140字法律学

法律書等を読んで,理解し覚えられるように140字以内にまとめています。

2018年10月分ツイート:138,問題(憲法9;民訴法12;刑法7,刑訴法17);判例(憲法23,行政法2;民法2,民訴法10,要件事実1,倒産法1;刑法23;刑訴法20);その他(憲法4;民訴法2;刑訴法4)

27日~31日:17, Read:

18日~26日:19, Read:

16日,17日:21,Read:

11日~15日:22,Read:

7日~10日:21,Read:

4日~6日:17,Read:

1日~3日:21,Read:   

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2018年10月(27日~31日)分ツイート:17,問題(憲法4;民訴法2);判例(憲法8;民訴法1);その他(憲法2)
2018年10月30日(問題2,判例4)

憲法判例23/ 最判平7・3・7参照:公共施設の種類・規模・構造・設備等から不相当でないにも関わらず許否し得るのは,利用競合の場合,他の基本的人権侵害,公共の福祉が損なわれる危険ある場合に限る。制限が必要・合理的かは,集会の自由の重要性,他の基本的人権の侵害発生の危険性の程度等を較量し,厳格な基準による。
[小山『「憲法上の権利」の作法』新版21頁-22頁(民集49-3-687,泉佐野市民会館事件)参照]

憲法判例22/ 最大判平14・9・11参照:国・公共団体への損害賠償請求権(憲法17条)は,法律による具体化予定。公務員の行為は権力~非権力的なものまで及び,国民へのかかわり方も種々多様⇒国・公共団体が公務員の行為による不法行為責任を原則負い,その要件を立法府の政策判断にゆだねた。#法律への白紙委任ではない。
[[木村『憲法の急所』2版387頁(民集56-7-1439,郵便法違憲判決)参照]

憲法判例21/ 最大判平22・1・20参照:信教の自由保障確保という制度の根本目的との関係で相当限度を超えるかは,#当該宗教的施設の性格_無償貸与の経緯_態様_一般人の評価等_諸般の事情を考慮し_社会通念に照らし総合的に判断。本件利用提供行為は,特定宗教への,市の特別の便益提供,援助と評価されてもやむを得ない。
[小山『「憲法上の権利」の作法』新版149頁(民集64-1-1,空知太神社事件判決)参照]

憲法判例20/ 最大判昭50・4・30参照:薬事法6条1項各号:薬局の構造設備,薬剤師数等につき,許可条件,2項:設置場所の適正配置,4項:条例への具体的内容の委任を規定。1項は,不良薬品供給防止目的に直結,必要性と合理性あり。2項の前提たる,#競争激化_経営不安定_法規違反の因果関係には_確実な根拠に基づく合理性なし。
[木村『憲法の急所』2版284頁(民集29-4-572,薬事法違憲判決,薬局距離制限事件)参照。
 石川健治先生(「30年越しの問い」法学教室332号2008年参照)は,薬事法違憲判決の背景に,ドイツ流の段階理論(Stufentheorie)があるとされる。段階理論とは,①職業活動の規制(事後規制)と,職業選択の規制(事前規制,参入規制)とで段差をつけ,さらに,後者について,②自らの努力で克服できる主観的条件による規制と,③そうでない客観的条件による規制とを段階づける。克服不能の客観的条件で職業選択を封じられること(競争制限的規制)は,その人の人格的価値にとって最も大きなダメージなる。したがって,①<②<③の順で違憲審査基準が厳しくなる,というものである。③においては,実際に必要性・合理性が立証できたときに限り合憲とされる(違憲の推定を置き,実質的関連性を要求する基準)(木村・同書283頁-284頁参照)。
 芦部『憲法』5版220頁の規制の態様にをも考えあわせて,厳格に合理性を審査する基準と同じだと思う。]

憲法問題9/ 憲法R22①旧参照:A県は,駅周辺を中心に簡易設備(洗髪設備なし)で安価・迅速に散髪できる理容所が多く開設されたため,既存の理容所利用者が激減したという事情を背景に,洗髪が必要な場合等のため,および,一層の衛生確保,公衆衛生向上目的で,理容師法12条4号に基づき,洗髪設備設置を義務付ける条例制定。
[平成22年度旧司法試験第二次試験論文式試験問題参照。A県条例に含まれる憲法上の問題について論ぜよ(法律と条例の関係については論じる必要はない),という問題であるが,簡易設備のみを備えた理容業者の財産的損害についの記述がないので,財産権(憲法29条)ではなく,営業の自由(憲法22条1項に含まれる)を検討しなさい,ということなんだろうなー?]

憲法問題8/ 憲法R18①旧参照:国会は,午後6時~11時の時間帯の広告放送時間拡大が,多様で質の高い放送番組への視聴者のアクセスを阻害する効果を及ぼしているとの理由で,#この時間帯の広告放送を1時間ごと5分以内に制限,違反した放送事業者の放送免許を取り消す旨の法律制定。この結果,1社平均数十億円減収見込み。
[平成18年度旧司法試験第二次試験論文式試験問題参照。メインは財産権侵害? 営利的言論の自由については,短く数行書けばいいか?]

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2018年10月分(27日~29日)ツイート:11,判例(憲法4;民訴法1);問題(憲法2;民訴法2);その他(憲法2)

2018年10月29日(判例1)
憲法判例19/ 最判平8・3・8参照:信仰に基づき,剣道実技を拒否し退学処分を受けた市立専門学校生について,#剣道実技は必修とまではいい難く_他体育種目の代替的方法も性質上可能で他宗教者等に圧迫_干渉を加える効果ありともいえない,信仰の核心に密接関連する真摯なもの,不利益は極めて大,裁量権の範囲を超え違法。
[芦部『憲法』5版154頁-155頁(民集50-3-469)参照。代替措置が,「その目的において宗教的意義を有し,特定の宗教を援助,助長,促進する効果を有するものということはできず,他の宗教者又は無宗教者に圧迫,干渉を加える効果があるともいえない」。「当事者の説明する宗教上の信条と履修許否との合理的関連性が認められるかを確認する程度の調査」は,「公教育の宗教的中立性に反するとはいえない」(同書155頁)。
 木村『憲法の急所』2版143頁,剣道実技許否事件の原告が求めているものは,高専在学資格の付与つまり国家の給付であるため,信教の自由に対する制約は認められない。本件は,剣道実技の理由を義務付け強制する措置の当否を直接問題とするものではない。そこで,給付の許否・撤回の違法性を自由権に依拠して主張するロジックが必要となる。それが,ベースライン論(泉佐野市市民会館事件参照,パブリックフォーラム論?)と,自由権の間接的制約の解釈方法(オウム真理教解散命令事件,図書館蔵書廃棄事件(船橋市立図書館事件),君が代不起立訴訟)であり,剣道実技許否事件は,後者と同種のものとされる(143頁~146頁)。
 小山「『憲法上の権利』の作法」新版〔658~664〕197頁~200頁は,パブリックフォーラムないし公的な場という記述が,船橋市立図書館事件の説明で用いられているが,木村先生は,少し穏当な自由権の間接的制約の解釈方法として,区別しておられるということだろうか?
 ここらあたりは,まだ強い理論とは言えないんでしょう?]


2018年10月28日(問題3,判例2;その他1)
憲法85/ 751/ 公立図書館は住民に図書館資料を提供するための公的な場で,#閲覧に供された図書の著作者にとり_思想_意見等を公衆に伝達する公的な場。∴職員が閲覧に供されている図書を思想信条等を理由に不公正廃棄することは,著作者の思想,意見等を公衆に伝達する利益(法的保護に値する人格的利益)を不当に損なう。
[最判平17・7・14民集59-6-1569(船橋市立図書館事件判決,小山「『憲法上の権利』の作法」新版2011年尚学社〔664〕200頁)参照。憲法上の根拠として,思想の自由,表現の自由にかんがみると,法的保護に値する人格的利益である旨判示。]

憲法判例18/ 最判平17・7・14参照:公の施設(地自法244条)たる公立図書館の,資料収集・提供等についての,住民の学習活動等の適切な援助などの役割・機能に照らせば,#住民に対し思想_意見その他情報を含む資料を提供し教養を高める等の目的の公的な場であり,図書館長は,公正に資料を取り扱うべき職務上の義務を負う。
[小山「『憲法上の権利』の作法」新版2011年尚学社〔662,663〕199頁(民集59-6-1569,船橋市立図書館事件)参照。公的な施設(地自法244条)であること,および,思想・意見その他の情報を含む図書館資料を提供することを目的とする公的な場(パブリック・フォーラム論)であることから,図書館長は,公正に図書館資料を取り扱うべき職務上の義務を負うとするので,図書館長には,図書館資料の収集・提供について,フリーハンドの広い裁量が認められる訳ではないということだろう(同書197頁参照)。]

憲法問題7/ 小山・作法新版〔658〕参照:例6)FはY市市民だが,図書館長は特に必要と認めた資料につき利用方法を制限できる旨のY市図書館運営規則に基づき,希望の雑誌の閲覧ができなかった。例7)G執筆の『新しい憲法の教科書』は,Y市図書館で閲読用に購入・配架されたが,職員Zが,同図書館の除籍基準に反し,独断廃棄。
[小山「『憲法上の権利』の作法」新版2011年尚学社〔658〕197頁参照]

民訴法問題13/ 伊藤塾試験対策民訴法20問参照:Xは,自車で交差点を直進しようとしたところ,右折してきたY車に追突され,自動車大破。(1)Xは,Yの前方不注視,対向車確認懈怠を主張。Yは,口頭弁論期日に,前方不注視の事実を認めたが,後日撤回。許されるか? (2)Xは,Yの過失を主張。期日にYは認めたが,後日撤回。許されるか?
[『伊藤塾試験対策問題集 論文5 民事訴訟法』〔第20問〕151頁参照]

民訴法問題12/ LawPractice民訴法初版〔基本20〕参照:Xの夫Aは,民間機搭乗中,自衛隊機と接触し墜落し死亡。国(Y)に対し国賠訴訟提起したXは,事故状況を詳細に指摘し,自衛隊パイロットに民間飛行ルートに侵入しないよう訓練する注意義務を怠った過失ありと主張。国は,包括的一般的過失自白。証拠調べなく過失認定可?
[山本和彦ほか『Law Practice 民事訴訟法』初版〔基本問題20〕154頁参照。過失を基礎づける事実についての自白(同書157頁)]

民訴法判例12/ #権利自白の裁判所拘束力・当事者拘束力は原則否定(最判昭30・7・5参照)。∵法律判断は裁判所の専権事項。相手方の証明不要効(民訴法179条)は残るが,権利自白した当事者は自由に撤回可。例外:日常的な法律概念(所有権,売買など)には拘束力あり(最判昭37・2・13参照)。∵背後にある事実の自白といえる。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック民事系』6版494頁-495頁(順に,民集9-9-985,判時292-18)参照]


2018年10月27日(問題1;判例2;その他1)
憲法判例17/ 市立図書館司書が,規則に反し独断で図書館蔵書を廃棄した事件(最判平17・7・14参照):#公立図書館は住民に思想・意見等の情報を提供する公的な場で(指定的パブリック・フォーラム?),著作者の思想・信条を理由とする不公正な取扱いにより既に閲覧された著作物を廃棄することは,#著作者の人格的利益侵害。
[安西ほか『憲法学読本』2011年有斐閣155頁(民集59-6-1569)参照。パブリックフォーラム論が給付の場面一般に機能的に応用しうるという手掛かりになる判例のようである。表現の自由一般(憲法21条1項)のベースラインとして,受け手へのアクセスの機会の付与も含むと考えられるが,その侵害は表現者の人格的利益の侵害なる,ということだろう。表現の自由を支える価値は,自己実現の価値と自己統治の価値であり,そもそもそれが人格的価値だからと言えそう。]

憲法84/ 750/ アメリ判例法理におけるパブリック・フォーラム論は,伝統的なそれ(街路・補導・公園等),指定的なそれ(公会堂・公立劇場等),非パブリック・フォーラムの3種に区別。そして,#集会の自由という自由権の射程を_パブリック・フォーラムの利用に拡張し_その利用の許否を集会の自由に対する制限として構成。
[小山『「憲法上の権利」の作法』新版2011年尚学社195頁〔656〕参照。
 アメリカの判例法理におけるパブリック・フォーラム論は文字通り,公的な財産に属する集会の場に関する法理であるが,伊藤正己裁判官のパブリック・フォーラム論は,その法理を,表現の場として機能する私的財産にも及ぼし,可能な限り,そのような私的施設等においても,表現の自由に配慮する必要がある,とされたもののようである(曽我部ほか『憲法論点教室』2012年日本評論社124頁参照)。
 さらに,パブリック・フォーラム論は,自由権たる集会の自由のベースラインを,公的施設を集会のために自由に利用させることに,引き上げるものという議論もある(木村草太『憲法の急所』2版144頁-145頁参照)。
 一昨日,財産権規制に関して学んだベースライン論(当該社会の制度イメージに立脚した法律家集団の共通了解としての標準的な制度形態のことで,そこから乖離する場合は必要性と合理性が求められる,ということ。安西ほか『憲法学読本』2011年有斐閣183頁参照)とつながっているのが興味深い。]

憲法判例16/ 最判昭59・12・18補足意見参照:道路,公園,広場など一般公衆が自由に出入りできる場所は,それぞれ本来の利用目的を備えているが,同時に,#表現のための場として機能するパブリック・フォーラムたり得,所有権や管理権に基づく制約を受けるとしても,その機能にかんがみ,表現の自由保障に可能な限り配慮用。
[曽我部ほか『憲法論点教室』2012年日本評論社124頁(刑集38-12-3026,伊藤正己裁判官補足意見)参照。私鉄の駅構内でのビラ配布や演説が問題となった事件]

憲法問題6/ 憲法R28予備参照:A市は,少子化対策条例に基づく結婚支援事業NPO法人等への助成効果を上げるため,成婚数増加を重視し補助金交付要綱改正。助成申請者に,法律婚を積極的に推進する旨の誓約書提出義務付け。#法律・事実婚区別せず支援していたNPO法人Xの消極的表現の自由侵害_結社としての活動の自由侵害?
[平成28年度司法予備試験 憲法問題,出題趣旨参照]

/ ドイツ語勉強したい。全然わかりません。😅
グーテンターク、グーテンモルゲン、ダンケだとか、動詞が2つに分かれるみたいなことしか知りません。
刑法関係はドイツ語や、ドイツ法の理論勉強しないと、学者の議論にはついていけないんでしょうねー?
だけど、手を広げすぎる訳にも行かないなー。

// 企業法bot @izurubot_kigyo
株主総会決議取消の訴え』 遡及効
/ 返信先: @izurubot_kigyoさん
会社法834条17号を除外している839条の反対解釈。👍
シンプルなツイート、結構勉強になる。
論文試験では、かっこ内にこういう風に書いていいのかなー?
それとも、「(839条反対解釈)」だけでいいのかな?
いずれにせよ、条文確認、復習になりました。ありがとうございました。
17:48 - 2018年10月27日
https://twitter.com/right_droit/status/1056105342830968832

// 直系尊属代襲相続なし
/代襲相続は、直系卑属(民法887条2項,3項,再代襲)および兄弟姉妹(889条2項)についてしか認められていない、ということですかね?
わかりにくですね。条文確認の勉強になりました。ありがとうございました。🙂
17:25 - 2018年10月27日
https://twitter.com/right_droit/status/1056099588770131968

/ 会社法31条3項。
勉強が足りていませんでした。😅
株式会社の定款って、誰でも見ることができるわけではなく、発起人、株主、債権者、親会社社員に限られるのかー(同条1項2項3項)。
登記は、誰でも手数料を支払って書面交付受けられるけど、定款は、閲覧等請求権者が限られていたのか。知らなかったー

/ 返信頂いてさらっと読まさせて頂いたんですが,すぐには理解できず,返信遅くなりすみません。
(話は全然変わりますが,今までいいねマークはブックマーク(しおり)のために使っていたのですが,他のアカウント@right_droit3 でそれをして,ここでは興味のあるツイートにどんどんいいねして行こうと思います)
https://twitter.com/right_droit/status/1056078115997249536

 

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2018年10月分(1日~26日)ツイート:120,判例(憲法15,行政法2;民法2,民訴法9,要件事実1,倒産法1;刑法23;刑訴法20);問題(憲法5;民訴法10;刑法7,刑訴法17);その他(憲法2;民訴法2;刑訴法4)
2018年10月18日~26日ツイート:19,判例(憲法5;民法2;刑訴法3);問題(憲法4;刑訴法1);その他(憲法2;刑訴法2)

2018年10月25日(判例6;その他1)
民法判例17,18/ Aの土地をBが善意無過失で10年間占有:①BがAに時効取得するのに登記は不要。#原始取得だが_あたかもAB間譲渡があったかのように扱われ,対抗関係とはならない(大判大7・3・2)。②時効完成前のAからの譲受人Cとの関係でも,同様に登記不要(最判昭41・11・22)。③時効完成後のAからの譲受人Dとは対抗関係。
[内田『民法Ⅰ』4版451頁-452頁(①大判大7・3・2民録24-423,②最判昭41・11・22民集20-9-1901,最判昭46・11・5,③大連判大14・7・8民集4-412,最判昭33・8・28民集12-12-1936)参照。参考:③最判平18・1・17民集60-1-27]

/ Aの土地をBが善意無過失で10年間占有:①ABは対抗関係でない,②時効完成前のAからの譲受人とも同様。③時効完成後のAからの譲受人Dとは対抗関係(大連判大14・7・8)。④Bが現時点から10年逆算し占有開始時期ずらし時効取得主張,不可(最判昭35・7・27)。⑤D登記後時効期間占有⇒主張可(最判昭36・7・20)。
[内田『民法Ⅰ』4版452頁(③大連判大14・7・8民集4-412,最判昭33・8・28民集12-12-1936,④最判昭35・7・27民集14-10-1871,⑤最判昭36・7・20民集15-7-1903)参照。参考:③最判平18・1・17民集60-1-27]

憲法83/ 749/ 法制度保障:#伝統的な私法上の法制度を立法による改変から憲法で保障。単独所有の憲法上の保障は_ローマ法的所有権(一物一権主義)の,憲法制定権力による政治的決断。ベースライン:#当該社会の制度イメージに立脚した法律家集団の共通了解としての標準的制度形態。そこからの乖離には必要性と合理性要。
[安西ほか『憲法学読本』2011年有斐閣183頁参照。
1. 参考:ベースライン論は,長谷部教授の憲法学の1つの特質を濃厚に反映しているとのことで(曽我部ほか『憲法論点教室』2012年135頁),アメリ憲法学に由来し(小山『「憲法上の権利」の作法』新版2011年202頁〔668〕),制度後退排除権,防御権の基礎となるようである(木村『憲法の急所』2版2017年30頁)。
 事後法による財産権の内容変更(最大判昭53・7・12)の議論や現状保障の問題(曽我部ほか同書132頁)が,生存権の制度後退禁止原則の議論につながってるんだなー。
2.また,証券取引法判決(最大判平14・2・13)が,森林法違憲判決(最大判昭62・4・22)と異なり,立法裁量に言及しておらず,判断代置型(判断代置方式,判断代置的審査)であるようで(安西ほか『憲法学読本』2011年182頁),行政法の裁量行為の司法的統制で書かれていることで(『LEGAL QUEST行政法』3版34頁,110頁参照),いろいろな勉強,大変だなー。]

憲法判例16/ 最大判昭53・7・12参照:法律でいったん定められた財産権の内容を事後法で変更しても,#公共の福祉に適合するようにされたものの限り,違憲の立法でない。公共の福祉に適合するようにされたかは,#財産権の性質_内容変更の程度_変更で保護される公益の性質を総合的に勘案し,合理的制約として容認可か判断。
[小山『「憲法上の権利」の作法』新版2011年尚学社154頁〔566〕(民集32-5-946,国有地農地売払特措法事件)参照]

憲法判例15/ 最判平23・9・22等参照:憲法84条は,課税関係に法的安定性が保たれるべき趣旨含む。法律で一旦定められた財産権の内容が事後法により変更される場合に関する最大判昭53・7・12を先例とし,財産権の性質,内容変更の程度,変更で保護される公益の性質など総合的に勘案し,合理的制約として容認されるか判断。
[曽我部ほか『憲法論点教室』2012年日本評論社132頁(最判平23・9・22民集65-6-2756,最判平23・9・30判時2132-39,最大判昭53・7・12民集32-5-946)参照]

憲法判例14/ 最大判平14・2・13参照:①財産権の内在的制約のほか,②財産権の種類,性質等多種多様,#規制目的も_社会・経済政策に基づく~社会生活の安全保障や秩序維持等を図るものまで多岐,種々の態様の財産権規制ありうる。#規制目的_必要性_内容_制限される財産権の種類_性質_侵害程度等を比較考量し合憲性判断
[曽我部ほか『憲法論点教室』2012年日本評論社130頁(民集56-2-331,証券取引法判決)参照。
 財産権規制については,「社会公共の便宜の促進,経済的弱者の保護等の社会政策及び経済政策に基づくもの」(=積極目的)から,「社会生活における安全の保障や秩序維持等を図るもの」(=消極目的)まで多岐にわかれるし,種々の態様の規制があり得るとする。
 積極目的規制(積極的・政策的規制)だから,立法府の広い裁量を認め,合理性の有無をゆるやかに審査するなどの,規制目的二分論だけに依拠するのではなく,規制態様を考えあわせる必要がある(芦部『憲法』5版218頁,220頁参照)ということだろう。
 積極目的あるいは消極目的だから,ゆるやかにあるいは厳格に審査すべきというのも,合憲性審査におけるいくつかの判断手法の一つとして考慮することまで否定したものではないだろう。]

憲法判例13/ 最大判昭62・4・22参照:財産権の種類,性質等は多種多様,規制目的も積極的~消極的なものまで多岐で,財産権規制は種々様々でありうるので,その合憲性は規制目的,必要性,内容,制限される財産権の種類,性質,制限程度等を比較考量すべき。本件では,手段が目的との関係で,合理性と必要性肯定不可は明らか 。
[安西ほか『憲法学読本』2011年有斐閣182頁(民集41-3-408,森林法違憲判決),長谷部『憲法』5版234頁,参照。
 芦部『憲法』5版等も読んだが,わかりにくい。職業選択の自由権規制についての規制目的二分論の枠内で考える理解,経済的自由権は射程外であるとする理解などあるようである。
 理屈・理論はよくわからないが,事実認定としては,森林法旧186条の立法目的は積極目的のように判断し,判断基準として明白の原則が文言上は採用されているが,実質的な中身としては,立法府の広い裁量を認め,合理性の有無をゆるやかに判断するのではなく,厳格に審査し,違憲とされている。
 ということは,積極目的⇒明白の原則(文言上このように読めるが)⇒✖立法府の広い裁量を認め,ゆるやかに判断する,という法的判断枠組みではない,ということだろうか?
 どういう法的判断枠組みを定立すべきか,まだ,勉強が足りません(^^;)。]


2018年10月23日(論述1;問題3)
憲法82/ 748/ 外国移住の自由(憲法22条2項)は,外国が入国を認めることを前提に,外国移住を公権力により禁止されないこと。「移住」には,#永続的なものと_一時的旅行としての海外旅行の自由含む。その用語例から不自然だが,①移動先が国外の点で共通するし,②2項も,公共の福祉による内在的制約に服し不都合ないので。
[森『SUPER論文の基礎・憲法Ⅰ』8版2005年159頁(佐藤幸治憲法』486頁)参照]

憲法問題5/ 憲法R29予備参照:A県特産農産物Xのブランド価値維持のための本件条例:①最大許容生産量を超えると,知事が,全ての生産者に全生産量超過分割合で廃棄命令。②廃棄代執行可。③損失補償なし。甲:#特別の栽培法開発_天候に左右されず一定量生産。20XX年全生産量1.5倍のため,甲分も3分の1割合で代執行廃棄。
[平成29年度司法試験予備試験 憲法問題,出題趣旨参照。財産権保障(憲法29条,森林法違憲判決,証券取引法判決),損失補償請求権(同条3項,河川附近制限事件)]

憲法問題3,4/ 憲法R29①Q1参照:外国人非熟練労働者に適用される架空の特労法に基づき強制出国させられたA国籍妊婦Bは,同法に基づき日本に滞在する,お腹の子どもの父親で同国籍のCを通じ,弁護士甲に委任して国家賠償請求訴訟提起。憲法上の主張如何? 女性の自己決定権,#外国人の人権享有主体性,人身の自由,適正手続。

/ 憲法R29①Q2参照:外国人非熟練労働者対象の架空の特労法に基づき強制出国させられたA国籍の妊娠中の女性Bが,弁護士甲に委任し国家賠償請求訴訟で主張した憲法上の主張と,#国の反論を想定しつつ_憲法上の問題点について_あなた自身の見解を述べなさい。自己決定権,人権享有主体性,人身の自由,適正手続。
[平成29年度司法試験 公法系第1問(憲法)問題,出題趣旨,採点実感参照]

2018年10月20日(判例2)
/ 公的な仕事の競争入札制度が有名無実のように思いますね。#昭和45年の八幡製鉄事件の最判が行きすぎで、与党は,企業献金をあてにして,既存企業優遇政策しかしない。それで社会の変化,時代の流れ,世界の趨勢に後れをとる。省庁・官僚も忖度する。果ては,国会で偽証。文部省はましな方だと思いますが。😩
https://twitter.com/right_droit/status/1053580944513220608

/ 大学3年ぐらいからだらけて,これじゃ,高校3年間の方がよっぽど勉強したって思った時期が,私にありました(笑)。
置かれた状況は私とは違うでしょうが,例えば,朝からツイキャス判例読み配信するとかの方法も考えられます。何回か別垢で試みたんだですが,続いていません。😅
何か妙案ありませんかねー?
https://twitter.com/right_droit/status/1053577737816879105

刑訴法判例20/ 最決平10・5・1参照:令状により差し押さえようとするパソコン,フロッピーディスク等の中に被疑事実に関する情報が記録されている蓋然性が認められる場合に,#そのような情報が実際に記録されているかをその場で確認していたのでは記録された情報が損壊される危険があるときは,内容を確認せず,差押え可。
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版92頁(刑集52-4-275)参照]

刑訴法判例19/ 東京高判平6・5・11参照:場所に対する捜索差押許可状の効力は,当該場所に現在する者が差し押さえるべき物を着衣・身体に隠匿所持していると疑うに足りる相当な理由があり,差押を有効に実現するためはにその者の着衣・身体を捜索する必要がある具体的な状況の下においては,その者の着衣・身体にも及ぶ。
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版90頁(判タ861-299)参照]


2018年10月19日(論述1;判例1;問題1)
刑訴法判例18/ 最判昭30・12・9参照:強姦致死事件被害者Vの原供述『あの人は好かんわ,いやらしいことばかりする』を内容とする情夫Wの証言につき,Xが同意情交を主張する場合,V同意を否定する情況証拠として,Vの嫌悪感を立証するためなら,精神状態の供述(非伝聞)。#犯行自体の間接事実たる動機の証拠とするなら_伝聞
[上口裕『刑事訴訟法』2版379頁注5(刑集9-13-2699,米子「あの人は好かんわ」事件)参照。参考:古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版232頁]

刑訴法89/ 747/ 証人W証言中,V原供述のうち『Xは嫌いだ』部分は,Xの犯人性が争点なら,関連性なし。行為主体性確定後,合意情交か強姦かが争点なら,V強姦致死罪立証に関連性あり,かつ非伝聞(#精神状態の供述)。『いやらしいことばかりする』部分は,#強姦動機を推認させる間接事実として内容真実性が問題となる伝聞証拠
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版232頁〔22〕(最判昭30・12・9刑集9-13-2699,米子「あの人好かんわ」事件)参照]

刑訴法問題17/ 古江事例演習刑訴法初版〔22〕参照:Xは,Vに対する強姦致死罪で起訴され,犯人性を否認したところ,証人Wは,検察官からの主尋問に対し,「Vから,生前,『Xは嫌いだ。いやらしいことばかりするから』と打ち明けられた」旨証言。弁護人は,伝聞排除されるべき旨の異議を直ちに申し立てた。異議は容認されるか。
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』〔22〕参照]


2018年10月18日(論述1;判例1)
ニュース/ ①#手続保障:本件ツイートで原告の方が傷ついた(攻撃防御)→国民の感情(決定)。②事実認定(3:30-5:22):本件ツイッターを読んだ人はどう感じるか:原告すら言っていない,「原告が訴訟を起こしたこと自体がけしからん」と言ってるように,感じる旨,確たる証拠もないまま事実認定。
https://youtu.be/Maq-1Grk_LY?t=58

刑訴法88/ 746/ #供述証拠の内容は_ある要証事実を知覚_記憶_叙述することにより証拠となり_内容の真実性を立証するために用いられる。不正確な知識(見間違え,聞き間違え),記憶の喪失・混乱・入替え,故意・過失等による記憶と叙述の不一致などが生じるおそれあり。そこで,#伝聞証拠中_原供述者の供述の正確性_吟味要
[緑大輔『刑事訴訟法入門』267頁参照]

憲法判例12/ 最大判平23・3・23参照:衆議院議員選挙を中選挙区制から小選挙区比例代表制にする選挙制度改革にあたり,小選挙区について各都道府県に一議席を配分し,残りの議席を人口比例で都道府県意配分する一人別枠方式は,最大格差が1対2.30まで拡大した2009(平21)年選挙において,#合理性はもはや失われ違憲状態
[安西ほか『憲法学読本』2011年有斐閣204頁-205頁(判時2108-3),1人別枠方式とは - 新語時事用語辞典 Weblio辞書(https://www.weblio.jp/content/1%E4%BA%BA%E5%88%A5%E6%9E%A0%E6%96%B9%E5%BC%8F),参照]

 

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2018年10月分(1日~17日)ツイート:102,論述(民訴法2;刑訴法2);判例(憲法10,行政法2;民訴法9,要件事実1,倒産法1;刑法23;刑訴法17);問題(憲法2;民訴法10;刑法7,刑訴法16)

2018年10月16日,17日ツイート:21,判例(刑訴法10);問題(刑訴11)

2018年10月17日(判例2;問題9)
刑訴法問題16/ 刑訴法R29②Q2-2参照:甲らは,被疑事実を認め,Tの覚せい剤密売関与につき,甲は一時否定,その後認め,乙は一貫否定。丁は覚せい剤取締法違反(営利目的共同所持)でH裁判所に公判請求され,第2回公判期日の甲証言の証明力を争うため別機会の甲供述が取り調べられた場合,甲証言の証明力の回復証拠取調べ,許容?
[平成29年度司法試験 刑訴法問題設問2小問2参照。回復証拠]

刑訴法判例17/ 最判平18・11・7参照:刑訴法328条は,公判期日等の被告人,証人などの供述が,別機会のその者の供述と矛盾する場合,矛盾供述したこと自体の立証を許すことで,公判期日等のその者の供述の信用性減殺を図ることを許容する趣旨。⇒同人の供述書,供述録取書等,厳格な要件をみたす証拠に表れている部分に限る。
[司法協会『刑事訴訟法講義案』4訂版335頁[206](刑集60-9-561)参照]

刑訴法問題15/ 刑訴法R29②Q2-1参照:甲らは,取調べで被疑事実を認めたが,Tの覚せい剤密売関与否定。甲はその後,T関与を認め,乙は一貫し否定。丁は覚せい剤取締法違反(営利目的共同所持)で逮捕され,検察官送致,勾留後,H裁判所に公判請求された。第2回公判期日の甲証言の証明力を争うため取調べ請求された各証拠の適否?
[平成29年度司法試験 刑訴法論文問題設問2小問1参照。参考:最判平18・11・7刑集60-9-561]

刑訴法問題14/ 古江・事例演習〔4〕(2)参照:司法警察員Kは,深夜2時ころコンビニエンスストアA店で強盗事件発生のため店員Vに事情聴取。事件の約2時間後,店舗から約8kmの路上で犯人の人相風体に似たXを発見,質問。X否認。Xを現行犯逮捕,検察官送致。検察官は逮捕手続が違法なので釈放。同一被疑事実でXを逮捕できるか?
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版〔4〕小問(2)参照]

刑訴法問題13/ 古江・事例演習〔4〕(1)参照:司法警察員Kは,深夜2時ころコンビニエンスストアA店で強盗事件発生のため,店員Vに事情聴取。付近を探索。事件の約2時間後,店舗から約8km離れた路上で犯人の人相風体に似たXを発見,質問したが,Xは否認。Xを現行犯逮捕,検察官送致,勾留請求。裁判官はいかなる裁判をすべきか?
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版〔4〕小問(1)参照]

刑訴法判例16/ 東京地決昭44・11・5参照:刑訴法は,#勾留請求につき逮捕前置主義を採用し_違法逮捕に対する司法的抑制を期待するのだから,違法な逮捕手続に引き続く勾留請求は,仮に将来同一事実に基づく再度の逮捕や勾留請求が予想されても,#その時点において逮捕手続の違法を司法的に明確にすると意味で,却下すべき。
[緑大輔『刑事訴訟法入門』98頁(判時629-103)参照]

刑訴法問題12/ 緑・刑訴法入門5講(2):司法巡査K3は現行犯逮捕の要件たる犯人・犯行の明白性を欠き,犯行時刻からかなり時間が経っていたにもかかわらず(212条1項),これを糊塗しBを窃盗で現行犯逮捕。検察官は逮捕段階の違法に気づかず勾留請求。裁判官が勾留質問で現行犯逮捕の違法に気づいた場合,勾留状発付すべきか?
[緑大輔『刑事訴訟法入門』〔8講〕事例(2)参照]

刑訴法問題11/ 緑・刑訴法入門8講(1)参照:司法巡査K1は,逮捕令状でAを逮捕したが,その際,逮捕状呈示(201条1項)を失念。Aの身体を受け取った司法警察員K2は,被疑事実の要旨・弁護人選任権を告知して弁解聴取した上で,検察官送致,検察官は勾留請求。#裁判官が勾留質問で令状呈示の瑕疵を知った場合_勾留状発付すべきか?
[緑大輔『刑事訴訟法入門』〔8講〕事例(1)参照]

刑訴法問題10/ 刑訴法R29②Q1参照:覚せい剤取締法違反(所持)の逮捕者の供述から,司法警察員Pは,甲の,自宅Kマンション付近での,覚せい剤密売を疑い,捜索差押許可状で,甲方捜索。居合わせた丙がそわそわしながらトイレに行く前に,ポケットの中身を見せるの拒んだため,③ポケットに手を差し入れ,5枚の紙片を取り出した。
[平成29年度司法試験 刑訴法論文問題 設問1③参照]

刑法問題9/ 刑訴法R29②Q1参照:覚せい剤取締法違反(所持)で逮捕した複数の者の供述から,司法警察員Pは,甲が内妻乙と居住する自宅Kマンション付近での,覚せい剤密売を疑い,捜索差押許可状で,甲方捜索。捜索中,乙がハンドバックを持ったまま玄関に行こうとし,見せるのを許否したため,②#それを取り上げ_中身を捜索
[平成29年度司法試験 刑訴法論文問題 設問1②参照]

刑訴法問題8/ 刑訴法R29②Q1参照:覚せい剤取締法違反(所持)で逮捕したAなど複数の者の供述から,司法警察員Pは,甲が内妻と居住する自宅Kマンションを拠点に覚せい剤を密売している疑いを強め,甲方捜索差押許可状の発付を得た。甲がドアチェーンを掛けたままドアを開けたので,①ベランダ窓ガラスを割り,甲方に入った。
[平成29年度司法試験 刑訴法論文問題 設問1①参照。参考:同採点実感。
https://youtu.be/WrH-pyjXJrQ?t=6301
1.甲方に立ち入った措置の適法性(222条1項・111条1項「必要な処分」):①捜索差押えの実効性を確保するために必要であること(必要性),②社会通念上相当な態様であること(相当性)。
 ①実刑判決を受ける可能性が高く,証拠隠滅の動機があり,捜索対象物件の破棄隠匿のおそれがある。ドアチェーンを掛けるという予測される被捜索者の対応。密航性の高い薬物事犯で,譲渡の有罪立証に不可欠の証拠。洗面所に流したりするなどごく短時間で容易に覚せい剤事態を隠滅できる。薬物事犯の特殊性=差押え物件の重要性,証拠隠滅の容易性。
 他方,②ガラス窓は取り外し可能な動産で,建物自体を壊したという訳ではないし,ガラス窓自体の財産的価値は高価であるとはいえない。さらに,居室にいた甲らの身体に対し特段,有形力の行使をするものではない。被侵害利益の内容,侵害の程度。とりわけ,財産的損害の内容を分析。
⇒窓ガラスを割り,甲方に立ち入った措置は許容される。
2.令状の呈示時期:]


2018年10月16日(判例8;問題2)
刑訴法問題7/ 緑・刑訴法入門55頁参照:警察官KはAに対し殺人罪の嫌疑を抱き,取調べのため警察署に出頭を求め,取調べで嫌疑を深めたKは,さらに取り調べるためAを旅館に3泊させ,警察署で取り調べた。Aは宿泊希望の旨の答申書提出。常時警察官が交代でホテル周辺に張り込み,A動静を監視。任意処分として適法な取調べか?
[緑大輔『刑事訴訟法入門』55頁事案(最決昭59・2・29刑集38-3-479,高輪グリーンマンション事件を簡略化したもの)参照]

刑訴法問題6/ 緑・刑訴法入門5講参照:(1)公道デモ行進中のAらが,監視中の警察官らと小競り合いを始めたため,警察官Kは様子をビデオカメラ撮影。(2)銀行ATMで撮られた振り込め詐欺犯人の容ぼうとパチンコ店に出入りする被疑者Bの容ぼうを比較し,犯人か判断するため,警察官Kは店長に依頼し,容ぼうを防犯カメラで撮影。
[緑大輔『刑事訴訟法入門』〔5講〕事例参照]

刑訴法判例15/ 被疑者やその妻が公道上のゴミ集積所に不要物として出したゴミ袋を警察官が回収し,その中から証拠物を発見した事案で,最決平20・4・15は,#捜査の必要がある場合は_刑訴法221条により_遺留物として領置可とする。ゴミを捨てた者には,焼却処分等されるという期待があるとはいえ,捜査の必要に優越しない。
[寺崎『刑事訴訟法』3版151頁(刑主62-5-1398)参照。R22②]

刑訴法判例14/ 最判平15・2・14参照:逮捕時逮捕状の呈示なく,その緊急執行もされていない手続的違法あるにとどまらず,#その違法を糊塗するため_内容虚偽の捜査報告書を作成し_公判廷で事実と反する証言をしている等の警察官の態度を総合的に考慮すれば,本件逮捕手続の違法の程度は,令状主義の精神を没却するほど重大!
[司法協会『刑事訴訟法講義案』4訂版389頁(刑集57-2-121)参照。最高裁として初めて証拠能力否定の判断を示したもの。(抜粋要約した判旨の続き)「本件逮捕手続の違法の程度は,令状主義の精神を潜脱し,没却するような重大なもの」。「このような違法な逮捕に密接に関連する証拠を許容することは,将来における違法捜査抑制の見地からも相当でないと認められるから,その証拠能力を否定すべきである。」]

刑訴法判例13/ 最判昭61・4・25参照:採尿手続が違法だと認められる場合も,直ちに尿の鑑定書の証拠能力を否定すべきでなく,#その違法の程度が令状主義を没却するような重大なものであり_右鑑定書の証拠としての許容が_将来における違法な捜査の抑制の見地から相当でないと認められるときに,証拠能力が否定されるべき。
[司法協会『刑事訴訟法講義案』4訂版387頁(刑集40-3-215,最判昭53・9・7刑集32-6-1872)参照。証拠収集手続に違法があるため,証拠物(尿(の鑑定書))の証拠能力が否定される場合。]

刑訴法判例12/ 最判昭30・1・11参照:検察官面前調書に関する(相対的)特信情況(刑訴法321条1項2号後段)の判断資料につき,#必ずしも外部的な特別事情でなくても_供述内容自体で信用性ある情況の存在を推知せしめる事由となる。外部的事情を基準とし副次的にこれを推認する資料として調書の供述内容も考慮可とする趣旨。
[『刑事訴訟法判例百選』10版〔A38〕(刑集9-1-14)参照]

刑訴法判例11/ 最決昭44・4・25刑集248頁参照:証拠調べ段階後,具体的必要性を示し,一定の証拠を閲覧させるよう検察官に命ぜられたい旨,申出がされた場合,事案の性質,審理状況,証拠の種類・内容,時期等,諸般の事情を勘案し,被告人の防御のため特に重要で罪証隠滅等のおそれなく,相当なとき,訴訟指揮権に基づき命令可。
[『刑事訴訟法判例百選』10版〔A27〕(刑集23-4-248)参照。参考:辰巳『趣旨・規範ハンドブック刑事系』5版248頁。
 この決定は,証拠調べ段階後の,訴訟指揮権に基づく証拠開示命令を認めたもののようであるが,平成16年改正により,公判前整理手続・期日間整理手続における証拠開示制度が採用されたため,事実上その役割を終えたともいえる(前掲,刑訴法判例百選10版245頁参照)。]

刑訴法判例10/ 最決平19・12・25参照:公判前整理手続・期日間整理手続における証拠開示制度の趣旨が争点整理と証拠調べを有効・効率的に行うためにある点にかんがみると,刑訴法316条の26第1項の証拠開示命令の対象は,#検察官が現に保管中の証拠に限らず_捜査過程で作成・入手した書面で_入手が容易なものも含まれる。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック刑事系』5版248頁-249頁参照。参考:『刑事訴訟法判例百選』10版125頁(刑集61-9-895)]

刑訴法判例9/ 最決平20・9・30参照:公務員が職務過程で作成するメモのうち,専ら自らが使用するため作成したもので,公開を全く想定していないものは開示命令対象でない。しかし,#警察官としての職務を執行するに際しその職務の執行のために作成した公的性質を有するもので_職務上保管するものなら,開示対象とできる。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック刑事系』5版249頁参照。参考:『刑事訴訟法判例百選』10版〔54〕(刑集62-8-2753)]

刑訴法判例8/ 大阪高判昭60・12・18参照:現行犯逮捕についても逮捕の必要性(逃亡or罪証隠滅のおそれ)が要件となるかにつき,明文規定は存しないが,#現行犯逮捕も人の身体の自由を拘束する強制処分であるから_要件をできる限り厳格に解すべきで_通常逮捕同様(刑訴法199条2項,規則143条の3),逮捕の必要性を要件とする。
[『刑事訴訟法判例百選』10版〔A2〕(判時1201-93)参照。参考:辰巳『趣旨・規範ハンドブック刑事系』5版200頁]

 

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2018年10月分(1日~15日)ツイート:81,論述(民訴法2;刑訴法2);判例(憲法10,行政法2;民訴法9,要件事実1,倒産法1;刑法23;刑訴法7);問題(憲法2;民訴法10;刑法7,刑訴法5))

2018年10月分ツイート(11日~15日):22,論述(刑訴法2);判例(憲法1;倒産法1;刑法7;刑訴法6);問題(刑訴法5)
2018年10月15日(判例2;問題2)

刑訴法判例2/ 最決平14・10・4参照:①捜索差押許可状呈示に先立ちドアをマスターキーで開け入室した措置:捜索差押えの実効性確保のため必要で,社会通念上相当な態様。②110条の呈示は,#手続の公正担保_処分を受ける者の人権に配慮する趣旨⇒執行着手前呈示原則。捜索差押えの実効性確保確保のためやむを得ない範囲。
[『刑事訴訟法判例百選』10版〔A6〕(刑集56-8-507),R29②,20②,参照]

刑訴法問題5/ 古江事例演習初版155頁参照:覚せい剤取締法違反事件で,被告人が使用を否認したため,使用日時,場所,方法に幅のある記載の訴因で起訴したところ,公判で,被告人が使用日時,場所,方法を自白したり,自白せずとも他の証拠からそれらが明確になった場合,訴因の補正(訴因変更)をしなければ,訴因不特定となるか?
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版155頁,156頁参照]

刑訴法問題4/ 刑訴法R29予備Q2-3参照:公訴事実:乙は,甲と共謀の上,平成29年5月21日午後10時頃J町1-2-3路上で,殺意をもって,甲がサバイバルナイフでV胸部を1回突き刺し,左胸刺創の失血死で殺害。争点顕在化:#5月18日,甲方での殺害謀議の存否。乙は,甲と,#5月11日,甲方で,V殺害謀議を遂げた,と認定し有罪判決できるか?
[平成29年度司法予備試験 刑訴法論文問題設問2小問3と出題趣旨 参照。参考:古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版153頁,154頁,争点顕在化の措置(最判昭58・12・13刑集37-10-1581,よど号ハイジャック事件)。
 5月18日に謀議があったか否かが争点とされたが,裁判所は証拠調べの結果,5月11日に謀議があったとの心証を得た場合,5月11日謀議で有罪判決をしたとしても,それは訴因,「罪となるべき事実」には含まれていないので,有罪判決できるであろう(335条1項)。実質的に,「犯罪の証明」(333条1項)がなされていたか否かが問題なだけ?
 裁判官が心証を得たということは,それを得るだけの「犯罪の証明」がなされていたということだろうか?]

倒産法判例8/ 大阪地判平21・1・29参照:Xは,平成17年3月28日,賃料月額1906万余円で平成22年3月27日まで,本件建物をYに賃貸。定期賃貸借契約(借地借家法38条)。Yの中途解約は,残期間分支払った場合のみ可,明渡しまで賃料相当額の倍額賠償義務。平成17年5月9日,Y再生手続開始決定。この賃料相当額・損害金は再生債権。
[『倒産判例百選』5版〔77①〕(判時2037-74)参照。問題点:多額の違約金負担が発生するることがあり,管財人等の解除権行使の制限になりかねない。債権者平等の原則に反しないか。民再法49条1項に基づく適法な解除であり,違法な債務不履行にはあたらず,損害賠償債務(賃料相当額の倍額の損害金支払債務)は発生しないのではないか。]


2018年10月14日(論述2;判例3;問題1)
刑訴法判例6/ 最決昭59・12・21:犯行状況等を撮影したいわゆる現場写真は,非伝聞証拠である旨判示し,写真による記録過程の伝聞性を否定。最判平17・9・27:#再現者が行動で示した供述を撮影したいわゆる供述写真は伝聞証拠だが,写真による記録過程部分の伝聞性は否定。⇒#記録過程の正確性担保のための署名押印不要。
[『刑事訴訟法判例百選』10版191頁タテ5右欄(順に,刑集38-12-3071,刑集59-7-753)参照。いわゆる現場写真と,いわゆる供述写真の違い,ぱっと見わかりにくかったが,こういうことなんだなー。参考:同書〔89〕]

刑訴法判例5/ 最判平17・9・27参照:捜査機関が任意処分として行う検証を,実況見分と呼び,結果を記録したものが実況見分調書で,#伝聞証拠。再現実況見分調書からは心証形成しないことが前提だが,#本件では証拠の標目欄に掲げられたこと等から_実質上_再現されたとおりの犯罪事実の存在を要証事実とすると考えられた。
[『刑事訴訟法判例百選』10版〔83〕(刑集59-7-753)参照。被疑者,被害者,目撃者などによる再現実況見分調書は,これにより裁判官のが心証形成にしないことを前提とするが,本件では,当該事案の争点や公判経過のほか,本件両書証が第1審で証拠の標目欄(刑訴法335条1項)に掲げられたことに鑑み,(結果的に)実質において,再現されたとおりの犯罪事実の存在の心証を裁判官に抱かせることを目的とする,すなわち,当該犯罪事実の存在を要証事実とする伝聞証拠と,最高裁は考えたということだろう。参考:R21②,25②]

刑訴法87/ 745/ #共謀を共同遂行の合意とすると,故意が実行行為と同時存在であるのと似て,#共謀も実行行為時に存在すれば足り,謀議行為は実行行為時の共同遂行の合意を推認させる間接事実にすぎず,訴因特定に不可欠とはいえない。#共謀を謀議行為と解しても,識別説から,共謀の日時,場所,内容等記載なくとも,訴因特定。
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版153頁,R29予備Q2-1,参照。同書164頁の記述と併せて考えると,古江先生は,共謀=謀議行為と解されているようである。そして識別説から,共同正犯と教唆・幇助の識別の必要な場合に,訴因の特定にとって不可欠とされるのだろう。]

刑訴法86/ 744/ #訴因特定に不可欠な事項(裁判所の義務的求釈明対象)についての検察官釈明は,訴因内容をなし,判決で異なる事実を認定するには訴因変更手続要。訴因特定に不可欠といえない事項(裁判所の裁量的求釈明対象)についての検察官釈明は,訴因内容とならず,訴因変更手続不要。ただ,争点顕在化措置要の場合あり。
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版154頁(最判昭58・12・13刑集37-10-1581,よど号ハイジャック事件),R29予備Q2-2,参照]

刑訴法問題3/ 刑訴法R29予備Q2-2参照:公訴事実:乙は,甲と共謀の上,平成29年5月21日午後10時頃J町1-2-3路上で,殺意をもって,甲がサバイバルナイフでV胸部を1回突き刺し,左胸刺創の失血死で殺害。乙の公判前整理手続での,乙は,甲との間で,平成29年5月18日,甲方で,V殺害謀議を遂げた旨の検察官釈明は,訴因内容となるか?
[平成29年度司法試験予備試験 刑訴法論文試験 問題と出題趣旨参照。参考:古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版154頁]

憲法判例11/ 最大判昭37・5・30参照:条例は,法律以下の法令といっても,#地方公共団体の議会制定の自治立法で,行政府制定の命令等とは性質を異にし,むしろ国会制定の法律に類するものだから,条例で刑罰を定める場合,法律の授権が相当程度に具体的で限定されていれば(憲法73条6号ただし書参照),#憲法31条に反しない。
[芦部『憲法』5版361頁(刑集16-5-577)参照]


2018年10月13日(判例3;問題1)
刑訴法判例3,4/ 最判昭37・11・28参照:訴因を明示するには,できる限り日時・場所・方法をもって「罪となるべき事実」の特定を要する(刑訴法256条3項)のは,①裁判所に審判対象を限定し②被告人に防御範囲を示す目的。#犯罪の日時・場所・方法は_犯罪構成要素となっている場合を除き_罪となるべき事実そのものではない。

/ 最判昭37・11・28参照:犯罪の日時・場所・方法は,犯罪構成要素たる場合を除き,罪となるべき事実そのものではなく,訴因を特定する一手段として,できる限り具体的に表示されるべきでものなので,犯罪の種類,性質等から,#詳らかにできない特殊事情ある場合,上記目的①②を害さないかぎり,#幅のある表示可。
[司法協会『刑事訴訟法講義案』4訂版120頁(刑集16-11-1633)参照]

刑訴法問題2/ 刑訴法R29予備Q2-1参照:被告人は,#甲と共謀の上,平成29年5月21日午後10時頃,H県I市J町1-2-3先路上において,Vに対し,殺意をもって,甲がサバイバルナイフでVの胸部を1回突き刺し,よって,その頃,同所において,同人を左胸刺創による失血により死亡させて殺害したものである,との公訴事実は,訴因特定十分か?
[平成29年度司法試験予備試験 刑訴法論文式試験 設問2小問1問題と出題趣旨,参照]

刑訴法判例2/ 京都地決昭44・11・5参照:司法巡査による現行犯逮捕は,犯行時より20分後,犯行現場から20数m地点だが,①巡査自身による被疑者犯行の目撃,②被疑者が犯罪に供した凶器等所持,③身体,被服などに犯罪の証拠残存,④逃走しようとした,⑤被害者自身から追呼されていた,わけではない。⇒現行犯逮捕要件不具備。
[有斐閣『ケースブック刑事訴訟法』3版〔6-1〕80頁(判時629-103),R29予備Q1,刑訴法212条2項,429条1項2号(勾留裁判に対する準抗告),参照。逮捕前置主義。司法的抑制。逮捕手続の違法を司法的に明確にする→拘留請求却下。]


2018年10月12日(問題1)
刑訴法問題1/ 刑訴法R29予備Q1参照:平成29年5月21日午後10時頃,J町1-2-3先路上で,Vがサバイバルナイフで胸部を刺され殺害され,W,犯行を目撃,犯人を追跡したが,現場から約200m地点で見失う。警察官は,約30分後,約2km離れた路上で,Wから聴いた犯人の特徴と合致する甲を発見,甲は犯行を認めた。現行犯逮捕の適法性如何?
[平成29年度司法試験予備試験 刑訴法論文式試験 設問1問題と出題趣旨,参照。参考:京都地決昭44・11・5判時629-103]


2018年10月11日(判例7)
刑法判例28/ 自招侵害は,行為者が,#自ら侵害を招き_これに対し防衛行為を行ったという一連の事実経過全体を対象に,正当防衛要件検討。/喧嘩・闘争状況下の正当防衛の可否も同様。喧嘩両成敗思想から,正当防衛の余地なしとの古い判例もあるが,最高裁は,全体的に考察し,喧嘩・闘争状況下の正当防衛成立可能性を肯定。
[『判例ラクティス 刑法Ⅰ』199頁(最判昭32・1・22)参照]

刑法判例27/ 判例は,防衛の意思必要説だが,内容不明確なので,相手方に憤激や攻撃意思ある場合の防衛意思の有無,問題? 最高裁は,憤激や逆上に基づく場合も,防衛意思に欠けるわけではないとし,#攻撃的意思と防衛意思が併存しうること_ただし_防衛に名を借り侵害者に積極的に攻撃を加える行為は防衛意思を欠くとする。
[『判例ラクティス 刑法Ⅰ』198頁(大判昭11・12・7刑集15-1561,最判昭46・11・16,最判昭50・11・28)参照]

刑法判例26/ ある行為をなすに当たって_被害者または第三者が適切な行動をすることを信頼するのが相当な場合には_被害者または第三者の不適切な行動によって結果が発生したとしても_行為者は責任を負わない(信頼の原則)。これは,過失行為の実質的危険性(客観的予見可能性)がない場合の原則(客観的構成要件該当性)。
[『判例ラクティス 刑法Ⅰ』113頁(最判昭41・12・20),平野『刑法概説』86頁,85頁,山口『刑法総論』3版257頁LL2,247頁LL11-9,参照]

刑法判例25/ 過失成立要件としてとしての予見可能性は,内容の特定しない抽象的な危惧感・不安感では不十分で,#構成要件該当事実に関する具体的な予見可能性でなければならない。もっとも,その細部に至るまでの予見可能性は必要なく,#構成要件的結果および結果発生に至る因果関係の基本的部分の予見可能性で足りる。
[『判例ラクティス 刑法Ⅰ』112頁(大阪高判平3・3・22)参照]

刑法判例24/ 明文なき過失犯処罰につき,関連法令や立法趣旨等からその意図が看守できる場合,判例は,法規の実効性確保等の観点から肯定。/責任主義から,結果的加重犯の成立を認めるのに,基本犯と重い結果との間の因果関係だけでなく,重い結果の発生に過失(予見可能性)が必要かにつき,判例は因果関係あれば足るする。
[『判例ラクティス 刑法Ⅰ』112頁(順に,最決昭57・4・2,最判昭32・2・26)参照]

刑法判例23/ 最判平17・7・4参照:①入院中の患者を退院させ生命に具体的危険を生じさせ,②親族から患者の手当てを全面的にゆだねられた犯人が,生命維持に必要な医療措置を受けさせずに死亡させた事案:不作為による殺人罪成立。#先行行為による危険創出_患者に対する支配関係(患者の依存関係)から保証人的地位肯定。
[山口『刑法総論』3版85頁(刑集59-6-403,シャクティ治療殺人事件)参照]

刑法判例22/ 最大判平29・11・29参照:性的被害に係る犯罪への社会の一般的な受け止め方の変化等を踏まえると,行為者の性的意図を強制わいせつ罪の成立要件とすべきでない。/Xの行為は,行為そのものが持つ性的性質が明確な行為なので,その他事情を考慮するまでもなく,性的な意味の強い行為として,客観的にわいせつ。
[『平成29年度重要判例解説』149頁(裁時1688-1)参照]

 

2018年10月分(1日~10日)ツイート:59,論述(民訴法2);判例(憲法9,行政法2;民訴法9,要件事実1;刑法16;刑訴法1);問題(憲法2;民訴法10;刑法7)

2018年10月分(7日~10日)ツイート:21,判例(行政法2;刑法13,刑訴法1);問題(刑法5)

2018年10月10日(判例6)

刑法判例20,21/ 共謀共同正犯成立には,#二人以上の者が_特定の犯罪を行うため_共同意思の下に一体となり互いに他人の行為を利用し_各自の意思を実行に移す謀議をし,よって犯罪を実行した事実なければならず,共謀に参加した以上,直接実行行為に関与せずとも,#他人の行為をいわば自己の手段として犯罪を行ったといえる。
[山口『刑法総論』3版339頁(最判昭33・5・28刑集12-8-1718,練馬事件)参照

/ 共謀に基づき犯罪実行あれば,共謀参加者は,実行行為分担有無を問わず,共同正犯たりうる。事前共謀,#現場共謀含む。具体的謀議行為がなくても,#共謀者間に暗黙の意思連絡あるにすぎない場合も,成立しうる。被告人が,#犯罪を共同遂行する合意の下_自己の犯罪を行う意思で関与した場合,共同正犯成立傾向。
[山口『刑法総論』3版339頁-340頁(最決平15・5・1刑集57-5-507,スワット事件)参照。下級審判決には,実行行為の遂行・分担を行った者についても,自己の犯罪として関与してないとして共同正犯の成立を否定し,幇助として処罰したものもある。]

刑法判例19/ 共同正犯は実行行為の分担実行があった場合に限る(形式的正犯概念)わけではなく,住居侵入窃盗などの見張りにも肯定(大判明28・12・19)。さらに,犯罪の謀議に関与したに過ぎない者にも共同正犯成立肯定(最大判昭33・5・28など.共謀共同正犯)。構成要件的結果を共同惹起したかが判断基準になると解する。
[山口『刑法総論』3版338頁(順に,刑録1-5-89,刑集12-8-1718(練馬事件))参照]

刑法判例18/ 正犯の幇助は可罰的(刑法62条1項)。従犯(幇助犯)の幇助も可罰的,#正犯を間接幇助するから(最判昭44・7・17参照)。ただし,正犯行為に対する促進・強化作用ある場合のみ。しかし,#教唆の幇助は不可罰。規定ない上,幇助は刑が減軽され(63条),教唆(・幇助)の教唆の処罰規定しかないから(61条2項反対解釈)。
[山口『刑法総論』3版336頁-337頁(刑集23-8-1061)参照。正犯の幇助:可罰(62条1項)。幇助の幇助:正犯の間接幇助なら可罰。教唆の幇助:不可罰。/正犯の教唆:可罰(61条1項)。教唆の教唆:可罰(61条2項)。幇助の教唆:可罰(62条2項)。]

刑法判例16,17/ 最決平23・12・19参照:適法な用途にも著作権侵害用途にも利用できるファイル共有ソフトを,インターネットを通じ公開・適用し,著作権侵害行為に利用された事案:#かかるソフト提供行為につき幇助犯が成立するためには_一般的可能性を超える具体的な侵害利用状況と_提供者においてそのことの認識_認容要。
[山口『刑法総論』3版322頁(刑集65-9-1380,Winny事件)参照]

/ 共犯構成要件の因果関係を肯定するためには,教唆・幇助行為における正犯実行行為を惹起・促進する危険性が現実化し,正犯実行行為が実際,惹起・促進されたこと要。銃声の音漏れ防止のため地下室に目張りしたが,殺人は行われず,正犯に認識されてもなければ,殺人幇助とならない(東京高判平2・2・21参照)。
[山口『刑法総論』3版322頁(判タ733-232)参照]

動画/ https://youtu.be/7wWGQfOjLXM?t=2532
刑法の問題提起:行為識別,条文指摘。(1:09:19)長く書けば書くほど,減点ポイント出てしまう。あてはめから逆算し,論点があるから問題となるとのように見える。詳細な事実なければ,実行の着手時期は問題とならないという訳じゃない。問題提起部分長く書いていいことは全くない。
[YouTube動画,わかりやすかった。
答案例の部分(https://youtu.be/7wWGQfOjLXM?t=3746)]


2018年10月8日(判例6)
行政法判例2/ 最判平18・11・2,行政法T22(24ア),参照:(#都市計画法の定める)基準に従って都市施設の規模,配置等に関する事項を定めるに当たっては,当該都市施設に関する諸般の事情を総合的に考慮した上で,#政策的_技術的な見地から判断することが不可欠で,このような判断は,#行政庁の広範な裁量にゆだねられている。
[弘文堂『ケースブック行政法』4版101頁(判時1953-3,小田急訴訟本案判決),『行政判例百選Ⅰ』6版〔79〕(民集60-9-3249),平成22年度新司法試験 短答式試験問題 公法系第24問肢ア,参照]

刑法判例15/ 「侵奪」(刑法235条の2)とは,不動産に対する他人の占有を排除し自己or第三者の占有を設定すること。#不動産に対する事実的な支配の侵害をいい,不動産登記の改ざんや登記名義の不正取得は含まない。他人の土地に無断で建物を建てた場合が典型。土地利用権限を超え,容易に原状回復不能にする使用も含む。
[山口『刑法総論』3版206頁-207頁(最決平11・12・9刑集53-9-1117)参照]

刑法判例14/ 不法領得の意思とは,#権利者を排除して他人の物を自己の所有物としてその経済的用法に従い利用_処分する意思をいう(判例)。毀棄・隠匿の意思の場合には否定され,また,単に一時使用ための場合も除かれるが,船などの乗り捨て意思の場合,肯定される。前半部分を排除意思,後半部分を利用意思とも記述可能。
[山口『刑法総論』3版197頁-198頁(大判大4・5・21刑録21-663,教育勅語事件,最判昭26・7・13刑集5-8-1437等)参照]

刑法判例13/ 刑法上の占有:財物に対する事実上の支配。その存否は,占有の事実(客観的要件)と占有の意思(主観的要件)を総合し,社会通念に従い判断。#主観的要件は客観的要件を補完。①財物握持,②人の閉鎖的支配内,③一時置き忘れ:場所的・時間的離隔,僅か,④一定の保管場所に保管する意思,⑤当該領域支配者に移転。
[山口『刑法総論』3版177頁,178頁-180頁(最判昭32・11・8刑集11-12-3061など)参照。R27①,T25(4オ)]

刑法判例12/ 「財物」とは,#財産的価値ある有体物をいうと解する。財産的価値には,金銭的・経済的価値のみならず,所有者・管理者の主観的価値(#客観的交換価値なくとも主観的使用価値で足る),財物が悪用されないように手元に置く利益(消極的価値)あるものを含む。価値が僅少であるとして財物性を否定した判例あり。
[山口『刑法総論』3版175頁,172頁-174頁(大判明36・5・21刑録9-874,東京高判昭28・9・18判特39-108,東京地判昭39・7・31下刑集6-7=8-891等)参照。古い判例は,管理可能性説だが,裁判例においては,情報それ自体を財物としていないように,有体性説がとられているようである。]

刑法判例11/ 千葉地判平28・12・15参照:Xが,橋の欄干外側にしゃがみ込んだVの手をCDに握らせたのは,Vが川に落下しかねない現実的危険性ある体勢をとらせるもので,VがXYの指示に従わざるを得ない状況下,被害者の行為を利用した暴行に該当。YがDの腕を強く押し,衝撃でVを落下させたことに,XY間に黙示の意思連絡あり。
[『平成29年度重要判例解説』148頁(平成28(わ)204)参照]


2018年10月7日(判例4;問題5)
刑法判例10/ 福岡高判平28・12・20参照:#行為の危険性は_行為時点_その場に置かれた一般通常人が認識し得た事情・行為者が特に認識していた事情を基礎に判断(具体的危険説)。/Xは,Vが騙されたふりをしている事情を認識せず,その場に置かれた一般通常人も認識し得なかったといえるから,当該事情は基礎事情から排除。
[『平成29年度重要判例解説』147頁(判時2338-112)参照。したがって,騙されたふりをしている被害者は存在せず,特殊詐欺によって騙された被害者が本件荷物を発送し,被告人が受領したということになるので,被告人の本件受領行為の,詐欺の実行行為としての危険性が認めらるので,不能犯ではない。
 客体の不能に関する裁判例と考えられる(山口『刑法総論』3版288頁参照)。]

刑法判例9/ 刑法判例:#方法の不能事案では_結果発生の可能性が科学的な根拠を問題としてかなり客観的に判断される場合が多いが,その一部の判決と,客体の不能判決では,#一般人の危険感が援用され具体的危険説(行為時に一般人に認識でき,あるいは行為者の認識した事実に基づき危険判断)に近い基準で未遂犯成立肯定。
[山口『刑法総論』3版288頁参照]

行政法判例1/ 最判平4・10・29参照:原子炉の安全性は「#現在の科学技術水準に照らし」て判断すべき。#審査対象はあくまで処分時における原子炉の安全性だが(違法判断の基準時=処分時説),その後の科学的知見によって安全でないことが明らかになれば,#処分時においても安全だったとはいえない(処分時説と矛盾しない)。
[『LEGAL QUEST 行政法』3版247頁(民集46-7-1174,伊方原発訴訟)参照]

刑訴法判例1/ 京都地決昭44・11・5参照:#先行する逮捕は適法でなければならない。∵①逮捕が違法なら釈放されてしかるべきで,逮捕前置主義をみたさない,②刑訴法には逮捕に対する準抗告がないので,拘留請求を却下し逮捕手続の違法性を司法的に明確化必要。/#逮捕被疑事実と拘留被疑事実とは同一でなければならない。
[寺崎『刑事訴訟法』3版176頁-177頁(判時629-103)参照]

刑法問題5,6,7/ 刑法R29予備参照:甲は民間病院内科部長医師,Vと交際。V心臓の特異疾患を甲Vは知っていたが,通常診察で判明し得ないもの。甲は,劇薬入りワインでV殺害を図り,Vのみ居住宅に宅配便で送付。致死量10mlのところ,8mlしか含まれてなかったが,特異疾患あるV摂取なら,死亡の危険あり。V不在で未受領。甲の罪責?

/ 刑法R29予備参照:Vは私立大学病院内科医乙に熱中症と診断され,治療方針を相談された内科部長甲が,劇薬Y致死量6mlだが,心臓に特異疾患あるVは3mlでも死亡の危険あることを知りながら,確実を期し6ml,熱中症薬Bと偽り,乙に注射指示。容器に薬剤名なかったが,乙は中身確認せず,3ml注射。V死亡。甲乙の罪責?

/ 刑法R29予備参照:民間病院内科医乙は,V死亡後,検査の結果,劇薬Y注射が原因の心臓発作による急性心不全と知った。乙は,内科部長甲に就職時に世話になったので,注射指示した甲に刑事責任が及ばないよう,専ら甲のため,死亡診断書に虚偽死因を記載,署名押印し,Vの母親Dに渡し,Dは,C市役所に提出。乙の罪責?
[平成29年度司法試験予備試験 論文式試験 問題と出題趣旨,参照]

刑法問題4/ 刑法R29①参照:先行する自分たちの行為(正当防衛/過剰防衛)により死に至らしめたと誤信した被害者Aの,財布取得。
Aは生きているので,客観的には窃盗罪の構成要件該当。死者の占有(窃盗or占有離脱物横領,抽象的事実の錯誤)?
不法領得意思:利用意思?/器物損壊罪
異なる構成要件間における共同正犯の成否?
[平成29年度司法試験問題論文式試験問題,採点実感,参照。
 私は,故意は,犯罪事実(違法性を基礎づける事実)の認識だろうと思うので,その認識対象は,構成要件該当事実および違法性阻却事由の不存在自由の両方だと思っています。
 そうすると,主観的違法要素たる不法領得の意思を,自らが保持していることも、理論的本来的には,故意の認識対象だろうと思います。
 しかし,答案政策上は,故意を不法領得の意思より先に検討する方がシンプルに書ける場合があるということだろう。(学問としての厳密な考察によるものではなく,現時点てそう思うだけだが,)要件事実論におけるせり上がりと同じようなものと理解できないであろうか? ]

刑法問題3/ 刑法R29①参照:Aが甲顔面を右手拳骨で殴ろうとしたのを,甲はかわし,#防御のため乙に加勢を頼み_乙同意。甲乙は正面からAに体当たりし路上に仰向けに倒し,しばらく押さえ付け落ち着くのを待ったが,まだ暴れるため,乙は未必の殺意なく,重さ800gの丸石でA顔面を力を込め殴った。A失神,鼻骨骨折。乙の罪責?
[平成29年度司法試験論文式試験問題,採点実感,参照]

 

2018年10月分ツイート(1日~6日):論述(民訴法2);判例(憲法9;民訴法9,要件事実1;刑法3);問題(憲法2;民訴法10;刑法2)

2018年10月分ツイート(4日~6日):17,判例(民訴法3,要件事実1;刑法3);問題(憲法1;民訴法7;刑法2)

2018年10月6日(判例3;問題3)
刑法問題2/ 刑法R29①参照:甲は,同僚Aから,B信販会社所有のクレジットカードを借り,#10万円の腕時計購入のためだけに使うという当初の約束を破り,50万円の腕時計と併せ,60万円分購入。#B信販会社規約には_会員である名義人のみ利用でき_貸与等が禁じられていた。同日夕方,甲はAに事情を話し了承を得た。甲の罪責?
[平成29年度司法試験論文式試験問題,出題趣旨,参照。詐欺罪,有印私文書偽造罪・同行使罪,背任罪または横領罪の成否]

刑法問題1/ 教唆・幇助は,正犯と同じ犯罪(罪名)でのみ成立するか,正犯と異なった犯罪(罪名)の共犯を認め得るか?/罪名は自らの責任要件(故意)に対応。殺意をもって人に切り付けようとしてる正犯Aに,傷害を与えるにすぎないと思いBがナイフを貸し,被害者が傷害を負った場合,Bには自己の故意に対応する傷害幇助成立。
[山口『刑法』2版158頁参照。罪名は正犯に従属しない。ただし,共犯の故意が正犯の故意よりも重い罪についてのものである場合,教唆・幇助は二次的責任類型であるから,共犯の罪名は正犯の罪名を超えない。要するに,共犯の罪名は正犯の罪名よりも軽いものにはなるが,重いものにはならない(山口『刑法総論』3版331頁参照)。その意味で,罪名従属性が完全に否定されるわけではない(山口『刑法』2版158頁参照)。
 罪名従属性と,部分的犯罪共同説・行為共同説との関係,どうなっているのであろうか?]

刑法判例7,8/ 最決昭54・4・13参照:ABらが,Vに暴行・傷害を加える旨共謀したところ,Aが殺意をもってVを刺殺した事案で,#殺意のなかったBらには殺人罪の共同正犯と傷害致死罪の共同正犯の構成要件が重なり合う限度で軽い傷害致死罪の共同正犯が成立するとした。/Aにつき,行為共同説によれば,殺人罪の共同正犯となる。
[山口『刑法総論』3版318頁(刑集33-3-179)参照。これは,犯罪の成立と科刑の分離を認める以前の実務の考え方(団藤・大塚説)を否定したもの。/Aの罪責につき,部分的犯罪共同説によれば,殺人罪の単独正犯となる。]

/ 最決平17・7・4参照:殺意あるAと殺意なきBが共同した,不作為による殺人罪と保護責任者遺棄致死罪の共同正犯事案で,#Aに殺人罪成立_Bとの間で保護責任者遺棄致死罪の限度で共同正犯。Aが殺人罪の共同正犯でないなど,部分的犯罪共同説だが,殺意なき共同者の行為で死の結果が直接惹起された事案で不都合。
[山口『刑法総論』3版318頁-319頁(刑集59-6-403)参照]

刑法判例6/ 最判昭41・4・8参照:Xは,当初財物領得の意思はなかったが,#野外で_人を殺害後_領得意思を生じ_犯行直後_現場で_被害者が身に着けていた時計を奪取したのであり,このような場合,被害者の生前の財物所持は死亡直後もなお継続保護すべき。#Xの一連の行為は_全体的に考察し_他人の財物に対する所持の侵害。
[平成29年度司法試験の採点実感(刑事系科目第1問,R29①)6頁(刑集20-4-207)参照。窃盗罪の故意と死者の占有]

憲法問題2/ 憲法T22(3)参照:ア.#租税法分野での取扱いの区別は_立法目的が正当で_区別態様が目的との関連で著しく不合理でない限り_14条1項に反しない。イ.14条1項後段は例示列挙。また,事柄の性質に応じ合理的区別可。ウ.25条の要請にこたえて制定された法令でも,合理的理由のない不当な差別は14条に違反しうる。
[平成22年度新司法試験短答式試験公法系第3問参照。法の下の平等]


2018年10月4日(判例5;問題6)
要件事実判例1/ 代物弁済の要件事実(動産の所有権取得原因):①#債務の発生原因事実,②債務の弁済に代え動産所有権を移転するとの合意,③債務者が①の当時,当該動産所有,④(①合意に基づき)当該動産の引渡し(⇔最判昭40・3・11参照)。/所有権喪失の抗弁ならば,請求原因で動産所有主張されているので,③の主張立証不要。
[改訂『紛争類型別の要件事実』114頁,113頁参照。判例(最判昭40・3・11集民78-259など)の考え方によれば,代物弁済による所有権移転の効果は,原則,当事者間の代物弁済契約の意思表示によって生じる諾成契約といういことなので,要件事実④の主張立証は不要ということらしい。]

民訴法問題11/ 民訴法R28予備Q1(1)参照:X→Y1,Y1→Y2と経由された甲土地の各所有権移転登記につき,Xは甲土地所有権に基づき,Y1らを被告とし,各登記の抹消登記手続請求訴訟提起。X:Y1に1000万円の貸金返還債務ある旨,自白。XがY2から1000万円を借り受け,甲土地を譲渡担保に供したと事実認定しての判決は,弁論主義違反?
[平成28年司法試験予備試験論文式試験 設問1小問(1)の問題と出題趣旨参照。当事者の主張していない所有権取得経過を判決の基礎とすることの適否。]

民訴法問題10/ 伊藤塾民訴法R第31問Q1参照:XはYに対し金銭消費貸借契約に基づく500万円の貸金返還請求訴訟提起。Yは,Xに対する600万円の売掛代金債権を相殺の抗弁として提出。裁判所は,自動債権不存在を理由に抗弁を排斥し,X請求認容。判決確定後,Yが別訴でXに対し売掛代金債権全額の支払請求訴訟提起。裁判所の措置?
[伊藤塾『試験対策問題集論文民事訴訟法』〔第31問〕設問(1)参照。既判力の客観的範囲]

民訴法問題9/ ロープラ民訴法 基本29:故A所有の本件土地につき自作農特別措置法により買収処分され故Bに売り渡されたが,Aの相続人XはBの相続人Yに対し,買収処分無効としてされたXB間の買戻契約に基づく所有権移転登記請求訴訟を提起。棄却判決確定。その後,買収処分から20年後,Xは処分無効を理由に土地明渡請求訴訟?
[『Law Practice 民事訴訟法』初版〔基本問題29〕参照。参考判例:最判昭51・9・30民集30-8-799等]

民訴法問題8/ 民訴法R5②Q2:甲は,乙を被告として,乙に対する300万円の請負代金の支払いを求める訴え提起。乙は右請負代金債権成立を争うとともに,甲に対する100万円の売買代金債権を自働債権とする訴訟上の相殺の抗弁提出。#乙が_判決までの間に_甲を被告として右売買代金支払を求める別訴提起。裁判所の取扱い如何?
[平成5年度司法試験 民訴法論文第2問 設問(2)参照。二重起訴禁止,抗弁先行別訴後行型]

民訴法判例11/ 最判昭51・9・30参照:前訴の訴訟物と異なる後訴請求を信義則に反するとして遮断。要件:①実質的に蒸し返し,②前訴において後訴請求をすることに何ら支障なかった,③勝訴当事者が前訴判決により紛争が解決済みとの信頼を抱いており,法的安定要求保護要,④前訴で充実した審理,⑤前訴で争うべき誘因あり。
[『Law Practice 民事訴訟法』初版220頁-221頁(民集30-8-799)参照]

民訴法判例10/ 最判平10・6・12参照:#明示的一部請求でも_審理は債権全額の存否にわたる以上_前訴で敗訴した原告が残部請求の訴えを提起することは_特段の事情なき限り_信義則に反し許されない。∵①債権全部を審理判断,当事者の主張立証範囲も通常は同様,②一部請求全部・一部棄却⇒残部不存在,③実質的に蒸し返し。
[司法協会『民事訴訟法講義案』再訂補訂版66頁(民集52-4-1147)参照]

民訴法問題7/ ロープラ民訴法 発展13:XはYと,Y所有別荘を代金1億円で購入する契約を締結したが,履行期前に焼失。Xは,Yの過失によるとして,債務不履行による損害額3000万円中,500万円の支払を求める賠償請求。過失認められず,X請求棄却判決確定。Xがあらためて上記損害額残額2500万円支払を求める後訴は認められるか?
[『Law Practice 民事訴訟法』初版〔発展問題13〕参照。参考判例:最判平10・6・12民集52-4-1147]

民訴法問題7/ ロープラ民訴法 発展13:XはYと,Y所有別荘を代金1億円で購入する契約を締結したが,履行期前に焼失。Xは,Yの過失によるとして,債務不履行による損害額3000万円中,500万円の支払を求める賠償請求。過失認められず,X請求棄却判決確定。Xがあらためて上記損害額残額2500万円支払を求める後訴は認められるか?
[『Law Practice 民事訴訟法』初版〔発展問題13〕参照]

民訴法判例9/ 東京地判平26・9・3参照:原告の請求は,前訴確定判決の既判力に抵触するものではないが,(本件における)#抗弁事実の存在は前訴で攻撃防御が尽くされた上で理由中で認められたものであり_これを本件で原告が争うことは_前訴で解決された紛争を不当に蒸し返すもので信義則に照らして許されない。請求棄却。
[『平成28年度重要判例解説』131頁(判タ1421-310)参照。参考判例:最判昭51・9・30民集30-8-799]

民訴法問題6/ 民訴法R29予備Q2:Xは,Yに対し,300万円の不当利得返還請求。Yは,500万円の貸金債権と対等額で相殺する旨の意思表示。X債権全額認められ,Y債権中450万円弁済済として,50万円の範囲で相殺認容(判決確定)。Yは,貸金債権中450万円未弁済として後訴提起。裁判所は,貸金債権の存否を改めて審理・判断できるか?
[平成29年司法試験予備試験論文式試験問題と出題趣旨の設問2参照]

民訴法問題5/ 民訴法R5②Q1:甲は,乙を被告として,乙に対する300万円の請負代金の支払いを求める訴えを提起。乙は右請負代金債権成立を争うとともに,甲に対する100万円の売買代金債権を自働債権とする訴訟上の相殺の抗弁提出。#請負代金債権の成立および相殺の抗弁も認められ_200万円支払を命ずる判決確定。効力如何?
[平成5年度司法試験 民訴法論文第2問 設問(1)参照。相殺の抗弁認容の場合の既判力の及ぶ範囲]

 

2018年10月分ツイート(1日~3日):21,論述(民訴法2);判例(憲法9,民訴法6);問題(憲法1;民訴法3)

2018年10月3日(論述1;判例4;問題2)
民訴法判例8/ 最大判昭56・12・16参照:現在不法行為が行われ,同一態様の行為が将来も継続する予想があっても,①#損害賠償請求権の成否・額の判断が複雑で_変動が予想され,#あらかじめ一義的に明確に認定できず_むしろ具体的請求権成立時点で初めて認定でき,②債権者に立証責任ある場合,将来給付の訴えの適格性なし。
[司法協会『民事訴訟法』再訂補訂版71頁(民集35-10-1369),R29予備Q1,参照。その後の判例として,最判平28・12・8民集63-5-1321(『平成29年度重要判例解説』〔民訴法1〕)。]

民訴法114/ 743/ 将来給付の訴えは,口頭弁論終結時までに履行すべき状態にならない給付請求権の存在の主張だから,あらかじめ請求の必要ある場合に限られる(民訴法135条)。#義務者の態度_給付義務の目的・性質などを考慮し判断。反復継続的給付は,履行期にある部分の不履行あれば,将来分も期待薄なので,訴えの利益あり。
[司法協会『民事訴訟法講義案』再訂補訂版71頁,R29予備Q1,参照]

民訴法問題4/ 民訴法R29予備Q1:将来にわたり継続的に発生する不当利得返還請求訴訟につき,①#将来給付の訴えと現在給付の訴えの区別基準,②#将来給付の訴えの利益の判断要件等を問う。民訴法135条の趣旨に触れつつ,昭和56年最大判,大阪国際空港夜間飛行差止訴訟等に言及し自説を述べ,具体的事実関係を踏まえ論述要。
[平成29年司法試験予備試験論文式試験問題と出題趣旨の設問1,最大判昭56・12・16民集35-10-1369参照]

民訴法判例7/ 最判昭51・3・30参照:#補助参加の利益は本案判決主文で示される訴訟物たる権利・法律関係の存否に関する利害関係を指し,判決理由中で判断される事実や法律関係についての利害関係では足りないとされてきたが,本判決は,#加害者たる共同被告の一方が他方への求償権保全のため,補助参加することを認めた。
[『民事訴訟判例百選』5版〔A32〕(判時814-112,裁判集民事117-323)参照]

民訴法問題3/ 民訴法R30③Q3:BはAに250万円支払え,Cに対する請求棄却という判決に,Aに不服申立て意思はなかったが,#BがAを補助するため参加申出_A控訴人_C被控訴人として_控訴期間内に控訴。Cは,Bによる補助参加に異議申述。#補助参加の利益なし等のC主張の当否を検討し,控訴裁判所はどのように判断すべきか論ぜよ。
[平成29年司法試験問題と出題趣旨,民事系第3問設問3参照。最判昭51・3・30(判時814-112,裁判集民事117-323)参照]

民訴法判例6/ 主債務者と連帯保証人を訴える場合(最判昭27・12・25),複数人に自己の所有権確認を求める場合(最判昭34・7・3等)や登記抹消を求める場合(最判昭29・9・17等)など,論理ないし事実上の統一的解釈の必要性,全員に勝訴しなければ目的達せられないという実際上の統一的解釈の必要性あるが,#通常共同訴訟。
[司法協会『民事訴訟法』再訂補訂版295頁(順に,民集6-12-1255,民集13-7-898,民集8-9-1635)参照]

民訴法判例5/ 大阪高判昭62・7・16参照:手形金債務不存在確認の訴え係属中,被告が簡易迅速な手形訴訟(民訴法350条以下)を提起することは,重複起訴か? 訴訟物も当事者も同一。#もし先行の訴え中での反訴提起しかできなければ_簡易迅速な手続が採れず,手形訴訟提起妨害も可能となり不合理。重複起訴と解すべきでない。
[和田吉弘『基礎からわかる民事訴訟法』60頁(判時1258-130),R30③Q1,参照]


2018年10月2日(論述1;判例4;問題2)
民訴法判例4/ 最決平19・12・11参照:金融機関の得た顧客情報の守秘義務は個々の顧客との関係で認められるに過ぎないので,金融機関が民事訴訟当事者として開示を求められ,当該顧客も受訴裁判所に開示義務を負うならば,#顧客は金融機関の守秘義務で保護さるべき正当な利益なく_金融機関が開示しても守秘義務違反なし。
[『民事訴訟判例百選』5版144頁(民集61-9-3364),R30③Q2,参照。同書4版〔A23〕]

民訴法問題2/ 民訴法R30③Q2:不法行為損害賠償請求訴訟の原告Aの診療記録の所持者D病院として,文書提出命令を申し立てる場合に,Dからの反論を念頭に置き,#文書提出義務あることを説得的に立論しなさい。一般的文書提出義務(民訴法22条4号),#文書の所持者が当該訴訟当事者に対し負う守秘義務(同号ハ)? 利益文書(3号)?
[平成29年司法試験問題と出題趣旨,民事系第3問設問2(最決平19・12・11民集61-9-3364)参照]

民訴法判例3/ 最大判昭33・3・5参照:和解調書(民訴法267条)に,#既判力を肯定することを前提とする。大判昭8・11・24参照:#訴訟上の和解の実体は当事者の意思表示であり,判決と異なり,意思表示に存する瑕疵のため和解が当然無効となる場合あり。最判昭33・6・14参照:#要素の錯誤により訴訟上の和解が無効となりうる。
[司法協会『民事訴訟法講義案』再訂補訂版]254頁(順に,民集12-3-381,裁判例7-267(最判昭31・3・30民集10-3-242),民集12-9-1492)参照]

民訴法113/ 742/ 相殺の抗弁は,訴え提起と異なり,相手方提訴を機に防御手段として提出されるのであり,相手方訴求債権と簡易迅速・確実決済を図る機能を持つので,#1個の債権の残部で他の債権との相殺を主張することは_債権発生事由_一部請求経緯_審理経過等にかんがみ訴訟上の権利濫用など特段の事情なき限り_許される。
[司法協会『民事訴訟法講義案』再訂補訂版91頁-92頁(最判平10・6・30民集52-4-1225)参照]

憲法判例10/ 最大判昭58・6・22参照:拘留中の被疑者が新聞を定期購読していたが,日航機「よど号」乗っ取り事件に関する新聞記事を拘置所長が全面的に抹消。新聞購読の自由制限は,在監目的達成のため真に必要と認められる限度でのみ,#閲読を許すことにより監獄内の規律・秩序の維持に障害が生ずる相当の蓋然性必要。
[芦部『憲法』5版109頁(民集37-5-793,「よど号」ハイ・ジャック新聞記事抹消事件)参照。T22(2イ)]

憲法判例9/ 在監者の信書検閲(監獄法50条)は検閲禁止にも,憲法21条1項にも反しない(最判平6・10・27参照)。/死刑確定者の信書の発送制限につき,同人の心情の安定等も配慮し監獄長の裁量的判断是認(最判平11・2・26参照)。#相当の蓋然性有無を判断代置審査_受刑者の信書発送制限_違法とした(最判平18・3・23参照)。
[『判例ラクティス憲法』増補版32頁(順に,判時1513-91,判時1682-12,判時1929-37),芦部『憲法』5版109頁-110頁,T22(2ウ),参照。「信書ノ検閲」(旧監獄法50条,刑事収容施設法127条)は,合憲とされており,「信書の発」送(旧監獄法46条1項,刑事収容施設法126条~133条。「死刑確定者」については,同法139条以下)の不許可処分については,死刑確定者に対するものは合憲,それ以外の受刑者については,監獄内の規律・秩序維持などの点において放置することができない程度の障害が生じる,相当の蓋然性の有無を裁判所が判断代置して審査し,裁量権逸脱、違憲とした判例があるようである。
 なお,「受刑者」と異なり,「未決拘禁者」については,刑事収容施設法134条以下に規定がある。また,受刑者のうち,「死刑確定者」については,別に同法139条以下に規定。他に,その他の被収容者についての規定もあり。]

憲法問題1/ 憲法T22(1):ア.議会制民主主義を支える不可欠の要素たる政党の健全な発展への協力も,社会的実在としての会社に当然期待されるので,#会社は自然人同様_政治的行為をなす自由あり。イ.#税理士会が多数決で政治献金をすることは_会の目的の範囲外。ウ.#外国人は_外国へ一時旅行する自由を保障されてない。
[平成22年新司法試験 短答式試験問題 第1問参照。人権の享有主体性。]


2018年10月1日(判例7)
憲法判例2,3/ 最判平8・3・19参照:#政治献金は選挙における投票の自由と表裏をなすので会員個人が市民として自主的に決すべきだから,強制加入団体たる税理士会(公益法人)は,#多数決原理で構成員に協力を義務付け得ない。たとい税理士に係る法令に関しても,税理士法49条6項所定の税理士会の目的の範囲外の行為,無効。
[芦部『憲法』5版90頁(民集50-3-615,南九州税理士会(政治献金)事件),憲法T22(1イ),参照]

/ 最判平14・4・25参照:強制加入団体たる司法書士会が大震災で被災した兵庫県司法書士協会に3000万円の復興支援拠出金を寄付するため,特別負担金を会員から徴収する総会決議を行った。#司法書士業務の円滑な遂行による公的機能回復に資するので,会の目的の範囲を逸脱しない。反対意見:寄付金額多額過ぎ。
[芦部『憲法』5版91頁(裁判所時報1314-1,群馬司法書士会震災支援寄付事件)参照]

憲法判例4/ 最大判昭45・6・24参照:八幡製鉄(新日本製鉄)の代表取締役自由民主党に政治献金した行為の責任を追及した株主代表訴訟。#議会制民主主義を支える不可欠の要素たる政党の健全な発展に協力することも_社会的実在としての会社に当然期待されるので,自然人同様,政治的行為をなす自由あり。行きすぎ判決。
[芦部『憲法』5版91頁(民集24-6-625,八幡製鉄事件)参照。T22(1ア)]

憲法判例8/ 最大判平17・1・26参照:①公権力行使等地方公務員の職(直接的に統治作用に関わる管理職)と,②これに昇任するのに必要な職務経験を積むために経るべき職(#統治作用に関わる程度の弱い管理職)の,#一体的な管理職任用制度,可。⇒#管理職試験受験資格で外国人を区別しても合理的な区別。/制度を人権に優先?
[芦部『憲法』5版93頁-94頁(民集59-1-128)参照]

憲法判例5/ 最判平4・11・16参照:1973年入国し日本人と結婚した定住外国人(アメリカ国籍)森川キャサリーンさんが,韓国への旅行計画をたて再入国許可申請したところ,指紋押捺許否を理由に不許可とされた。#外国人には_憲法上_外国へ一時旅行する自由は保障されていない。/法改正で特別永住者の再入国規制若干緩和。
[芦部『憲法』5版95頁(裁集民事166-575,森川キャサリーン事件),憲法T22(1ウ),参照]

憲法判例6/ 最大判昭53・10・4参照:アメリカ人マクリーンが在留期間1年として入国,1年後,在留期間更新申請。#人権の保障は権利の性質上許されるかぎり外国人にも及び_政治活動も_その地位にかんがみ相当でない活動を除き保障されるが,在留制度の枠内。合憲合法の行為も,#更新許否の消極的理由としてしんしゃく可。
[芦部『憲法』5版96頁(民集32・7・1223,マクリーン事件)参照]

憲法判例7/ 最判平7・12・15参照:押捺義務3年に1度,1指のみだった制度(昭和57年改正前)につき,#指紋の押なつを強制されない自由は_個人の私生活上の自由(憲法13条)の一つだが,右押捺制度立法目的には十分な合理性,必要性あり,手段も一般的に許容される限度を超えない相当なもの。/平11年法改正,指紋押捺制度廃止。
[芦部『憲法』5版97頁(刑集49-10-842,指紋押捺拒否事件)参照]

 

2018年9月分ツイート75: 論述19(民法8,商法10,要件事実1);判例48(憲法1;民法16,会社法17,民訴法2,倒産法7,刑法5);問題8(行政法1;会社法4,民訴法1,要件事実2) - 140字法律学

 

2018年9月分ツイート75: 論述19(民法8,商法10,要件事実1);判例48(憲法1;民法16,会社法17,民訴法2,倒産法7,刑法5);問題8(行政法1;会社法4,民訴法1,要件事実2)

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2018年9月(25日-30日)分ツイート20:論述4(商法3,要件事実1);判例8(会社法7,民訴法1);問題8(行政法1;会社法4,民訴法1,要件事実2)

2018年9月30日(判例1)
民訴訟判例2/ 最判平3・12・17参照:#相殺の抗弁は新訴提起に匹敵する実質を有し,審理の重複を生ずるし,その判断に既判力が生ずるため(民訴法114条2項),その矛盾抵触のおそれもある。#もっとも_あくまで防御手段として提出されるので_とり上げられるか否かは未必的。判例は,#別訴先行抗弁後行型につき,同条類推適用。
[司法協会『民事訴訟法講義案』再訂補訂版91頁(民集45-9-1435)参照]


2018年9月29日(論述1;問題3)
民訴法問題1/ 民訴法R30③Q1:A,Cは甲市内に住所。Bは個人タクシー事業者,乙市内に住所兼営業所。Aは,乙市内でB運転のタクシーに客として乗車,C運転自動車と衝突。#BがAを被告とし150万円を超える債務の不存在確認訴訟を提起し_係属後_AがB_Cを被告として提起する損害賠償請求訴訟が適法とする立論。併合請求の管轄。
[平成29年司法試験問題と出題趣旨,民事系第3問設問1参照。重複起訴禁止、共同訴訟の一般的要件、主観的追加的併合、確認の利益など。]

要件事実問題2/ 新問研第1問:請求の趣旨:#被告は_原告に対し_2000万円を支払え。訴訟物:売買契約に基づく代金支払請求権 1個。請求原因:(1)#原告は_被告に対し_平23年3月3日_甲土地を代金2000万円で売った。(2)よって書き。認否:請求原因は否認する(売買契約の積極否認,代金が折り合わなかったためという理由付否認)。
[『新問題研究 要件事実』2頁-16頁参照]

要件事実19/ 742/ 民法555条(#冒頭規定)を解釈すれば,売買代金債権の発生に必要な要件(請求原因)は,「#財産権」(目的物)の移転およびその対価たる「#代金支払」(代金額または代金額の決定方法)についての各合意,#すなわち売買契約の成立だけ。代金債務の履行期限の合意は,契約の成立要件(請求原因)ではなく,相手方抗弁。
[『新問題研究 要件事実』9頁-11頁参照]

要件事実問題1/ 新問研第1問:X:私は,平23年3月3日に,先祖代々所有していた甲土地を,Yに売り,同日引き渡した。代金2000万円,支払日は同年4月3日。ところが,Yは代金を支払わないので,その支払を求めます。Y:甲土地売買代金が折り合いませんでした。また,甲土地は,Xが,叔父Aから贈与されたものと聞いている。 要件事実等?
[『新問題研究 要件事実』1頁参照]


2018年9月27日(論述1;判例3;問題3)
行政法問題1/ ロー演習行政法第5問Q1:①本件事業計画決定の処分性? 施行区域内の土地所有者は,土地区画整理法76条1項,140条等による権利制限等を伴いながら将来の仮換地指定や換地処分を受けるべき地位に立つ(成熟性あり)。②認められる場合も,仮換地指定取消訴訟で事業計画決定の違法を主張できるか(違法性の承継)?
[石森久広『ロースクール演習行政法』〔第5問〕設問1(最大判平20・9・10民集62-8-2029など)参照]

会社法問題4/ 商法R27②Q1:㈱甲:A代表取締役,B,C取締役,発行済株式総数8万株,A4万株,B1万株保有,取締役会設置会社。洋菓子部門B担当,首都圏が商圏。B:関西地方の洋菓子製造販売業社㈱乙の発行済株式90%取得,顧問として陣頭指揮,甲社洋菓子工場長Eを乙社に引き抜き⇒甲社売上げに損害。Bの甲社に対する損害賠償責任?
[平成27年司法試験問題と出題趣旨,民事系第2問設問1参照。乙社事業執行につき,競業取引(会社法356条1項1号・365条)による損害賠償責任(423条1項。2項による損害の推定。因果関係。その他の損害(関西進出のための市場調査費)),E引抜きによる損害の賠償責任(423条,忠実義務(355条)違反)。]

会社法126/ 741/ 「特別利害関係を有する株主」(会社法831条1項3号)は,#当該議案成立により他株主と共通しない特殊な利益を獲得しまたは不利益を免れる株主。「行使したことによって」とは,その者が議決権を行使していなかったら決議されていないこと。「著しく不当」とは,#その者以外の者に著しい不利益を生じること。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版265頁参照]

会社法判例17/ 最判平8・11・12参照:#株主総会に出席する株主に対し合理的な理由のない限り_同一の取扱いをするべき。議事進行妨害のおそれをもって,従業員株主を他株主より先に入場させ前列に着席させる措置の合理的理由に当たるとは解し得ない。もっとも,本件では具体的に株主の権利行使が妨げられたとはいえない。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版265頁,『会社法判例百選』初版〔44〕判旨(判時1598-152),参照]

会社法判例16/ 東京高判昭61・2・19参照:株主からの事前質問状に対し株式会社が重複する質問などを一括回答することは,説明義務(会社法314条)違反か? 直ちに違法とはならない。明文上説明方法は規定されておらず,#株式会社は株主が会議の目的事項を合理的に判断するのに客観的に必要な範囲の説明をすれば足りるから。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版265頁参照]

会社法問題3/ 即効本民事系商法U2:X社は,定時株主総会で決議すること等の決定のため,取締役会招集。①名目的取締役Dへ招集通知を欠いたが_ABCDEF取締役6人全員出席。②代表取締役Aの解任決議(#Aは反対の議決を投じた)。③剰余金配当の決議,可否同数で,議長Aが反対をして否決と扱われた。この取締役会決議の効力如何?
[『基本から合格答案を即効で書けるようになる本』民事系〔商法U2〕参照]

会社法判例15/ 最判昭44・3・28参照:#代表取締役の解職に関する取締役会決議につき_当該代表取締役は特別利害関係人に当たる。その者が取締役会決議に参加した決議には瑕疵があり(会社法369条2項),無効。公正な決議が期待できないから。#特別利害関係人たる取締役は_決議につき意見陳述権なく_議長ならば権限を失う。
[『基本から合格答案を即効で書けるようになる本』民事系116頁参照]


2018年9月26日(論述2;判例4;問題2)
会社法問題2/ 商法R15①:①㈱A代表取締役Bが㈱Cの監査役兼任:A社がC社のD銀行からの借入10億円保証,②㈱A取締役Eが㈱Fの発行済株式総数70%保有:A社がF社のG銀行からの借入1000万円保証,③ホテル経営㈱A取締役Hが,ホテル経営・不動産事業を行う㈱Iの代表取締役として不動産事業取引のみ担当;#A社取締役会決議必要か?
[平成14年度旧司法試験第二次試験論文式試験問題と出題趣旨,参照。多額の借財(会社法362条4項2号)。利益相反取引・競業取引(356条1項1号3号・365条)。]

会社法問題1/ 商法R14①:㈱Aは㈱Bの総株主の議決権60%保有。A社存続会社,B社消滅会社として合併(会社法749条以下)予定。吸収分割消滅株式会社の株主総会決議(783条1項)前後で,#合併比率不当を訴える株主の手段? 差止め,株式買取請求権,事後開示(791条),組織再編無効の訴え,決議取消事由との関係,429条1項責任追及。
[平成14年度旧司法試験第二次試験論文式試験問題と出題趣旨,『LEGAL QUEST 会社法』3版414頁,404頁,427頁-30頁,等(辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版342頁(東京高判平2・1・31),『会社法判例百選』2版〔90〕)参照]

会社法125/ 740/ 説明義務(会社法314条)範囲:#株主が株主総会の目的たる事項の合理的な理解・判断をするために客観的に必要と認められる事項。程度:決議事項の内容,質問事項との関連の程度,説明内容,質問株主保有資料等を総合考慮し,#平均的株主が議決権行使の前提として合理的な理解・判断をなし得る状態か,総合判断。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版264頁参照。R23予備,25②]

会社法124/ 739/ #取締役等の説明義務(会社法314条)の例外:a.株主総会の目的事項に関しないもの,b.株主の共同利益を著しく害する場合,c.調査を要する場合(施行規則71条①),会社等の権利を害する場合(②),実質的に同一事項の説明を求めるもの(③),正当理由ある場合(④)。#右義務違反は決議方法の法令違反(831条1項1号)。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版264頁参照。R23予備,25②]

会社法判例14/ 最判昭45・11・16参照:#株主総会決議無効確認の訴えの無効事由として主張されていた瑕疵が_取消事由に該当し,かつ,#その訴えが決議取消しの訴えの原告適格もみたし_提訴期間経過前に提起されていた場合,決議取消しの訴えが,提訴期間の関係で,当該決議無効確認の訴え提起時に提起されていたと扱われる。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版262頁,『会社法判例百選』2版〔45〕判旨(民集33-7-709),参照]

会社法判例13/ 最判昭51・12・24参照:提訴期間(『株主総会等の決議の日から3か月以内』)経過後の取消事由追加の可否:株主総会決議取消しの訴えを提起した後,会社法831条1項所定の期間経過後に新たな取消事由を追加することは許されない。#決議の効力を早期に確定_法的安定性を図るという831条1項の趣旨に反するから。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版262頁参照]

会社法判例12/ 最判昭42・9・28参照:他の株主に対する招集手続の瑕疵についても訴えを提起できるか? 肯定すべき。#株主総会決議取消しの訴えは株主総会決議の公正を確保するためのものであって,株主個人の利益のみの保護を目的とするものではないから。もし当該株主の出席あらば,#決議の結果が変わったかもしれない。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版261頁,『会社法判例百選』2版81頁右欄(大隅健一郎編『株主総会』1969年545頁(今井宏)),参照。⇔株主は,全株主のために任務を負う取締役と異なる(鈴木竹雄)。]

会社法判例11/ 最判昭43・11・1参照:株主は代理人によって議決権行使できるが(会社法310条),定款により代理人資格を制限可能か? #合理的理由による相当程度の制限であれば認められると解する。株主総会が,総会屋などの株主以外の第三者によるかく乱の防止要だから。定款=相当程度の制限⇒職員・従業員,弁護士等除く。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 民事系』6版258頁-259頁参照]

 

 

2018年9月(1日-25日)分ツイート: 論述15(民法8,商法7),判例40(憲法1;民法16,会社法10,民訴法1,倒産法7;刑法5)

2018年9月(21日-25日)分ツイート: 論述7(会社法7),判例12(会社法10,倒産法2)

2018年9月24日(論述5)
会社法123/ 738/ 代表取締役は株式会社を代表する取締役(会社法47条1項),1人でもよい。氏名・住所は登記事項。取締役会により選定・解職(362条2項3号)。欠員につき351条。#職務を行うにつき第三者に損害を加えたときは_会社も不法行為責任を負う(350条)。会社の業務に関する一切の裁判上・裁判外の行為をする権限あり。
[『LEGAL QUEST会社法』3版186頁-187頁(会社法911条3項14号,349条4項)参照]

会社法122/ 737/ 役員等の(会社法423条1項かっこ書)の行為によって会社に損害が生じた場合や会社から金銭が流出した場合,役員等は賠償等の責任を負う。その基本的なものが任務懈怠責任。要件(#任務懈怠_会社の損害_その間の因果関係)の証明責任は責任追及者側が負う。#帰責事由も消極的要件,債務不履行責任の性質あり。
[『LEGAL QUEST会社法』3版230頁参照]

会社法121/ 736/ 任務懈怠責任(会社法423条1項)以外の役員等の会社に対する責任:①#120条1項に反し利益供与した場合,関与した取締役・執行役は,会社に対し,連帯して,供与された利益の価額に相当する額の支払義務あり(4項)。②#現物出資_仮装の払込み_剰余金の配当_自己株式の取得等の関連責任。③発起人,清算人の責任。
[『LEGAL QUEST会社法』3版241頁-242頁参照]

会社法119,120/ 734,735/ 役員等の任務懈怠責任は,議決権なき株主も含む,#総株主の同意なければ,免除不可(会社法424条)。そうでなければ,単独で株主代表訴訟提起できることが無意味になるから。もっとも,#職務を行うにつき善意・無重過失なときに限り_より緩やかな要件で一部免除可(ただし,自己のために直接取引した場合除く)。
[『LEGAL QUEST会社法』3版239頁-240頁(会社法424条~428条)参照]

/ 一部免除の方法は3種:①#株主総会の特別決議(会社法309条2項8号)で,賠償額から最低責任限度額を控除した額を限度に免除可(425条)。②対象とされる取締役を除く,#取締役の過半数の同意での免除を定款に規定可(426条)。③#非業務執行取締役は_会社と責任限定契約を締結できることを定款に規定可(427条)。
[『LEGAL QUEST会社法』3版240頁-241頁参照]

2018年9月23日(論述1,判例8)
会社法判例10/ 東京高決平7・2・20参照:株主や第三者の不正な利益を図り・会社に損害を加える目的の代表訴訟は,提起不可。また,被告となった役員等が,訴え提起が悪意によることを疎明すれば,相当の担保提供が原告株主に命じられ得る。悪意には,#代表訴訟請求に理由なきことを_過失によって知らなかった場合を含まず。
[『LEGAL QUEST会社法』3版246頁(判タ895-252,会社法847条1項ただし書・5項ただし書,847条の4第2項3項)参照。「原告が過失によって自己の請求に理由がないことを知らずに訴えを提起したことが疎明された場合にまで,担保提供を命ずることができると解することは,『悪意』という文言にそわないものであって,相当ではない」(『会社法判例百選』2版〔69〕参照)]

会社法判例9/ 東京高決平17・3・23参照:#現に経営支配権争いが生じている場面での経営支配権の維持・確保目的の新株予約権発行は_原則_不公正な発行として差止請求を認めるべき(主要目的ルール)。誰を経営者としてどのような事業構成の方針で会社を経営させるかは,株主総会で取締役選任を通じ資本多数決で決すべき。
[『LEGAL QUEST会社法』3版441頁-442頁(判時1899-56,ニッポン放送事件)参照]

会社法判例8/ 最判法46・3・18参照:Yの臨時株主総会での会社解散等の各決議につき,招集手続は,#取締役会の有効な決議にもとづいてないのみならず_召集通知はすべての株主に対し法定の招集期間に2日も足りずなされたものであるから,右株主総会招集手続にはその性質・程度から見て重大な瑕疵あり。近時,請求棄却慎重。
[『会社法判例百選』2版〔42〕(民集25-2-183)参照]

会社法118/ 733/ #株主総会の招集手続・決議方法に性質_程度等から見て重大な瑕疵ある場合_決議結果に影響を及ぼさないとしても_決議取消請求棄却_不可。重大な瑕疵ある場合まで,決議を存続せしめることは,招集手続・決議方法を厳格規制し総会の適正運営,株主・会社利益を保護しようとする会社法の趣旨を没却するから。
[『会社法判例百選』2版〔42〕(最判昭46・3・18民集25-2-183)参照]

会社法判例7/ 東京地判平27・10・28:法定備置書類の本店への備置き,株主による閲覧,謄本交付は,株主の株主総会への準備を目的とするので,会社法に反し備置きされなかった場合,#定時株主総会の一環と解しその懈怠は原則_決議取消原因。しかし,実質的に株主の態度決定の準備を不能にさせるものでなければ,裁量棄却可。
[『平成29年度重要判例解説』89頁(判時2313-109)参照]

会社法判例6/ 東京高判平29・7・12:#株主のした事前質問につき会社のした回答が内容の虚偽のものであり_その結果_決議の内容が影響を受けたような場合,株主総会の議事運営が著しく不公正であることにより決議の方法が著しく不公正なとき(会社法831条1項1号)に当たる場合があり得る。
東京地判平28・12・15の控訴審
[『平成29年度重要判例解説』89頁(金判1524-8)参照]

会社法判例5/ 東京地判平28・12・15:上場会社の株主総会で,会社が従業員株主に会社自ら用意した質問をするよう促し,従業員株主自らの意思とは無関係に当該質問をし会社が応答した場合,その分,一般株主の質疑応答に充てられる時間減少。#多数の一般株主を有する上場会社での適切な株主総会運営とは言い難い(一般論)。
[『平成29年度重要判例解説』89頁(金判1517-38)参照]

会社法判例4/ 名古屋高判:平28・10・27:会社経理部の役員・従業員が適正な手続を経ずに取引先に対する不正な金融支援を行ったのは,代表取締役等の監視義務違反等によるものとして,#回収不能となった融資金相当額のみならず_特別調査委員会・責任追及委員会に対する報酬相当額も,当該役員等は,賠償義務を会社に負う。
[『平成29年度重要判例解説』90頁(金判1526-53)参照]

会社法判例3/ 名古屋地判平29・2・10:複数事業部門中,ある事業部門で赤字が続いていたとしても,#当該事業から撤退しないことが直ちに取締役の善管注意義務違反になるものではなく,当該事業好転の可能性・会社における位置づけ,事業全体に占める割合,その他メリット・デメリット等を総合考慮し不合理な点の有無検討。
[『平成29年度重要判例解説』90頁(金判1525-50)参照]


2018年9月22日(論述1,判例1)
会社法判例2/ 最判平22・7・15参照:経営判断原則はアメリ判例法理。取締役の経営判断が会社に損害をもたらす結果が生じたとしても,誠実性・合理性をある程度確保する一定要件下に行われた場合,裁判所が判断の当否に事後的介入し注意義務違反を直ちに問うべきでない。本判決規範は簡潔,#事実認識の部分の言及なし。
[『会社法判例百選』2版〔52〕(判時2091-90,アパマンショップ事件),特に109頁左欄タテ3,参照]

会社法117/ 732/ 当時の状況に照らし,経営判断の前提である事実認識(情報収集・調査・分析)に不注意な誤りがなかったか,#その事実にもとづく意思決定過程・内容に通常の企業経営者として著しく不合理な点がなかったか審査し,そのような誤りや不合理なければ,当該経営判断は,取締役としての善管注意・忠実義務に反せず。
[『会社法判例百選』2版109頁左欄タテ2(東京地判平14・4・25判時1793-140等)参照]


2018年9月21日(判例3)
倒産判例7/ 最判平24・5・28:#無委託保証人が破産者の破産手続開始前締結した保証契約に基づき,手続開始後に弁済して得た求償権を自働債権とする相殺は,破産者の意思に基づかない点で,#破産手続開始後に_破産者に債務を負担する者が他人の債権を譲り受け相殺適状を作出してする相殺に類似する(破72条1項1号類推)。
[『倒産判例百選』5版〔69〕(民集66-7-3123)参照。判例の公平原則説(『倒産判例百選』5版141頁左欄タテ2参照)によった。
 また,「破産債権」(破2条5項)については,①一部具備説(保証委託契約が原因であるとする)と②保証契約原因説(千葉補足意見)があるようで,本件のように保証委託契約の存在しない無委託保証の場合には,後説によっても,破72条2項2号3号の原因に該当しないと解されるようである。
 代位弁済原因説(破72条1項2号以下,2項2号3号により処理される)には,③破104条3項との関係で,求償権も保証契約に原因ある債権であり,原債権が破産債権であるから,求償権も破産債権であるとする見解(伊藤眞)と,④主債務者の破産手続開始後の,無委託代位弁済による求償権は破産債権ではないが,無委託保証人は,代位取得した原債権を破産債権として行使できるとする見解がある(栗田隆)。しかし,④では,無委託代位弁済によって主債務者が不利益を受けてはならないという一般性のある法理によって,求償権が制約されるとするようである。]

会社法判例1/ 最判平12・7・7:「法令」(会社法423条1項)には,①330条(民法644条)・355条の規定(一般規定,取締役の受任者としての職務),②#これを具体化する形で取締役が業務執行に際し遵守すべき義務を定める個別規定,③商法その他の法令中,会社を名あて人とし,#会社が業務執行に際し遵守すべきすべての規定も含む。
[『会社法判例百選』2版〔51〕(民集54-6-1767)参照。
 同書107頁右欄タテ4の,『取締役の受任者としての職務』と,『その業務執行の際に尽くすべき注意義務の程度を示す「善良な管理者の注意」』の違い,よくわからなかったが,その言い回しを使って,判例を言い換えてメモしています。
 おそらく,①における「善良な管理者の注意」(民法644条)は,取締役の受任者としての一般的な注意義務,②・③においては,名あて人が違うが,どちらにも「善良な管理者の注意」が問題となるということを言われているのであろう。
 そして,民法における「善良な管理者の注意」についての注意義務違反の概念の理解によって,会社法における「職務」の範囲や「法令」の意義が影響しないと言われているのであろう。]

倒産判例6/ 最判昭52・12・6:当事者間の合意による相殺につき相殺禁止規定(破71条・72条)が類推適用されるか。#債務者と和議債権者間で和議開始決定前の相殺合意は無効,同規定は破産債権者間の公平を図るための強行規定で類推適用肯定。本判例は,#管財人と破産債権者間の合意についても同規定の類推適用を認めた。
[『倒産判例百選』5版〔68〕(民集31-7-961)参照。無効とならない「特段の事情」と破102条との関係につき今後の検討課題とのこと(『倒産判例百選』5版139頁右欄LL8参照)。]

憲法関係/ 新潮社代取2018/9/21:弊社は,言論の自由,表現の自由,意見の多様性,編集権の独立の重要性などを十分認識し,尊重して来ましたが,「新潮45」10月号特別企画「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」に,#あまりに常識を逸脱した偏見と認識不足に満ちた表現が見受けられました。差別的表現に十分配慮します。
https://www.shinchosha.co.jp/news/article/1462/ 株式会社 新潮社 代表取締役社長 佐藤 隆信

 

 

2018年9月(1日-20日)分ツイート: 論述8bot(民法8),判例28(憲法1;民法16,民訴法1,倒産法5,刑法5)

2018年9月20日(判例2)
刑法判例5/ 最決昭45・7・28:ダンプカーに引きずり込む行為自体は姦淫に向けられた暴行といえず,姦淫行為との間に相当の時間的・場所的離隔が存在。同種事件の下級審に,強姦手段としての定型性なしとするものもあったが,本決定は,#すでに強姦に至る客観的な危険性が明らかとし,実行の着手を認めた(実質的客観説)。
[『判例ラクティス刑法Ⅰ』〔273〕(刑集24-7-585)参照]

民訴法判例1/ 最判昭45・1・23:被上告人Aと被上告人Bほか九名とはたがいに共同訴訟人の関係にあるが,#共同訴訟人の一人が提出した証拠は,その相手方に対するばかりでなく,#他の共同訴訟人とその相手方に対する関係においても証拠として認定資料に供することができるものである。#共同訴訟人間における証拠共通の原則
[LX/DB27819678(判時589-50)参照]


2018年9月19日(判例5)
刑法判例4/ 最決平13・2・9:Xは,#捜査機関に発覚する前に自己の犯罪事実を捜査機関に申告したのだから,その際に,#使用したけん銃につき虚偽の事実を述べるなどしたことが認められるとしても,刑法42条1項の自首の成立を妨げない。しかし,#Xに対し自首を理由に刑を減軽することは相当ではない。最決昭60・2・8参照。
[『判例ラクティス刑法Ⅰ〔443〕』(刑集55-1-76,刑集39-1-1)参照]

刑法判例3/ 最決平19・3・22:刑法46条は,併合罪関係の複数罪のうち1個の罪につき死刑・無期刑に処するとき,その結果科されないこととなる刑に係る罪を不問に付す趣旨でなく,#その刑を死刑・無期刑に吸収し,その罪をも処罰する趣旨。#当該1個の罪のみで死刑・無期刑相当とされる場合でなければならない訳ではない。
[LEX/DB28135140(刑集68-2-81)参照]

民法判例16/ 最判昭50・12・8:AとBが互いに金銭債権を有し,#Aが自己の債権をCに譲渡した後も,相殺と差押えに関する無制限説と同様,#弁済期の前後を問わず_Bは相殺できるか?補足意見はかかる場合,民法468条2項「通知を受けるまでに譲渡人に対して生じた事由」として,相殺を対抗できるとするが,#事例判断にとどまる。
[『判例ラクティス民法Ⅱ』〔106〕(民集29-11-1864)参照。
 民法511条の反対解釈から始まって,法定相殺について,相殺と差押えについての無制限説(最大判昭45・6・24),そして,この相殺と債権譲渡について無制限説が妥当するかに関わるこの判例(実際には,最高裁の判断はなされていないとの評価がされているようであるが。内田『民法Ⅲ』3版261頁L14)とのつながり,初めてわかったような気がしています。]

刑法判例2/ 大判昭9・10・19:窃盗目的をもって家宅に侵入し,#他人の財物に対する事実上の支配を犯すにつき密接な行為をなしたるときは,窃盗に着手したものというべし。ゆえに,窃盗犯人が家宅に侵入して金品物色のためタンスに近寄りたるがごときは,右事実上の支配を犯すにつき密接な行為であり,窃盗罪の着手あり。
[福田・大塚『刑法判例集』4版〔87〕(刑集13-1473)参照。なお,窃盗目的で土蔵に侵入しようとしよとした時に着手ありとされる(名古屋高判昭25・11・14高刑集3-4-748)。]

刑法判例1/ 最決平16・3・22:#殺害計画は,①クロロホルムを吸引させ失神させ,②車ごと海中に沈め殺すもので,①は②を確実・容易に行うため必要不可欠,①後,障害となる特段の事情なし,①②間の時間的場所的近接性などに照らすと,#両行為は密接な行為で,①に殺人に至る客観的危険性認められ殺人罪の実行の着手あり。
[『判例ラクティス刑法Ⅰ』〔267〕(刑集58-3-187)参照]


2018年9月18日(判例1)
民法判例15/ 最判昭54・7・10:相殺適状は原則,相殺の意思表示のときに現存することを要するから,#いったん相殺適状が生じていたとしても_相殺の意思表示の前に一方の債権が弁済_代物弁済_更改_相殺等の事由で消滅していた場合_相殺は許されない(民法508条はその例外)。[疑問?本件手形金債権と本件貸付金債権の違い]
[『判例ラクティス民法Ⅱ』〔145〕(民集33-5-533)参照。事案の中で,「Aに対する本件手形金債権」と「本件貸付金債権」との違いがよく分かりませんでした。まだ,債権譲渡と相殺のところがよくわかっていないからだろうと思います。勉強します。]

倒産判例5/ 東京地判平21・11・10:Xは,#支払不能後_Y銀行の本件振込先口座に15億円を誤振込みしたが,民再法93条1項2号前半の専相殺目的要件をみたさないとして,Yによる相殺が認められた。しかし,同規定は合理的相殺期待を超えた望外の利益まで容認する趣旨でなく,債権者平等の下,かかる棚ぼた的利益は正当化不可。
[『倒産判例百選』5版〔67〕136頁(判タ1320-275)-137頁参照]


2018年9月17日(判例2)
倒産判例4/ 名古屋高判平24・1・31:破産で停止条件付債務を受働債権とする相殺が広く認められのは,#破67条2項による。この規定のない民事再生では停止条件付債務にも相殺禁止規定適用。しかし,支払停止後の債務取得でも,再生債権者が支払停止を知った時より「前に生じた原因」に基づけば,相殺可(民再93条2項2号)。
[『倒産判例百選』5版〔66〕(金判1388-42)参照。「間に生じた原因」といえるかは,相殺の合理的期待が認められるかによるが,それは具体的な相殺期待を生じさせる程度に直接的なものでなければならない(『倒産判例百選』5版135頁)。]

倒産判例3/ 最判昭40・11・2:YのXに対する手形金支払請求権は,#買戻請求の意思表示により発生する債権だが,その買戻請求権は,Aが支払停止をする前である本件手形割引契約を原因として発生したものなので,その行使の結果発生した手形金支払請求権は,破72条2項2号の「#前に生じた原因」に基づき取得したものに該当。
[『倒産判例百選』5版〔65〕(民集19-8-1927)参照]


2018年9月16日(判例1)
引用ツイート/ 灯油をかぶって焼身自殺されたのか? 無念! 博士課程まで進まれてエリートなのに,活躍の場がなかったんだろう。こういう先生が生活の心配なく研究続けられる世の中であれば,どれだけ素晴らしい研究を残されただろう。 法曹にならずとも,法律学の研究がもっと重宝され,必要とされるものになって欲しい!📚
https://twitter.com/right_droit/status/1041384647316320256
// 九州大学焼身自殺した元院生の壮絶な生涯が明らかになる 中卒自衛官から憲法学のホープ、そして月収14万円借金地獄に  https://www.nishinippon.co.jp/sp/nnp/national/article/450029/ … かなり優秀な方だったんだろうな。ご冥福を祈ります
https://twitter.com/asarida/status/1041136818920411137
10:28 - 2018年9月16日

倒産判例2/ 最判昭63・10・18:破71条2項3号本文・4号は,支払の停止等後の危機時期に,破産債権者が危機時期であることを知りながら破産者に対し負担した債務を受働債権とする相殺を原則禁止。本判決は,#手形の取立委任につき,債務負担が悪意になる「#前に生じた原因」に基づく例外(2項2号)にあたる場合を判示した。
[『倒産判例百選』5版〔64〕(民集42-8-575)参照]


2018年9月15日(判例1)
倒産判例1/ 最判平17・1・17:損害保険業者Yは,B社と契約したが,Bの代表取締役Aが放火し保険金詐取。Yは,Aの不法行為損害賠償債権と,#YA間の各種保険のA破産手続開始決定以後発生の満期返戻金_解約返戻金債権と相殺。破67条2項後段の趣旨は,破産債権を自働債権とする相殺の担保的期待を保護するなどとし,相殺認容。
[『倒産判例百選』5版〔63〕(民集59-1-1)参照。とりあえず140字にまとめましたが,何がポイントかわかって理解できていません。判例もっと読んで勉強します(^^;)。手続開始前の停止条件成就(破67条2項後段。同71条1項1号参照)。]


2018年9月14日
引用ツイート/ 論点?/懲戒処分に対して抗告訴訟を提起して公開・対審の手続を受け得る一般公務員に比べて,#裁判官の身分保障(憲法78条)上問題があり,適正手続(31条)を欠かないか?裁判を受ける権利(32条),インターネット上の表現の自由(21条1項)とプライバシー(13条),裁判所法49条の「品位を辱める行状」の意義,など。
https://twitter.com/right_droit/status/1040602703569682434

// 岡ロ基ー‏ @okaguchikii
記者会見終わりました。

弁護団に加わってくれた同期のみなさんには,感謝のしようがないくらいお世話になりました。

まだ終わっていませんが,本当にありがとうございましたm(__)m

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岡口裁判官が会見「ありえないことが起きている」「戒告なら法治国家とは言えない」
https://www.bengo4.com/internet/n_8519/
22:55 - 2018年9月11日


2018年9月13日(判例6)
判例15/ 民法14/ 最大判昭45・6・24:民法511条・相殺制度の本質から,#差押後発生・取得した債権を自働債権とする相殺のみ例外的に禁止し,その限度で差押債権者の利益を保護。したがって,第三債務者は,差押後に取得した債権でないかぎり,#自働債権と受働債権の弁済期の前後を問わず_相殺適状に達すれば_差押後も相殺可。
[『判例ラクティス民法Ⅱ』〔144〕(民集24-6-587)参照。法定相殺について,最大判昭39・12・23を変更したもの。無制限説。]

判例14/ 民法13/ 最大判昭39・12・23:#反対債権の弁済期が被差押債権の弁済期より後の到来する場合_相殺をもって差押債権者に対抗できない。なぜなら,第三債務者は自己の反対債権の弁済期が到来していないから,#相殺について正当な期待があるとはいえず_誠実な債務者とはいいがたいからから。/後に判例変更されている。
[『判例ラクティス民法Ⅱ』〔143〕(民集18-10-2217)参照。本判例は,最判昭32・7・19補足意見を採用したもので,法定相殺に関する制限説(Ⅰ)だが,最大判昭45・6・24により,判例変更されている。]

判例13/ 民法12/ 最判昭32・7・19補足意見:譲渡通知当時相殺原因があり,自働債権の弁済期が受働債権の弁済期前なら,#自働債権の弁済期が譲渡通知の前後かを問わず,債務者は,弁済期の未到来の自己の債務(受働債権)を自己の債権(自働債権)で,#相殺する通常の期待_利益あるから,相殺適状生ずれば,債権譲受人に対し相殺可。
[『判例ラクティス民法Ⅱ』〔142〕(民集11-7-1297)参照]

判例12/ 民法11/ 最判平11・1・29:将来債権譲渡の目的債権は,発生原因や額等で特定要。債権発生の可能性や確実性は,債権譲渡契約の効力問題でなく,#将来の債権不発生のリスクは譲受人が引き受け,契約責任を譲渡人に追及すべし。債務者の経済活動の自由,他の債権者との関係で,特段の事情あれば,公序良俗違反となりうる。
[『判例ラクティス民法Ⅱ』〔97〕(民集53-1-151)参照]

判例11/ 民法10/ 最判平9・6・5:譲渡禁止特約ある指名債権につき,譲受人が特約の存在を知りまたは重過失により知らなかったとしても,その後,債務者が承諾した場合,債権譲渡は譲渡時にさかのぼって有効となるが(#民法116条本文参照),同条ただし書の法意に照らし,第三者の権利を害することはできない。承諾前第三者優先。
[『判例ラクティス民法Ⅱ』〔96〕(民集51-5-2053)参照]

判例10/ 民法9/ 最判昭52・3・17:譲受人が譲渡禁止特約につき悪意・重過失であっても,#債務者の承諾がなされれば_債権譲渡は譲渡時にさかのぼって有効となる。第三者対抗要件は,#当初の債権譲渡通知が確定日付を備えていればよく_改めて確定日付ある証書を要しない。特約はそもそも債務者の利益を保護するものだから。
[『判例ラクティス民法Ⅱ』〔95〕(民集31-2-308)参照]


2018年9月12日(判例5)
判例9/ 憲法1/ 最大決平10・12・1:判事補Yは,裁判所法52条1号・49条違反として裁判官分限法により処分された。#裁判官に対する懲戒は_裁判所が裁判形式で行うとされているが,実質上行政処分の性質を有する。したがって,固有の意味における司法権の作用でなく,#懲戒裁判は_純然たる訴訟事件に関する裁判に当たらない。
[『判例ラクティス憲法』増補版〔210〕(民集52-9-1761)参照]

判例8/ 民法8/ 最決平29・1・31:Xは,児童買春等処罰等法違反で罰金刑に処せられ,報道の一部がインターネット上に多数書き込まれた。Yは検索事業者。#本件事実はXのプライバシーに属する事実だが,今なお公共の利害に関する事項で,#検索結果として伝達される範囲はある程度限られているなどとして,削除請求退けられた。
[『平成29年度重要判例解説』61頁(民集71-1-63)参照]

判例7/ 民法7/ 最判平10・5・26:消費貸借契約の借主Yが貸主Xに貸付金を第三者Bに給付するよう求め,Bへ給付後,Yが契約を取り消した場合,Xからの不当利得返還請求に関し,Yは,#特段の事情なき限り,XのBへの給付により,利益を得たといえる。このような場合,YB間に事前に何らか法律上・事実上の関係があるのが通常だから。
[『判例ラクティス民法Ⅱ』〔263〕(民集52-4-985)参照]

判例6/ 民法6/ 大連判明44・3・24:詐害行為取消権:判決により,#債務者・受益者間の法律行為の取消し(形成権) ,#逸出した財産の取戻し(債権的請求権)命ぜられる。現物返還原則だが,不可能なら価格賠償。#相対的取消⇒債務者を被告とせずとも可。しかし,相対効では,債務者の責任財産への強制執行できないとの批判あり。
[『判例ラクティス民法Ⅱ』〔53〕(民録17-117)参照]

判例5/ 民法5/ 最判昭39・7・28:転貸借禁止義務違反に基づく解除のみならず,#賃料支払義務違反_用法遵守義務違反についても,信頼関係破壊の法理の適用を認めた。Yに,いまだ賃貸借の基調である相互の信頼関係を破壊するに至る程度の不誠意があると断定できないとし,Xの本件解除権行使は信義則に反し許されないとした。
[『判例ラクティス民法Ⅱ』〔218〕(民集18-6-1220)参照]

リツイート/
https://twitter.com/okaguchikii/status/1039512676152401922


2018年9月11日(判例1)
判例4/ 民法4/ 最判昭48・7・19:民法466条2項は,#債権の譲渡禁止特約は「善意の第三者」に対抗できない旨規定するが,無過失を要するかどうか不明であるところを,#重過失は悪意と同様に取り扱うべきものとして,第三者は善意・無重過失であることを要するとした。#銀行預金の譲渡禁止は周知の事柄としたが,批判もある。
[『判例ラクティス民法Ⅱ』〔94〕(民集27-7-823)参照]

 

 

2018年9月分(1日-10日)分ツイート:

2018年9月10日(3)
ノート/ 倒産法ノート (現時点でのツイートの下書き)
序論 tl.gd/n_1sqkl3d
破産財団,破産管財人,など tl.gd/n_1sqkm3e
双務契約など tl.gd/n_1sqkm3p
別除権 tl.gd/n_1sqkm47
相殺権 tl.gd/n_1sqkm4c
否認権 tl.gd/n_1sqkm4g
その他 tl.gd/n_1sqkm4j

民法100-102/ 債権総論27-29/ 729-731/ 最高裁は,将来債権の診療報酬債権を8年3か月にわたり譲渡した事案で,債権発生可能性を要件とせず,#期間の始期と終期を明確にするなどで特定すれば,有効に譲渡可とする。ただし,譲渡人の営業活動等の不当制限,他の債権者に不当な不利益を与えるなどの特段の事情ある場合,公序良俗違反で無効となりうる。

/ #特定債務者との間で生ずる将来の債権の集合は_発生の蓋然性の大きさを問題とすることなく相当将来のものまで_1つの対抗要件で譲渡可。ただし,発生可能性がまったくないなら譲渡は原始的不能といえようし,あまりに長期にわたり譲渡人の収入の大部分を譲渡するような場合,#公序良俗違反と評価されよう。
[内田『民法Ⅲ』3版216頁(最判平11・1・29民集53-1-151,最判昭43・8・2民集22-8-1558)参照。将来債権・集合債権の譲渡(確定的に債権が譲渡されている場合。担保のための債権譲渡・債権の譲渡担保の一種)]

/ 弁済が滞った時にはじめて譲渡債権から債権回収を行う,#本来の意味での担保的な債権譲渡(譲渡担保としての債権譲渡):①将来発生する集合債権の一定範囲を譲渡(対抗要件具備),譲渡人が債務不履行に陥ったときまで取立権限留保型。②譲渡合意時には対抗要件不具備の予約型ないし停止条件型集合債権譲渡。
[同書217頁,218頁,219頁(最判平13・11・22民集55-6-1056)参照]


2018年9月9日(2)
民法98,99/ 債権総論25,26/ 727,728/ 旧民法では,債権譲渡は自由で,譲渡制限特約を認めない趣旨だったとされる。現行民法典では,#譲渡禁止特約が認められ_銀行や国という強い債務者が広く用いている。
では,AのSに対する債権を,Aに対する債権者Gが差し押さえ,#転付命令を得たが_AS間の譲渡禁止特約があった場合,Gの得た転付命令の効力如何?

/ Gに特約を告げ,譲渡禁止特約を対抗し(民法466条1項ただし書),債権譲渡の実質ある転付命令の効力を封じ得るなら,#私人の意思で_差押え可能だが転付命令の効力を生じない財産を自由に作り出せることになり_執行法理念に悖る。そうならないために,差押債権者の善意・悪意問わず転付命令は有効と解すべき。
[内田『民法Ⅲ』3版211頁-213頁(大判大14・4・30民集4-209,最判昭45・4・10民集24-4-240)参照]

民法97/ 債権総論24/ 726/ ローマ法では,債権は債権者と債務者とを結ぶ法の鎖。一端を変ずるれば同一性を失うので,債権譲渡は認められなかった(更改を用いた)。しかし民法では,#債権は法的な同一性を保持しつつ譲渡可能(466条1項本文)。もっとも,①性質上の制限(同条項ただし書)、②法律上の制限,③特約による制限(466条2項)あり。
[内田『民法Ⅲ』3版210頁参照]


2018年9月8日(1)
民法96/ 債権総論23/ 725/ 民法上,債権登記簿はないから,#譲受人は_譲渡人に債権があるか_他に優先者がいないか_債務者に確かめる必要あり(登記所の代わり)。債権譲渡を債務者に知らせ債務者に情報を集めるために(情報センター),債務者への通知・債務者の承諾が対抗要件とされた。もっとも,債務者には情報を伝える法的義務なし。
[内田『民法Ⅲ』3版202頁参照]


2018年9月5日(1)
民法95/ 相続9/ 724/ ①各共同相続人は分割前,遺産全体の相続分に対応する #相続分権を第三者に譲渡可。譲受人が遺産分割に参加するが,他の共同相続人は買戻し可(905条)。②分割前,#単独で遺産に属する個々の財産権処分_債権全額の請求不可(428条不適用)。③#分割前_個々の財産権に相続分に応じた持分権_取得・単独処分可。
[ダットサン民法3親族法・相続法』3版286頁-287頁(最判昭30・5・31民集9-6-793)参照]


2018年9月3日(判例3)
判例3/ 民法3/ 最決平29・5・10:輸入業者Xは本件譲渡担保目的物である本件商品を直接占有したことはない。しかし,輸入業者から委託された海貨業者(海運貨物取扱業者)が輸入商品の受領等をし,#輸入業者が目的物を直接占有せず転売するのは一般的。Yは信用状を発行し商品に譲渡担保権を取得,占有改定で引渡しを受けた。
[『平成29年度重要判例解説』59頁(最決平29・5・10民集71-5-789)参照]

判例2/ 民法2/ 最判昭30・10・18:通常の種類債権ならば,特別の事情のない限り,履行不能とはならないが,#制限種類債権ならば_履行不能となりうる代わりに_目的物の良否は問題とならない。後者の場合,品質が悪いからといって引取りに行かなければ,受領遅滞の責を免れない。種類債権の特定につき,口頭の提供では不十分。
[『判例ラクティス 民法Ⅱ』〔3〕(最判昭30・10・18民集9-11-1642,漁業用タール事件)参照]

判例1/ 民法1/ 最判平28・12・19:動機錯誤無効(民法95条)の要件:動機の表示プラス法律行為の内容化。#動機が表示されたが法律行為の内容にはならない事例。主債務者が中小企業の実体を有する点に誤認があったことが事後的に判明しても,本件信用保証契約の効力を否定することまでXY双方が前提としていたとはいえない。
[『平成29年度重要判例解説』57頁-58頁(最判平28・12・19判時2327-21)参照]

 

2018年8月分ツイート: 25(憲法1,行政法5;倒産法1;刑法3,刑訴法15) - 140字法律学

2018年8月分ツイート: 25(憲法1,行政法5;倒産法1;刑法3,刑訴法15)

http://twpf.jp/right_droit 

2018年8月29日(4)

行訴法54/ 723/ 原子炉の安全性は,#現在の科学技術水準に照らし判断すべき。審査対象となるのはあくまで処分時における原子炉の安全性だが,その後の科学的知見で危険性が明らかになれば,処分時も安全だったとはいえない。さらに,違法判断基準時を,具体の行政過程における個別実体法の仕組みごとに考察する見解もある。
[『LEGAL QUEST行政法』3版247頁(最判平4・10・29民集46-7-1174,伊方原発訴訟)参照]

行訴法53/ 722/ 定期航空運送事業免許に対し騒音等の被害を訴える空港周辺住民が取消訴訟提起した事案で,騒音被害と無関係な違法事由(供給過剰である等)は主張不可とされた(#行訴法10条1項)。しかし,すでに供給過剰なら,付近住民が航空機騒音を受忍するいわれはないから,自己の法律上の利益に関係がないとはいえない。
[『LEGAL QUEST行政法』3版244頁(最判平元・2・17民集43-2-56,新潟空港訴訟)参照。]

行政法52/ 722/ 処分取消訴訟と,処分の審査請求を棄却した裁決の取消訴訟を提起できるとき,原則,処分取消訴訟を提起すべき(#原処分主義)。裁決取消訴訟で(原)処分の違法を主張不可(行訴法10条2項),#採決固有の瑕疵のみ主張可。法律が採決主義をとる場合,別。採決取消訴訟提起後,原処分取消訴訟も併合提起可(19条1項)。
[『LEGAL QUEST行政法』3版244頁,245頁参照。ちょっと詰め込み過ぎたかも。]

行政法51/ 711/ 処分に理由付記(提示)が必要な場合,処分時付記しなかった理由に差替え可能か。別理由を持ち出すことで処分内容が変わる場合は,不可。それ以外の場合,判例は差替えを認めるが,#恣意抑制・不服申立便宜機能を重視するなら,否定,ないし,当初の理由と同一の基礎事実に基づく場合に限り制限的に肯定すべき。
[『LEGAL QUEST行政法』3版245頁(最判塀11・11・19民集53-8-1862,逗子市住民監査請求記録公開請求事件)参照]


2018年8月27日(1)
行政法50/ 710/ 「回復すべき法律上の利益」(行訴法9条1項かっこ書)は,地方議会議員に対する除名処分取消訴訟係属中に任期満了など,#報酬請求権等の実体法上の請求権が残る場合や,処分の本来的な効果が失われても,#実体法規が付した何らかの法的効果が残る場合,肯定。名誉侵害や反復の危険が残るにすぎない場合,否定。
[『LEGAL QUEST行政法』3版238頁,239頁(最大判昭40・4・28民集19-3-721(名古屋郵政局職員免職処分取消請求事件),最判昭58・4・5判時1077-50)参照]


2018年8月23日(1)
/ 憲法/ 表現の自由の保障の根拠論 (拙いノートですが,ご参照ください。)

Read: http://tl.gd/n_1sqkq6j
21:34 - 2018年8月23日
https://twitter.com/right_droit/status/1032606919461101569

憲法81/ 人権74/ 709/ 表現行為は,自己実現に不可欠で重要な個人的価値を持ち,自由な表現行為を認めれば,#各個人は政治・文化等のあらゆる領域での社会的決定に自由に参加でき_民主的政治決定や文化面での社会的決定を有益なものにする。外国人の表現行為も,個人的社会的公共的価値があり,権利の性質上,基本的に保障される。
[木村草太『憲法の急所』2版194-195頁,なお,200頁L1-5辺り,178頁-179頁も参照。
 表現の自由の保障の根拠論と,外国人の人権に関する権利の性質うんぬんの議論とを,まとめて書いています。どちらも,表現の自由の保護範囲に入るかどうかの問題かなとも思い,そうしました。一応,自分なりに理解して記憶できるように短くしていますので,実際に書くときには,別々に書いた方がいいのだろうとも思います。
 また,この本を読んで初めて,自己統治の価値が政治的意思決定だけに関わるものではないんだということに気が付きました。これは,学説上対立があるんでしょうか,知りません。]


2018年8月15日(3)
刑訴法85/ 708/ 自動車事故の業務上過失致死傷事件で,前方不注視義務違反で殺傷したとの訴因で一時停止義務違反事実を認定できるか。
過失犯は未完結の構成要件であり,それを補充する個々の注意義務違反は,故意犯であれば行為内容(#行為態様)にも値する重要性をもつから,#過失態様の変動は原則_訴因変更要と解すべき。
[森圭司『ベーシック・ノート刑事訴訟法』新訂版(2006年)176頁(最判昭46・6・22)参照]

刑訴法83,84/ 706,707/ 共謀事実も幇助事実も訴因特定に不可欠で,(裸の事実として極めて僅かな事実の差異だとしても,)両者の違いは構成要件的評価が異なる点では(共謀共同正犯,幇助犯),実質的な食い違いといえるが,#共同正犯事実と幇助事実は包摂関係にあることから,結局食い違い認められず,訴因変更手続を経ずに縮小認定可。
[最判昭29・1・21刑集8-1-71,東京地判平2・3・19判タ729-231,浦和地判平3・3・25判タ760-261,参照]

/ 共謀共同正犯の訴因に,被告人が幇助と弁解した場合,弁解通りの認定なので,争点明確化による不意打ち防止不要(実務)。
もっとも,#幇助犯の訴因には幇助にあたる具体的事実記載を要し,「共謀の上」との訴因事実だけで,考えられるあらゆる幇助態様の予備的,黙示的主張とみるのは,訴因機能との関係で問題。
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版164頁,165頁参照(最決昭33・3・27刑集12-4-697)参照]


2018年8月1日
/ #求む(1回ごとの募集)。#民訴法or刑法or刑訴法or倒産法論文の答案手書きPDFを交換・添削してもらえる方! #1時間くらいで書ける基本問題を用意し(オリジナル問可),スケジュールの合う日時(#19日まで)にchat等し(匿名等可),相手出題の問題を解く(基本書等参照可,手書き)。PDF化し送り,数日で添削し返送。
https://twitter.com/right_droit/status/1028488635379642369
12:49 - 2018年8月12日
https://twitter.com/right_droit_2/status/1028488211901767680
12:47 - 2018年8月12日


2018年8月11日(3)
刑訴法82/ 705/ 強盗の起訴に対し恐喝を認定するごとく,裁判所が犯罪事実の態様・限度で訴因事実よりも縮小認定するのに,訴因罰条の変更手続不要。#訴因事実が認定事実を包摂する関係にあり_縮小犯罪事実は_当初から検察官が黙示的・予備的に併せ主張していたといえ,そもそも訴因の記載と異なる事実認定ではないから。
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版162頁,163頁(最判昭26・6・15刑集5-7-1277,最決平13・4・11刑集55-3-127)参照]

刑訴法80,81/ 703,704/ ①#審判対象画定の見地から,訴因の記載として罪となるべき事実の特定に不可欠でない事実は,明示の有無に関わらず,重要な・実質的な事実の食い違いとはいえない。明示された_罪となるべき事実の特定に不可欠な事実は,②#被告人の防御範囲限定の見地から_一般的・抽象的に重要なら,原則,訴因変更手続要。
[①平成13年決定の第1段階の判断枠組み。②第2段階の判断枠組みの前半部分(抽象的防御説)]

/ #争点明確化による不意打ち防止の要請から,訴因で明示された罪となるべき事実の特定に不可欠の事実も,#被告人の防御の具体的な状況等の審理の経過に照らし_被告人に不意打ちを与えるものではなく_被告人にとってより不利益であるとはいえない場合,例外的に,訴因変更手続を経ることなく心証事実認定可。
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版160頁(最決平13・4・11刑集55-3-127)参照。平成13年決定の第2段階の判断枠組みの後半部分]

@right_droit_2/ 法律論文試験用の備忘・モチベーション維持用.倒産法70,要件事実論4,民訴法32。8月12日の週の勉強計画(主に倒産法),できなくても計画だけは立てておこう。日10:30-,月火水木金8:45-,21:45-,関心のある論点や疑問点ありましたら,コメント下さい。

/ #求む(1回ごとの募集)。#民訴法or刑法or刑訴法or倒産法論文の答案手書きPDFを交換・添削してもらえる方! #1時間くらいで書ける基本問題を用意し(オリジナル問題可),スケジュールの合う日時(#来週中)にchat等し(匿名等可),相手出題の問題を解く(基本書等参照可,手書き)。PDF化し送り,数日で添削し返送。
14:07 - 2018年8月11日
https://twitter.com/right_droit/status/1028145876068270081
14:08 - 2018年8月11日
https://twitter.com/right_droit_2/status/1028146016933924864


2018年8月9日(2)
刑訴法79/ 702/ 訴因が審判対象で,訴因は罪となるべき事実の記載とすれば,訴因事実と心証事実に事実の食い違いあれば,訴因変更手続要とも言えるが,僅かな食い違いでも常に手続を要求すると煩瑣に堪えないので,訴因機能を害さない限り,手続を要せず,#事実に重要なあるいは実質的な差異が生じた場合に訴因変更手続要求。
[古江賴隆『事例演習刑事訴訟法』初版159頁参照]

倒産法71/ 破52/ 701/ ①破産手続開始後に合理的相殺期待成立→破産法上の相殺権,基礎づけず(第1ルール)。②危機時期に合理的相殺期待成立→危機時期の認識あれば,保護しない(第2ルール,偏頗行為否認同様)。③#危機時期到来以前に合理的相殺期待成立⇒合理的相殺期待を破産法上の相殺権として保護(第3ルール,別除権と同様)。
[山本和彦ほか『倒産法演習ノート』2版239頁,240頁参照]


2018年8月8日(5)
刑訴法78/ 700/ 逮捕した被疑者の身体・所持品の捜索・差押え(刑訴法220条1項2号)は,①現場状況に照らし,被疑者の名誉等を害し,抵抗による混乱,現場付近の交通を妨げるおそれのためなど,#その場でただちに実施するのに適しないときは,②#すみやかに被疑者を捜索・差押えの実施に適する最寄りの場所まで連行し,実施可。
[伊藤塾『試験対策問題集 論文 刑事訴訟法』(2009年)初版96頁参照]

刑訴法77/ 699/ 常習賭博罪で起訴され保釈中の被告人に,同一の常習賭博罪を構成する新たな賭博行為が見つかった場合も,新たな逮捕・勾留は,一罪一逮捕一拘留原則に反し,できないか。
同原則の趣旨は,不当な身柄拘束蒸し返し防止であり,#捜査機関による同時処理が不可能であった場合,不当な蒸し返しとはいえず,できる。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック刑事系』5版207頁(仙台地決昭49・5・16)参照]

刑訴法76/ 698/ 検察官が,証人がいずれ国外退去させられ公判期日等に供述不能になることを認識しながら殊更にそのような事態を利用しようとした場合,証人尋問決定されているにもかかわらず強制送還した場合等,#当該外国人の検察官面前調書の証拠請求が手続的正義の観点から公正さを欠くと認められるとき証拠能力なし。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック刑事系』5版275頁(最判平7・6・20)参照]

刑訴法75/ 697/ #所持品検査も職務質問に付随し行使可。質問に密接関連し,有効なので。任意手段だから,原則_所持人の承諾要。#犯罪の性質_容疑の程度_態度_証拠の性質等から_必要・緊急性があり_個人法益と公共の利益との権衡上_具体的状況のもとで相当な場合,承諾不要。流動する事象に対応すべき行政警察活動なので。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック刑事系』5版187頁(最判平昭53・6・20)参照。]

刑訴法74/ 696/ 行政警察活動たる職務質問では強制力行使は原則許されない。任意手段に過ぎないので(警職法2条1項3項)。もっとも,#質問の必要性の程度_対象者の対応・状況_自由制限の程度等を総合考慮し,有形力行使に必要・緊急性,相当性ある場合,必要・合理的な実力行使が許される場合あり。質問の実効性確保のため。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック刑事系』5版186頁,187頁(最決平6・9・16),等参照。]


2018年8月7日(2)
刑訴法73/ 695/ ①#審判対象の範囲画定に関する事項と異なった認定には必ず訴因変更要。②それ以外の被告人の防御に必要な事項も,争点顕在化のため,#訴因として明示された以上異なった認定に原則として訴因変更要だが,例外的に,被告人の防御の具体的状況に照らし被告人に不意打ちを与えるものでないなどの場合は不要。
[小林充『刑事訴訟法』新訂版139頁(最決平13・4・11刑集55-3-127),141頁L15(最判昭58・12・13刑集37-10-1581),参照]

刑訴法72/ 694/ 審判対象を公訴事実,訴因は法律的構成を示すものとする説は,訴因の機能を,#もっぱら被告人の防御(法律判断に関する不意打ちの防止)という手続面にあるとする。#審判対象を訴因とする説は,訴因の被告人の防御機能を否定しないが,#それは検察官の主張であってまず審判の範囲を設定するものであるとする。
[小林充『刑事訴訟法』新訂版135頁参照]


2018年8月6日(1)
刑訴法71/ 693/ 審判対象は公訴事実,訴因は法的評価(法律構成)とすれば,日時等は,法的評価に関係する場合(犯罪構成要素の場合)を除き,訴因の本質でない。審判対象は訴因,主張された現実的な刑罰権を発生させる具体的,歴史的,一回的事実とすれば,#日時等は不可欠で,できる限り厳格に特定要,その変化は原則,訴因変更要。
[森圭司『ベーシック・ノート民事訴訟法』新訂版(2006年)172頁,173頁参照]


2018年8月3日(1)
刑法総論50/ 692/ 欺罔行為を受けた被害者が詐欺かもと気づき,現金様の紙を入れた荷物を発送した後に,Xが共謀に加わり,荷物を受領した詐欺未遂事件についての行為の危険性判断も,#当該行為時_その場に置かれた一般通常人が認識し得た事情・行為者が特に認識していた事情を基礎として,当該行為の危険性の有無を判断する。
[平成29年度『重要判例解説』147頁(福岡高判平28・12・20判時2338-112)参照]


2018年8月2日
/ 28年,29年重判の判例の動き,読んでて思ったんですが,#オレオレ詐欺に対して騙されたふり作戦がとられている場合における受け子の罪って,そもそも不能犯? 詐欺未遂罪の未必の故意が認められるか? 単に荷物受領行為に関わっただけで,詐欺未遂罪の共同正犯?(承継的共同正犯?) いろいろ論点あるんですね?🤔
20:00 - 2018年8月2日 (修正)
19:54 - 2018年8月2日 (加筆)
19:42 - 2018年8月2日
https://twitter.com/right_droit/status/1024973300244443136
ps: オレオレ詐欺は,特殊詐欺,振り込め詐欺ともいう。
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/tokushu/furikome/furikome.html


2018年8月1日(2)
刑法総論49/ 691/ 中止犯(刑法43条ただし書)には,「自己の意思により」中止し既遂の現実的・客観的危険(具体的危険)が消滅したとき,褒賞として刑の必要的減免という特典を与え,被害法益の救助しようとする政策的意義あり。もっとも,特典に値する行為を行う意思(中止の認識)が必要(#意識的危険消滅説,違法・責任減少説)。
[山口『刑法総論』3版294頁,295頁参照]

刑法総論48/ 690/ 現実的・客観的危険(未遂の成立要件)は,①#結果が発生しなかった原因を科学的に解明,②これによる,#結果をもたらしたはずの仮定的事実の存在可能性を_一般人の事後的な危険感,ありえたことだと一般人が考えるかの基準を用い判断。もっとも,具体的な被害法益に対する現実的な危険の発生なければ不能犯
[山口『刑法総論』3版290頁,291頁参照]

 

right-droit.hatenablog.com

2018年7月分ツイート: 28(商法12,民訴法9,要件事実3;刑法4)

http://twpf.jp/right_droit 

2018年7月分ツイート(21-30): 11(民訴法6,要件事実1;刑法4)
2018年7月30日(1)

刑法総論47/ 689/ 未遂犯成立に必要な危険は,#既遂犯の構成要件的結果を惹起する現実的・客観的危険かつ具体的危険。未遂犯は,既遂の具体的危険を結果とする一種の具体的危険犯(危険惹起を明文で要求する犯罪)。#行為者の法益侵害結果惹起行為を行おうとする行為意思を考慮(主観的違法要素,例:拳銃の引き金を引く意思)。
[山口『刑法総論』3版285頁,47頁L14,参照]


2018年7月23日(3)
民訴法111,112/ 687,688/ 債務不履行に関し,債務者の主張なくとも,裁判所が職権で過失相殺(民法418条)できるが,債権者に過失があった事実(評価根拠事実)は,#債務者が立証責任を負う(判例)。この判例によると,#当該具体的事実の主張なくとも,法律上の主張なくとも,#証拠上認定できれば,裁判所の職権で過失相殺できることになる。
[『民事訴訟法講義案』再訂補訂版(最判昭43・12・24民集22-13-3454)126頁参照]

/ しかしながら,債権者の過失は,債務不履行による損害賠償義務があることを前提に,減額のための要件(#抗弁)であるから,損害額算定の裁量性から直ちに弁論主義を排除することは正当化できない。法律上の主張を要しないと解せるとしても,#その基礎づけ事実は主張を要すると解すべきで,当事者に確認すべき。
[藤田『講義 民事訴訟』2版52頁,『民事訴訟法講義案』再訂補訂版126頁,参照]

刑法各論31/ 686/ 詐欺罪(刑法246条)は,移転罪・交付罪。#瑕疵ある意思に基づく占有の移転要。成立には,①#人を欺く行為(欺罔行為)による②#錯誤の惹起,③#錯誤に基づいた交付行為,交付行為による④#物・利益の移転という⑤#一連の因果関係をたどる必要あり。財物のみならず,財産上の利益も客体で,#個別財産に対する罪。
[山口『刑法各論』2版244頁,250頁参照。なお,2項詐欺罪には全体財産に対する罪も含まれているとするのは,団藤教授,大塚仁教授,詐欺罪を含め財産犯すべて全体財産に対すると解するのは,林幹人教授とのこと(同書244頁参照)。]

2018年7月22日(4)
メモ/ 『民事訴訟判例百選』5版97事件(最判平20・7・17民集62-7-1994)の漢字を調べました。鹿児島県西之表市(#にしのおもてし)塰泊(#あまどまり)集落,塰泊集落の特に水辺に近い一帯を、塰泊浦集落と呼ぶのかもしれません。なお,西表島は「#いりおもてじま」です。
https://twitter.com/right_droit_2/status/1021048971433668608

刑法各論30/ 685/ #堕胎致死傷罪は胎児と母親の区別が前提なので,胎児を母親の一部とすべきでない。母親以外の者による胎児傷害が,#本来堕胎罪として不可罰なのに,傷害罪で罰するのも不当。母体への傷害を出生後の人への傷害と流用するのも,#法益主体の差異を構成要件上重要視しない抽象的法定的符号説で(錯誤論),不当。
[山口『刑法各論』2版26頁(最決昭63・2・29刑集42-2-314)参照。判例は,胎児性水俣病についての事案であり,業務上過失致死罪の成立を肯定するものであるが,山口教授の論理の方がしっくり行く。しかし,論理的にはいいとしても,具体的なすわりの面で,不可罰ということでいいのか,悩むところである。]

刑法各論29/ 684/ 胎児は,堕胎罪で独立の行為客体とされる場合を除き,母体の一部を構成するから,胎児に病変を発生させることは,#人である母体の一部につき,人に病変を発生させること。胎児が出生し人となった後,病変に起因し死亡した場合,#人に病変を発生させ人に死の結果をもたらしたことに帰し,業務上過失致死罪成立。
[最決昭63・2・29刑集42-2-314(『刑法判例百選Ⅱ各論』7版〔3〕)参照]

民訴法109.110/ 682,683/ 和解調書の既判力? 肯定説は,#民訴法267条の文言や和解の判決代用機能を重視し,和解に意思表示等の瑕疵ある場合,再審事由(338条1項2号3号5号)相当のときに,再審の訴えでのみ和解調書取消しを許す。否定説は,#和解の判決とは異なる自主的紛争解決方式性を重視,かつ瑕疵による当事者の不都合除去を志向。

/ 中間説である制限的既判力説は,#訴訟上の和解に既判力が認められるが_その和解に実体法上の要件が欠けるとき_すなわち実体法上の無効・取消原因があるときには_和解は無効であり,既判力は生じないとする。既判力の文言を無視せず,他方で,和解をめぐる瑕疵について当事者の不利益を回避しうる点で妥当。
[森圭司『ベーシック・ノート民事訴訟法』新訂版(2006年)238頁参照]


2018年7月21日(3)
要件事実17/ 681/ 「#過失」のような規範的評価に係る抽象的概念を法律要件とする規範的要件は,#規範的評価を根拠付ける具体的事実(評価根拠事実)を,間接事実とするのではなく,規範的評価自体は_具体的事実が当該規範的要件に該当するかの法的判断であり主要事実ではなく,#評価根拠事実を主要事実とすべき(主要事実説)。
[『新問題研究 要件事実』141頁参照]

民訴法108/ 680/ 一段目の推定を破る事情として,①#印章の紛失_盗難_盗用,②#他人に預託していた印章が冒用された,③文書が作成されていること自体が不自然(#作成日に重病で入院中など),等。二段目の推定を破る事情として,①本人/代理人が白紙に署名/押印したところ,他人が悪用して文書作成,②#文書作成後の改ざん,等。
[『ステップアップ民事事実認定』72頁参照,二段の推定を破る反証事実について]

民訴法107/ 679/ #特定の事件が特定の裁判所で判決手続で審理されている状態を訴訟係属といい,訴訟要件具備を要しないので,訴訟無能力者による訴えや管轄違いの訴えでも生じる。裁判所への訴状提出時には,原告と裁判所間に訴状受理関係が生じるだけ。#訴状の被告への送達時に,被告にも訴訟関与状態が生じ訴訟係属発生。
[森圭司『ベーシック・ノート民事訴訟法』新訂版(2006年)98頁参照]

 

2018年7月分ツイート(1日-20日): 17 (会社法12,民訴法3,要件事実2)

2018年7月分ツイート(11日-20日): 5 (民訴法3,要件事実2)

2018年7月20日(3)
民訴法106/ 678/ 本人の印章を他人が勝手に使用することは通常あり得ないので(経験則),私文書の作成名義人の印影が同人の印章によるときは,反証なき限り,#当該印影は本人の意思に基づき顕出されたものと事実上推定され(一段目の推定),当該文書は,全体が真正に成立したものと推定される(民訴法228条4項,#二段目の推定)。
[『ステップアップ民事事実認定』72頁(最判昭39・5・12民集18-4-597など)参照,二段の推定]

民訴法105/ 677/ 形成権行使は既判力により遮断されるか。取消・解除等よりも重要な無効の主張さえ確定判決で遮断されるので,均衡上,これらの形成権主張も遮断される。相殺権行使は別異に解すべき。#相殺は取消権等のように権利に付着する瑕疵の主張ではなく,全く別な債権による相殺の可能性まで遮断すべきでないから。
[森圭司『ベーシック・ノート民事訴訟法』新訂版(2006年)269頁,270頁,R62②,参照]

/ 変更) ツイッター・ボットの登録上限700に近くなりつつありますので、#民訴法と要件事実論のツイートを,第2アカウント https://twitter.com/right_droit_2 に随時移動させようと思います。ご了解下さい。
15:07 - 2018年7月20日
https://twitter.com/right_droit/status/1020188523410812928

民訴法104/ 676/ 確定判決は,#主文に包含されるものに限り既判力を有する(民訴法114条1項)。①当事者が攻撃防御対象として判決を求めているのは,#訴訟物たる権利関係の存否なので,その意思を尊重すべき,②前提問題たる権利関係や事実主張につき,#既判力を及ぼすことを正当化するだけの手続保障があるとはいえないため。
[森圭司『ベーシック・ノート民事訴訟法』新訂版(2006年)262頁参照]


2018年7月18日(2)
要件事実15,16/ 674,675/ 主要事実とは,#権利の発生・障害・阻止・消滅という法律効果を判断するのに直接必要な要件事実。訴訟上の請求・訴訟物たる権利関係は,実体法上の法律効果で基礎づけられ,#法律効果の発生はその要件事実の欠けることのない存在を要するので,訴訟上の主張・立証責任も要件事実の存在について考えるべき。

/ 実体規定は,①#権利の発生要件を定めた権利根拠規定,②#権利発生の障害を定めた権利障害規定,③その行使を一時的に阻止する要件を定めた権利阻止規定,④#権利の消滅要件を定めた権利消滅規定に分類でき,当事者はそれぞれ自己に有利な法律効果の発生要件事実につき主張立証責任を負う(法律要件分類説)。
[森圭司『ベーシック・ノート民事訴訟法』新訂版(2006年)147頁参照]

 

 

2018年7月分ツイート(1日-10日): 12 (会社法12)

2018年7月9日
/She is a #heroine of a new era to change #Japan! It's cool!
#JusticeForShiori #FightWithShiori to protect human rights!
https://www.youtube.com/watch?v=G0vpvcTjh0s
1:22 - 2018年7月10日
https://twitter.com/right_droit/status/1016356960986230784
https://www.youtube.com/watch?v=uV1y8ud1ns8

2018年7月8日(1)
会社法116/ 673/ 退職慰労金は,#取締役の在職中の職務執行の対価として支給される限り,「報酬」に含まれる。使用人兼務取締役の使用人分給与は,#使用人の給与体系が確立しており_使用人分は別に支払う旨を明示すれば,含まれない。ストック・オプション(インセンティブ報酬としての新株予約券)も,「報酬等」に含まれる。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック』6版278頁(最判昭39・12・11,最判昭60・3・26)参照]


2018年7月6日(4)
/ 憲法は過去に国家権力がやってきた失敗を繰り返さないよう それを禁じるルール。国の理想を書いたものではなく国家権力を制限するためのもの。
https://twitter.com/kuu19660622/status/1015217990118268929

会社法115/ 672/ 取締役会決議を経ていない重要取引の無効(会社法362条4項違反),を主張できるのは原則,当該会社のみ。同規定は,#業務執行の意思決定を慎重にし会社利益保護を図るものだから。もっとも,#取締役会が既に無効の主張をする旨の決議をしているなど特段の事情ある場合,会社以外の者も,当該決議無効を主張可。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック』6版273頁(最判平21・4・17)参照]

会社法114/ 671/ 財産売却が,重要財産の処分(会社法362条4項1号)にあたるかは,#当該財産の価額_総資産に占める割合_そもそもの保有目的_処分行為態様_従来の取扱い等の事情を総合考慮し判断。多額の借財(2号)かも,#当該借財額_総資産・経常利益等に占める割合_借財の目的・方法_従来の取扱い等の事情を総合考慮し判断。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック』6版272頁,273頁(最判平6・1・20)参照]

会社法113/ 670/ 取締役会は,①#重要財産の処分・譲受け,②#多額の借財,③重要な使用人の選・解任,④重要な組織の設置・変更等,⑤社債募集,⑥#内部統制システム(企業集団含む)概要,⑦#定款に基づく取締役等の責任の一部免除,⑧その他の重要な業務執行の決定(会社法362条4項)は,専横防止等の理由から,取締役に委任不可。
[『LEGAL QUEST会社法』3版180頁参照]

会社法112/ 669/ 取締役会は各取締役が招集するのが原則だが,定款・取締役会決議で特定の取締役を招集権者と定め得る(会社法366条1項)。#その場合も_他の取締役は目的事項を示して招集を請求でき_一定の場合_自ら招集可(2項3項)。2項の場合以外通常,取締役会で様々な事項の付議が当然予想されるべきで,通知に議題不要。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック』6版272頁,『LEGAL QUEST会社法』3版183頁L 11,144頁L2(議題=目的となる事項),参照]

 

2018年7月5日(2)
会社法110,111/ 667,668/ 役員・会計監査人・執行役は,善良な管理者の注意をもって(#注意義務,善管注意義務,会社法330条,402条3項,民法644条),取締役と執行役は,法令・定款・株主総会決議を遵守し,会社のため忠実に(#忠実義務,355条,419条2項),職務を行わねばならない。判例によれば,#後者は前者を敷衍して一層明確にしたもの。
[『LEGAL QUEST会社法』3版217頁(最大判昭45・6・24民集24-6-625)参照]

/ 職務を行うにあたって注意を尽くすべき場合を注意義務(duty of care),#会社と取締役等の利益衝突場面で取締役等が自己の利益を図ってはならない場合を忠実義務(duty of loyalty)と,用語上使い分けはできるが,#忠実義務は_善管義務を敷衍して一層明確にしたにとどまり,別個の高度な異質の義務ではない。
[『LEGAL QUEST会社法』3版217頁参照]


2018年7月3日(2)
会社法108,109/ 665,666/ #権利行使者につき一定の日(基準日(会社法124条),効力発生日(180条2項2号)等)を定めたときは,振替機関(㈱ほふり)は会社に,当該の日の振替口座簿記載株主の氏名(名称)・住所,保有株式の種類・数等を通知要(振替法151条1項,#総株主通知)。株主名簿に記載・記録され(152条1項),株主の権利行使可能となる。

/ 少数株主権等を行使しようとするときは,自己が口座を有する口座管理機関(証券会社等)を通じ振替機関に申し出,保有振替株式の種類・数等を会社に通知してもらう(振替法154条3項-5項,#個別株主通知)。当該株主は株主名簿の記載・記録に関わらず(1項,#対抗要件),通知後4週間内に少数株主権等行使可(2項)。
[『LEGAL QUEST会社法』3版117頁,118頁(最判平22・12・7民集64-8-2003。なお,最決平24・3・28民集66-5-2344)参照]


2018年7月2日(2)
会社法106,107/ 663,664/ 会社は,#株主名簿を本店(株主名簿管理人ある場合,その営業所)に備え置き(会社法125条1項),株主・債権者・親会社社員の閲覧等請求に供する(同条2項~5項)。一定の拒絶事由に該当する場合(総会屋による利益供与要求を拒絶されたことへの報復としての閲覧等請求など)を除き,請求を拒絶できない(同条3項)。

/ 総会屋株主が,利益供与要求拒絶の報復として閲覧等請求する場合,権利確保・行使に関する調査以外の目的(会社法125条3項1号)または株主の共同利益を害する目的(2号)として,#会社は拒絶可。
敵対的買収株主が,#公開買付け・委任状勧誘目的で請求する場合,権利確保・行使に関する調査目的あり,#拒絶不可。
[『LEGAL QUEST会社法』3版114頁]


2018年7月1日(1)
会社法105/ 662/ 平成16年商法改正で,会社は定款で定めれば株券を発行しなくてよいとされたが,会社法(17年)はさらに,#会社は定款で定めた場合のみ_株券を発行するものとした(214条)。また,上場会社では,「社債,株式等の振替に関する法律」(振替法,21年)により株券を廃止し,#振替制度で上場株式譲渡を行うことになった。
[『LEGAL QUEST会社法』3版103頁,115頁参照]

/ 1週間、リーガルクエス会社法と、百選読もうっと!
14:23 - 2018年7月1日
https://twitter.com/right_droit/status/1013291914047598592

 

right-droit.hatenablog.com

2018年6月分ツイート: 16(憲法3,行政法5; 民法4,民訴法1; 倒産法3)

http://twpf.jp/right_droit 

2018年6月29日(2)

民法93,94/ 債権総論21,22/ 660,661/ 使用者と使用者に代わって監督する者とがともに被用者の他人に加えた損害全部の賠償義務を負うような場合(民法715条)、両者の債務内容は同一で,#一方の弁済により他方も債務を免れるので,連帯債務の法律関係に似ているが,,#両債務者間には共同目的のための主観的連結がなく,不真正連帯債務と呼ばれる。

/ #不真正連帯債務は,債権者が債務者の一人に対し,または同時もしくは順次に総債務者に対して,全部または一部の履行を請求しうる点で連帯債務と同一だが,一人の債務者について生じた事由は,#弁済その他債権の満足(弁済に準じるもの)#のほかは_相対的効力である点で(消滅時効,免除),#連帯債務とは異なる。
[ダットサン民法Ⅱ』3版(2009年)〔40〕124頁(消滅時効につき大判昭12・6・30民集16-1285。免除につき最判昭57・3・4判時1042-87。最判平6・11・24判時1514-82。ただし最判平10・9・10民集52-6-1494)参照]

/ #求む(単発の募集)#民法論文の答案手書きPDFを交換・添削してもらえる方募集! 総則,物権,担物から,1時間くらいで書ける量の問題を探し(オリジナル問題可),スケジュールの合う日時(#今週金~日)にZoom等で意見交換し,相手出題の問題を解く(基本書等参照可,手書き)。PDF化し送り,2日内くらいで添削返送。
19:00 - 2018年6月20日
https://twitter.com/right_droit/status/1009375413825441792
/ 意見・情報交換15分~30分,答案作成,問題に合わせ1時間くらい,併せて2時間以内ほど。
メリット:①#論文答案を書く機会を作れる,②自分の関心のある問題を探し,その添削なので,勉強の焦点を絞れる,③#相手出題の問題を解くので_新鮮,④基本書等参照することで,あいまい不正確な記憶に留まらなくて済む。
/ 投票有難うございます。毎週,#お互いに問題を探し相手に出題し_相手の問題を手書きで書くゼミをリアルでしていますが,同じようなゼミを,ウエブ上でできたら,#書く機会を増やせると思い,募集しています。
何が出題されるかわからないので,書けないこともあります(^^;)。
ご検討よろしくお願い致します。

民法92/ 総則14/ 659/ 詐欺による意思表示は取り消しうる(民法96条1項)。詐欺とは欺罔行為により他人を錯誤に陥れる違法行為。その他人がこの錯誤により意思表示すれば詐欺による意思表示。#意思表示の内容の重要な部分(要素)でなくてよい。欺罔行為で動機に錯誤が生じたときも,動機の表示にかかわらず,詐欺による意思表示。
[ダットサン民法Ⅰ』3版(2008年)〔92〕157頁参照]


2018年6月18日(1)
民法91/ 総則13/ 658/ 委任イコール代理と考えず,#代理は契約関係と別個独立の制度と考えれば,代理権は代理権を発生させようとする本人・代理人間の法律行為(#授権行為)で成立と説明可。代理あるところに常に委任がなければならないと擬制する要なし。授権行為は,理論上,委任契約そのものではなく,#一種の無名契約と解する。
[ダットサン民法Ⅰ』3版(2008年)〔99〕173頁,174頁参照]


2018年6月13日(1)
行政法49/ 657/ 行政行為の内容決定時に考慮要の事項を考慮せず判断⇒,#要考慮事項遺脱の瑕疵,逆に考慮すべきでない事項を考慮し判断⇒,#他事考慮の瑕疵,違法(形式的考慮事項審査)。重視されるべき事項・要素を不当に軽視,逆に過大評価すべきでない事項・要素を加重評価⇒,#考慮不尽の瑕疵,違法(実質的考慮事項審査)。
[『LEGAL QUEST行政法』3版113頁(最判昭48・9・14民集27-8-925,最判平8・3・8民集50-3-469,最判平18・2・7民集60-2-401(呉市学校使用施設許可不許可事件),最判平19・12・7民集61-9-3290,東京高判昭48・7・13行集24-6=7-533(日光太郎杉事件))参照。判断過程の統制法理]

/ #求む)#行政法論文の答案手書きPDFを交換・添削してもらえる方募集! 行政法全範囲から,#1時間くらいで書ける量の問題を各自選び(オリジナル,1行問題も可),スケジュールの合う日時(#今週金~日)にZoom等で意見交換し,相手出題の問題を解く(基本書等参照可,手書き)。PDF化し送り,2日内くらいで添削返送。
https://twitter.com/right_droit/status/1006930368669204480


2018年6月12日(1)
行政法48/ 656/ 「重大な損害を生ずるおそれ」(行訴法37条の4第1項)があると認められるためには,処分により生ずるおそれのある損害が,#処分後に取消訴訟等を提起し執行停止決定を受けるなどで容易に救済を受けられるものでなく,処分前に差止めを命ずる方法によるのでなければ救済を受けるのが困難なものであること要。
[最判平24・2・9民集66-2-183(『行政判例百選Ⅱ』6版〔214〕),R27②Q1,参照]


2018年6月11日(3)
行政法46,47/ 654,655/ 行政立法は,行政機関が行政の組織・活動に関し一般的・抽象的法規範を定立すること。 #法規命令と行政規則がある。前者は,#国民の権利義務を規律する法規たる性質を有する行政法規で,法律の授権要(執行命令,委任命令)。後者は,#法規たる性質を有しない行政法規。外部的効力がないので,法律の授権不要。
[『論文基本問題 行政法120選』2版46頁]

/ 行政規則は,法規たる性質を有しない行政法規。行政機関内部でのみ効力を有す。#告示や訓令・通達などの形式が多い。内容の観点から,①組織に関する定め,②特別の関係をもつ者に関する定め(公務員関係など),③行政機関の行動基準(#解釈基準・裁量基準,給付規則,行政指導指針)に関する定めに分けられる。
[『論文基本問題 行政法120選』2版46頁,『LEGAL QUEST行政法』3版60頁,参照]

行政法45/ 653/ 行政活動は,基本的に議会制定法たる法律や条例に基づき行われるが,行政機関自ら,法をより具体化する一般的定めを定立する場合あり(#行政基準,広義の行政立法)。①一般私人(国民,住民)の権利義務に関係する #法規たる性質を有する法規命令(狭義の行政立法),②#もっぱら行政組織内部で作用する行政規則。
[『LEGAL QUEST行政法』3版53頁,54頁参照]


2018年6月8日(2)
倒産法69,70/ 50,51/ 651,652/ 破2条11項の「債務者が,支払能力を欠く」とは,#財産_信用_労務のいずれによっても債務支払能力がないこと,「一般的」とは,#弁済できない債務が債務者の債務の全部または大部分を占めること,「継続的」とは,#一時的に支払が不可能であっても_直ちに回復する場合は支払不能にはならないこと,を意味する。

/ 「債務のうち弁済期にあるもの」(破2条11項)については,#弁済期未到来の債務を将来弁済できないことが確実に予想されても_弁済期の到来している債務を現在支払っている限りは_支払不能にはあたらないことを意味する。なぜなら,支払不能は弁済期の到来した債務の支払可能性を問題とする概念であるから。
[『倒産判例百選』5版〔25〕53頁解説,倒産法判例: 東京地裁平19・3・29金判1279-48,参照]


2018年6月7日(2)
憲法79,80/ 人権72,73/ 649,650/ 健康で文化的な最低限度の生活は,極めて抽象的・相対的概念で,#保護基準(生活保護法8条1項)の不利益変更で,現実の生活条件を無視し著しく低い基準設定するなど,憲法25条・法の趣旨・目的に反する危険を常に内包。#既にされた保護決定(法24条3項等)の不利益変更禁止(法56条)は,そうした事態回避の担保。

/ 保護基準変更の具体的内容のみならず,変更の要否,内容の検討過程・経過措置を含む実施過程も総合し,基準不利益変更に「正当な理由」があったか判断されるべき(#判断過程統制)。その限度で,法56条(#保護実施機関による保護決定の不利益変更禁止)は,#厚生労働大臣による保護基準(法8条1項)変更にも適要。
[東京地判平20・6・26判時2014-48(『判例プラクティス憲法』増補版〔227〕)参照]


2018年6月5日(2)
倒産法68/ 破49/ 648/ 債権質の設定者は,#質権者の同意あるなど_特段の事情なき限り_当該債権の債務者破産を申立て不可。質権設定者は,原則その債権を取り立て得ず,#質権者が専ら取立権を有するが(民法366条),債務者破産で,破産手続以外の債権取立てが不能となる(破100条)など,質権者の取立権行使に重大な影響を及ぼすから。
[最判平11・4・16民集53-4-740『倒産判例百選』5版26頁,参照]

憲法78/ 人権71/ 647/ ①#憲法25条から個人の具体的権利は直接導出されない。しかし,②25条は.個人の権利(主観的権利)として.#最低生活等の基礎的生活保障に一定水準を要求しており(抽象的権利),立法や行政措置で段階的に実現要。③#段階的実現の各過程に_憲法の要請にもとる措置が講ぜられれば_裁判所は_違憲・違法判断可。
[尾形健「生存権ーー「権利であることはどういうことだろう?」」法学教室452号(2018年5月)28頁,29頁(⇔高橋和之教授の判例の理解によると,憲法25条は,具体的権利でも,主観的権利(個人の権利)でもないとし(①),また,判例が一定の場合に裁量権の逸脱・濫用を認めた部分(②③)は,主観的権利についての側面ではなく,客観法(国家に対する禁止ないし制限)の側面である,ということになるようである。この文献を読んだ限りでのまとめなので,高橋教授の本を読んでみないと,このまとめでよいのか,私としては断定できません。
 そもそも,主観的権利と客観法(規範)の理解が,私にはまだ足りません。ですので,とりあえずのノートです。)参照。生存権の法的性格と立法・行政裁量の統制とのつながり(同書26頁参照)]

17:55 - 2018年6月5日
/ #一回ごとの募集です。勉強スケジュールに合えば,お問合せ下さい。用意して来られた問題にどういう記述が期待されるかなど,ご説明頂いた後に(1時間くらい),相手の問題を解きます(手書き,1時間くらい)。基本書等参照可ですが,#問題の事案は初見となりますので_解き甲斐があると思います。どの説でも可。
https://twitter.com/right_droit/status/1003923271740342272

2018年6月3日(1)
2:36 - 2018年6月4日
/ #求む)今週は,#憲法論文の答案手書きPDFを交換・添削してもらえる方募集! 内容:各自4~5日かけ,#憲法全範囲から_1時間くらいで書ける分量の問題を探し,スケジュールの合う日時に(金~日),#問題交換し,Zoom等で若干意見交換した後,相手の問題を解き(基本書等参照可,手書き),PDFにして1~2時間後に送る。
https://twitter.com/right_droit/status/1003329544001019904

民訴法103/ 646/ 当事者間で争いのない事実,自白した要件事実は,弁論主義下,#証拠で認定不要(第3原則参照。証明不要,民訴法179条),#自白事実に反する認定不可(裁判所拘束,第2原則)。自白成立なら,①刑事上罰すべき他人の行為で自白,②相手方の同意あり,③自白内容が反真実,かつ,錯誤のとき除き,#撤回不可(当事者拘束)。
[『新問題研究 要件事実』13頁,『民事訴訟法講義案』再訂補訂版182頁,183頁,121頁,参照]

 

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刑訴法/ 接見交通権 (刑訴法39条, 80条・81条)

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◯接見後その内容を捜査機関に報告させることの適法性,「立会人なくして」(刑訴法39条1項)の意義

[・接見後その内容を捜査機関に報告させることは違法。

 なぜなら、刑訴法39条1項が被告人らが弁護人と立会人なくして接見することができると規定しているのは、被告人が弁護人から有効・適切な援助を受ける上では、被告人が弁護人に必要・十分な情報を提供し、弁護人から被告人に適切な助言をするなど自由な意思疎通が捜査機関に知られることなくなされることが必要不可欠だからであるが、接見内容が捜査機関に知られることになれば、被告人と弁護人の情報伝達が差し控えられるという萎縮的効果が生じ、被告人が実質的かつ効果的な弁護人の援助を受けられなくなるからである。

 そうすると、「立会人なくして」(刑訴法39条1項)とは、接見に際して捜査機関が立ち会わなければ、これで足りるとするというにとどまらず、およそ接見内容について捜査機関は知ることができないとの接見内容の秘密を保障したものといえる。]

 

刑訴法68,69/ 627,628/ #接見後その内容を捜査機関に報告させるのは違法。刑訴法39条1項が被告人らが弁護人と立会人なしの接見を認めるのは,#被告人が弁護人から有効・適切な援助を受ける上で,被告人と弁護人との自由な意思疎通が必要不可欠であり,#接見内容が捜査機関に知られると_情報伝達に萎縮的効果が生じるからである。

[接見内容を捜査機関に報告させることの違法性]

  

/ 立会人なしの接見により,被告人に実質的かつ効果的な弁護人の援助を受けさせる必要あり立会人なくして(刑訴法39条1項)とは,接見に際し捜査機関が立ち会わなければ,これで足りるとするというにとどまらず,#およそ接見内容について捜査機関は知ることができないとの接見内容の秘密を保障したもの。

[辰巳『趣旨・規範ハンドブック』5版228頁(鹿児島地判平20・3・24)参照。「立会人なくして」(刑訴法39条1項)の意義]

  

◯「捜査のために必要があるとき」(刑訴法39条3項)

刑訴法7/ 捜査7/ 25 接見交通権の保障は、憲法の保障する弁護人依頼権(34条前段)黙秘権(38条1項)等の被疑者の防御権を実質的に確保する上で不可欠なものであるから、「捜査のため必要があるとき」(#刑訴法39条3項)とは、限定的に解釈すべきであり、捜査の中断による支障が顕著な場合をいうと解する

[辰巳『趣旨・規範ハンドブック』5版229頁(最大判平11・3・24)参照。「捜査のため必要があるとき」(刑訴法39条3項)とは]

 

刑訴法8/ 捜査8/ 26 捜査の中断による支障が顕著な場合であったかの判断においては、①接見指定の必要現に取調中であったり間近い取調べの確実な予定があったか等)、②接見指定の相当(方法の合理性、迅速かつ円滑な接見交通が害されたか等、被疑者の防御権への配慮があったといえるか)が考慮される。#刑訴法 

[辰巳『趣旨・規範ハンドブック』5版230頁参照。捜査の中断による支障が顕著な場合にあたるかの判断における考慮事由]

 

◯弁護人との協議,初回の接見

刑訴法9/ 捜査9/ 27/  捜査機関は弁護人と協議してできる限り速やかな接見等のための日時等を指定し、被疑者が弁護人等と防御の準備ができるようにしなければならない(#刑訴法39条3項ただし書)。特に、初回の接見の場合、比較的短時間でも、即時または近接した時点で接見を認めるべきである。

[辰巳『趣旨・規範ハンドブック』5版230頁(最判平12・6・13)参照。弁護人との協議が必要で,初回接見については特に配慮要]

 

 

◯要望ある場合の,いわゆる面会接見ができるよう特別の配慮をする義務

刑訴法10/ 捜査10/ 28/  弁護人等と被疑者との立会人なしの接見でも、被疑者の逃亡や罪証隠滅を防止でき、戒護等の支障が生じない設備ある部屋等が存在しない場合、接見申出を拒否しても、原則違法ではない。しかし、いわゆる面会接見ができるよう特別の配慮をする義務を怠った場合、違法となる。#刑訴法

[辰巳『趣旨・規範ハンドブック』5版230頁,231頁(最判平17・4・19)参照。いわゆる面会接見]

 

◯余罪捜査を理由とする接見指定

[・余罪捜査を理由とする接見指定については、余罪につき身柄拘束がされていない場合には認められない。なぜなら、「身体の拘束を受けている」(刑訴法39条1項)ことが前提であり、かつ、逮捕・勾留の効力は令状に記載されている事実についてのみ及ぶからである(事件単位の原則)。

 もっとも、余罪についても身柄拘束を受けている場合には、被告事件についての防御権の不当な制限にわたらない限り(同条3項ただし書)、余罪捜査を理由とする接見指定も許されると解する。余罪捜査の必要性と接見交通権の高い優越性をともに考慮する必要があるからである。]

 

刑訴法70/ 629/ 余罪捜査を理由とする接見指定は,余罪につき身柄拘束なき場合,不可。「#身体の拘束を受けている」(刑訴法39条1項)が前提で,逮捕・勾留の効力は令状記載事実にのみ及ぶから。

余罪につき身柄拘束ある場合,#被告事件の防御権の不当制限にわたらない限り(3項ただし書),余罪捜査を理由とする接見指定も

[辰巳『趣旨・規範ハンドブック』5版231頁(最決昭41・7・26,最決昭55・4・28)参照。余罪捜査を理由とする接見指定の可否]

 

 

◯弁護人以外の者との接見、書類・物の授受(刑訴法80条)

刑訴法27/ 捜査14/ 318/ 勾留され、あるいは勾引状により刑事施設に留置されている被告人は、法令の範囲内で、#弁護人以外の者と接見し、書類・物の授受ができる(刑訴法80条)。勾留されている被疑者(207条1項による準用)、鑑定留置中の被告人(167条5項)も同様。接見禁止(81条)、接見立会いなど制約あり。

[寺崎『刑事訴訟法』3版207頁,等参照。法的判断枠組み(条文知識)]

 

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憲法/ いわゆる三段階審査について

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国家からの自由

[・表現の自由、通信の秘密、住居の不可侵、居住・移転の自由などの、国家からの自由の保障にとって重要なのは、原則としての自由と例外としての制限という、原則-例外の関係である。]

 

憲法73,74/ 人権69,70/ 625,626/ 表現の自由,通信の秘密,住居の不可侵,居住・移転の自由などの,#国家からの自由の保障にとり重要なのは,原則としての自由と例外としての制限(原則-例外の関係)である。#権利が国家に不作為を要求する,(防御権)の論証では,三段階審査という手順が用いられる。#三段階審査は_原則・例外関係を前提とする。

[小山『「憲法上の権利」の作法12頁』新版12頁,10頁参照。いわゆる三段階審査基準について]

 

憲法上の権利に関わる論証のひな形

[・憲法上の権利に関わる論証は、権利が国家に不作為を要求するのか、作為を要求するのかによって異なる。前者(防御権)の論証においては、いわゆる三段階審査という手順が用いられる。

 三段階審査は、原則-例外関係を前提としている。自由が原則であり、制限は例外的にのみ許される(憲法上正当化できない限り、自由の制限は違憲である)という理解から、三段階審査は①ある憲法上の権利が、具体的に何を保障するのか(保護範囲)、②法律および国家の具体的措置が、その保護領域に制約を加えているのか(制限)、③その制限は憲法上、正当化しうるのか、という順で審査する。]

 

/ #自由が原則_制限は例外的にのみ許される(憲法上正当化できない限り,自由の制限は違憲)という理解から,三段階審査は①ある憲法上の権利が,#具体的に何を保障するか(保護範囲),②#法律_国家の具体的措置が_その保護領域に制約を加えているか(制限),③その制限は憲法上,#正当化しうるか,という順で審査。

[小山『「憲法上の権利」の作法12頁』新版10頁参照。国家からの自由(防御権)に対する具体的制限についての違憲審査の手順]

 

◯実質的観点からの正当化

[・Q: 公共施設の管理者が,施設・備品等の破損を防止するためにビデオカメラによる監視を行うことができるという法律上の規定に基づきビデオカメラによる監視を行う場合、撮影対象者の自己情報コントロール権(憲法13条)に対する規制の目的が正当なとき、その手段は実質的観点から正当化できるか。

A: まず、ビデオカメラによる監視という手段は、立法目的の達成のための効果的な手段か(手段の適合性・合理性)、審査する。カメラ設置により犯罪が減少すれば、効果的な手段だと認められるが、撮影対象者(侵害者?)が隣のベンチに移るだけなら、犯罪予防に役立たず、監視は違憲となりうる。

 さらに、警察官による巡回という、より緩やかな手段によって、犯罪予防という立法目的を同じように達成できるのであれば、監視は違憲である。なぜなら、選択された手段には、必要性がないためである(手段の必要性)。

 最後に、きわめて軽微な秩序違反を防止するために監視という重大な制限が加えられるとしたら、制限によって得られる利益と失われる利益の均衡を失し、違憲となる(狭義の比例性・均衡性)。]

 

人権56,57/ 512,513/ 公共施設管理者が,備品等破損防止のためビデオカメラ監視可とする法令に基づき行う場合,自己情報コントロール権(憲法13条)へのこの規制の目的が正当なら,手段は実質的に正当か。

カメラ設置により犯罪減少すれば効果的だが(#手段の合理性),隣のベンチに移るだけなら犯罪予防に役立たず違憲となりうる。

 

/ →警察官による巡回という,より緩やかな手段で犯罪予防(立法)目的を同じように達成できるなら,違憲。選択された手段に必要性がないため(#手段の必要性)。きわめて軽微な秩序違反防止のため監視という重大な制限が加えられるなら,制限によって得られる利益と失われる利益の均衡を失し,違憲(#比例原則)

[小山『「憲法上の権利」の作法』新版16頁,14頁参照。事実の分析・評価例]

 

[1.  以前は,以下(↓)のように考えていました。下記タテ1『1、』部分が法的三段論法の大前提(法的判断枠組み)で,起承転結の承の部分と考えていました。

 しかし、『起』の部分で,ある憲法上の権利が具体的に何を保障しており(保護範囲),法律ないし国家の具体的措置が,その保護領域に制約を加えているか(制限),分析・検討し,『承』の部分で,その制限を正当化しうるか,合憲または違憲審査基準を定立すべき,と考えます。

 すなわち,法的判断枠組みに関する知識(保護範囲,制限の部分)は,問題的部分(起)でも使える,と気が付きました。

2. あるいは,場合によっては,保護範囲または制限の部分が,当該問題解決のためのポイントであれが,その部分に関する知識が,大前提部分(承)の論証とすべき場合もある,と思います。]

 

○三段階審査

人権32/ 328/ 0、①いかなる権利?

1、#保護範囲、②憲法上保障されているか③人権共有主体性、④保障されているとしても何らかの制約原理(実質的公平の原理、パターナリスティックな制約、裁判の公正、等)、⑤合憲・違憲審査基準。

2、#制限の有無の認定。⑤の基準による審査(#正当化)。

3、結論。

[村田浩一『憲法合格答案の書き方』14頁~18頁、辰巳『趣旨・規範ハンドブック』公法系5版5頁、木村『憲法の急所』2版9頁、11頁等、参照。法的判断枠組み(憲法試験論文の構成)。

 憲法論文の答案構成例。いくつかさらっと読んで見ましたが、それでも書き方よくわかりません。一応の暫定的なものです。ドイツ流の三段階審査を、いざ法的三段論法にあわせて書く場合、こんな感じになるのかな~と思って、まとめました。

 タテ0が問題提起。

 タテ1の部分が大前提たる法的判断枠組み(定義、規範等)の構築の部分にあたり、この部分は基本書等で獲得する知識であり、スマートに、コンパクトに書く。

 タテ2が、小前提たるあてはめ、事実の分析、評価部分。事実のピックアップ間違いなきように、また、その評価も、他人が納得できるように説得的に、ていねいに書く。

 そして、タテ3、結論。

 特に③人権共有主体性が問題となる場合には、この部分にも、規範定立要だろう。]

 

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