法236条2項)では、相手方は反抗を抑圧されており、任意に基づく処分行為介入の余地がないので、債務免除、支払猶予といった処分行為を要しない。ただ、処罰範囲限定のため、財物移転と同視できる、事実上支払いを免れたなどの、財産的利益移転の具体性・確実性を要すると解する。
[西田典之『刑法各論』5版171頁、最判昭32・9・13刑集11-9-2263、参照。法的判断枠組み、判例+西田説。]


■ 恐喝罪
刑法2/ 各論2/ 67/ 自力救済禁止の要請から、権利の実行が権利の範囲内をこえ、かつ、その方法が社会通念上一般に認容すべきものと認められる程度範囲を逸脱するときは、行為全体が違法となる。
したがって、債権3万円なのに、6万円喝取した行為につき、6万円全額について恐喝罪(#刑法249条1項)が成立する。
[・山口『刑法各論』2版285、286頁、最判昭30・10・14刑集9-11-2173、参照。]

■ 横領罪
刑法7/ 各論3/ 72/ 金銭流通の動的安全から、民事上金銭の所有と占有は一致するが、内部的所有権保護を目的とする委託物横領罪には妥当しないので、債権取立てを委任されて取り立てた金銭を不法に領得した場合、委託物横領罪(#刑法252条)が成立する。ただ、金銭は特定しないので、両替・一時流用などは該当しない。
[山口『刑法各論』2版302頁参照。法的判断枠組み(判例)。最判昭26・5・25刑集5-6-1186、大判昭8・9・11刑集12-1599等、参照。]

 

〔風俗に対する罪〕

●わいせつ物頒布等罪

[・わいせつ物頒布等罪(刑法175条1項2項)の構成要件的行為は、①頒布、②公然陳列、③有償頒布目的所持である。]

[・「頒布」とは、#有償・無償を問わず、不特定または多数の人に対する、対象物の交付である。わいせつ物が現実に交付されてたことが必要である。

 頒布の相手方となる行為については、当然予想される対向行為の一方について処罰規定が存在しない。これは、わいせつ物を積極的に伝搬する行為は当罰的な違法性を備えているが、その相手方として伝播を可能にするにとどまる行為については当罰性が低いと考えられるからである。このような理由から、刑法総則の共犯としても処罰することはできないと解する。]

 

●顧客によるダウンロード操作に応じた自動的なデータの送信と「頒布」

[・刑法175条1項後段にいう「頒布」とは、不特定または多数の者の記録媒体上に電磁的記録その他の記録を存在するに至らしめることをいう。

 本件事実関係によれば、Xらが運営する配信サイトには、インターネットを介したダウンロード操作に応じて自動的にデータを送信する機能が備え付けられていたのであって、顧客による操作はXらが意図していた送信の契機となるものにすぎず、Xらは、これに応じてサーバーコンピュータから顧客のパーソナルコンピュータへデータを送信したというべきである。したがって、同条項後段の「頒布」にあたる。]